ウルトラマンX

登録日:2015/12/17 Thu 19:53:02
更新日:2023/11/15 Wed 21:03:37
所要時間:約 24 分で読めます






「行くぞ、今すぐユナイトだ!」

新たな物語が起動(ユナイト)する



『ウルトラマンX』とは、2015年7月14日から『新ウルトラマン列伝』内で放映されていた円谷プロ製作の特撮ドラマ作品。全22話+総集編3話。
2016年3月には劇場版が公開された。


OPテーマ:「ウルトラマンX」 歌:ボイジャー feat.大空大地
EDテーマ:「Unite ~君とつながるために~」 歌:ボイジャー

●目次

【概要】

ウルトラヒーローとしては41番目、『ウルトラマン列伝』内で放送される新規作品としては6作目、新作長編3作目のシリーズ。

前2作から引き続き登場する「スパークドールズ」と、新たなアイテム「サイバーカード」を中心に、
近未来的なデザインのガジェットや、演出の各所でこれでもかと言うほどに画面を走る光のラインなど、
サイバーチックな世界観を前面に押し出したハードSFな作風が特徴。
オムニバス色が強く、ニュージェネシリーズでは唯一シリーズ通してのメインヴィラン(いわゆる「ジャグジャグ枠」)が存在しない。

前作から更に進化を続ける、今も昔も最先端を行き続ける特撮技術もまた見所の一つ。
特に、エピソード毎でそれぞれ違う見せ方をされるエックスの決め技「ザナディウム光線」の演出は秀逸。誰が呼んだか「ザナディウム大喜利」とも。


【スタッフ】

本作のメイン監督には『ウルトラゾーン』や『ウルトラマンギンガS』で高評価を得た新進気鋭の若手監督、田口清隆氏が選ばれ、
その他にアクション面に定評のある坂本浩一氏や『ネクサス』や『ギンガ』でメイン監督だったアベユーイチ氏、
田口氏の紹介でウルトラマンには初参加となった辻本貴則氏、シリーズの助監督を勤めて本作で監督デビューとなった冨田卓氏が参加している。

脚本陣は主に前作からの継続+αとなっているがシリーズ構成が4人もいたり、
全22話なのに参加人数が10名となかなか大所帯なのは特徴的である。
シリーズ構成はギンガSにも参加した小林雄次氏、中野貴雄氏、小林弘利氏、黒沢久子氏が勤め、
パワーアップ回である12話を担当した内田裕基氏は本作が脚本デビューとなった。

音楽は前2作に続いて小西貴雄氏。今作では田口氏の要請でワンダバを復活させるなどウルトラシリーズらしい音楽にまとめあげている。
またそれ繋がりでギンガシリーズのBGMが一部使われたり、ウルトラマンマックスやウルトラマンネクサス客演時は、
ウルトラ10勇士』のメドレーBGMである「激闘!ウルトラ10勇士!!」からBGMが使用されている*1


【あらすじ】

突如発生した「ウルトラフレア」の影響によって、地球の各地でスパークドールズ達が目覚めてから15年。
怪獣災害に対応するため創設された「特捜チーム Xio」に所属する一人の青年、大空大地と未知なる巨人、エックスとの出会いから、新たな物語が起動する。


【主な登場人物】


Xio 特捜チーム

  • 大空 大地
演:高橋健介
Xioのラボチームと特捜班に所属する、怪獣との共存方法を模索している心優しい青年。20歳。
ウルトラフレアの影響で消えた両親の残したゴモラのスパークドールズと、
宇宙から降る電波を音に変換して観測する電波受信機を大切に所持し続けている。

研究職だけあって基本的には冷静だが、いざと言うときにはかなりの熱さや度胸も見せる。
ただ頭が良く色々な事が出来る分、「自分がやらなければいけない」と思ってしまい一人で無理をしがちな所があり、よくそこを心配されている。
そしてそんな真面目すぎる性格のためか、初戦闘の際にまず高所恐怖症を心配したり、
TVクルーに変身の瞬間を見られそうになって物凄い無理やりごまかしたりと、テンパりすぎてテンションが変な方向に吹っ飛んでいく事もしばしば。

ラボのメンバーとしては主にスパークドールズとサイバー怪獣の研究を、
特捜班としてはその研究で培われた知識を活かして怪獣の分析を担当する。
第1話にて熔鉄怪獣 デマーガが出現した際、謎の声と共に現れたエックスと一体化<ユナイト>し、
以降は怪獣との共存という夢を叶える為、エックスと共にウルトラマンとして戦っていくことになる。

前述の高所恐怖症のため、航空機であるスカイマスケッティやスペースマスケッティの操縦ができない。

  • 山瀬 アスナ
演:坂ノ上茜
本作のヒロイン。 19→20歳。そしてツンデレ
強気な性格だが根は優しい。美脚。
序盤は大地に何かとキツい態度を取る事が多く、彼から「アスナ」と呼び捨てされるのを嫌がったり、彼の『太平風土記』による情報も「役に立たない」と一蹴したりしていたが、
彼が行方不明になった際にはちゃんと心配するなど心底嫌っていたわけではなく、第3話を境に良好な関係へと変化していく。
子供の頃、父に言われてやっていた剣道の試合で好きだった男の子に完勝、泣かせてしまったことがあり、
その時の経験から「女の子が普通でいられない世界は間違っている」と考え任務の時にもおしゃれは欠かさない。

Xioの隊員としては、主にジオポルトス/ランドマスケッティの操縦や、大地が前線に出る際の護衛を担当する。
また女子ながら格闘戦の技術にも長けていて、(特にエロ監督坂本監督の担当回で)異星人と生身で戦うこともある。
サイバーゴモラの実体化技術が確立されてからは、そちらと共に戦う事も多くなった。

演者は本作が女優デビュー作であり、ワタルより3歳年上(放送開始当時)で、ハヤトの人との実年齢差は7歳ほどある。

  • 風間 ワタル
演:細田善彦
不器用だが熱く正義感の強い青年。24歳。
高校時代はラグビーの日本代表として活躍していて、現在でもXioのラグビーチームに所属しているスポーツマン。
その為か、ここ一番の時にはよく「トラーイ!」と叫ぶ。
そんな熱さとは裏腹に、恋愛物の映画を好むという意外な一面も。

Xioでは、高い射撃の技術を活かしてジオアトス/スカイマスケッティの射撃手や、
ジオアラミス/スペースマスケッティの操縦、ウルトライザーを用いた地上からの攻撃等を担当。


  • 貴島 ハヤト
演:松本享恭
クールでストイックな性格をした青年。24歳。
ワタルとは同期で、戦闘の際にはバディを組む相棒であり、時にぶつかり合いながら切磋琢磨するライバルでもある。

Xioでは主にジオアトス/スカイマスケッティの操縦を担当。
操縦士としては非常に優秀で、怪獣の攻撃を受けこそしても撃墜されることは少ない。
……のだが、そのコンスタントに仕事をこなせる優秀さが災いしてか目立つことが少なく、どこか空気気味。
作中でXioがテレビ番組に出演した際に台詞の少なさを愚痴っていた時も、「いつものことでしょ」と一蹴されてしまった。

演者はハヤトより4歳年下(放送開始当時)で、大地の人よりわずかに誕生日が遅い。後に闇医者の仮面ライダーを演じることに。

  • 神木 正太郎
演:神尾佑
厳しくも優しい、Xio特捜チームの隊長。 48歳。
敵を倒すのではなく理解する、という強い信念を持った人物。
そのせいで正義のことになると話が長くなっちゃうのはご愛嬌。
基本真面目で冷静沈着だが、その分ギャグ回になると盛大にキャラが壊れる。「愛、ですかね(ドヤァ……」
不安に直面すると、左胸の下辺りに手を当てて押さえる癖がある*2

なお、Xioに所属する前は航空自衛隊のエースパイロットだった。
また宇宙人の尋問のプロという一面も持ち、「ホトケの神木」の異名を持つ人情派。
既婚者でもう成人している娘もいるが、とある理由から疎遠になってしまっている。

ちなみに演者はかつて平成ライダーラスボスヒロインの父親だった人。

  • 橘 さゆり
演:月船さらら
Xioの副隊長にして、作戦の立案などを担当するブレーン。
元レスキュー隊員という経歴を持ち、任務においては人的被害を出さないことを最優先として行動する。
結婚しており二人の子供もいるが、怪獣の脅威を考え夫と共にカナダに移住させている。
放任主義的な神木隊長の分も若い隊員たちに厳しく接する。要するにチームのかーちゃんである。

なお年齢は。公式サイトにも載ってません。
後に超全集やBlu-ray-BOX、DVD-BOXの封入特典であるブックレットにおいて(40歳)だと判明した。

当初は主役回の予定が全く無かったのだがそれもどうかと考えられた結果、とんでもない役割を与えられることに。

  • 山岸 タケル 演:TAKERU
  • 松戸 チアキ 演:瀬下千晶
Xioのオペレーター。出番は非常に少なく、まともに出てきたのは21,22話くらいしかない。
22話で神木隊長と共にウルトライザーで援護に来るシーンにも台詞が用意されていたが、カットされた。
田口清隆監督「タケル、チアキ、本当にごめんね…ごめん…」
演者はOPやEDを歌うボイジャーの二人である。
裏設定では、タケルは料理が得意で小動物をこよなく愛するという一面を持っている。
チアキはタケルとは趣味の音楽で意気投合し、プライベートでも兄のように慕っている。アスナとも仲が良い。

どちらも職務に忠実で、Xioメンバーからの信頼も厚い。


Xio ラボチーム

  • 高田 ルイ
演:百川晴香
若くしてラボチームに所属する天才少女で、あだ名はルイルイ。18歳。かわいい。
了解したときの「がってんてん」といった口癖や、強化形態となったエックスを見て「超デコってる」と称する独特なセンスの持ち主。
しかしその技術力は本物で、あのナックル星人にも認められるほど。
ナックル星人バンデロの「強いものが生き残る」と言った発言にも啖呵を切り返すなど、芯の強い一面もある。

「力の強い者が勝つとは限らないよ。たとえ弱くても、命は色々な方法で生きていこうとする。
可能性を信じて努力していく者が最後には勝つんだもん! 力こそ全てなんて、そんなの子どもみたい!!」

『ウルトラマンX超全集』のXio隊員裏設定では「若干10歳でMITに入学」「優秀すぎる頭脳のため孤立していた」、
「生み出した技術を私利私欲の戦争のために利用する人類に絶望していた」と今の姿では想像できないヘビーな半生が記されている。
Xioに所属することで宇宙の技術や怪獣達への対策任務に触れて希望を取り戻し、そのまま日本のカワイイ文化に染まって今のようになったとか。
メタ的には「オーディションで説明長台詞をきちんと言えたのが百川氏しかいなかったため、
せっかくなので彼女の素のキャラに合わせてこうなったが、もともとは無感情な性格だった」とのこと。

ちなみに怪獣の中ではエレキングがお気に入りで、エレちゃんと呼び溺愛している。
ウルトラマンの中ではゼロが好みで、ゼロ様と呼ぶ。

  • 三日月 マモル
演:原田隼人
ラボチームに所属する科学者。「○○っしょ」という語尾が口癖。
滅多なことでは感情を荒げないらしいが、あんまりそんなことはない気がする。

他のラボメンバーに隠れて目立たない事も多いが、彼も相当に優秀な研究者である。
ルイをXioにスカウトしたのも彼で、また科学者同士ということもあって大地とは気が合う様子。

新兵器を使う際には自信満々に勝ち誇り、盛大にフラグを立てる

  • ファントン星人グルマン博士
演:松本保典
研究者としてXioに協力している宇宙人。ファントン星人らしく健啖家で、特に甘いもの好き。
Xioが運用しているメカニックの数々は、彼のおかげで実用化された物が多い。

無論異星人である彼の存在はXioのトップシークレット
――のはずなのだが、本人は意に介さずに基地内を歩きまわっている。
劇中のTV番組にも普通に映っている他、Xio基地内の見学コースにも「グルマン博士に会える」というものがあり、
公然の秘密を通り越してすっかり世間の皆さんのおなじみとなっている模様。

若さゆえか先走ることも多い大地らラボチームの面々を大人として諭すこともある、博識かつ聡明な人物。
エックスの正体が大地であることにも比較的早い段階から気付いてはいたが、
大地のことを考えてか本人にも伝えずに、必要なところでそれとなくサポートを入れるに留めている。

ウルトラマンメビウス』に登場したファントン星人はグルマン博士の時代には「ファントン星の食糧危機を救った英雄」であるらしい。

Xの宇宙とメビウスのM78世界は別の宇宙に存在するはずなのだが、
ウルトラマンゼロのことを噂で知っている、初代ウルトラマンに酷似したウルトライザーを開発するなど、M78ワールドのことについて妙に詳しい*3
なお、『メビウス』に登場したファントン星人は宇宙語しか話せなかったが、グルマン博士は実に流暢かつ渋い声で日本語を話す。


【登場ウルトラマン】

本作では(少々ずれた言い方をすれば)平成版ウルトラマンメビウスと言う感じで平成ウルトラマン達が客演している。
これは「歴代ウルトラヒーローの魅力を紹介し続けてきた「新ウルトラマン列伝」という番組の枠で放送する作品であるならば、
そのヒーローたちの活躍をちりばめたい、しかもあえて平成平成ウルトラヒーローたちをキャスティングして、
若い世代のファンがより楽しんでもらえるような作品を目指したいと考えた」からとのこと。
ゲストウルトラマンは「客演が少ないネクサスとマックス」「前番組のギンガとビクトリー」「列伝の初代ナビゲーターであるゼロ」という人選。

ちなみにメインである田口監督は劇場版を担当するため、あえて客演回では監督していない。


演:中村悠一
大地と共に戦う、超然としつつも変なところで繊細かつ天然気味な我らのヒーロー。詳細については項目参照。

演:宮野真守
第5話 「イージス 光る時」に登場。地味にTVシリーズには初客演。
様々な宇宙を渡りながら怪獣を兵器として売り歩くナックル星人バンデロを追って、大地達の前に現れる。
初めは大地とエックスの事を新人だとして甘く見ていたが、それでも諦めなかった姿を見て共闘、その実力を認めた。
バンデロの撃破後は、各宇宙のウルトラマン達にエックスの事を話して回っていたらしい。

演:青山草太
第8話「狙われたX」に登場。同じくTVシリーズ初客演。
エックス達の宇宙に現れたとある怪獣を追い、共に戦った友トウマ・カイトの姿を借りて登場。
エックスが圧倒されていたゼットンを相手に互角以上の立ち回りを見せ、
一時3対1の状況になりながらも最後までパワータイマーは鳴らない、と最強の称号に恥じない強さを見せた。

演:宇治清高
第13話「勝利への剣」、第14話「光る大空、つながる大地」に登場。
雫ヶ丘を襲ったモルド・スペクターに捕まり、彼らに連れて来られる形でエックス達の宇宙にやって来た。
喋れない様口にはマスクが付けられていたのを、「地底人だから言葉が通じない」と大地が勘違いした時は酷く微妙な顔をしていた。
戦い方のなっていない大地を見かねて、エクスラッガーを使いこなさせる為に木刀を使って稽古を付ける。
「俺はゼロより厳しい」と言ってましたが、命の危険が無い分大分優しかったです。
大地が怪獣との共存という夢を語った時には、自分とシェパードンの事を例に出しその背中を押した。

演:根岸拓哉
ショウと同じく第13話「勝利への剣」、第14話「光る大空、つながる大地」で登場。
モルド・スペクターに連れ去られたショウとアリサを追い、彼らの開けた次元の穴を通って、
(道中すれちがったグア軍団を単独で殲滅しつつ)モルドと戦うエックスとビクトリーの前に現れた。

手負いかつ3vs1とは言えモルドを圧倒し(主にギンガスパークランスでモルドの剣斧のリーチ外から突っついていた)、
戦いの合間には怪獣との共存を目指す大地には自分の思いを語るとともに、その夢を実現した先輩であるムサシコスモスや、セブンの話をして激励するなど、
すっかり先輩ウルトラマンとなった風格を見せる。演者は今作登場ウルトラマン変身者の中では最年少だけど

ちなみにそのシーンは放送後の列伝において「ウルトラマン達の共闘」「武器を使うウルトラマン」などの解説において毎度のように参考映像として流されており、
「またモルド兄上がボコられておられるぞ!」と風物詩が如くネタにされていた。

なお公式サイトでエックスとは対照的に多くは語らないと書かれているように、今回もギンガは喋らない。
ギンガがエックスと会話したのは列伝での最終回である。

14話「光る大空、つながる大地」でギンガとビクトリーが合体したウルトラマン。
劇場版での初登場から3度目の登場。
エクシードXと共にグア・スペクターをウルトラリンチで倒した。

第20話「絆 -Unite-」に登場。TVシリーズ初客演。
大地にとある言葉を伝えるため、次元を越えてやって来る。
彼が登場する20話は、ネクサスの設定が上手く利用された、驚きの展開となった。
ネクサスで初めて特撮を撮ったアベユーイチ監督が、当時の阿部雄一名義に戻す程に気合いを入れ、
こだわり抜いて再現されたネクサスの戦いぶりもまた必見である。


【Xioの装備・メカニック】


隊員の携行装備

  • ジオデバイザー
サイバーカードやスパークドールズ、下記の特殊車両の起動キーの読み取りに、
鳴き声などから怪獣の感情を分析する「ガオディクション」など、様々な機能を有した携帯デバイス。
サイバー怪獣を実体化しての戦いにおいては、隊員の意志を怪獣に伝える役割も果たす。
テレビ電話やメール、カメラにインターネットなど、通常の携帯端末としての利用も可能な優れ物。
普段は隊員服の腰に提げて装備される。

通常の物は銀色だが、大地が使用している物は、エックスが入った影響で金色の「エクスデバイザー」に変化している。
ちなみにエックス曰く、居心地は悪くないらしい。
エックスの視界は通信用インカメに依存しているらしく、デバイザーがひっくり返るとエックスは何も見えなくなってパニックになる
さらに身動きも取れないので、元に戻してもらうには誰かにお願いするしか無い残念仕様。

  • ジオスーツ
赤と黒を基調としたジオの隊員服。
耐温や生命維持機能もついた万能スーツ。
戦闘の際には、状況に応じジオメットやジオタクティカルベストといった装備を追加で着用する。
ちなみに田口監督のこだわりで、服の材質は従来の防衛チーム(大怪獣バトルのZAP SPACYを除く)と変えてある。
なお、これでも相変わらず夏は暑くて冬は寒い仕様で、ヒカル役の根岸拓哉氏には「ジャージみたい」と言われた。

  • ジオブラスター
Xio隊員が地上での任務の際に用いる光線銃。
通常の光線銃としての他に、拘束を目的としたパラライザーモードでの使用も可能。

  • ウルトラブースター
ウルトラマンの光線に着想を得て開発された、ジオブラスター用の拡張アタッチメント。
ウルトラマンの顔と両腕を模したパーツで構成され、ジオブラスターと接続することで
左腕にあたるパーツが展開して右に倒れ、ウルトライザーモードとなる。
エックスの姿を見て作られたはずだが、形といい音といいどっからどう見ても元ネタはマン兄さんあの技である。

そんな見た目だけあってか威力は凄まじく、地上からでも巨大な敵を撃破することすら可能なほどだが、
その威力の分反動も途轍もなく大きく、訓練を積んだXioの隊員でなければまともに扱うことは出来ない。
ちなみに前作の登場人物で射撃の名手であるUPGのアリサ隊員も劇中で使用した。

  • ジオバズーカ
歩兵用の大型バズーカ砲。
ウルトライザーと同じく地上からの攻撃に使用される。
デバイザーを介してサイバーカードの力を使うことが可能。
劇場版では三大ウルトラマン・トリプルマスケッティと三体の閻魔獣の戦いの際にアスナがバズーカ抱えた生身で大暴れしていた。

特殊車両

  • ジオマスケッティ
自動操縦により無人で飛行する航空機形可変ユニット。
下記の通りそれぞれの特殊車両に応じた戦闘形態に変形・合体することができ、
更にその形態では操縦席のデバイザーにサイバーカードを読み込ませることで、カードに込められた怪獣の力を使用することも可能。
日本支部には当初1機しか配備されていなかったが、最終話にて2号機が登場。
劇場版では量産型が3機配備され、マスケッティ3機での集団戦が可能となっている。

基本的にはパイロットとガンナーの2人乗りだが1人での操縦・戦闘も可能。
その際パイロットは車両の運転席、ガンナーは助手席に乗る。

  • ジオアトス/スカイマスケッティ
ハッチバック型の赤い特捜車両。ベース車両は日産 リーフ。
ジオマスケッティとの合体前後における移動のため、ジオアトス単独の状態でも飛行することができる。
ルーフ上部にはレーザー砲「アトスレーザー」が装備されている。
ジオマスケッティとの合体形態・スカイマスケッティはマッハ3という超高速で飛行し、両翼に搭載された「ファントン光子砲」によって攻撃する。

  • ジオポルトス/ランドマスケッティ
ウルトラシリーズでは初となる、トラック型の黄色い特捜車両。ベース車両は日産 e-NT400テストトラック。
任務ではその積載量を活かし、人員や物資の輸送用としても活躍する。
ジオマスケッティと合体することでホバー戦車・ランドマスケッティとなり、
主兵装である「ファントンレールキャノン」によって地上からの攻撃を行うほか、照明弾などの通常兵器も搭載されている。

  • ジオアラミス/スペースマスケッティ
ワゴン型の青い特捜車両。ベース車両は日産 e-NV200。
ルーフの上部に搭載された二連装レーザー砲「アラミスレーザー」による射撃を行う。
ジオマスケッティと合体すれば、宇宙用の形態・スペースマスケッティとなる。主兵装はファントニックレーザー。
なおこの形態のみ当初は存在せず、第4話にてアラミスがアップグレードされたことで運用可能となった。
宇宙での活動が可能なため、見た目はワゴン車ながら気密はしっかりしているものと思われる。
宇宙空間専用というわけではなく、大気圏内での空中戦も可能。
劇場版ではルイによって操縦され、不慣れな操縦ながらも追加兵装の綿菓子光線でザイゴーグの口を塞ぎ、ベムスタールイルイシールドでゴーグアントラーの放った光線を防いで大活躍した。

ちなみにアトス・ポルトス・アラミスという名前は、三銃士として有名な、ダルタニャン物語に登場する銃士の名前が元ネタ。
その辺りから考えると、ジオマスケッティの名前も銃士が武器として使うマスケット銃からだろうか。

  • フリーダム
Xio USAが保有する戦艦。
見た目は機首を90度倒して翼を半開きにし、上下ひっくり返したジオマスケッティ。
武装は対艦誘導弾、対艦ミサイル、大陸間弾道ミサイル「ペルセウス」等。
第21話で太平洋上に展開しグリーザを迎撃したが、かすり傷ひとつ付けられずにグリーザビームで焼き払われ全滅してしまった。

本放送時には特に詳細な言及はされず、2023年7月に発売された『講談社MOOK ウルトラメカ大全』で正式名称が判明した。

元々田口監督が玩具をいじっていて偶然出来た形態だが、CGモデルには玩具にない砲座パーツが追加されているため、無改造での再現は出来ない。

【各エピソード及び登場怪獣・宇宙人】

太字で表記されてる名前は今作が初登場となる新規怪獣・宇宙人である。
また、リンクのあるエピソードの詳細についてはリンク先も参照。
エンディング後は大地&エックスが今週の怪獣およびサイバーカードを紹介するミニコーナー「大地の怪獣ラボ」が放送された。

話数 タイトル 登場怪獣・宇宙人 脚本 監督
第1話 星空の声 熔鉄怪獣 デマーガ
ベムラー
アボラス
バニラ
ペギラ
マグラー
ペスター
謎の発光生命体
小林雄次 田口清隆
第2話 可能性のかたまり 火山怪鳥バードン 小林弘利
第3話 夜を呼ぶ歌 地底女
地底怪獣テレスドン
中野貴雄
第4話 オール・フォー・ワン 宇宙怪獣ベムスター
凶悪宇宙人ザラブ星人
黒沢久子 坂本浩一
第5話 イージス 光る時 用心棒怪獣ブラックキング
用心棒怪獣ブラックキング ドリルカスタム
暗殺宇宙人ナックル星人バンデロ
中野貴雄
第6話 星の記憶を持つ男 亡命宇宙人 ゴールド星人tE・rU
メカ守護獣 ルディアン
石化魔獣 ガーゴルゴン
小林弘利 辻本貴則
第7話 星を越えた誓い 小林雄次
第8話 狙われたX 宇宙恐竜 ゼットン
高速宇宙人スラン星人クワイラ
林壮太郎 アベユーイチ
第9話 われら星雲! 暗殺宇宙人ナックル星人ナクリ
宇宙海人バルキー星人イカリ
異次元宇宙人イカルス星人ハルキ
サメクジラ
ババルウ星人
ダダ
ゼットン星人
ケムール人
アクマニヤ星人
中野貴雄
第10話 怪獣は動かない 不動怪獣 ホオリンガ 柳井祥緒 冨田卓
第11話 未知なる友人 宇宙ロボットキングジョー
電脳怪獣 サイバーゴモラ
小林雄次
第12話 虹の行く先 熔鉄怪獣 デマーガ
熔鉄怪獣 ツルギデマーガ
ザラガス
電脳怪獣 サイバーゴモラ
幻影宇宙女王 ギナ・スペクター
マグマ星人
シャプレー星人
内田裕基 坂本浩一
第13話 勝利への剣 幻影宇宙大王 モルド・スペクター
幻影宇宙女王 ギナ・スペクター
マグマ星人
シャプレー星人
サイバーゴモラ
メカゴモラ
マーキンド星人
幻影合身大魔帝 グア・スペクター
三好昭央
第14話 光る大空、繋がる大地 林壮太郎
第15話 戦士の背中 古代怪獣ゴジラゴメス
電脳怪獣 サイバーゴモラ
黒沢久子 田口清隆
第16話 激撮!Xio密着24時 ケムール人
ダダ
セミ女
深海怪獣グビラ
中野貴雄
第17話 ともだちは怪獣 友好珍獣ピグモン
海獣キングゲスラ
勝冶京子 辻本貴則
第18話 ワタルの恋 宇宙化猫 ムー
どくろ怪獣 レッドキング
EXレッドキング
彗星怪獣 ドラコ
黒沢久子
第19話 共に生きる 人工生命 M1号
古代怪獣ゴモラ
EXゴモラ
三浦有為子 アベユーイチ
第20話 絆 -Unite- インセクトタイプビースト バグバズンブルード
ベムラー
小林弘利 阿部雄一
第21話 美しき終焉 虚空怪獣 グリーザ
電脳怪獣 サイバーゴモラ
EXゴモラ
EXレッドキング
ツルギデマーガ
田口清隆
第22話 虹の大地 小林雄次


【用語】


Xio(ジオ)

Xeno invasion outcutters = 未知なる外敵からの防衛戦闘部隊。
ウルトラフレアの影響によりスパークドールズから目覚めた怪獣達の脅威に対抗する為、
UNVER(アンバー)(Ultimate Noxious event Versus Earth Ranger=究極の有害事象に対抗する地球レンジャー)によって設立された防衛部隊。
大地が所属する日本支部以外にも各国に存在し、スパークドールズから蘇った怪獣たちの攻撃・保護や、
地球にやって来る侵略宇宙人に関する事件の捜査等、怪獣・宇宙人に関する事柄を一手に引き受けている。
なお宇宙人に対しては逮捕権も持っており、取り調べなども行っている。
戦闘要員はレギュラーメンバーしか描かれていないが、それ以外のスタッフも多く在籍している。
田口監督担当回で顕著で、特に最大のギャグ回である16話では普段のXioの活動がよくわかる。

設立以来長きに渡り怪獣や宇宙人と戦ってきたため、戦闘力は歴代防衛隊の中でもかなり高い。
ウルトラマンエックスに対しても頼り切ったり利用したりというよりは外部協力者同士という接し方に近い。
ぶっちゃけよほどの強敵でなければXioだけでも撃退・殺傷は可能(エックスがいたからこそスパークドールズに封じることができている)。

スパークドールズ

地球の各地に眠っていた、人形の形をしたオーパーツ。
ウルトラフレアの影響により不安定な状態となり、各地で実体化し怪獣が暴れる被害を起こしている。
また休眠しているスパークドールズの状態でも強いエネルギーを持ち、それを手に入れる為異星人が襲来する事もある。
Xioでは怪獣の撃破や元の状態への封印だけでなく、その逆となる怪獣の実体化も研究されているが、まだ完成には至っていない。

ちなみに日本の怪獣出現率は地球全体の内およそ20%を占め、他の地域との差はなんと84倍にも達している。
これは日本海溝に大量のスパークドールズが眠っているため。
流石は怪獣大国といったところだろうか。

サイバーカード、サイバー怪獣

スパークドールズのデータを研究して作られた、怪獣やウルトラマン達の力を内包したカード。ジオデバイザーに読み込ませて使う。
Xioの特捜マシンに使用すれば怪獣の力を持った攻撃を行う事ができ、エックスとユナイトした大地が使えばモンスアーマーとしてエックスに装備される。
サイバー怪獣の実体化技術も、スパークドールズの実体化と同じく研究されていたものの中々成功していなかったが、
第11話にてようやくサイバーゴモラの実体化(リアライズ)に成功。以降は実戦投入も行われるようになる。
しかし脳波によって怪獣を制御する技術である分、実体化している怪獣がダメージを受けるとコントロールを行う人物にそのまま衝撃が返ってくる上、
そうでなくとも使用にはかなりの体力を消耗し、長時間の実体化は大きな負担となる諸刃の剣でもある。

ウルトラフレア

15年前地球を覆った謎の太陽フレア。
エックスが、長らく追っていた謎の発光生命体を倒す為に、太陽に突き落とした事が原因となって発生した。
これの影響により、地球各地では紫色のオーロラが観測、更にそれに伴い眠っていたスパークドールズが次々と覚醒しているほか、
地球をかばう為に間近で直撃を受けたエックスは、肉体を失いデータの存在になってしまうほどの重篤なダメージを受けている。

宇宙電波研究所

大地の両親が働いていた研究施設。
宇宙から降る電波の解析や、多次元宇宙理論等を研究していたが、
15年前のウルトラフレアの際、紫の光に飲み込まれるようにして中にいた人々諸共建物が消失。
跡地は更地となったままだが、その座標は他の宇宙とつながる特異点のようになっているらしい。

ダークサンダーエナジー

第12話で突如として発生した、宇宙から降る謎の黒い稲妻。
これを浴びた怪獣は目が赤く発光して凶暴化し、肉体もより凶悪なものへと変化する*4
更に浴びせた相手をスパークドールズにするザナディウム光線が効かなくなる。
効くようにするにはエックスがウルトラマンエクシードXにパワーアップして、究極技「エクシードエクスラッシュ」を使い元の姿に戻す必要がある。
また逆にエックスにとっては毒のようなものであるらしく、浴びると体が分解されてしまう。

謎の発光生命体

15年前にエックスが倒した、紫色に光る謎の球状生物。
OPや回想に登場してはいるが、その正体や目的は一切が不明。
同じ紫の光を放って降り注ぐダークサンダーエナジーとの関連が示唆されているが……。


劇場版『劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン

2016年3月12日より公開。

客演ウルトラマンは初代ウルトラマンウルトラマンティガ、加えてTVシリーズ客演の5人が登場。
閻魔獣ザイゴーグゴーグアントラーゴーグファイヤーゴルザという3体の新怪獣が登場する。一部見たことある?円谷ではよくあることだ。
さらにバルタン星人、ツルギデマーガデザストロ(名前のみの登場)も登場する。

主題歌はボイジャー feat.Project DMM の『Unite ~君とつながるために~』
Project DMM が劇場版ウルトラマンの主題歌を担当するのは実に13年ぶりの事である。


【余談】

これまでのシリーズと比べ監督陣がプッシュされており、雑誌やネット上では各監督のインタビューが多数掲載されている。
また、YouTubeでの次回予告の配信では3話から担当監督によるこだわりや見所の紹介が追加されている。

さらに今作は一部の事柄に関するネタバレ防ぎが徹底しており、エクシードXのようにCMや雑誌等で大幅に宣伝する事柄もあるなか、
かつてのゼロダークネス並みに放送日まで隠されているものもあり、特にネクサス客演回は放送後も動画配信までネタバレを避けていたほど。

10月25日から26日にはニコニコ生放送で1~14話までの振り返り放送とボイジャーやマグマ星人司会による特番が放送されている。
振り返り放送では田口氏と辻本氏がコメントで参加し、貴重なメイキング情報の提供やネタ合戦が行われ視聴者を楽しませた。

円谷プロ親会社のフィールズによると中国での公式配信が好調で、14話までの再生回数の合計が2,5億回を超えたらしい。


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最終更新:2023年11月15日 21:03

*1 ゼロは原曲が使用された。また総集編では列伝での総集編同様に原典のBGMが使用された。

*2 もともと田口監督が他の監督にも入れられれば入れててほしいと頼んでおいた重要な描写・伏線だったが、一部の人には当初は胃が痛いのかとか思われていた。だが、これには怪我などの物理的要因ではないとんでもなく重い理由があった。

*3 のちに劇場版にて初代ウルトラマンには会ったことがあることが判明している。

*4 外見変化が目だけの怪獣も多いが、デマーガ→ツルギデマーガやレッドキング&ゴモラのEX化のように大幅に見た目が変化する怪獣もいる。