ファンガイア

登録日:2015/12/04 Thu 00:31:48
更新日:2024/04/09 Tue 10:33:16
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ファンガイアとは特撮テレビドラマ『仮面ライダーキバ』に登場する架空の種族。
名称はFANG<牙>+VAMPIRE<吸血鬼>から*1

●目次

◇魔族について

『キバ』の世界には、13の『魔族』と呼ばれる種が存在する。
『魔族』の定義は、『他者のライフエナジー(生命力)を捕食して生きる知性を持つ生物』であり、他の動植物を食料として経口摂取し生きている人間もれっきとした「魔族」である。

種族 モチーフ 特徴・備考
ファンガイア族 吸血鬼 現在魔族の頂点に君臨している種族。
キバット族 蝙蝠オバケ 杉田家「魔皇力」と呼ばれる魔族の潜在能力のコントロールに長けた種族。
ファンガイア族とは同盟関係にある様子。
ドラン族 キャッスルドラン、シュードラン、タツロットが該当。
身を委ねて建物や兵器に改造される辺り、隷属か同盟かのどちらかだと思われる。
ウルフェン族 人狼 ファンガイア族侵攻により現在は次狼/ガルルのみ。
マーマン族 半魚人 オスのみが存在する種族。
ファンガイア族侵攻により現在はラモン/バッシャーのみ。
フランケン族 人造人間 1700年代に生まれたフランケンシュタイン博士が作り出した人造人間フランケンシュタインの怪物を始祖とする、他よりも歴史の浅い種族。
ファンガイア族侵攻により現在は力/ドッガのみ。
マーメイド族 人魚 ※劇中未登場。マーマン族と対になるメスのみの種族。
ファンガイア族の侵攻からは逃れるも、人間族侵攻により残り少ない。
ゴースト族 霊魂 バッチリミナー ※劇中未登場。
亡霊種族ではなく、元から幽霊のような体質という事らしいため、どちらかといえば妖怪に近い。
ギガント族 巨人 種族自体は劇中未登場。
劇場版では3WAによってイエティクラスの個体が捕獲され、その個体の持つ冷気属性と巨大な爪の力を転用して仮面ライダーレイが開発された。
ホビット族 小人 ※劇中未登場。ファンガイア族に降伏。
ゴブリン族 ※劇中未登場。
獰猛かつ好戦的な種族で、ファンガイア族の侵攻にも真っ先に対立するが、初代キングとチェックメイトフォーの率いる軍勢により絶滅。
レジェンドルガ族 上記以外のモンスター・妖怪 他のどの種族とも違う形態と、種族間の統一性のない外見を持つ異形の種族。要するに13種に収まり切らずに余った怪物達のバーゲンセール
他の種族を洗脳奴隷化して同族へ転化させて数を増やす特性を持つ。ファンガイア族侵攻により残り少ない。
人間族 ヒト 別作品のリント族や、その意識から実体化したイマジン、人類が更なる進化を遂げたアギトオルフェノク、人類に感染する事で誕生するバグスターがここに含まれるのかは不明。

以上13種が公式では魔族とされている。
この他、マシンキバーの素材となった型モンスターや、サガキバを襲わせるために呼んだククルカンなどが登場したが、これらは知性を持たないために「魔族」にはカウントされない。
なお、サガーク族(蛇蟒)もファンガイアが秘術を以て創造した人造種族で実体はゴーレムに近い事から、こちらも13魔族には含まれない。

…なお、せっかく上述の13魔族や後述の精細な設定を紹介するわけだが、これらはほとんどが番組中に出ない裏設定である。
『キバ』は過去と現代の二つのドラマが同時進行するという構成上、ただでさえカットされたシーンが多く、この辺りまで触れるのは尺的に無理だったのだろう。「死に設定」とか言ってはいけない


◇概要

数が最も多い人間に次いで繁栄している種族であり、普段は人間の姿に身をやつし、社会の至る所に潜伏している。
しかし、本性はステンドグラスのような体組織を持つ異形の怪物である*2

彼らは人間のような普通の食事をする他、本能として人間のライフエナジーを吸収して生きるという生態を持つ。
その際には虚空に吸命牙と呼ばれる牙型のエネルギーでできた擬似器官を作り出し、人間の首筋に突き刺すことでライフエナジーを吸い取ってしまうのである*3
ライフエナジーを吸い尽くされた人間は『命の色』を喪失したことで体が透明になり、最後は服だけを遺して消滅してしまう*4。ただし、第47話ではCGと予算の都合で吸い上げても透明にはならなかった。
この吸い上げたライフエナジーはすぐ栄養にするだけでなく、貯蔵が可能。
だが、「人間からライフエナジーを吸わないと生きていけない」という訳でもなく22年間ずっと吸わなかったファンガイアもおり、人間のように普通の食事も可能な事から、それで栄養を摂取していた可能性もある。


この特徴からファンガイアの行う殺人には物的証拠が残りづらく、社会に暗躍する彼らを正当な手段で裁くことはほぼ不可能となっている。

ファンガイアの知性はピンキリであり、アホな奴になると本当にただの人喰いモンスターとなるが、基本的には人間とあまり変わらない知能と理性を有している。
中には冷酷で狂気に満ちた化け物としか思えない者も多いが、それは単に価値観と文化の違いである。
ただ、彼らの伝統的な社会様式では『豊かな感性』『異種族への寛容さ』が育ちにくいというのも事実である。

また、不思議なことに武器を持たない個体の殆どが「相手の肩をガッシリ掴み、腹に膝蹴りを連打する」という戦法を使う。


特徴

①4つの種族

ファンガイアは種族内でさらに4つのクラスに分類される。これは人間でいうと『人種』や『血液型』に近いニュアンス。
  • 昆虫や節足動物に似た種族「インセクトクラス」
  • 地を駆ける哺乳動物に酷似した「ビーストクラス」
  • 爬虫類を髣髴とさせる「リザードクラス」
  • 両生類や魚介類など水辺の生物を模した「アクアクラス」
の4種族である。
この中でも特にビーストクラスの『コウモリ』に似た姿のファンガイアは種族の頂点に立つ最強の力を持つとされている。
王の装備であるキバの鎧やザンバットソード、カテナに刻まれた紋章などが悉くコウモリ尽くしなのも、いわばコウモリがファンガイア族の聖獣だからなのかもしれない(この辺りは『仮面ライダークウガ』におけるリント族にとってのクワガタに近いか)。
仮面ライダーサガが蛇モチーフなのはこの際置いておこう

生まれた瞬間からどのクラスになるかは決まっており、両親からの遺伝は全く関係ない。
例えば、リザードクラス(蛇)の特性を持つ太牙の両親はビーストクラス(コウモリ)とアクアクラス(真珠貝)である。
また、同じ姿をしているからと言って同一人物かというとそんなことはない(この辺はオルフェノクや平成二期以降の怪人達にも同じことが言える)。
ラットファンガイアのように群れで行動する連中もいるくらいである。

個体名として『動物の英名+ファンガイア』のコードで呼ばれる*5が、この名称は人間側のハンター組織が便宜上使っているだけで、ファンガイア側がそう名乗っているわけではない。ましてや劇中でそう呼ばれている訳でもない。
糸を吐くスパイダーファンガイアや透明になるカメレオンファンガイアのように、その動物の能力・特徴をそのまま有している者もいるにはいるが、
にソックリだがスピードは凡庸なホースファンガイアや、蚕蛾の怪人の癖に平気で飛び回るシルクモスファンガイアなどの例外もある。
彼らはあくまで人の目からは『馬に見えるファンガイア』『蚕蛾っぽいファンガイア』なだけでウマ怪人やカイコ怪人ではないのだ。

これとは別にファンガイア族自身はそれぞれの個体ごとに『真名』という固有の名称を持っている。
一応人間の言葉に訳すことも可能だが、非常に荘厳だったりイミフだったり電波だったり厨二臭かったりして、いわゆる一般的な『名前』のようには聞こえないものがほとんどである*6
真名は同族間でも軽々しく呼べるものではないらしく、日常会話においては人間社会における仮の名「ルーク」「ビショップ」といった役職名で呼び合うのが一般的である。
真名に込められた意味はモチーフとなった鳥を連想させる文章*7や、その者の本質や運命を表す*8


②寿命の長さ

13魔族は一様に長命な種族*9であり、ファンガイアも非常に永い年月を生きる。
生まれてから大人になるまでは人間と同じ速度で成長を続けるが、それ以降は非常に老化がゆっくり進むこととなる。
例えばプローンファンガイア/犬飼伯爵は「(執事に)300年よく仕えてくれた」「これでもう5人も執事を失った」と嘆いているものの、その外見はどこからどう見ても30代であり、まだまだ余生を送れそうな若さを保っていた。キバによってその余生は閉ざされたが
また、現在のファンガイアの社会形式が大体整ったのが紀元15世紀前後とされており、レジェンドルガと戦った過去キングは最低でもその頃から1986年まで生きていることになる。

しかし、長生きも良い事ばかりとは限らず、人間になりすまして暮らしていく中でどうしても一か所で生活していくのは難しくなる*10
そのため、大抵のファンガイアは戸籍を偽装し、職を転々としながら社会に潜伏している。
一種の失業対策なのか、ファンガイアのみで構成された役員が運営する大企業『D&P』社*11なども永き歴史の中で設立されている。

この寿命の長さがハーフである紅渡にまで受け継がれるかは不明。


③ステンドグラス型の体組織

ファンガイアの身体はステンドグラスのような極彩色の組織で構成されており、言葉を発する時はそこに人間態の顔が浮かび上がる。
死ぬと人間態・怪人態のいかんを問わずバラバラにはじけ飛び、ガラス片のような肉片が散乱する。
この破片は放置しておけば消滅してしまうが、然るべき処置を施してさえいればそれなりに長持ちするようである*12。が、22年前に倒された過去キンが死んだ場所から普通に生き返っていた辺り放置して消滅するには相当長い年月がかかる可能性も。

この破片にはライフエナジーの『器』となる特性があり、一定量のライフエナジーを注入すると、死したはずのファンガイアをリビングデッドとして蘇生させることが可能である。
ただし、デタラメにぶち込んだ場合には、巨大なウチワエビのような怪獣「サバト」が生まれる。
サバトには暴走すること以外何もできない程理性が無く、作ったファンガイアが死のうがお構いなしに暴れ回る。
60mもの巨体を有しているものの重量は0㎏であり、*13身体はほぼライフエナジーの塊である。
まあ、物凄くタチの悪い悪霊と思ってくれればよい。ただし、サバトは素手で普通に掴めるし物理攻撃も利く

そして一部の特殊なファンガイアが復活させた*14場合、生前の姿のまま生き返らせることも出来る。
……ただし、再生された個体はサバト並みに知能を持っておらず、知性的な行動を取れない(生前の部下や家族でもお構いなしに襲う)ため、戦闘能力は生前から著しく下がる。
どのくらい弱いかというと、生前はライジングイクサエンペラーフォームと互角に渡り合い、ルークと引き分けたほど強いウォートホッグファンガイアが素手の渡に張り倒された上に視線にビビるくらい*15
恐らく歴代の再生怪人の中でも、群を抜いて扱いは酷い。

それでも過去キングは別格であり、ビショップの執念と生命を糧に理性無き狂獣として復活したバットファンガイア・リボーンはエンペラーフォーム&ダークキバの最強兄弟タッグを圧倒するほどの猛威を奮っていた。顔つきは大分変わってしまったが……



外見

ファンガイアそのものに鳥をモチーフとしたクラスは存在しないが、怪人態は外見に必ずの意匠が入っている。これはデザイン上の裏モチーフともいうべきもので、物語内では特に取り挙げられることは無い。
なお、上述の『真名』は体のデザインに含まれる鳥に関連する言葉から付けられている(余人にはわかり辛いが)。
デザインからモチーフになった鳥は粗方判明しているものの、アントライオンは未だに何の鳥をモチーフにしたかは不明である。


文化


ファンガイア族にとって基本的な社会や文化が確立したのは15世紀頃であり、見下している割には人類の文化・文明の影響を受けている部分も多大である。
キャッスルドランを代表とする建築物、武器等に施された装飾なども中世ヨーロッパのゴシック式デザインの影響が強く見られ、ある意味彼らの『お気に入り』なのだと言える。
人間の芸術に理解を示すことのなかったビショップでもパイプオルガンを弾けるくらいにはゴシックが彼らに根付いているらしい事が伺える。

一方でバイクにしか見えないマシンキバー*18キングの正装がヴィジュアル系のミュージシャンみたいだったりと、時たまぶっ飛んだセンスを垣間見せることも。ゴシックはどこへ……

味覚は概ね人間と一緒だが、食事はライフエナジーの吸収で賄えるのであまり重要視しておらず*19、どちらかというと過去キングのワインやルークのパフェといった具合に嗜好品を好む傾向が見られる。
肝心のライフエナジーについては個々人の好みや拘りが大きく反映されており、「自分の料理を食べた」「特定の服を着ている」など、特定の条件を満たす人間を好んで狙うファンガイアも多い(『シャンゼリオン』のダークザイドや『牙狼』のホラーみたいなものである)。
食らったものはともかく、服装がライフエナジーにどう影響するのかはツッコんではいけない*20

芸術に関する理解は個体ごとにばらばらで、くだらないと一蹴する者がいる一方、音也の奏でるバイオリンの音色に深い感銘を覚え、自身も一流のバイオリン職人であったフロッグファンガイア/大村や、
好奇心旺盛でヴィヴァルディにヴァイオリン演奏ストラディバリウスにヴァイオリン製作を指導してもらった真夜のような者もいる。
紅親子のバイオリンの音色には特に惹かれるものがあるらしく、彼らの演奏を絶賛した名ありのキャラクターは殆どがファンガイア。
人間でも感銘を受けた者はいるが、この辺はストーリー展開の都合だろう。

創造的な文化に乏しい一方、長年の戦乱に伴い武器開発技術は飛び抜けたものがある。
独特の素材や『魔皇力』という自然や生命を巡る大いなる力を利用して開発された装備は、どれも現行兵器を遥かに凌駕するオーバーテクノロジー。
特に対レジェンドルガ用決戦兵器として開発された『闇のキバの鎧』などは余りに強大すぎて造ったファンガイアですらデチューンを余儀なくされた程の脅威的戦闘力を齎す。
キバのフォームチェンジやサガの変身システムを見るに、キバット族の協力の他にも屈服させた他種族の能力を柔軟に取り入れて強さを増しているらしく、劇中で見せた他種族の能力はキバの3フォームが該当する。
サガは不明だが、キバ2名に関しては核爆弾の爆心地にいても無傷であるという程の耐久力を誇るため、この時点で人間とはテクノロジーの差が開いていることが分かる。

これとは別にいわゆる『魔法』のような独特の呪術大系も完成させており、遠隔攻撃や結界による防御、瞬間移動に死者蘇生、果てはタイムスリップとほぼ話の都合でなんでもアリである。
ただし、一定の制約も存在しており、大規模な儀式や大量の生贄を必要とする場合も多い。


チェックメイトフォー

ファンガイア全てを統帥する存在、それが「キング」である。
キングはファンガイアという種を保存するため、邪魔な種族を滅ぼし、規律に違反した者を処罰する大事な役割があり、そのためキングは人類の進化(によりファンガイアを絶滅させること)を防ぐ必要がある。
種族の敵を葬り去るために作られたのが「鎧」であり、サガ、ダークキバ、キバはいずれもファンガイアのキングのための鎧である。
また、キバの最強兵器であるザンバットソードも、キングが敵を滅ぼすために作られた剣なのである。

そのキングと交配し、次世代のキングを生む王妃が「クイーン」
クイーンはキングを支え、掟に反し人間を愛した者を殺す役目がある。
要するに『産む機械』扱いであり、劇中で選ばれた女性はどちらも不幸な目に遭っている。

敵となる魔族を撃ち滅ぼす牙城となるのが「ルーク」であり、現ルークのライオンファンガイアは既にいくつもの種族を事実上の絶滅に追いやり、ファンガイアを滅ぼすための人間たちの武装組織「素晴らしき青空の会」も一度壊滅させた。

そしてファンガイア全体の方針を決める僧正が「ビショップ」
ビショップに選ばれたファンガイアは、一族の参謀として後の選択を思慮するのが役割となり、「種族」の繁栄を最大に考えることが仕事となる。
なお、序列が仮にチェスと同じだった場合、彼が一番下ということになる。もしそうだとしたら当代のビショップは自由奔放な上司を2人も持って辛かった事になるが……
映像作品には登場しなかったものの、鎧を作った職人には「ナイト」「ポーン」*21の役職が与えられたらしい。

なお、世襲制のキングを除く役職はファンガイアの中からランダムで選ばれる。これは「運命」であり逆らう事は不可能。
基本的に実力者が選ばれる傾向にあり、阿鐘/ウォートフォッグファンガイアは「実力があるのにチェックメイトフォーに選ばれなかった」として、恐れ多くもキングを継ごうと凄い能力や豪運の持ち主を「お前はキングか?」と次々と殺害していた。


人間との関係

ファンガイアと人間は割かし近い種族であり、交配も可能である。
現代キング=太牙がそうであったように生まれた時は人間と変わらぬ姿であり、怪人態は成長に従って覚醒するものと思われる。
しかし、ファンガイアは血統を重視する種族であり、人間との交配は固く禁じられている*22
それを断罪し、抹殺するのが「クイーン」であり、「ビショップ」はその処刑を促す任務を冠せられている。
その他にもさまざまな「掟」が存在し、破ればチェックメイトフォーであろうが処刑の対象となる。

また、ファンガイアはその「能力」自体が人類の脅威であるが、「能力」を全て奪い取られると人間とほぼ同じ存在、つまり怪人態に一生変身できなくなる(恐らく寿命も人間並みになる)。
終盤ではこの「能力」を無理矢理一匹のファンガイアに注入して強化させたり、果ては人間にファンガイアの「能力」を無理矢理植えつけ融合させるなどといった、昭和ライダーの悪の組織張りに非人道的な「改造手術」が行われることとなっていく*23


◇展望

ファンガイアは人間と共存することも出来る種族である。
実際、劇中では22年間一度もライフエナジーを吸わずに人間社会で生きていたフロッグファンガイアが該当する他、
後のクイーンとなる鈴木深央/パールシェルファンガイアなど、指摘されるまで自分が人間だと思っていたくらいである。

最終的に、保守派(ある意味では超急進派)であるビショップ/スワローテイルファンガイアは人類に敗北し、ビショップが蘇らせた最強の存在であるバットファンガイア・リボーンを倒すために先代キング・太牙と現キング・渡は手を取り合って協力し、黄金のキバと闇のキバの合体技により過去の亡霊は倒された。
ビショップ一味が壊滅したことで渡は兄・太牙に王位を返還し、太牙は人間との融和政策を打ち出していくこととなった…。

隷属か完滅かでしか決着がつかなかったオルフェノクとは異なり、ファンガイアは人間と共に手を取り合って生きる道も選べるようになった。
とはいえ、オルフェノクはそもそも短命な上に覚醒がランダムであるため、共存を目指す事自体が困難を極める訳だが

しかし、彼らの中に再び悪に染まる輩があれば*24、それを裁くのはファンガイア絶滅の看板を下ろした素晴らしき青空の会と、掟を護るために戦い抜く太牙、
そして、誰よりも優しいキング・渡が打ち滅ぼすことになるだろう。

そして22年後、2030年では「ネオファンガイア」と呼ばれる謎勢力が活動を始め、渡や太牙、名護らの状況は不明だが、渡の息子である紅正夫が戦いを続けている。
わざわざ22年前、しかも最終回の日にタイムスリップしてきたということは、もしかしたらネオファンガイアというのは、この日に発布された新たな掟に納得のいかなかった保守派の集団なのかもしれない。


◇派生作品にて

『キバ』本編とは別のファンガイアを描いたのが『仮面ライダーディケイド』第5話・第6話に登場する「キバの世界」である。
こちらでは2話で簡単にまとめるため、キバに変身する少年・ワタル(第1話で門矢士を旅に誘った渡とは同名の別人)は既にキングの座に着任し、アームズモンスターの他にチェックメイトフォーら直属部隊を従え、掟を破る悪のファンガイアを倒す役目を担っている。
また、『ディケイド』終盤ではイクサとサガも登場する。…変身者は誰だ?
こちらの『キバの世界』では人間との共存は上手く行っているが、それでも考えの古いファンガイアは少なくないようで、人間の女性と関係を持った掟制定当時のキングはバッシングに加え、息子の生後間も無く妻を亡くした事で酷く絶望してしまっている。

なお、映画『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』においても武神鎧武配下としてウォートホッグファンガイアとビートルファンガイアが登場し、魔化魍やドーパントと共に人々を虐げていた。




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最終更新:2024年04月09日 10:33

*1 ただし、キバは『KING of VAMPIRE』の略称なので、ヴァンパイアという概念や言葉も彼らの文化には別に存在している模様。

*2 なお、『キバ』の世界ではファンガイア自身も人間態を持つにもかかわらず、他種族はなんであれ異形という扱いらしく、真夜曰く「私達にとっては人間も化け物」とのこと。

*3 メインライターの井上敏樹氏によると、『直接噛みついて血を啜る』という従来の吸血鬼モノで普通に見られた描写が表現的にアウトとなったのでこのような回りくどい設定になったという。何?次狼は普通に腹を貪った後ライフエナジーを啜っているって?言ってやるな。

*4 透明になった直後は体がガラス質に近いものになり、ゆりの母親は手首がガラスのように割れてしまった。

*5 ただし、シースター(ヒトデ)とシームーン(クラゲ)は漢字の直訳。

*6 元々はデザイナーの篠原氏が遊びで余白に書いたものを設定に取り込んだとのこと。

*7 例:サンゲイザーファンガイアならカモメをイメージした『水面に連鎖する堕落の残像』。

*8 例:ビショップなら『禁欲家と左足だけの靴下 』と彼の性格を表している。

*9 人間は例外。脆弱で短命な代りに繁殖力が強い。尤も、基本設計がほぼ共通している同クラスの体重の哺乳類と比べれば人間も長寿な種族であり、100倍の体重を有するゾウと同等の生理寿命を有する。

*10 これはファンガイアに限らず、多くの創作物における長命種族の悩み。自分から異種族であることをカミングアウトして長命であることを周知してもらうケースも多いが、13魔族のいずれもそういう手段を取りづらい。

*11 現代編キングの太牙が社長の投資会社。しかし、その実態は「人間の進化に貢献する物」の研究へ投資と言いつつも、当事者を殺してプロジェクトを凍結させるトンデモ企業。ただし、神田博士の研究など、ファンガイアにも有益なものは一旦保留したり横領したりする。

*12 渡も一時期想い人の形見(遺骨?)として深央の欠片を持ち歩いていた。

*13 ただしサバトの肉体による物理攻撃自体は普通にあたり判定や破壊力を持つ。

*14 劇中ではマンティスファンガイアとビショップがこの能力を有していた。

*15 阿鐘とは別人の可能性もあり得るかもしれないが……

*16 仮面ライダーシリーズでは『龍騎』のミラーモンスターや『555』のオルフェノクが有名。

*17 雑多な素材を切り貼りして新たな全体像を浮かび上がらせる創作技法。

*18 開発したのはキバット族の模様。

*19 太牙も劇中で「食べる事があまり好きではない」と語っている。

*20 ただ、視覚が味覚に多大な影響を与える研究結果は現実でも出ている。詳しくはクロスモダリティ効果を検索してもらいたい。

*21 この2名は双子とのこと。

*22 これにはファンガイアと人間のハーフが強大な潜在能力を持つことを警戒しているという陰の理由がある。

*23 いずれも太牙が目を付けていた神田博士の開発した技術であり、前者の事例で神田は実験体のホースフライファンガイアに殺されている(後にホースフライファンガイア自身も「多くの同胞を危機に晒し、殺してきた」という名目で処刑されている)。後者はサンゲイザーファンガイアが被験者となっているが、本人の意思を尊重したのかは怪しいところ。

*24 当然ながら他者との融和の全てが善きこととは限らない。イマジンと手を組んで犯罪組織の立ち上げに協力したり、リ・イマジネーションではあるが、大ショッカーと悪の結託を結んだケースもこれに含まれる。