北与野博士(クレヨンしんちゃん)

登録日:2015/12/01(火) 21:11:01
更新日:2024/03/23 Sat 13:21:21
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北与野博士とは、漫画『クレヨンしんちゃん』及び派生作品に登場する天才科学者。


◇概要

初登場は単行本22巻と比較的早い。
しかし、アニメには未登場の為、原作では高頻度で登場するにも拘らず、知名度は低い。
単純な出番ならカマキリ店長やしいぞう先生より多いんだが…。
名前の由来はさいたま市JR北与野駅からと思われる。

外見は口髭にハゲに白髪でやや太めという典型的な博士キャラで、温厚で穏やかな性格。
初期は悪の科学者・悪田魔博士にしょっちゅう発明品を狙われてひどい目に遭わされていた。
専門分野は不明だが、機械工学・生物学・量子力学等に傾倒しているガチの天才。
しかしドジでオッチョコチョイな上、ぐうたらでだらしのない性格であり、自覚もあるらしい。
いつもとんでもない発明を作っては机の上に置きっぱなしにして、大惨事を招くのがお約束。ホントにダメな大人である。
当初は花屋の女主人に片思いしていたらしく、思いを伝えるために様々な発明をしていたが、どうもふられたようだ。

研究所は一応秘密研究所だそうだが、6階建てくらいある上にネオンサインで「北与野秘密研究所」と書いてあるため全然秘密じゃない。

原作とはパラレル設定である学習漫画版でも登場。
「昆虫おもしろブック」ではしんのすけたちとは初対面という設定になり、昆虫に関する研究を行っていた。
こっちではかなり虫好きという設定で描かれており、敷地を広げると自然を破壊し、虫たちの居場所がなくなってしまうために、
倉庫を作るのをためらうなどの優しい一面も見せた。
「世界の国おもしろブック」ではポーランド編で登場し、ポーランド出身の偉人キュリー夫人の解説を行った。
また「日本と世界のつながりまるわかりブック」ではモロダシ共和国(アニメ未登場のオマタさんの母国)に技術支援に行っていた。

尚、アニメに未登場の理由は、本作は基本的には「日常モノ」であり、
北与野博士が頻繁に登場すると『ドラえもん』のようなSF日常モノになってしまうからと思われるし、
一部ダークなエピソードもある為、放送しづらかったのかもしれない。
同様に非日常を描いた「カスカベ都市伝説シリーズ」や「精霊ネタ」はそのシリーズ限定のキャラクターがいないので、特に問題がないと思われる。



◇発明品の一覧

原作

  • 飛び出しライトガン
22巻登場。
正式名称は「平面画像実物立体変換機」
長すぎるため悪田魔から「ドラえもん風に言うと?」と尋ねられた際に北与野がノリノリで大山のぶ代風に言ったのがこの名称。
照射することで、写真から実物のコピーを生み出す。生物であればそのまま出てくる。ただし60秒しか持たない。
悪田魔に奪われるのを危惧した北与野が窓の外に放り投げたのをしんのすけがキャッチし、そのまま家に持って帰った。
しんのすけは家でうっかり新聞の1面に映っていた恥本総理を召喚してしまい、それを見たみさえは宝石の山を、
再び奪い返したしんのすけは大量の水着美女を召喚しまくった。
野原家に殴り込んだ悪田魔はこれを奪おうとするものの、しんのすけがブルース・リーを召喚したことでボコボコに圧倒され、
リーが消えた後はしんのすけが呼び出した宇宙ロケットの発射に巻き込まれてあえなくお縄となった。
最後は一連の騒ぎを見て悪事への転用を危惧した博士が召喚したハンマーで叩き潰され、破壊された。


  • 思考伝達スピーカー
22巻に登場する唇型のシール。貼りつけることで対象の思考を全て音声にして出す。動物や器物であっても有効。
これも悪田魔一派から狙われた北与野が(以下略)しんのすけの手元に渡った。
悪田魔一派に狙われるものの、しんのすけが用心棒2人と博士にそれぞれ貼り付けたことで互いの本音がモロバレになってしまい、
三人が壮絶な仲間割れをしている所に警察が駆けつけ全員お縄となった。
元々は花屋の女主人に告白するために北与野が作った物だったが、今回の事件を受けて反省した博士本人の手により封印された。


  • 愛の狩人ライト
22巻登場。先端にハート型のオブジェのついた懐中電灯。
照射することで、当たった相手がボタンを押した人物のことを好きでたまらなくなる。
同性だろうが動物だろうが有効であり、複数人にあてた場合には修羅場と化す。
これまた悪玉一派から追われていた北(中略)しんのすけの手元に渡る。
みさえとシロを恋の虜にしてしまったしんのすけは、このライトを使ってななこお姉さんをモノにしようと企むが、うっかりななこお姉さんのパパ(大原四十郎)に当ててしまい、メロメロにしてしまう。
やっとしんのすけに追いついた悪田魔と部下のマースオはしんのすけからライトを奪い取ろうとするが、みさえ・シロ・四十郎の色ボケ三人衆の壮絶な妨害に遭い、はずみで悪田魔はマースオに向けてライトを当ててしまう。
こうして悪田魔はむくつけき無駄毛ボーボー男に追いかけられるハメになり、悪の野望は潰えた。
結局このライトも数十分しか効き目が無いことを知った博士は自分の愚かさを知り、ライトを踏み潰して破壊。
勇気を振り絞って花屋へと向かう姿を、しんのすけは男らしいとほめたたえるのだった。

余談だが、ライトガンの回からこの回までは冒頭のシーンが全く同じ展開となっており、特に飛び出しライトガンと思考伝達スピーカーの冒頭の5コマは北与野としんのすけが着ている半袖の服が長袖の服に変更した事と悪田魔の部下の台詞変更*1以外は全く同じである


  • カレー製造機
24巻登場。巨大なコピー機のような機械。
物質を構成する分子や原子を組み替えることで食料を作るが、その過程は最低最悪なものであり、多分絶対売れない。(食事前に過程を見ないように)


24巻登場。下に台車が付いた
ボタンを押すことで、押した奴と全く反対の性格の鏡像が出てくる。もう一度ボタンを押すと鏡の中に消える。
しんのすけが北与野博士から借用し、鏡像を呼び出してお使いやお掃除を命じる。
更にみさえも使い、普段の野原母子とは正反対の働き者で真面目な二人は家事万能な為、帰ってきたひろしもこれには上機嫌。
ところが、生まれてくる鏡像は完全に心まで反対な為、善人が押せば腹黒い鏡像が登場する。つまり、いたずら小僧のしんのすけは善人と認定されたようだ。
前述の機械で作ったカレーを食べていた博士がそのことに気づいたその頃、本性を現したニセしんのすけとニセみさえは本物二人を封印しようとボタンを押すものの、たまたまひまわりがぶん投げた手鏡にビームが反射し、二人はまとめて鏡の世界へ直行した事で本物のみさえとしんのすけは守られたのである。
結果、この鏡の恐怖を思い知った北与野はカナヅチでこの鏡を破壊することとなった。
ちなみにこの話、しんのすけ(偽者)の正面からの笑顔が見られる非常にレアな回でもある。


  • エレベーター型タイムマシン
24巻に登場するモノホンのタイムマシン。ノーベル賞確定だぞこのジジイ。
10年前に戻ろうとするが、うっかりしんのすけも入ってしまう。
しんのすけはみさえとひろしが出会う原因となった日に来てしまい、あわや消滅の危機に…。

また、この回は扉ページでバックトゥザフューチャーのパクリであることをカミングアウトしてしまっている。

※北与野博士絡みのエピソードの中で映画『クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』放映前のTVスペシャルという形で初めてアニメ化されている(タイトルは「カスカベタイムパトロール隊 オラ誕生のヒミツだゾ」)。
ただし北与野博士は登場せず、かすかべ防衛隊の五人が「カスカベタイムパトロール隊」として、野原家のトイレにあるタイムマシーンを使って過去に行くという設定になっている。


  • チェンジマッシーン・ミレニアム
26巻登場。長期連載ギャグ漫画あるある「入れ替わりネタ」をやってのける機械。
二つの座椅子がくっついたような形をしており、ボタンを押すことで互いの肉体と精神を入れ替えることが出来る。
これによりしんのすけと風間君が入れ替わってしまい、嵐を巻き起こすこととなる。

※北与野博士絡みのエピソードの中では2番目にアニメ化を果たす。ただしこちらでも北与野博士は登場せず、公園の遊具の転落事故によって中身が入れ替わった事に変更されている。
余談だが、これ以外にも21巻の「オラが母ちゃんで母ちゃんがオラで」や23巻の「野原一家大チェンジ!」も同様のネタを繰り広げている。


  • スケジュール何が何でも達成ギブス
28巻登場。いわゆる大リーグボール養成ギプスのパロディ。
あらかじめタイマーを設置することで、雨が降ろうと槍が振ろうと絶対にスケジュール通りのことを行わせるというもので、
ぐうたらでずぼらでドジでいい加減な北与野が「これならスケジュールを破ることもあるまい」と思って製作した物。
…しかし、途中で変更するなどと言う柔軟な発想は全く無いため、しんのすけが試しに作ったスケジュールは地獄と化し、
当の博士本人も午前を午後と間違えるミスによりトイレから出られなくなってしまい、結局失敗作に終わった。
「予定はあくまで予定でいいんだよね」
ちなみにオチは作者本人が「この原稿も締め切りに間に合いませんでした」と自虐すると言うものである。
なお、スケジュールが地獄と化し、トイレを予定に入れてなかったしんのすけはお漏らしをする羽目になり、その後はどうなったか不明だが、おそらくいつも通りに母のみさえにこっぴどく怒られた可能性はある。可哀想に。
しんのすけ「トホホ…」
とはいえ、無断でもう一機のギブスを使ったしんのすけもしんのすけだが、もう一機のギブスを目立つ所に放置した博士にも落ち度があると言える。
しんのすけが来る前にもう一機のギブスをしまっておけばこのような事態は防げていただろう。(もちろんそんな事をすれば話は面白くなくなってしまうが・・・)


  • カップ・クローン
35巻登場。カップ麺のような発明品。
DNA物質を放り込んでお湯を注ぐことで、3分後にそのベースと生き写しなクローンを作り出す。
勿論性格までソックリであり、おそらく記憶も引き継いでいる。
学会に発表しに行こうとした博士が間違えて本物のカップめんを持って行ってしまい、入れ違いになる形で
しんのすけが3人のクローンを作ってしまった。
しかし、このクローンはわずか83分しか命が持たず、時間が切れたしんのすけのクローンたちはラーメンに戻ってしまった…。
その悲劇を目の当たりにした北与野博士は、二度とクローンなど造らないことを決意し、しんのすけも3人のクローンをもっと自由に遊ばせてやるべきだったと後悔するのだった。


  • デカウォーター
38巻に登場する薬品。大柄な動物や人から採取した「デカスギルン」と言う特殊なエキスを凝縮しており、飲むと体が大きくなる。博士は「あたしゃも少し背がほしい」と言う人たちのために作ったと言っていたが、みさえからは「要するに金儲けでしょ」とバッサリ切り捨てられた。
…が、その速度が無茶苦茶であり、ほんの数分でしんのすけはみさえを追い越して天井に届くような巨体になり、
最終的にはガンダム進撃の巨人もかくやというような超巨人になってしまった。うん、ビッグXだね!
勿論服は大きくならないため全部引き千切れ、しんのすけはその辺から引っこ抜いた木々を腰蓑代わりに使う羽目に。
が、ここまで巨大化したのも手伝って、しんのすけは風間君の命を救うことになったのである。
勿論効果は長続きせず、数十分でしんのすけは縮んで元のサイズになった。
みさえから「大きい人や小さい人がいるから人生が楽しい」と諭され、博士も「私が間違っていた」研究を中止した。身長制限のあるジェットコースターなどに乗るのは諦めるしかないと言っているようなものだが。
しかし、服が破れてしまったと同時にななこに全裸を見られた為、ショックを受けるオチになった。やれやれ…。

ちなみに巨人化するしんのすけを見て北与野は「ああっ今回の研究は失敗だ!」と言っているが、
直後にみさえに「いつもでしょ!」と突っ込まれている。


  • ハヤスギルンDS
39巻に登場する薬品。ではその効能を、学会に発表した際の抜粋でお届けしよう。

北与野「ではさっそくこれをマウスに注射してみましょう」
学会員「なんだかマウスが元気になってきたぞ」
(二匹のマウスは走り出すが、一方がオブジェから落ちそうになる)
学会員「ああ、あぶない!」
(が、先を走っていたマウスが落ちそうなマウスの手を掴む)
学会員「ホッ、助かった」
(オブジェに上ったマウス、二頭仲良くポーズを決める)
学会員「ファイトーッ! いっぱチューッ! …ってこれってまさか」
北与野「あっいっけね! 間違えてリポビタンD持ってきちゃった!!

…何をやっとるんだこの耄碌爺は。

真面目に解説すると、北与野がせっかちな人に共通して存在する因子「ハヤスギルン」を見つけたことから創り出された成長促進薬である。
これにより、食糧生産の低コスト化、時間削減などを考えていたようだ。
しかし、博士特有の遊び心によりわざわざドリンク剤の形にしたせいでしんのすけが持ち帰ってしまい、
ひまわりが誤飲したことで、ひまわりは急激に成長。
しかし、成長のペースは博士の見立てよりも遥かに早く、老衰で死にかけるところだった。
結局これに懲りた博士が「自然のまま成長するべきだ」と研究を辞めたらしく、その後は封印されたようだ。
誤飲事故さえ防げれば結構いい線行ったと思うんだが。
尚、急成長したひまわりは、直前にしんのすけとケンカしていたことから、しんのすけを虐げたが、
自分が老衰しかけた際には、反省して謝罪している。


  • モトノサーヤ液
同じく第39巻に登場。もしもの時のために開発していた発明品で、ハヤスギルンDSによって変化したホルモンを正常に戻す効果をがある。
研究所に戻った博士が、しんのすけがハヤスギルンDSを持ち出した事に気付き、万が一に備えて、これを持ってしんのすけの元へと向かった。
これを飲んだおかげでひまわりの身体は元に戻った。
というか、しんのすけがもう少し研究所に行こうとするのが遅かったら、もしくは博士がこれを持っていなかったら、確実にひまわりは死んでいた。

※このエピソードでひまわりは成長した大人になった姿や老婆の姿を見せているが、北与野博士シリーズ全体がアニメ化されていないため、テレビシリーズではその姿を拝めない。だがかなりの年月が経過後、映画『クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』にて、大人ひまわりの美しい姿が銀幕に登場することとなった。漫画に登場した姿とは容姿が異なり、銀幕での姿のほうが可愛くなっている。胸はみさえに似なくてよかった。5才のひまわりはテレビシリーズに「しんこちゃん」という形で……
ちなみに、風間は原作漫画の番外編で大人の姿で登場しその番外編はアニメ放送され、全く同じ容姿で『オラの花嫁』に大人風間が登場している。


学習漫画版

さて、ここからは学習漫画版に登場する発明品である。

『昆虫おもしろブック』に登場

  • ラジコン蝶ロボット
外国産の巨大な蝶を1/1サイズで再現したラジコン。はっきり言って怖い。

  • 警備用ロボット
ラジコンではなく勝手に動き回る虫型ロボ。
これを目にした者は必ずと言っていいほど絶叫するため、不用心な博士にはうってつけの防犯機能。

  • アトラスオオカブト型パワードスーツ
アトラスオオカブトの怪力を再現したものだが、本当にアトラスオオカブト型に作ってしまったせいで、立つことすらできない。
オマケに飛べないので使い道は狭い。

  • クワガタヘルメット
チリーホソアカクワガタの頭部を模したヘルメット。
手を使わずに食事をする方法として考え着いた発明品だが、そもそもクワガタの大あごは相手を挟むための物であり、
従って全く食事には向いていない(しんのすけがほぼ天井を向いた状態で使ってやっと食べられた)。

  • ユカタンビワハゴロモ型スーツ
飛べないため、ただの着ぐるみ。

  • コノハムシ型スーツ
迷彩服として作るつもりだったが、人間が着るという都合上全く役に立たない。

  • 大きな葉っぱの樹セット
コノハムシ型スーツを活用するためにわざわざ作ったオブジェ。暇だね…。

  • 未来のエコカー
六足歩行型のエコカーで、壁も登れるうえ空も飛べる優れもの。何より小回りが利き、音も小さいのだが、誰も買わなかった。
いい加減、その形にこだわるのはやめなさい。


『世界の国おもしろブック』に登場

  • ミラクルきゅうり
生で食えば健康に効く万能食材のキュウリだが、加熱すると大爆発し地球を消し飛ばす可能性がある。アホかと。


『日本と世界のつながりまるわかりブック』に登場

  • スーパーマタヒカリ
日本・モロダシ合同で開発された超特急。
外見は100系新幹線っぽいが、変形して陸海空全てを移動可能、果ては二足歩行もできる
国王は大激怒していたが現場のモロダシ人研究者たちは爆笑していた。

  • ミニSL
北与野博士がスーパーマタヒカリのついでに発明した小型列車。
外見はよく遊園地やデパートの2階にある(分からない人はお父さんかお母さんに聞いてみよう)おさるの列車だが、バスとトイレも付いている。

  • 新型着陸装置
モロダシ王家プライベートジェットに、北与野博士が無断でつけた機能。
ボタン一つで二本の足がニョッキリ機体から突き出して、どんな悪路でも着陸できる。
ネネ「そんなの付けたせいで重くなるのよ!」




北与野博士「鏡の私、追記・修正頼むぞ」
鏡北与野博士「承知しました(チッ、うっせえんだよくそハゲ)」

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最終更新:2024年03月23日 13:21

*1 チカンが下着ドロボーに変更。