四天王(ロマサガ)

登録日:2015/12/01 Tue 20:15:46
更新日:2023/12/20 Wed 03:29:35
所要時間:約 7 分で読めます







『四天王』はスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたRPGソフト『ロマンシング サ・ガ』及び、
リメイク作品『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』に登場して来る架空の怪物、神性。

モンスターである為、マルディアスの神々の一柱としては数えられていないものの、
人間にはそれに匹敵する存在として伝説を語られ、また信仰をも獲得している。

プレイヤーにとっては七面倒臭い通称「お遣いイベント」で貴重なアイテムを取られたり、お預けされたりで迷惑がられたりしている存在だが、
彼らの言う事を聞いてやる事で得られる恩恵もあるし“ゲーム的には言う事を聞くのが正解”なので、空気を読んで粛々とイベントをこなして行きたい所。

と云うか、明らかに倒すべきボスキャラクターっぽい存在なのに敵対しないと云う斬新さに驚かされたプレイヤーも少なくなかった。

『ミンサガ』では関連イベントが更に増やされている。



【概要】

1000年前の新しき神々と三柱神の戦いが、新しき神々とサルーインとの戦いに移る中で、
モンスターの父でもある破壊神(サルーイン)が生み出した“地水火風を司る精霊(モンスターの首領)”たる、四体の怪物。
モンスターとは云え、各々が四大の一要素を司る事からも判る様に非常に強大で、神々にも匹敵する力と知性を持つ。

長兄デスと末妹シェラハの離脱により劣勢にあったサルーインの軍勢を盤石とする存在になると思われたが、
彼ら四天王は自分達モンスターを手駒としか見なさないサルーインに反発。

自分達の軍勢諸共、エロールに助勢する事を決断し、
間接的ながら英雄ミルザによる破壊神封印に協力したとされる(ミルザにとっても神の類と戦わずに済んだのは大きかった)。

エロールによれば「四天王」とは、そんな誇り高き彼らに捧げられた尊称であるのだと云う。

サルーインが封印された後は、基本的に神々とも人間とも関わりを持たずに支配地域で配下と共に隠遁生活をしている。
……が、時が進み破壊神復活が迫る現代にて、ミルザの再来とも呼ぶべき主人公達の訪問を受ける事になるのだった。


【四天王】


“炎の帝王”

フレイムタイラント

世界最大の活火山であるリガウ島のトマエ火山に隠れ棲む精霊。
巨大な肉食恐竜骸骨が火炎を纏ったような姿をしている。
名前の割(「炎の暴君」)に温和しい性格で、四天王の中でも特に引き籠もり適性が高い。
実はタイニィフェザーと取引をしていないと戦うことができなかったりする。
『ミンサガ』ではタイニィフェザーとの取引なしで戦えるようになったほか、パーティーを全滅させやすい上に比較的に面会もしやすいので技道場として推奨されている。
見た通りの火のモードの遣い手である為、自らを脅かす「アイスソード」の奪取を主人公に依頼して来る。
※『ミンサガ』ではアイスソードを渡す際にガラハドを連れていると、わざわざガラハドが落ち込む場面まで挿入されている(複数本を入手していても)。
死者の国「冥府」への道を守る門番でもあり、フレイムタイラントの願いを聞くか、倒す事でプレイヤーは「冥府」へと至る事が出来る。


“翼の栄皇”

タイニィフェザー

ローザリア領内に存在する、世界最高峰のスカーブ山の頂上に棲むとされる鳥の王。
「Tiny feather(小さな羽根)」という名に似つかわしくない巨体を誇る。
『ロマサガ』では巨大な猛禽の姿だったのが『ミンサガ』では六枚の翼に縦に割れた嘴、巻き貝の様な異常な形状の肉体……と、何とも名状し難い姿に。
スカーブ山はその登頂の難しさから勇気を試す場として伝説が広まっており、
スカーブ山の頂上からタイニィフェザーの羽根を持ち帰った殿下の武勇伝がローザリア国民により熱く語られている(殿下本人は「匹夫の勇」として自嘲しているが)。
基本的に下界とは接触しようとはしていないものの、マルディアス上空を飛び回るのを趣味にしているらしく、タラール族がカクラム砂漠に消えたと云う情報を教えてくれる。
風の精霊らしく限定的ながら天候を操作する能力を持つらしく「タイニィウェザー」が元々の名前だったのでは?との考察も(※SFC時代の全集での記述より)。


“大湖の主”

水竜

クジャラートにある世界最大の淡海であるマラル湖に棲む古き竜。
姿は東洋風の竜である。
クジャラート人に守り神として奉られて来た過去があるからか、四天王では比較的に人間との関わりが深く、
嘗ては水竜に若い娘を捧げて一族の指導者が力を得る「生贄の儀式」が行われていたらしい。
他の四天王が基本的にプレイヤーが自発的に会いに行かなければ会えないのに対して、
水竜はクジャラートの支配体制の転覆を狙う勢力による「生贄の儀式」の復活と云う展開の中で遭遇する為に“四天王の中では悪いヤツ”と云う印象を持つプレイヤーも。
……が『ミンサガ』での説明によると生贄と云っても食べたりしている訳ではなく、生贄となった娘達に歌を歌って貰ったり踊って貰ったりして慰められているらしい。
取引でイベントをクリアーする事で制御不能の“凶獣”ジュエルビーストの存在を教えてくれる。


“大地の誠”

アディリス

ベイル高原の地下に広がる、広大な地下世界である大地の臍グレートピットの最奥に棲む地竜。
が怖い。
『ロマサガ』では普通のドラゴンの姿であったが『ミンサガ』では複数の首を持つ地竜と云う、設定に沿った姿に改変された。
四天王の中ではやや影が薄く、イベントをこなしても重要な情報が得られる訳でも、それ以降に展開が続く訳でも無い。
ただし、その替わりなのかGBから引き継いだ名曲「涙を拭いて」を聞けるイベントが発生する。


【お遣いイベント】

四天王に逢いに云ったプレイヤーは、それぞれの四天王から各々が欲しい重要なアイテムの貸し借りの依頼を代行させられる事になる。
(※自主的に会いに行っていなければ、水竜のイベントから始まる事になる)。
このイベントが異様に手間が掛かる上に、取り引きされるアイテムが非常に有用な事もあってか、途中で四天王と敵対して殺してしまうプレイ方法もある。
しかし、四天王を殺してしまうと四天王の化身(召喚アイテム)も入手出来なくなるし、
その取り引きされるアイテムも終盤にはかなりの高額だが条件さえ揃えれば購入可能にもなるので、我慢して言う事を聞いてあげよう。
ただそこはフリーシナリオ。損得を別にすれば、取引する・殺害するは自由。そればかりか無視するという選択さえあるのだ。
途中で放り投げて以後知らん顔、というのも自由度の高さゆえであり、フリーシナリオの特徴を説明するにあたり四天王イベントを引き合いに出されることもしばしばあったりする。

取り引きリスト


■水竜

  • 欲しい→生贄
  • くれる→水竜の指輪(術強化)
 生贄を返してもらう条件に
  • 欲しい→あまぐもの腕輪
(ミンサガでは水竜の指輪を返すという
 まっとうな選択をしようとしたが
 それだけではだめ、と返された
「わがままな奴だな…」)

■アディリス

  • 欲しい→疾風の靴
  • くれる→あまぐもの腕輪

■タイニィフェザー

  • 欲しい→火神防御輪
  • くれる→疾風の靴

■フレイムタイラント

  • 欲しい→アイスソード
  • くれる→火神防御輪

※つまり、水竜から始まると水竜→アディリス→タイニィフェザー→フレイムタイラント→タイニィフェザー→アディリス→水竜と延々と移動させられる事になる。
逆に、最初にフレイムタイラントから会っておくと一度で済ませられる。

※因みに、アディリスのみは借りっ放しで自前のアイテムが存在しないと云う「全ての元凶」である。
別に悪くはないのだが面倒くさいためにどこが大地の誠やねんと揶揄されることも。

※水竜についてはSFC版だと生贄の儀式を傍観する選択肢さえある(ミンサガでは主人公が強制的に阻止しにかかる)。
取引するか戦うか以前になんと顔見せで出番終了。さらに進行度によっては強制的にこの展開になったりも。

※火神防御輪は本作有数の全滅要因である「火の鳥」「うずしお」を防ぐため、これを持ち逃げするのもかなり有用。
おつかいするつもりであっても、一度に一気にやる必要は無いので、購入できる時期になるまで「ひとまず預かって使い倒す」なんてこともできたりする。ちなみに交換元のアイスソードは持っていなくて全滅した、ということが起こりにくいので、攻略の観点でいうなら積極的に交換したほうが全滅はしにくくなる。

※また、これらのおつかいイベントを消化すると、オマケとして、彼らの分身を召喚できるアイテムがもらえる。
いずれも強力だが、ラスボスのサルーイン相手には通用せず、多少なりともダメージが通るのはフレイムタイラントのみ。とはいえサルーインは最初の数ターンだけこちらからの攻撃が通用しないので、時間稼ぎができるだけでも有用な品だったりする。
…が、タイニィフェザーの「石化くちばし」は、低確率ながらサルーインにも効く即死技である。
作中において、「タイニィフェザーの嘴はサルーインも恐れた」というセリフがあるため、これを伏線と見ることができる。
…とか思ってたら、2014年にもなって石化はただのバグだったことが生みの親から明らかにされた。サガらしいといえばサガらしいが。
なお、河津Pの証言では「確率は計算上1%ほど」となっていたが、某雑誌が検証してみたところ、1000回トライして成功したのは12回(つまり成功率は1.2%)だった。
最初の1回は300回を超えても成功しなかったが、見事に確率が収束した。

【裏四天王】

『ロマサガ』では上記のお遣いを済ませれば四天王から召喚アイテムを貰えたのだが、
『ミンサガ』では更に食糧としているモンスター(シンボル)を各々が増やす様に依頼してくる「モンスターを増やせ!」が発生し、
これをクリアーしないと召喚アイテム(今回は武器)が貰えなくなった。
支配地域で増やしたいモンスター以外のシンボルを倒していく事で達成出来るが、2周目以降の展開として、
  • イベントランク14以上
  • 以前の周回で一度でも同イベントをクリアー済み
の両方を満たした条件下でイベントを途中で放り出す(街に帰ったりする)と、四天王がミニオンに乗っ取られてしまうイベントが発生する。
まあ、強力な四天王を相手に遠慮せずに戦えるのでそれはそれで嬉しいと思うプレイヤーも居るかもしれないが。



【裏四天王】

四天王がミニオンに意識を乗っ取られた姿。
何れも高いステータスが更に強力となる他、肝心の召喚アイテムは入手出来なくなる。
が、代わりとしてここでしか入手出来ない禍々しい見た目の強力な武器(過去のサガシリーズの歴代ラスボスに由来する固有技を持つ)が手に入るので、一度は見ておくのも一興かもしれない。

ブレイズスレイブ

フレイムタイラントがミニオン“ワイル”に支配された姿。
青白い炎に獅子の顔。
ブレイズ(激しい炎)のスレイブ(奴隷)という、強化されていながら操られる身に成り果てたことを示す名前が物悲しい。
倒すとエッグをモチーフにした片手斧「コスモエッグ」が手に入る。

イノーマスウィング

タイニィフェザーがミニオン“ヘイト”に支配された姿。
青白く醜悪に変貌。
名前の意味が真逆(巨大な翼)に。
倒すと七英雄をモチーフにした片手斧「エピックヒーロー」が手に入る。

濁竜

水竜がミニオン“ストライフ”に支配された姿。
白と黒の醜悪な姿に。
その名の様に、変身すると水竜の間の清流が泥水に変わり、やらかした感を強烈に印象付ける。
倒すとカオス・ルーラーをモチーフにした両手斧「ロードオブカオス」が手に入る。

キルリス

アディリスがミニオン“ワイル”に支配された姿。
地虫の様な醜悪な姿に。
名称はKILL(殺す)を掛けた物だろう。
倒すと破壊するものをモチーフにした両手斧「デストロイヤー」が手に入る。



尚、イベントランク14以上だと確かにミニオンに乗っ取られるイベントが発生するが、モンスターを増やしている途中で町に入らなければイベントランクが上がったと判断されないので四天王は乗っ取られないで済む。
つまり、ダンジョンのみを周回してイベントを達成しさえすれば、イベントランク14以上で開始しても四天王は無事となる。





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最終更新:2023年12月20日 03:29