マーゴドン(ウルトラ怪獣)

登録日:2015/11/29 Sun 14:55:57
更新日:2024/02/11 Sun 23:30:21
所要時間:約 9 分で読めます





マーゴドンはウルトラシリーズに登場した怪獣の1体。
別名は冷凍怪獣
この項目では、マーゴドンが登場した『ウルトラマン80』の最終回「あっ!キリンも象も氷になった!!」の内容についても紹介する。

【概要】

身長:70m
体重:3万3千t
背中に翼のような突起を生やした、白いマンモスのような姿の宇宙怪獣。
熱エネルギーを好物にしており、各地の惑星を襲っては次々に熱源を奪い取り、氷に覆われた死の星へと変えてしまう。
「熱」があるなら文字通り何でも吸収し、劇中では火花すら自らのエネルギーに変換している。

巨体を活かした体当たりの他、全身から超低温の冷凍ガス「スティファフロワー」を噴射し、「あっ!キリンも象も氷になった!!」というタイトル通りキリンもゾウも氷漬けにしてしまう。
その冷気はマーゴドンが存在するだけで周りの気温が -50℃になってしまうほど。

や熱をエネルギーにするウルトラ戦士や地球の生物にとっては天敵のような存在である一方、低温状態で生きているため体組織の結合が脆く、物理的な衝撃に弱いのが弱点

ゴメスやリトラの出現から続いた、後に怪獣頻出期と呼ばれる時代に地球で暴れた最後の怪獣である。
また、ウルトラマンが登場して以降数少ない「地球人のみ」で退治に成功した怪獣の1体でもある。


【登場作品】



【主な活躍】

◆『ウルトラマン80』

登場:「あっ!キリンも象も氷になった!!」(第50話)
熱源を求めて地球に侵攻したマーゴドンは九州の南原市を襲い、動物園のキリンやゾウなどあらゆるものを氷漬けにしてしまう。
この事態を受けてUGMも出動。
熱を帯びたあらゆる攻撃を無効化するマーゴドンを前に、オオヤマキャップは空中からの垂直降下で接近戦を指示。
だが、マーゴドンの前にはミサイルも効かず作戦は失敗、作戦を立て直す事態になった。

もし地球が破滅したら、それは我々の責任だ。

我々はこれまで色々な怪獣と戦ってきた。しかし、今度の奴こそ最大で最後の奴だと思う。
奴に勝てば、もうUGMは無敵だ!

オオヤマキャップの檄に対し、イケダ隊員達は「ウルトラマン80が来れば何とかなる」と呑気な事を言ってしまう。
そんな彼らにキャップは激怒。「決して80達の力を借りる事なく、あの最強の怪獣を倒す」と何故か矢的猛隊員の目を見ながらはっきりと述べた。

そして、衝撃に弱いマーゴドンを倒すため、戦闘機にぶら下げた巨大鉄球をぶち込んで体を粉砕する「ジャイアントボール作戦」が決行される事になった。
早速作戦は実行に移され、イトウチーフとイケダ隊員がマーゴドンに挑んだが、猛烈な冷気の影響で鉄球を支えるワイヤーの1本が切れてバランスが崩れ、墜落させられてしまった。
このままでは作戦どころかUGMすら危ない、そう察知した猛は星涼子隊員と共に真の姿――ウルトラマン80とユリアンに変身しようと、ブライトスティックを構える……
ところがその直前、2人の元にオオヤマキャップが現れた。そして彼ははっきりと告げた。

これまで、ウルトラマン80には随分助けられてきた……。

これまでのお礼を言うよ。ウルトラマン80

オオヤマキャップだけではない、イトウチーフもつい最近、これまでUGMと共に戦ってきた光の巨人「ウルトラマン80」、そして仲間である女戦士「ユリアン」の正体が、自分達の部下である矢的猛隊員と星涼子隊員である事を知ってしまったのだ。
そして彼は「いつまでも地球を守るために力を貸してもらうのは悔しい、地球は地球人の手で守り抜かなければならない」と自らの考えを2人に告げた。
「広い意味では地球人も宇宙人、互いに協力し合うことが大事だ」と返す猛=80だが、それでもオオヤマキャップの決意は固かった。
度重なる戦い…特に前回のプラズマ・マイナズマとの戦いで80が傷ついた事、そして80とユリアンが近く地球を去らなければならないと言う事も含めて。

……もう、80には変身しないでくれ!!

そして2人を残し、オオヤマキャップ達もマーゴドンに立ち向かう事となった。
再度ジャイアントボール作戦を決行しようとしたが、今度は待機し続けたフジモリ隊員の戦闘機・スカイハイヤーの燃料が切れるという状況に。

最悪の事態を救ったのは、以前オーストラリアゾーンに転任していたハラダ隊員タジマ隊員であった。

キャップ、いいところでやってきたでしょ♪

空中給油を終えた両隊員の戦闘機は冷凍液を発射。それを吸収してしまったマーゴドンは、自分が氷漬けにされてしまった。
自分が凍らされるという事態には流石のマーゴドンでもどうにもできず、三度目の正直として決行されたジャイアントボール作戦の前にとうとう粉砕。
UGMはウルトラマン80やユリアンの助けを借りる事なく、遂に怪獣を倒す事に成功したのである。


その後、オオヤマキャップが猛=80、涼子=ユリアンの秘密を明かし、彼らを見送るお別れパーティーが開かれた。
そしてキャップは、仲間達に自らの心情を明かした。

これまでUGMは、何度もウルトラマン80の力を借り続けた。その中で、自分も含めて80への依存心が生まれてしまっていた。
だが、それでは駄目だ、やはり自分達の手で地球を守り続けなければいけない、とキャップは決意した。
それは涼子隊員=ユリアンがやって来た目的が、ウルトラマン80を呼びに来た事――いつか80と別れる日が訪れる事が分かってからであった。

今、我々は怪獣に勝った!80の助けを借りないで!

地球最後かもしれぬ大怪獣をやっつける事が出来た!

これで、我々は胸を張って、ウルトラマン80とユリアンにさよならを言える!

地球で出会った仲間達に、「この星での思い出は絶対に忘れない」と涼子=ユリアンは言った。
そして猛=80は別れの言葉を告げた。

さよならは終わりではなく、新しい思い出の始まりと言います。じゃあみんな、お元気で!

それを受け、キャップも最後の言葉を大事な宇宙の仲間にかけた。

今日の別れは永遠の別れではなく、また会う時までの仮の別れのつもりでいてほしい。

……本当は……本当は……ウルトラマン80にいつまでもいてほしかった……!


そして、猛と涼子は地球での最後の1日を思いっきり満喫した。
公園や町を一緒に歩いたり、遊園地で遊んだり。

やがて彼らは浜辺に立ち、80とユリアンに変身。星空の彼方にあるウルトラの星へと帰っていった……。



それから時は経ち、2006年のディノゾールの出現から、再び地球は怪獣や宇宙人の脅威に晒される。
だが地球人は「ウルトラマンメビウス」という頼もしい仲間と共に、地球を狙う恐るべき力に敢然と立ち向かっていく

そして再び地球にやって来たウルトラマン80も、ずっと昔に残したある悔いの決着をつける事となる


◆『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦 戦え!ウルトラ兄弟(てれびくん版)』

多くのウルトラマンの漫画を手掛けている故・内山まもる氏が26年ぶりに執筆したウルトラシリーズの連載漫画作品。『てれびくん』などで掲載された。

ディノゾールとの戦いから始まり、様々な激闘の末、地球の仲間達や歴代戦士達の助けを借りて大きく成長したメビウス。
だが、彼が光の国に帰還した後も宇宙各地で戦いは続いており、その中でレオ兄弟や80からの連絡が途絶えたと緊急のウルトラサインがメビウスに寄せられた。

彼らの送信が途絶えたカプト星で見たのは、忌まわしいヒッポリトカプセルに閉じ込められたレオと80。
メビュームシュートで何とか彼らを助け出したメビウスであったがそれは罠であり、彼らはアトランタ星人やカーン星人が化けた偽者であった。
何とかカーン星人を撃破したメビウスだが、彼もまたヒッポリトカプセルに封じられてしまう。
実はヒッポリト星人がマーゴドンを操り、カプト星をウルトラ戦士が苦手な氷の星に変えた上、レオ兄弟と80をタール像にして氷の中に封じ込めてしまったのである。

だが、タール漬けにされる寸前、突如何者かがヒッポリトカプセルを破壊。

ふっふっふ……しゃらくせえ、ヒッポリト星人!

あっという間にアトランタ星人を撃破した戦士の正体は、鎧を纏うウルトラ戦士・宇宙警備隊アンドロメダ星雲支部隊長のメロスであった。
そして体力が消耗したメビウス、タール像にされてしまったレオ兄弟や80も、緊急事態を受けて駆けつけたマンジャックエースタロウの「ウルトラの星作戦」でエネルギーを与えられて回復。

集結したウルトラ戦士を残らず氷漬けにしようと動き出したヒッポリト星人とマーゴドンだが……。


あまりにもオーバーキル過ぎるウルトラ戦士の光線一斉発射を受け、あっという間に撃破されたのであった。

なお、本編中ヒッポリト星人はずっとマーゴドンの上に跨っている。
また、ウルトラセブンウルトラマンヒカリは別の場所でキングジョーを相手に戦っていた他、ゾフィーは光の国から指示を行っていたため、救出には加わっていない。


◆『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』

ベリュドラのパーツとしての登場で、右腕部分にその姿が確認できる。


◆『蒼い瞳の少女は灰色と名乗った』

宇宙ギャングのボス・バルサスが手先として操る怪獣として登場。
惑星O-50でロッソ・ブル・グリージョ(後の美剣サキ)の三兄妹を相手に戦い、優位に立っていたが、
三兄妹がそれぞれウルトラマンロッソウルトラマンブルグルジオボーンの力を得ると形勢が逆転し、最終的に倒されてしまった。


【余談】

  • デザインは山口修氏。決定稿には「マンモス」の字が添えられており、デザインのモチーフとなったと推測される。
    初期稿ではサイのような角を持ち、『ウルトラQ』のゴルゴスの如く氷塊が怪獣化したかのような別アプローチのデザインも描かれていたが、最終回の内容が現在の形となった事に合わせてデザイン画も描き直されたという。
    ちなみに、2021年12月にホビージャパンより刊行された書籍『円谷怪獣デザイン大鑑1971-1980 豪怪奔放』ではデザイン画の他、映像作品では冷気表現のためにあまり鮮明に映されていないマーゴドンの実際に造形された着ぐるみの顔アップのスチールも掲載されているため、興味ある方は要チェック。

  • エイプリルフール企画や『80』でのイベントを始めとした公式でも散々ネタにされる「あっ!キリンも象も氷になった!!」という最終回のサブタイトルだが、本来は前後編となるはずだった初期案では、後編のサブタイトルが「UGMの地球平和宣言」というまともな最終回らしいタイトルになるはずだったが、特番の影響で放送枠が足りなくなったために今のような形になってしまったらしい。
    なお、オオヤマキャップは猛が80である事を既に知っているという設定は初期案から既にあった様子。
    • なお、マイナビニュースにおける『80』の特集によれば、「あっ!キリンも象も氷になった!!」というタイトルが「マーゴドンの冷気の被害に遭う場所はアフリカや南太平洋」という初期案の内容に合わせたものだった事や、予算の都合で実際の完成作品では動物園に変更せざるを得なかった事が明かされている。


  • 『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』の第1話で、レイゴモラに倒された死体としての登場が予定されていたが、スーツが残っていなかったため冷凍怪獣の先輩格であるペギラに出番(?)を譲っている。
    他にも『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』の技カードでも、ペギラのカードはマーゴドンの上位互換となっている。



あっ!追記も修正も氷になった!!

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最終更新:2024年02月11日 23:30