レオン・ルイス(牙狼-GARO-)

登録日:2015/11/29 (日) 02:15:06
更新日:2024/03/27 Wed 16:37:34
所要時間:約 22 分で読めます





……奴らが来るってわかってて、俺を独りにしたんだろ?オヤジ!


レオン・ルイスは、牙狼シリーズ第5弾・『牙狼-GARO- 炎の刻印』の主人公。



弱冠17歳で黄金騎士ガロの称号を受け継いだ若き魔戒騎士
父は絶影騎士ゾロの称号を持つ魔戒騎士ヘルマン・ルイス
母は堕ちた魔戒法師メンドーサの策略で『魔女』として火刑に処された魔戒法師アンナ・ルイス
アンナは火刑場にて燃え盛る炎に包まれながら彼を産み落とし、
その時最期の力を振り絞り我が子の左半身に『炎の刻印』と呼ばれる痣を刻み付けた。
この呪われた生い立ちの影響で引き起こされる、『炎の記憶』が長きに渡りレオンを苦しめていく。


『黒の騎士団』を束ねる暗黒騎士ベルナルド・ディオンに敗北したことを機に、己の非力を恥じ更なる力を欲するようになる。
そうした中、自身の従兄弟にあたるヴァリアンテ国王子アルフォンソ・サン・ヴァリアンテと邂逅。
共に仇敵メンドーサの打倒とヴァリアンテ国奪回を誓う。

しかし、『禁断の魔導具』の間でメンドーサと対峙した際、母を処刑に追いやった元凶が他ならぬメンドーサであることを当人から告げられ、抑えがたい憎悪に駆られてしまう。
その隙を突かれるかのごとく術で動きを封じられ、心の傷を押し広げられて心滅獣身に陥り暴走。
大勢の無辜の民も暮らしていたサンタ・バルドの街を火の海に変えてしまった。

ヘルマンの願いを享けたアルフォンソの手で心滅状態から解放されたレオンだが、
怒りに囚われて姦計に陥り、あまつさえ守るべき人々を虐殺した不覚から英霊に見放され、ガロの鎧はもう一人の資格者であるアルフォンソを継承者と認めてしまう。
レオンにこの間の記憶は無く、また彼にとってガロの鎧は亡き母から受け継いだ唯一の繋がりでもあったが、
事態の深刻さは最早そうした背景を考慮してもレオンから黄金騎士の資格を剥奪するのには充分だった。

友には幻滅され*1、父から無様さを咎められて殴り倒され*2
精神的にどん底に落ちたレオンは廃墟と化したサンタ・バルドを虚ろな瞳でさ迷い歩く。


これからどうする気……どうする……?
俺には……何もない……鎧もない……メンドーサも死んだ……
戦う理由も、何もない……


復讐以外に生きる意味、戦う理由が見出せなかったレオンは崖の上に立ち、涙ながらに親子鳥が飛ぶ空を見やりながら両腕を広げる。
ここではないどこかへと、その身を投げ出して……。











どうして助けた……?俺なんてあのまま、どうなってもよかったんだ……



キャストによる鍋回を挟んで後、
全てを失ったレオンは第13話『彷徨-BURNING ASHES-』にて、ヴァリアンテの郊外にある農村に流れ着く。
ホラーと無縁な地で暮らす少女ララに介抱され、なぜ生きているのかと苦悩するレオンだが、
温かな麦粥と固いカンパーニュを食する質素で穏やかな日々を過ごすララとその家族に支えられ、少しずつひび割れた心を再生させていく。
老体に鞭打って用水路を掘るララの祖父の姿に心打たれたレオンは、短い助言から農具の遣い方を学び、彼と共に一筋の水路を作り上げた。
一家から感謝の言葉をかけられるレオン。
それは誰から省みられることもなく、闇に紛れホラーを狩り続ける魔戒騎士だった頃には味わったことの無い未知の喜びだった。

……レオンだ。俺の名前、言ってなかったから。

かくして、ララに自らの名を告げたレオンは『耕す者』として新たな人生を歩み始めた。
ホラー討滅と復讐しか知らず、物心ついた時からヘルマンとあてもない流離の旅を続けていた彼にとって、
家族と共に土に向かい合って過ごす穏やかな暮らしは、いつしかかけがえのないものになっていった。


……だが、安息の日々は長くは続かなかった。


村から村へと渡り人を喰らう凶悪なはぐれホラー・グランドマグスの襲撃が一瞬にしてレオンの安らぎを蹂躙し粉々にした。
村外れにある妖精の丘*3へ行くよう家族に促すレオンだが、
来年の種籾を捨て置けず家に戻ってしまった祖父とそれに付き従ったララは*4
折悪くグランドマグスに遭遇、祖父を始め一家は焼き殺された上、ララも燃え落ちる家屋の下敷きになり、非業の最期を遂げてしまう。*5
戦う力を一切捨ててしまっていたレオンにはこの悲劇を止められず無力感から再び刻印による『炎の記憶』に苛まれる。
「お前の中の炎を燃やせ」……その囁きを受けた後、彼はアルフォンソの前に再び立つ。
黄金の鎧の返還を求める眼は地獄を見てなお、鋭く澄み渡っていた。

アルフォンソは彼の師たるラファエロの思い出の地でもあるコロッセウム跡でレオンと対峙。
再び復讐に生き、かつてのヴァリアンテのごとくすべてを焼き尽くすつもりかと訝しむ彼に対し、
レオンはアルフォンソから手渡された護身用のロングソードを抜き、告げる。

俺が欲しいのは復讐のための力じゃない。
誰かを守るための力だ!
たった一人でもいい、明日へ……その先へ繋げていける力だ!
『守りし者』として、戦いを……俺も!!

この言葉を受けたアルフォンソはレオンの覚悟と成長の程を確かめるべく、青鞘の魔戒剣を抜いた。
そして始まる決闘…荒々しくも、以前のごとく闇雲に振るうものではない、大地を耕すような力強い太刀筋で剣を振るう赤毛の騎士。
その太刀筋を剣で受け止めヴァリアンテの王子は確信する。

―間違いない……この剣、以前戦った時とはまるで違う。レオンの復讐の炎は、確かに……!―

鋭くも曇りなきレオンの真紅の瞳を見据え、アルフォンソは心なしか微笑んでいた。
幾度も刃をぶつけ、間合いを取る両者。レオンはロングソードを十字架に見立て構え、亡き少女を想う。
『炎の記憶』に囚われた彼を奮い立たせたのは、彼女との思い出。

―ララ……約束する。お前が見れなかった花、光……必ず守る。俺は二度と俺の中の炎を見ることはない!!―

レオン!二度と燻ることがないよう、火の粉一つまで消し去れ!!

アルフォンソの叫びを受けレオンは地を蹴り、迷いもなく剣を振り下ろす。
彼もまた跳躍しレオンを迎え撃ち……

決闘の末、レオンは再び黄金の鎧を纏い、真に『守りし者』として目覚めたのだった。


服装・装備

物語序盤では赤い袖なしのシャツの上に黒いコート(魔法衣)を着ており、騎士というより『魔女の下僕』を思わせる風貌だった*6
第18話『幻炎-SCAR FLAME-』で再びガロの後継者に認められた際に、我々が知る黄金騎士の正当な家系の者が羽織る白い魔法衣に似たものを纏い、
以降はそれがデフォルトとなる。

序盤と後半で衣装の色は異なるが、ガロの後継者の証たる赤鞘の魔戒剣を共通の得物とし、ホラーを封じる騎士として刃を振るう。


戦闘力

右手で魔戒剣を横一文字に添え、左腕に刃を擦りつけるような構え方が特徴で、燃え盛る炎のごとく目の前のホラーに猛然と斬りかかる攻撃に偏重したスタイル。
『耕す者』となっても騎士としての技は体が覚えており、巻割り用の手斧を魔戒剣に見立ててグランドマグスと戦ったこともあるが、討滅には至らなかった*7

初期は己の身を省みず力任せで剣を振るう無茶な戦い方が目立ったが、
ララの村で畑を耕す日々を経て、真に『守りし者』として覚醒してからはロングソードでも地を割り、コロッセウムの柱を打ち砕くほどの腕力だけでなく、
アルフォンソの魔戒剣を受け流すほどの技量も体得する。

並の陰我ホラーならば難なく倒すことはできるようだが、本編では強敵を単独では撃破できていない。
  • 所詮で手痛い敗北を喫した暗黒騎士ゼクスはヘルマンが因縁の対決に持っていったためリベンジならず
  • 『オルビエンのキマイラ』ことはぐれホラー・アンフェル戦はアルフォンソのガイア継承イベントとして消化
  • 戦線復帰した第18話に登場した使徒ホラー・マンドゥーラ戦ではトドメはアルフォンソが刺す
  • 第21話でのヘルマンとの真剣勝負に全力で挑んだ結果、ヘルマンが制してレオンの親父超えならず
…と、黄金騎士にしてはやや戦績に華が無い*8
ただし、これは必ずしもレオン独りが強くなくとも、結果的に人を守ることができさえすれば良いのだと受け入れられる精神的成長の表れだとも受け取れる。


性格

表面的にはぶっきらぼうで負けん気が強いが、動物に優しく年相応に繊細な部分もある。
心に傷を負っていながら、他者に対しては不器用ながらも気遣いを見せる飾らない優しさの持ち主。
あまり社交的というわけでもないが、旅暮らしの中で世知には長けており、女遊びに呆ける父の気付かぬ間に金貨袋を掠め取ったり、民芸品を見て贋物か否かを見極める眼力を持っている。
これは世間知らずのアルフォンソとは好対照で、ふたりがコンビとして行動するきっかけともなった。
真面目な人間とは問題なく打ち解けられるが、ヘルマンやエマ(そしてメンドーサ)のような海千山千で掴みどころが無いタイプは苦手としており、
他愛も無いからかいや挑発に逐一乗せられて頭に血が上ってしまう。

また、最大の欠点は『女性に免疫がない』こと。
その免疫のなさは方々で描かれており、売春婦という職業*9があることやナニをするかは知っていてもそれを斡旋されるとタジタジになってしまうウブな坊やである。
そういうところが年上の女性の母性本能をくすぐるのか、そこらのおばちゃんに逆セクハラされることも…
当のレオン本人は「もっと、こう…なんというか…自然な流れが、来るまでは…」と恋愛および女関係はかなり控えめな様子だが、
母の存在を知らぬまま育った彼自身にも、無意識に女性に母性を求める面があるようだ。

エマ「……ホントに坊やだったのね。なんか…やだ、ごめんなさい」
レオン「謝るな!!俺はアンタとオヤジとは違うだけだ!!」

まあ、あの色魔・種馬・絶倫騎士エロのヘルマンを反面教師にしている以上、女性関係には奥手にならざるを得ないだろう。

物語序盤ではただひたすらに母を焼き殺したメンドーサへの復讐以外戦う理由が見いだせなかったため、『守りし者』としての自覚は薄かった*10
しかし、ララの住む農村で『耕す者』として日々を過ごしていく中で、
守るべき者の過ごす日常の大切さとその喪失の痛みを知り、悲劇を繰り返さないために真に『守りし者』として開眼。
その精神はルシアーノとの決着に生き急ぐエマを気遣い、
アニマの間でヘルマンの死を目の当たりにした際にメンドーサが挑発するのにも惑わされないほど強靭になっていた。


その絆


レオンに関連する人物と、彼との関係。

レオンの父であり、彼を魔戒騎士に育て上げた師匠的存在。
基本的にはヘルマンのツッコミ女房代わりと財布代わりで、彼が色ボケに走るとレオンがツッコミを入れる*11
軍資金の管理も物心ついた時から自然に身につけているようで、ヘルマンが女遊びに耽るのを阻止するためにいつの間にか金貨袋を持っていることも。
時折、母が焼かれる悪夢にうなされたり感情に流されて暴走しかける際はヘルマンがそれを静止する役になる。
レオン自身も父のだらしない姿に心底呆れながらも、気付かないうちに彼の騎士としての信念を見ており、
第21話で決闘する中、本心を隠している様を見抜いていたようだ。


  • アンナ・ルイス
レオンの母たる魔戒法師だが、その生い立ちから彼は母の顔すら知らず育っており、
一時期は「なぜ母は自身に刻印を施したのか」と女たらしのヘルマンほどではないにしろ恨みがましい想いを抱いていた。


  • 魔導輪ザルバ
シリーズを通して黄金騎士の友たる魔導具。
物語開始前に一度大破しており、レオン以前の黄金騎士の記憶はリセットされてしまったものと思われる。
第3話『契約-ZARUBA-』にてガエル法師の手で大量に塩をぶっかけられて修復され、『殺してでも奪い取る』と弟子たるマルセロに強奪されるが後にレオンが奪還。
序盤ではレオンの刻印を制御する轡を施されてるため、会話こそ少なかったが、心滅獣身の余波で轡が壊された後は一時期アルフォンソをパートナーにしていた*12
レオンにガロの鎧が返却された後はいろいろと助言をするようになる。
口調こそ古風だがエマと寝たことを喋ったり、レオンの代わりに再会の時期を訪ねるという従来のザルバらしい下世話でお茶目な一面も見せている。


  • エマ・グスマン
第2話『刻印-DIVINE FLAME-』にてルイス親子と遭遇。
当初は第3話で酒場でルイス親子と会話する中、レオンの魔法衣に蜘蛛型の魔導具を取りつけてガエル法師の隠れ場を探知しようとする様子から、
夫のルシアーノ*13の情報を得るための手段として見ていたが、
レオンに関しては何かと放っておけない部分があり「坊や」と言いながら面倒を見る場面が多かった。
第19話『黒翼-TEMPEST-』で闇に堕ちたルシアーノと決別した後、すべてを忘れんとレオンの看病を受けながら酒を飲み泥酔した勢いでレオンと一線を超えてしまう。
こうして、意図せずして傷の舐めあい年の差カップルが成立したのだった*14


レオンの従兄弟にあたるヴァリアンテ国の王子で、第9話『師弟-NEW HOPE-』にてレオンと邂逅。
恵まれた生まれや恩師の教え、そして『民を救い、国を救う』という確固とした目的を持つ彼の姿はレオンには眩しく見えており、
彼がガロの鎧を纏った際には力なく返せと懇願し怒りを買ってしまったが、第17話で互いに見えていなかったものがあったと気付き和解。
レオンが真に『守りし者』として目覚めた後、アルフォンソはガイアの鎧を纏いエマと共に決戦に臨んだ。


  • ララ
第13話で流れ着いた、ヴァリアンテ国の郊外にある農村で出会った少女。
父を狼に襲われ失った過去を持ちながら、素朴で明るさを失わないその姿は、傷ついたレオンの心を優しく癒した。
全部放りだしてどこか他所へ行こうと思わないのか、というレオンの問いに彼女は
「なんにもなくたって父さんの遺した土地だもの」と故郷から離れられないと答え、カミツレの花が咲く春を待ちわびていたが…
彼女の最期にショックを受け1週間も耐え切れなかった視聴者や鋼牙少年時代とかつて『銀牙』を名乗っていたの過去の悲劇が一緒くたに襲い掛かったと感じた旧来のファンは多いはず。


  • フリオ
サンタ・バルドの鍛冶職人ジョルディの養子で、元々は貧民街の出身だった。
第6話にて貧民街の子どもが市場の肉を盗んで店員に殴り飛ばされるのを目の当たりにした際、ヘルマンの軍資金代金を支払ったレオンと知り合う。
ジョルディは実子たるセルジュを失った隙を突かれ、身も心もホラーに憑依され最終的にヘルマンの手で討たれてしまうが、
ヘルマンの「生き残った者は過ぎた事を悔やむより、これからできる事を考えればいい」という言葉でわずかながら立ち直る。
その翌日、人気のいない鍛冶屋でジョルディのように尊敬される人になれるか不安に思うが、
レオンの「自分の手ひとつで、そうなれる場所なんだろ?」という言葉を受け、サンタ・バルドの若き職人へと成長。
第15話『職人-PROJECT G-』では腕利きの職人らと共に、ガロの鎧をモデルにした金色狼という機械仕掛けの鎧を生みだした。


  • 先代黄金騎士
第5話『堅陣-GAIA-』ラスト付近で、ザルバとの契約で『新月の時』に一日分の生命を吸われたレオンの前に現れた英霊。
金色の鎧を纏ったその姿は、実写版の牙狼そのものであり、その正体はレオンとアルフォンソの祖父だと思われる。
過去・現在・未来すべての時が分かたれる事なく存在する『時たゆたう場所』で、
レオンに「お前の炎を恐れるな。迷う時は自らの剣に問え…『守るべきものは何者か』と」と助言し、姿を消した。




レオン「遅かったな……」

ギレルモ「お前が……魔女……の子か……?」

レオン「レオン・ルイス……お前達ホラーを封印せし血を受け継ぐ者……!

黄金騎士ガロ(前期)

魔戒騎士の最高位の称号を持つ者にのみ纏うことが許される黄金の鎧であり、レオンが纏うものは母方から受け継がれたもの。*15
第1話『業火-HELL FIRE-』にて、ホラー・メタクリムの前で鎧を召喚。
レオンが魔戒剣を振るい、上空に円を描く事で鎧が召喚されるが、『炎の記憶』を抱えたレオンの精神状態にソウルメタルが反応し
左半身がひび割れ、そこから吹き出す炎はホラーのみならず戦陣一帯を無差別に焼き尽くす。

瞳の色は真紅。召還に伴い魔戒剣が牙狼剣という長剣に変化する点は実写版と変わらないが、
デザインはアニメというメディアに従い有機的な雰囲気になっており、獰猛な形相の兜はレオンの感情の昂りに応じるように眉間に皺を寄せて唸ったり、牙を剥いて咆哮するなど、まるで生きているように豊かな表情を見せる。
また、全体的に末端肥大&華奢なラインをしており、左半身に走る亀裂も相まって『未熟』『未発達』『不完全』といったネガティヴな印象を見る者に与えるシルエットが特徴。
実際『守りし者』として未成熟だったレオンの心が憎しみや悲しみに囚われると暴走してしまう不安定な側面があり、
この状態では真紅の瞳白く濁り、形こそ人を保っているものの狂気の咆哮を上げ、自身以外を敵とみなし襲い掛かる姿はほぼ心滅獣身に等しいものである。
暴走からレオンを解放するには腰の紋章を突いて鎧を強制的に解除しなければならなかった。

背中には金輪が施された一対の背旗が伸びており、それでホラーを捕縛したり跳躍時に踏み台として利用することもできる。
戦闘時は牙狼剣による苛烈な速攻を得意とし、突き刺したホラーに迸る炎を注ぎ込んで内部から爆散させる剣技をトドメとして用いたこともある。
ザルバの轡により刻印を制御されるようになってからは、烈火炎装の応用で炎の刃を飛ばす攻撃も見られた。



アルフォンソ「馬鹿な……!?」

メンドーサ「美しい……」

アルフォンソ「メンドーサ!!」

メンドーサ「どうでしょう王子?業を喰らい、真の姿を現した黄金の鎧……なんと醜く、美しい……

アルフォンソ「貴様ぁ……!!」

心滅獣身ガロ

第12話にてメンドーサの策略で呪われた出生の記憶を見せられ、ザルバの轡ですら制御できないほどの炎を吹き出し発狂したレオンに反応し、ガロの鎧が変貌した姿。
両拳頭部が狼の頭の如く変異した三つ首*16の巨体は冥府の番犬ケルベロスを思わせる。
心滅獣身は総じて規格外の戦闘力が特徴であるが、それを考慮しても従来シリーズとは比較にならない凄絶なパワーを揮い、劇中ではほぼ怪獣映画の様相を呈していた。
『守りし者』の意義を冒涜するかの如きその姿は黄金騎士=『光の騎士』を救国の英雄と信じていたアルフォンソを幻滅させ、
同時にガロの系譜に汚点を残したことから魔戒騎士を憎むメンドーサにとってはこの上ない愉悦を感じさせる存在である。

刻印による副作用もとどまることを知らず、咆哮と共に狼の群れにも似た無数の炎が民ごとサンタ・バルドの城下町を焼き尽くし
アンナが刑に処された火刑場に辿り着き、母だったモノが朽ち果てて消える様を見て怒りと悲しみが頂点に達し、竜巻状の火炎をまき散らしていった
やがて、ヘルマンの頼みを受けたアルフォンソのガイアの剣により紋章を突かれ、紅く染まった月にまで幾度も蹴り上げられて強制解除、鎧はアルフォンソを後継者として選ぶことになる。



ザルバ「使徒ホラー・マンドゥーラ。久方ぶりに鎧を纏うお前には、荷が勝ちすぎるかもしれぬ」

レオン「……そうか」

アルフォンソ「試してみるか?」

黄金騎士ガロ(後期)

第18話、アルフォンソとの決闘を経てレオンが再びガロの鎧を纏った姿。
真紅の瞳を除けば、ほぼ実写版および先代黄金騎士に似たものとなっている。
刺々しい表情の前期と異なり、瞳や顔立ちも雄々しさと逞しさを感じさせるものになっている。
背中には背旗の代わりに漆黒のマントを生やしており、これでレオンは真に黄金騎士として認められたことになる。

左半身の刻印に頼らずとも烈火炎装を放つこともできる*17。その色は歴代黄金騎士と同じ
いずれの形態においてもレオンのホラー封印数は100体に到達していなかったためか、ヘルマンのように魔導馬の召喚には至ってはいない。

前期・後期共にレオンがガロの鎧を纏う際流れる専用BGMは「レオン・ガロ召還」。
特報PVや『魔戒指南』の出だしでよく流れているため印象に残っている人も多いであろうこの曲は、ギターとバイオリンの旋律、そして曲の中盤で響き渡る合唱が重なり合い勇壮さと悲壮さが入り混じった、レオンのキャラクターを象徴する曲となっている。



レオン「この想いこそが、永遠だ……!メンドーサ、お前にはわかるまい!!

メンドーサ「溝鼠の想いが、なんだというのだ……?」

レオン「……行くぞ、オヤジ!!

最終話、古のホラー・アニマと融合し不滅の存在となったメンドーサに滅多打ちにされ鎧召喚もままならない状況の中、
エマとアルフォンソの援護を受けたレオンがヘルマンの魔戒剣を合体させ、牙狼剣と共に掲げ円を描きガロとゾロの鎧を融合させて装着した姿。
装着する前、レオンを取り囲む光芒とガロとゾロの鎧のパーツが星の渦を描いており、その姿はヴァリアンテ国の救世主たる『光の騎士』を思わせる。
この眩い輝きを放った後、魔導火の翼を得て飛翔、全体的にが入り混じった鎧となる。
右に金色、左に白銀の狼の意匠が施された両肩、胸部から延びた鎖に両腕部に施されたアンカー、そして背中に施された金輪付きの背旗と、ヘルマンの背中を見届けたレオンが辿った記憶の集大成ともいえる。
牙狼剣もゾロの曲刀にガロの紋章が施された二振りの剣となり、ガロの血統たるアンナとゾロの血統たるヘルマン、両者の血を受け継ぐレオンにのみ許される姿といえるだろう。


刻印の真実

双烈融身となり、メンドーサと死闘を繰り広げるレオン。
しかし、不滅の存在となったメンドーサを討滅するには至らず、ゲートに飛び込んで自らを犠牲にしてでも魔界に封印することを選ぶ。
幾ら斬り刻んでも際限なく再生するメンドーサを、剣を楔に岩へと磔にし、遥か奈落の底へと落ちていく。
レオンの命はやがては尽き、愚かな人間の業によってゲートは開かれメンドーサは人界に再臨するであろう。
諦めろ、すべては悪あがきなのだ…そう冷笑するメンドーサに対してもレオンは動じない。

諦めるのはお前だ……!
俺が倒れても、必ず次の騎士が来る……その次も、その次も!
魔戒騎士、魔戒法師がひとりでも残っている限り、お前は自由にはならない!
そしていつか、お前を完全に討滅する手段も見つける……必ずだ!!

地上の仲間に全てを託し、命綱であるエマの糸を断たんとしたレオンの体に異変が起こる。
それは自身で消し去ったはずの刻印の副作用だった。左半身から巻き起こる炎は、メンドーサの身体へと移っていく。

ぐおおおおおおおおおおおおっ!!?
こ……これは……この炎は……!?

貴様はあっ!!?
ぐおああああああああああああっ!!!

メンドーサの瞳に移るは、かつて自身がヴァリアンテの名を借りて『魔女狩り』に処した女魔戒法師……アンナだった。

レオン……メンドーサは私が炎で包み続けましょう。
朽ちることのない体を、永遠に……

再生せども再生せどもメンドーサの血肉を焼き焦がす炎は止まらず。
炎の中に映る幻影は、レオンに初めて優しき母の面影を見せ、彼自身に忌々しき刻印と共に生み落された記憶を思い出させる。
父からはホラーと戦う力を、母からは炎の護りを……すべてを悟ったレオンは涙する。

あれは……あれは復讐の炎なんかじゃなかった……
母さん……母さん!!

レオン……お行きなさい。
あなたにはまだ、守りし者としての務めがあります。
あなたに、永遠の愛を……

たくましく成長した我が子の姿を目に焼き付けたアンナは、地上に帰るよう促す。
魔界に燃え盛る炎とヘルマンの別離の言葉を受け、絶影騎士の愛馬たる銀の魔導馬と共にレオンは地上に帰還したのだった。


守りし者として

戦いは終わり、ヴァリアンテに平穏な日々が訪れた。
質素な服で民と共に国の復興に勤しむアルフォンソを見やったレオンは、かつてララの村があった丘に戻り彼女の墓前でカミツレの花が咲き誇るのを見定める。

お前が言っていた通り、本当にきれいだ……見えるか?

そして、ルシアーノの思い出の街に里心がつき旅立とうとするエマと別れ、
ヘルマンの子を身ごもったヒメナと彼の魔導具たるジルヴァの元を訪れ、彼女らと共にいずれ生まれくる腹違いの弟(妹?)の姿を心待ちにする。

そして訪れる夕暮れ。
かつて父が赤子の自身を掲げ、父と共にヴァリアンテを眺めた地にてひとり立つレオン。

繋いでいく……今度は俺が、『守りし者』として!

右手にヘルマンの魔戒剣を握りしめ、レオンはひとり歩き出す。
昨日から今日、そして明日を繋ぐ者の未来を守るために……。


余談


  • 年末の忘年会特別編『饗応-DAYBREAK-』では、メインキャスト4名による登場人物の評が語られている。
    浪川さん演じるレオンに関しては「俺が言うのもなんだけどネクラ」(Byヘルマン役の堀内賢雄さん)、
    「愛情に飢えた子」(Byエマ役の朴ロ美さん)と評される中、
    浪川さん本人も「何でも揃ってるアルフォンソが見ててうらやましかった」と評し、
    堀内さんもまた「血のつながってる部分があるのに、こうやって境遇が違うのはいろんな人生を感じますよね」と評している。
    一方で朴さんは「図太い根っこがある」と言い、「アルフォンソも苦しまないと本物の黄金騎士にはなれない!」と評している。
    けして役者さんのキャリアからではない。

  • そんな浪川さんが選んだ名シーンは第12話のレオン暴走およびアルフォンソとの決闘シーン。
    脚本ではほぼ叫び声しか書かれておらず、レオンの叫び声を多く叫び続けていた浪川さん本人も「すごい叫んだ後に頭が痛くなるんですよね」と苦笑。
    朴さんも「(声が)裏返るのが好きなの。だって、人間がさぁ『グワーッ』ってなってる時に声が急にひっくり返るじゃない。ああいうのに臨場感を感じて好き」と浪川さんにツッコミ入れながら評価した。
    この後、朴さんのムチャぶりで堀内さんをメンドーサ代わりに第12話の魂の絶叫シーンを再現しようとしたら
    「まだまだぁ!」と気の抜けた言い方をされて脱力。
    さらに絶妙なタイミングでお尻のsiriが「聞き取れませんでした」という声を発し一同は爆笑の渦に巻き込まれるのだった。

  • 第18話のレオンとアルフォンソの決闘シーンは同じMAPPA制作の『神撃のバハムート GENESIS』のスタッフが合流しているだけあって迫力あるシーンとなっており、
    第12話から前話にいたるまでフラストレーションの溜まった視聴者を感嘆させるほどの名場面ともいえる。

  • 歴代黄金騎士の中でも波瀾万丈と言っていいレオンの物語だが、森久保祥太郎さんが歌う後期ED「FORCUS」では、白い魔法衣を纏いララを守らんとするレオンの図が見られる。
    インターネットラジオ「魔戒通信」最終回でのスタッフインタビューによると、
    このカットは「If=ありえたはずの未来」であり、EDを作った時にはまだ本編が出来上がっておらず、
    鎧が割れて素顔があらわになるのも「If」だったが本編で「Real」として実現された。
    また、EDの〆で白い羽根の上に覆いかぶさる四つの黒い羽根は「偽りを真実が塗りつぶす」、という意図で描かれているとのこと。
    2人が立っていたのが大聖堂だいうことから、今を生き、亡きララの想いを背負い『守りし者』として戦うレオンの構図に見えなくもない。



追記・修正していく……今度は俺が、wiki篭りとして!


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最終更新:2024年03月27日 16:37

*1 破壊者に堕落した上に国と民とを傷つけたレオンに向けたアルフォンソの怒りは正当なものである。しかし、城に帰還してから足手まといになるまいと母が自害していた事実に向き合った時、彼は母を喪ったレオンの心の痛みを身を以て知ることになる。

*2 一応、ヘルマンはエマにこのままでいいのか、と問われるが「手伝って起き上がらせても、また転ぶだけだ。自分で立つしかねえ……」と返している。

*3 ホラー除けの結界が残る番犬所の入り口の跡。ここに逃げ込めばホラーの追撃を凌げたのだが…。

*4 この時代、小作人にとって来年の種籾が灰になるというのは一家の全滅と同義である。決して『命あっての物種』とララ一家の不明を責めることはできない。

*5 最期の言葉は「旅人さん……助けて……」。

*6 とはいえ、シリーズ全体から見ると魔戒騎士の魔法衣の色で圧倒的に多いのは『黒』である。第3期のガロである道外流牙もコートは黒。

*7 ソウルメタル製の武器でなければホラーに有効打は与えられないので、この場合、レオンの技量が不足していたわけではない。

*8 これは逆に、サブキャラクターに見せ場が行き渡っているバランスの良い構成だとも言える。

*9 当然、この時代では合法のポピュラーな仕事である。ヘルマンも行く先々の街で買いまくり…。

*10 憎悪と義務感だけでホラーを狩るその姿勢は第1期の主人公、冴島鋼牙に近い。

*11 敵地潜入前に浮かれた態度を取った父を崖から蹴落としたこともある。有志の計算によると高さはビルの15階相当だそうな。死ぬっつーの。

*12 ザルバはガロ専用の魔導輪で、それ以外の騎士が身に着けても無意味なため。

*13 正確には夫に憑依したホラー=夫の仇である。

*14 尤も、エマにとってはヤケ酒のついでのような『一夜の割り切った付き合い』感覚だったようで、全てが終わった後レオンがきちんと『責任を取ろうとした』際にはすげなく袖にしている

*15 ちなみに舞台が西洋であることから、この作品の魔戒騎士には漢字による当て字表記は存在しない。黄金騎士も『牙狼』ではなく『ガロ』表記で統一されている

*16 両腕の首も独立した意識を持ったように動き、敵を咬み裂く。

*17 この時代、アイテムとしての魔導火は無いので烈火炎装は気合で点火する形式