メガンテ

登録日:2009/06/22 Mon 00:15:08
更新日:2024/04/18 Thu 19:57:18
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俺の冒険は、ここまでだぜ……!!



みんな……アルスを頼んだぞ……。

じいさんやめろォォォ!!! それだけはやっちゃいけねェェェ!!!



連れていってあげて…。マルモを…外の世界へ…。

【概要】

メガンテとは、ドラゴンクエストシリーズにおける呪文である。

自らの命と引き換えに敵を道連れに大爆発する所謂自爆魔法である。
FC版の説明書によれば神々が人間に「善の心」を授ける為にこの魔法を使ったとされる。

初登場はFC版のDQⅡであり、以降のシリーズでも定番となった数あるDQの呪文の中でも知名度はかなり高いのではなかろうか。

殆ど魔法力を消費しないという設定は一貫されており、シリーズを通じて消費MPは1となっている。
またPS版トルネコ2を除いて、この呪文で倒した敵の経験値とゴールドは得られないが、DQ6・7の熟練度は溜まる。金も砕け散ったか。
同じく敵を処理しつつ熟練度だけを上げる技に『つきとばし』や『ともえなげ』があるが、どちらも1体ずつしか処理できない。
その為、低レベルで熟練度を溜めるために誰か1人が敵数体と一緒に理不尽にも吹き飛び、その後残った敵をチマチマ処理しつつ蘇生もする…という光景を数千回は見る羽目になる。

特徴として、自分が使うよりも敵に使われる方がはるかに恐ろしい呪文である。
術者の命というリスクを敵は全く考えることなく使ってくるのである。
まるで「私が死んでも代わりはいるもの」と言わんばかりにメガンテを躊躇なく使ってくる魔物にプレイヤーは戦慄を覚えた。

魔法としての分類は「ザキ系」に相当する事が多い。
その為、決まりさえすれば一撃で勝利できるのだが、ボスや耐性持ち相手には……お察しください。

海外版の名称は『DRAGON WARRIOR』時代はsacrifice(犠牲)、権利関係が解決して『DRAGON QUEST』に改題して以降はKamikaze。これほど分かりやすい自爆技もないが…これはひどい



【メガンテの思ひ出】

あの中途半p……オールラウンダーなサマルトリアの王子が覚える呪文であり、
自らの命と引き換えにボス以外の敵を必ず殺す文字通り必殺呪文であった。
だが、それは敵のメガンテも同じこと。史上最難の呼び声高い大迷宮ロンダルキアを抜けた台地に出現するデビルロードの得意呪文こそメガンテなのである。
このデビルロード、HPが減ると*1躊躇なくメガンテを敢行し唱えられたら最後ウインドウは真っ赤に染まる。
後にメジャーとなるばくだんいわと違いメガンテを使わずとも攻撃は苛烈なため非常にやっかいな相手である。
この特攻猿によって数多の冒険者が迷宮を抜けた安堵感から一転、ベラヌールに強制送還させられた。
幸いマホトーンが効くため、こいつと相対する場合は事故を防ぐ意味でも開幕マホトーンはほぼ必須となる。
なおこいつの上位種である3幹部が一人、バズズも同様にHPが減ると使ってくることがある。
ボス的ポジションがメガンテを使ってくるのは後にも先にもコイツだけである。

有名な話だが、没構想には「メガンテでシドーを倒すとサマルトリアの王女から『お兄ちゃんの仇!』とローレシアの王子が刺されてそのままスタッフロール」というオチもあったらしい……とされるが、厳密にはメガンテではなく、単に「サマルがシドーと相討ちになって(以下略)」という話だった。サマルで相討ちといえばメガンテ、と話に尾鰭がついたものと思われる。


一部の小説等では詠唱が設定されている。
小説版では「炎の精霊よ! 与えよ、力を! 我に全生命の力を!」
CDシアターでは「命の炎よ 我の全てを捧げん! メガンテ!」
エニックス版ゲームブックでは、王子カインは「第五の精霊よ。善良なるものも邪悪なるものも、公平にヨミの国に連れ去る精霊よ、我が命とともに、彼等も運べ、連れ去れ、引きずり込め、押し込めろ! メガンテ!」、デビルロードやバズズは「我らが破壊神シドーよ。死を司る冥王よ。わが死とともに、愚かしき物どもに死の喜びを、永遠の安らぎを与えたまえ!」


僧侶もしくは賢者のみが覚える呪文である。
現在ではメガンテといえばコイツ、と言われるばくだんいわが初登場した。
叩いても叩いてもなかなか死なず、前のターンまで様子を見ていたと思えばいきなりメガンテしてくるそのインパクトはデビルロードとは違った恐怖を植え付けた。
その一方で、MP0のくせにザラキイオナズンやメガンテを唱えるベビーサタンという間抜けな敵の登場も印象的だった。
なお、このシリーズからは効果が「命と引き換えに敵を死亡・瀕死にするor効果なし」となり、前作ほどの脅威はなくなった。
格闘場のFC版ローカルルールではこれで決着がつくと勝者なし判定で賭け金を無言で巻き上げられる、という帝愛も真っ青の危険技としても有名。

ザラキ中毒神官は神に仕える身でありながらメガンテを覚えない。自己犠牲の精神が足らないのだろうか。
そもそもこの作品では、メガンテを覚える味方自体がおらず、敵専用の呪文となっている。
とは言え主人公以外はAI操作なので下手に使えるようになると困るので、見送られたのかもしれない。
リメイク版では「めいれいさせろ」が導入されたついでに「メガンテのうでわ」が輸入されたので、それを経由して使えるようになっている。
また、このシリーズからは命と引き換えに仲間を復活させるメガザルという兄弟呪文が登場した。
こちらは消費MP1のメガンテとは対照的に、全てのMPを消費する。

仲間モンスターのロッキーやニトロ、サンチョらが覚える。
だがいずれもパーティーの主力として使うには厳しい能力なので馬車にすらいないことも。強いて言えば「くちぶえ」等便利な特技が多いサンチョは比較的連れて行きやすいか。
ただしリメイク版では経験値やゴールドが入るようになっており、無限にザオラルが使えるふっかつのつえとの組み合わせでラスダンでも特攻により荒稼ぎするという手段も。
この作品ではメガンテの腕輪という装備品が登場。効果は装備者が死ぬとメガンテが発動し、壊れてなくなるというものである。

賢者が★7で習得するが、正直なところ攻略本のイラストで引換券がメガンテを唱えていた印象の方が強い。
と言うのもこのシリーズ以降、メガンテは即死系としてザキ系と一緒くたにされた為即死に耐性のある魔物に対しては通用しなくなった上、
誰でも使える攻撃手段が豊富になったためさらに使用価値が下がってしまったのであった。

使い勝手はⅥと変わらず、覚える道のりはやや険しくなっている。
ばくだんいわが使うと文字通り派手に爆発するモーション付。ただし、ブドゥのランプなどのしっぺ返しなどで使わせると普通に力尽きて消滅する。
メガンテに加えてバシルーラ、ニフラム、つきとばし等を駆使して経験値を得ないで熟練度を稼ぐというプレイでなら出番はあるが、根気がいる。
シナリオ上ではルーメンで、シーブルが飼っていたばくだんいわのロッキーがヘルバオムに襲われたシーブルを助けるために自爆する。

相変わらずばくだんいわが敵で唯一使う他、主人公が「ゆうき」スキルで習得。
どちらも紅いオーラのようなものを作り出して解き放つという特有のモーションが存在する。
尚、習得時のランク名は「立ち向かう勇気を身に着けた!」…結果覚えるのが自爆の仕方で良いのか主人公よ。
ちなみに本作ではザキ系とは違うカテゴリであり、こちらの方が効く敵は多い。

パラディンがレベル33で習得。また、本作ではばくだんいわの他にも新たにクラウンヘッドが使い手として登場した。
高難易度の宝の地図の洞窟に出現する上、マホトーン状態でも呪文が発動してしまう為、MPを0にするか素早く倒すのが吉。

敵専用。めちゃくちゃ広範囲の爆発を起こし、巻き込まれると即死ダメージ、もしくはHP1残し。
印象的なのはレアモンスターのデビルロードやのろいの岩が使うことで、自爆されると倒した扱いにならないので討伐モンスターリストには載らず、仮に生き残っても勝負は負けである。
他には魔女グレイツェル強の脇で無限沸きしてくるおばけトマトがボンボンボンボン爆発しまくるのが初見にとって大きなインパクトを与え、即死耐性の重要性を認識させた。

ロウがレベル53で習得する。
本作にはパーティーを分割し、少ない手数*2で雑魚モンスター達*3との連戦に勝利する『連武討魔行』というものが存在する。
完全耐性が無い限り吹き飛ばせる+負けてもノーリスク、戦闘後に自動蘇生するため開幕ぶっぱ→失敗したらやり直しという荒業ができたりする。
こうでもしないと使われないのも悲しいものである。
ちなみに攻略本にもこの手法は載っている。

ナンバリング作品と違いメガンテ耐性という固有耐性で判定される。
鳥、獣、植物、虫、水系はこれへの耐性が低く、2の野生のはぐれメタルはこれを使ってくるため油断禁物。

  • JOKER以降
無属性になった。その代わり、命中率が使用者の残りMPと相手のサイズに影響されるようになり、最大でも50%止まり。
メガザル同様使用には最低でもMPが150以上必要になり使用後はHPだけでなくMPも0になりイルルカ以降は戦闘中蘇生不可となりかなり使いにくくなってしまった。

魔法使いに転職したトルネコがメラとともに最初から覚えている呪文。
その効果はフロア内の敵が死ぬか、自分が死ぬかという潔い仕様。
PS版では経験値が得られる為突入後即メガンテでウマーだったが、
さすがにバランスブレイクを心配されたかGBA版では経験値は得られなくなった。
男は黙ってメガンテ。

  • ドラゴンクエスト ビルダーズ
1、2共にばくだんいわが使用。体力が減少すると「メ」「ガ」「ン」「テ」と順番に吹き出しを出すので、「テ」が消える前に倒しきらないとばくだんいわは自爆。近くにいると即死級の大ダメージを受ける。とはいえ、範囲は狭いので、離れればどうということはない。
ただし、メガンテを放った際にはドロップアイテムの「ばくだんいし」を落さないので、ドロップアイテム収集の際にはメガンテを唱え終える前に倒しきる必要がある。
なお、ビルダーズ1終盤のラダトーム編で登場する個体は接近するだけでいきなりメガンテを唱えてくる行動をとり、特攻で建築物の破壊を行う厄介な相手である。

勇者の下必殺ワザでランダムで使用できる呪文の一つ。
唱えれば自身の1ミスと引き換えに、 50% もの大ダメージを伴った広範囲の爆発攻撃をする文字通りハイリスクハイリターンなワザ。即死は流石にバランスブレイカーすぎたか。
そのせいか、一部のモードではこれが出ないようになっている。
1ミスによる失点を多人数撃墜での加点で補えるタイム制乱闘ではかなりの強技だが、タイマンかつストック制での対戦ではリスクのほうが大きすぎて使われることは滅多にない。1ストック制が基本のスピリッツ戦では間違っても使ってはいけない。
ちなみに発動する直前に相手の顔が驚いた表情になる。

【メガンテの思ひ出〜アニメ・コミック・小説版編〜】

  • 小説版DQ5
イブールを撃破後、崩れ行く大神殿から脱出する一行。地上まであと一歩のところで崩れてきた巨大なガレキに向かってロッキーがメガンテを唱え、窮地を救う。

最序盤から印象的な形で活躍する呪文となる。
ダイポップを守る為にアバンハドラーに対して使用、その身を散らした(生きてたが)
しかしハドラーは鼻水垂らすほどビビってたが致命的なダメージは受けなかった。

後にポップもバランに対して最後の手段としてメガンテを敢行。そのシーンは涙腺崩壊ものである(生き返ったが)
完全に決まらなかったのもあって与えたダメージ自体は軽微だったが、この際に消されていたダイの記憶が蘇った=戦闘可能になったため、勝利に直結した一手であった。
敵側ではフレイザードの手下として登場した爆弾岩達が使用した他、キルバーンの持つ審判機械・ジャッジも改造されてメガンテを使用している。
なお、作中においては「僧侶以外でもメガンテが使えるが、僧侶以外が使えば蘇生はできず、バラバラに砕け散り欠片さえ残らない可能性もある」という設定であった。
もっとも、実際にバラバラになったケースはなかったが。

人間が使う際には、魔法力と生命力を込めた両手指を標的に突き刺す事で、逃げられなくしてから発動するという特徴がある。
一度突き刺せば、ポップと竜魔人バランという「ちから」に天と地ほどの差があるような組み合わせでさえ一瞬の隙を突かなければ振りほどけないほど強力。

獣王グノン率いる魔物の大軍勢に押され、パーティー全滅の危機を救う為に老師タルキンが使用、大量の魔物達を葬った。
グノンには通用しなかったものの、命を賭した彼の行動は賢王ポロン覚醒のきっかけともなった。
また、かつてポロンは両親を同じ呪文によって失っている(マホトラを得意とするモンスター相手に最後の手段として使用した)。

バズズ・ベリアル・アトラスの邪配合体からマスターであるマルモを逃がす為に、メタルドラゴン・ばくだんいわ・のろいのランプが敢行し、死亡する。
通常、モンスターは死んでも元の世界に戻れば生き返るが、彼等にはマスターとの絆の証である名前がなかった為、生き返る事が出来なかった。
彼らとの別れは、凍てついたマルモの心を揺り動かした。
この時、遠くに居たサマルトリアの王子もメガンテだと気づいているので、恐らく彼も使ったことがあるのだろう。

アベル達のパーティを救うために、ヤナックの師匠・ザナックがバラモスに対して使用、バラモスを退ける。
この作品でのメガンテは、自爆というよりは全身からエネルギーを放出して敵に浴びせるような描写であった。


【ネットスラングとしての用法】

就職・転職活動において、グループディスカッションの輪を乱す発言のことを「メガンテ」、メガンテをする人のことを「メガンテな人」という。
具体的には、グループディスカッションの場において
  • 自分の意見が通らなかったら癇癪起こして喚き散らす
  • 他参加者に対して「キモい」「死ね」などの罵声、人格否定を行う
  • テーマとは全く関係ない話を進めようとする
なぜこんなことをする人がいるのかというと、「自分は筆記試験失敗したから、上手くいっているであろう他の人の邪魔をしてやろう」、または、「自分にとって大事な企業ではないから、この会社の選考では遊んでみよう」という軽い気持ちで行われるのが大半である。
当然、自分にとっては遊び、たいした企業の選考ではなかったとしても、他の人にとってはそんなことはないため、絶対に真似してはならない。
なお、上手く場を納めることが出来れば面接官にとってアピールになるし、また面接官の人が同情し特例の再試験を行ってくれる場合もある。仮にグループディスカッションの場にメガンテな人が現れたからと言って決して諦めてはならない。


追記・修正はメガンテによって全滅した方がお願いします。

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最終更新:2024年04月18日 19:57

*1 SFC版まで。何をトチ狂ったのか携帯版以降は発動条件からHPが削除

*2 1回の行動を1手とカウントする

*3 といっても同じなのは外見だけでステータスなどが通常より強化されているものがほとんど