貫手(武道)

登録日:2015/11/26 (木) 14:30:11
更新日:2023/10/15 Sun 11:48:05
所要時間:約 5 分で読めます





目次

概要

貫手(ぬきて)とは空手など古流の流れを汲む一部の格闘技や武道に見られる手技である。
少林寺拳法では「角手(つのて)」、プロレスにおいては「地獄突き」という名称で使われている。
やり方は簡単で、指を真っ直ぐに伸ばした状態で指先を使って相手を突くだけ。
指先の一点に威力が集中するため、高い貫通力を誇り、主に相手の目や喉に対して使われる。
しかし危険な技のため、普通は型の中でしか使われない。
そのため貫手の稽古をするジムや道場はほとんど存在せず、また貫手を完全に物にした格闘家や武道家は少ない。

念のため書いておくが千年殺しやカンチョーは貫手に含まれないので間違えないように。


長所と欠点

貫手の長所は
普通のパンチ等よりも高い貫通力を出せる
使う場所によっては高い殺傷力を発揮する
通常のパンチよりもリーチが長い
ダメージを与えたい場所をピンポイントで狙える
使えると何かカッコいい
等がある。

しかし欠点として
指にかかる負担が大きい
きちんと鍛えないと突き指や骨折をする可能性が高い
狙った場所によっては相手に重大なダメージを与えてしまう
下手をすると相手を殺してしまう
そもそも多くの武道や格闘技で禁じ手扱いされている
等がある。
自分のためにも、相手のためにも使わないのが賢明だろう。


種類


  • 一本貫手
人差し指のみを使う貫手。
分かりやすく言うとONE PIECE指銃
貫通力は一番だが、突き指する可能性も一番高い。
伝説の合気道家 塩田剛三の得意技でよく急所攻撃に使用していたらしい。

  • 二本貫手
中指と人差し指を使い、中指を人差し指に添えて支えながら、中指の先で突く。
一本貫手よりリーチが長く、突き指しづらい。
主に目突きに使われる。

  • 三本貫手
中指を人差し指と薬指で添えて、支えながら突く。
截拳道のビルジー(目潰し)という技はこの形で行う。

  • 四本貫手
中指に親指以外の全て指を添えて、支えながら突く。
一番、突き指や骨折をしづらい。
空手で使われる貫手はほとんどがこの種類である。

  • 親指一本貫手
親指を使って行う貫手。
親指を鉤状に曲げて行うタイプと、拳に添えて行うタイプ、親指を真っ直ぐに伸ばした状態で行うタイプの三種類がある。
他の貫手に比べてリーチは短いが、怪我をしづらく、掌打に見せかけて使う事ができる。
琉球古武術の流派では「抜き手(ヌチディー)」という名で取り入れられている。
イメージできない人は『空手小公子 小日向実』の五巻を読んでみてほしい。

  • 五本貫手
四本貫手+親指一本貫手のような形で相手を突く。
四本貫手を避けられても親指で目や喉を狙える。

鍛え方

貫手を使うためには指の筋肉と指先を鍛える必要がある。
伝統的な鍛え方として
どこぞの武神よろしく竹の束に貫手をぶち込む、
砂か米を満杯にした瓶に、手を貫手の形にして交互に突っ込むという物がある。
他に常に掌に力を入れ、貫手の形にしておくだけでも指は鍛えられる。
それすら面倒なら暇な時間に自分の掌や太ももを貫手で突いているだけでもOK。
ついでに腕立て伏せや懸垂などでパンチ力も鍛えておけば更なる威力アップが見込める。
指を伸ばした状態での腕立て伏せは初心者にはまず不可能なのでおすすめしない。



フィクションでの使い手(カッコ内は各作品における名称)




追記修正は突き指せず、貫手で畳をぶち抜けるようになってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 貫手
  • 禁じ手
  • 空手
  • 截拳道
  • 目潰し
  • 対人使用厳禁
  • 殺人技
  • プロレス技
  • 打撃技
  • 手技
  • 技項目
  • 地獄突き

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年10月15日 11:48

*1 ゴッドフィンガーには相手を握り潰すバージョンと指先を突き刺す貫手バージョンの両方がある