ヘルボーイ(映画)

登録日:2015/11/24 Tue 22:19:53
更新日:2023/05/14 Sun 00:08:19
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魔界の使者を倒せるのは、地獄から来た“奴”しかいない!



ヘルボーイとは、2004年に公開されたアメリカ映画。


【概要】

ダークホースコミックスのアメコミが原作であり、オタク監督のギレルモ・デル・トロ自身が作品に惚れ込んで、原作者のマイク・ミニョーラに直訴して実写化された作品である。

陰影を強調された絵柄、世界中の神話都市伝説、ホラーやオカルト的な実話は小説などを題材としたゴシック・ホラーとしての物語は高い評価を得ながらも、映像化は難しいとされていた。
そこで原作での淡々とした物語進行を映画では新たな視点で再構築、原作の序盤にあたる『破滅の種子』のエピソードをベースにして、新人捜査官の派遣話で世界へ導き、物語のわかりやすさを強調させた。
主人公とヒロインとの『美女と野獣』的恋愛話を物語の軸にすることで、原作のゴシック・ホラーの雰囲気を残しつつも、ユーモアを交えたB.P.R.D.メンバーの群像劇に昇華している。

2008年には続編である『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』が公開された。

2019年には大人の事情でスタッフやキャストを一新したリブート版が公開された。



【ストーリー】

第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって異界から召喚された魔物の赤ん坊が連合軍に保護されて“ヘルボーイ”と名付けられた。
それから60年後、ヘルボーイは超常現象調査防衛局(B.P.R.D.)に所属するエージェントとして活躍していた。
そんな中、ヘルボーイを異界から呼び寄せた張本人である怪僧ラスプーチンが復活、世界に終末をもたらすラグナロク計画を実行すべく行動を開始。
ヘルボーイとB.P.R.D.に魔の手を伸ばそうと暗躍し始めるのだった……。



【登場人物】

  • ヘルボーイ
演:ロン・パールマン/吹替え:谷口節

主人公。通称「レッド」
赤ん坊の時に異界から召喚された悪魔であり、現在はB.R.P.D.のエージェント。
見た目が真っ赤なゴリラのような風貌であり、チョンマゲのような髪型が特徴。悪魔らしく角と尻尾が生えていて、右腕が超硬質の岩石製のグローブでできている。
ちなみに現在は角をかなり短く削っている。

身体能力が高く、数メートルをジャンプできる脚力を持ち、腕力も自動車コンクリートの壁をいとも簡単に破壊できるほど強靭である。また肉体も強靭で十数メートルの高さから落下しても無事である。
攻撃は主に拳銃で、常人では扱えない大口径リボルバー『サマリタン』を愛用している。もっとも、本人も認めるほど射撃の腕がイマイチであり、作中では無駄弾を撃つ事が多かった。…どこぞのスタイリッシュな悪魔を見習ってほしいものである。

人間界に召喚されてから60年も生きているが、精神年齢が人間に例えると青年に近いらしく、ナイーブで目立ちたがり屋な性格。皮肉屋で時々鋭いツッコミをすることがある。
おまけにヤキモチ焼き
自分と同じくB.P.R.D.に所属しているリズにベタ惚れなのだが、不器用な部分が災いしてなかなか進展していない。
猫が好きで自室に十数匹のを飼っている。好物はパンケーキ。


  • トレヴァー・ブルーム・ブルッテンホルム教授
演:ジョン・ハート/吹替え:山野史人

ヘルボーイの育ての親であるB.P.R.D.の責任者。
超常現象の専門家で第二次世界大戦中に連合軍と共にナチスの実験を目の当たりにし、その実験で異界から召喚されたヘルボーイを保護した。
その後、極秘でB.P.R.D.を設立し、ヘルボーイを息子のように育てると同時に並外れた超常的な才能を伸ばし、世界最高のオカルト調査員へと成長させた。
現在は末期ガンで余命がいくばくもない。


  • リズ・シャーマン
演:セルマ・ブレア/吹替え:本田貴子

本作のヒロイン。
念動発火能力を持つB.P.R.D.のエージェントで本名はエリザベス・シャーマン
自身の能力が原因で幼い頃から迫害を受けてきたために心に傷を負っていたが、ヘルボーイとの関わりで回復し、現在は恋仲となる。


  • エイブ・サピエン
演:ダグ・ジョーンズ/吹替え:てらそままさき(1作目)、佐々木睦(2作目)

ヘルボーイの仲間である半漁人。推定年齢150歳以上。
紳士的で穏やかな性格で、博学さと物体や空間から過去と未来を読み取る能力を持つ。B.P.R.D.の調査・分析活動における中心的人物であるが、戦闘力が低い。半魚人だけに水中での活動は得意。
ちなみに大好物は腐った卵


  • ジョン・マイヤーズ
演:ルパート・エヴァンス/吹替え:置鮎龍太郎

ヘルボーイのお目付け役としてFBIからブルーム教授にスカウトされた新人捜査官。
初めて目にするヘルボーイ達の姿に唖然としつつも、持ち前の優れた環境適応能力を発揮してすぐに打ち解けた。
中盤でリズといい感じの関係になり、彼女とデートしてヘルボーイの嫉妬心にをつけてしまう場面もあった。
ちなみに続編では南極へ左遷された事が明らかとなった。


  • トム・マニング
演:ジェフリー・タンバー/吹替え:岩崎ひろし

FBI局長。B.P.R.D.の関係者でニュースのインタビューに何度か出演している。
ヘルボーイ達の存在や活動が公にされるのを防ぐためにそれらの隠蔽に忙殺されており、事あるごとに騒ぎを起こすヘルボーイを露骨に毛嫌いしている。


  • グリゴリ・エフェモビッチ・ラスプーチン
演:カレル・ローデン/吹替え:谷昌樹

本作の黒幕。
帝政ロシアの怪僧』として有名な実在の人物で、本編の冒頭においてナチス・ドイツに協力して異界の入り口を開ける儀式を行なっていたが、
ブルーム教授率いる連合軍の介入で失敗に終わり、自身は異界へと飲み込まれてしまった。
その60年後、当時の部下だったイルザとクロエネンの手によって復活を遂げ、世界を破滅に導く「ラグナロク計画」を実行に移そうと画策している。復活時にある理由から義眼を装着している


  • イルザ
演:ビディー・ホドソン/吹替え:不明

ナチス・ドイツの女将校。
ラスプーチンの愛人で、彼の魔力によって永遠の若さを手に入れており、60年経った現在も第二次世界大戦当時の金髪美女である。
主にラスプーチンの補佐を担当する。

  • クロエネン
演:ラディスラヴ・ベラン/吹替え:不明

ラスプーチンの部下。本名はカール・ルプレクト・クロエネン。
フルフェイスのガスマスクを着けた不気味な男で、第二次世界大戦中はトゥーレ協会の会長であった。
トンファー型のブレードが武器で、胸にゼンマイ仕掛けの装置を仕込んでおり、連合軍との戦いで左腕が機械仕掛けの義手になっている。ぶっちゃけサイボーグである。

少年時代は天使のようなブロンドと音楽への非凡な才能を発揮してオペラで活躍していたが、この頃から既に性格はまともではなく、
成長と共にオークの枝で自分を打ち痛めつける事に快感を覚え、更には「身体醜形障害」となり、自身のまぶたや唇を自ら切除。次第に自分は不完全で醜いという考えが強まり、一種の潔癖症のようになった彼は細菌を防ぐため自分に合う防毒マスクを設計した。言葉はしゃべらず部下に対しては身振り手振りで指示していた。


  • サマエル
本作におけるクリーチャー。
現代に復活したラスプーチンが冥界から召喚した悪魔で体長が約2メートル。
プレデリアンに似た禍々しい外見で地下にイクラのような卵を生みつけて大量に繁殖させることができるため、非常に厄介な存在である。
水陸両用で活動でき、長い舌を伸ばして攻撃する。


【余談】

ギレルモ・デル・トロ監督は筋金入りのヲタクであることで有名だが、映画制作でも毎回数人の漫画家を雇ってコンセプトアートなどを描いてもらっているという。
本作では「BLAME!」や「シドニアの騎士」の作者である弐瓶勉氏にも声をかけたものの、スケジュールの都合が付かず断念したとのこと。*1




追記・修正は、異界から召喚された悪魔を60年間育ててからお願いします。

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最終更新:2023年05月14日 00:08

*1 「BLAME!and so on -弐瓶勉画集」の対談記事より