一次隊からの映像が流れる。
そこに映ったのは血を流し倒れる研究員。
大丈夫か、と駆け寄る兵士の後ろから倒れていたはずの研究員が!?バイオハザードだっけこのゲーム
そこで映像は途切れてしまう。
完全に隔離された隔離プラットフォーム館内に向かうスネークの元にコードトーカーから無線が届く。
声帯虫は再発し、しかも新型なのだと言う。
それは、話す言葉に関係なく増殖し、症状の進行が非常に速く、ただただ感染を広げ、感染者を殺し続けるというものだった。
おまけに感染者の区別がつきにくく健康そうな者でも実は手遅れというケースもあるという、極めて危険なものであった。
「まさか、新種か?」
カズは持ち込んだスパイがいるのではと疑う。
それに対して今は発生機序の解明が先だと促すコードトーカー。
スネークがヘリから降り立つと物々しい雰囲気があたりを包んでいた。
隔離用テントに入ろうとした時、館内から無線が届く。
「すべてが分かった 俺は勝った」
発信位置は特定できず発信元を探すことが当面の目標と設定される。
空を見上げると大量の鳥が隔離プラットフォームに集まっていた。
マスクをつけて扉の向こうへ進むスネーク。
そこで彼はあるものを感じ取る。
「甘い匂いだ…」
「マスク越しでも分かる」
「救出隊も言っていた」
「熟れた果実のような匂いがすると」
マスク越しでも分かる程のその匂い、それは何なのか…
それも含めて今回の事件の謎を明かすべく、ミラーの指示に従いスネークは隔離プラント内部ㇸ足を踏み入れる。
【任務の経過】
電源設備が壊れたのか照明も録に無い暗い館内を進む。
館内は死屍累々の状況で異色の雰囲気を醸し出し同士討ちや自殺する者もいた。
だが、スネークが来てくれる事を信じて耐えるもの、教えを守り仲間を撃とうとせずに生存者を守って篭城する兵士達もいた。
ベッドに積み上げられた机と血にまみれた採光窓、
『Mehr Licht』の血文字…
最上階に辿り着くとゴーグルを付けた一人の研究員が倒れていた。
「よかった ボスは感染していない
私は勝ちました
カタツムリじゃない
」
彼は誰も判別できなかった感染者の見分けがついた男であり、序盤で無線を出した男だった(後に手に入るテープで解るが彼も感染しており、外に出ないために自分にナイフを突き立てていたのである…)。
すぐにその意味を確かめようとするスネークだが、ゴーグルを残して息絶えていた。
「カタツムリ…そうか ようやく繋がった」
何かを悟ったコードトーカーがスネークに忠告をする。
「
発症者を外に出すな
」
変異した声帯虫は、感染者を屋外に出るように操っていたのである(積み上げられた机と血文字はこの事を示していた。わずかに漏れる外の光に縋り、窓から出ようとしていたのだ)。
この感染者を鳥がついばみ、陸地へ渡ることで感染を広げるというのだ。
そして、甘い匂いの原因は変異した声帯虫が発する強烈なフェロモン。本来嗅覚の鈍い筈の鳥をも招き寄せるほどに濃いものであった。
その時、部屋のドアを叩く音。
スネークは屋上への扉を背に銃を構える。
入ってくる感染者たち。スネークはどうにかとどめようとするが、
続々と入室し、スネークを取り押さえようとしてくる。
「いかん 世界が虫であふれるぞ」
とうとう、感染者たちがドアに手をかける…
スネークは感染者の足を撃って阻止するも後続の感染者の数は多く、一部の者は取っ組み合いになっているスネークを振り切って外へと出ようとしていた…
「許せ…」
「焼け!」
スネークは兵士たちを手にかけ、カズは焼夷弾で感染者を焼き払った。
激しく炎上する屋上。
共に戦った戦士たちが火に包まれ命を落としてゆく。
ダイアモンドドッグズの紋章が燃えている…
彼らを見つめていたスネークが振り返ると隊員が立っていた。
そして更に隊員達が屋上へ入ってくる。
ゴーグルをつける。感染した隊員達の喉が光って見える。
カズの無線が届く…
「ボス 撃て」
「奴等を外には出せない」
外へと向かおうとする感染者達…
「いかん! 発症者を外に出すわけにはいかない!」
仲間を手にかける事をためらうスネーク…
「撃て スネーク」
撃てない…仲間達を…
「スネーク 発症者を放っておくのか!?」
銃を放つ。
『Staff member has died.』
感染者を射殺していくスネークを責めるエメリッヒ
「どうして? 君たちは仲間だろう?」
「そうだ… それでいい」
カズはまるで自分に言い聞かせるようにつぶやく…
屋上から降りていくスネークにコードトーカーが念を押すように伝える…
「喉が光って見える者は……殺す他ない」
『Staff member has died.』
iDROIDが、隊員の死亡を淡々と告げる。
「やめて」
怯える者
『Staff member has died.』
感染者は殺すしかない…それにも構わず糾弾するエメリッヒ
「どうして仲間を撃てるんだ!」
「嘘…ですよね」
驚愕する者
『Staff member has died.』
「やっぱり殺しに来たんですね?」
銃を撃ってくる者
『Staff member has died.』
「裏切り者なんていなかった」
電源が落ち非常灯と警告音が鳴り始める館内…
「信じていたのに… ボス」
憤る者
『Staff member has died.』
「皆、あんたに忠実だった」
「ありがとうございます…」
撃たれながら感謝を述べる者
『Staff member has died.』
死体が積みあがっていく…
そして、
「離せ」
「俺は外に出るんだ」
扉を開ける。
! ! !
Ω Ω Ω
「ボス!」
「ボス」
「そうだボスに委ねよう」
「俺たちの命はボスと共に…」
<Ω <Ω <Ω
症状が進んで苦しみながらも敬礼を続けるスタッフ達…
(ここで彼らの歌うPWのテーマアレンジが近くのカセットテープレコーダーから流れる。)
部屋に居たスタッフ達はほぼ全員感染していた。射殺していく中で、一人壁際で座っていたスタッフ。
彼も射殺するしかないのか?
そんな時にカズから通信が入る…
「待ってくれ そいつ マスクを付けていないか? 感染してないかもしれん」
「さっきのゴーグルで確認してみろ」
ゴーグルで確認したが、喉は光っていなかった…。
「救出隊員を出口へ運んでくれ」
「唯一の非感染者だ」
唯一見つかった非感染者をスネークは連れていく。
「ボス…ありがとうございます」
外へ出ようとするが…
「待ってください
私も… 駄目なようです」
「馬鹿な! さっき判定した時は……」
コードトーカーが続ける
「もしや そこまで進行が早いのか……?」
「ボス そいつをもう一度ゴーグルで判定してくれ」
ゴーグルで判定するスネーク。彼の喉元も光りだしていた…
「
感染している……
」
「なんてことだ……」
「傷口から入ったのかもしれません
仲間が待ってます… さぁ」
『Staff member has died.』
「ボス……すまん……!」
全ての生存者が感染していた。皆を殺したスネーク。
血に濡れたダイアモンドドッグズの紋章。
仲間の遺体が積み重なる廊下。
その中で伏し、声もなく慟哭する。
スネークは隔離プラットフォームを後にした。
【その後】
火葬。水葬も土葬さえも出来ない仲間たちの葬儀。
スネークは炎を見つめている。
ダイアモンドドッグズの布がかけられた棺が炎の中で燃えている。
遺骨。水平線の彼方が赤に染まっている。
「あんたが あんたが、仲間を殺したんだ」
「なんだと」
なおも詰り続けるヒューイに憤りを隠さないカズ。
「そうだ 俺が殺した」
「皆本望だ」
そして、兵士たちが遺骨を運ぼうとしたその時、手をかざすスネーク。
壺を開き、
「お前たちの無念を海の藻屑にはしない」
「俺は常にお前たちとある」
「俺はお前たちの苗床だ」
その灰を自身の顔に塗る。
「お前たちを灰にはしない」
「お前たちはダイアモンドだ」
「水葬をしない? それで…」カズは問いかける。
「仲間の灰でダイアモンドを創れ
それを俺たちは抱いて 戦場へ行く」
「死してなおも 輝き続ける 仲間の元で…」
「
俺たちは、ダイアモンド・ドッグズだ
」