ビルトビルガー

登録日:2015/11/10 (火曜日) 16:30:00
更新日:2023/05/12 Fri 21:06:39
所要時間:約 7 分で読めます





百舌の一刺し、受けてみろ!




ビルトビルガーとは、『スーパーロボット大戦シリーズ』に登場するバンプレストオリジナル機体である。


◆スペック

機体名称:ビルトビルガー(ドイツ語表記はWilder Wuerger)
分類:試作型パーソナルトルーパー(ATX計画)
形式番号:PTX-015R
全高:20.6m
重量:56.9t
フレーム:G2フレーム
空中浮揚機関:テスラ・ドライブ
基本OS:TC-OS
開発元:マオ・インダストリー社
開発者:マリオン・ラドム、カーク・ハミル
メインパイロット:アラド・バランガ
メカニックデザイン:カトキハジメ
戦闘BGM:Ace Attacker Ver.W、WILD FLUG
※:曲名は「ワイルドフラッグ」とよく読み間違えられるが、正しくは「ビルトフルーク」である


◆概要

マリオン博士とハミル博士が共同開発した近接格闘用機。ビルガーはドイツ語で百舌鳥
遠距離砲撃機である相方ビルトファルケンとの同時運用を前提として設計されている。
異星人の超技術EOTは使用されておらず、機体フレームもヒュッケバイン系のHフレームではなくゲシュペンストMk-IIや量産型ヒュッケバインMk-IIと同じG2フレームを使用しているため信頼性も高い。
テスラ・ドライブを搭載していることにより単独飛行が可能。また、外部装甲のジャケット・アーマーを装着することで防御力も高められている。
ジャケット・アーマーを装備した状態は重装型、外した状態は高機動型と呼ばれる。
高機動型では防御力こそ落ちるものの重装型の状態では収納されている背部ウィングを展開しての高機動戦闘が可能になる。
※:なお、このタイプ名称はコトブキヤから発売されている1/144プラモから

重装甲・高機動を両立し、火力も優秀な機体だが、マリオン博士開発機らしいピーキーな操縦性や開発コストの高さ等、ATX計画本来の目的である「汎用性の高い量産機」となるにはまだまだ課題が山積みの状態…というか問題点だらけ。
どこからどう見てもトンデモな機体。
もう計画全体が量産機の開発から離れてしまっている気もするが。

OGシリーズでは、アルトアイゼンのコンセプトを継承して開発されたATX計画の新型機という位置付けとなっている。
アルトの重装甲・高火力・高突進力をより進歩した技術で再現するという提案から誕生した。

また、アラド搭乗の青いタイプR以外に、同型機の赤いタイプLもロールアウトされている。
タイプLは汎用機なので誰を乗せても問題はない。


◆使用武器・必殺技

こちらはアラドが操縦することを前提とした武器が選ばれた結果、コンセプト継承元であるアルトアイゼンとは違い、武器は実弾系と実体剣で統一された。*1
OGでは武器選びにリュウセイキョウスケカチーナといった近接戦闘のスペシャリスト達からも意見を得ている。


○三連ガトリング砲

左腕に装備されている射撃武器でビルガーの武装の中で最長射程。
それでもそこまで長いわけではないのだが、P属性は無い。(P属性付でもいいほどの射程なのだが)
小隊戦闘制のシリーズだと小隊攻撃武器になっていることが多い。
固定武装だけど設定では着脱が可能になっている。
なお、この武装は「砲身が3門あるガトリング」ではなく「ガトリング砲を3つ束ねた武器」らしい。
※:砲身が複数あるだけのものは単装砲になってしまうらしい


○M90アサルトマシンガン

メインで使用する射撃武器。P属性あり。
連射しながら接近し、アンダーバレルに装備された対PT誘導ミサイルのAPTGMをブチ込むまでが1セット。
αシリーズでは固定武器だがOGでは換装武器になっている。
タイプLのものは固定武器になっており、換装武器のものと比較して改造費が安くなっている。


○コールドメタルソード

三連ガトリング砲を鞘として左腕に格納されている実体剣。
射程は短いものの無消費かつ強化パーツ等で射程を延ばせるので使いやすい。
第2次OGでは遂にコンボ武器となった。
OGではカチーナの「斬艦刀とまでは言わないがブン回せる剣が欲しい」という意見から搭載された。
確かに刃こそついてはいるが有体に言うと金属製の木刀に近い
OG2でビルガー完成までの搭乗機としてアルブレードが充てられたのはこの意見があったことからである。


○スタッグビートル・クラッシャー

ビルガーの象徴ともいえる武器。スタッグビートルはクワガタムシの英訳。
右腕に装備された大バサミ。兄貴分のアルトが赤カブトならこちらは青クワガタといったところか。
こいつで相手を挟み込んでそのまま切断するトンデモ兵器である。相手が戦艦だろうと全長40kmを超える凶星の監察官だろうと新人祖だろうとお構いなし。
αシリーズでは引っ掴んだ後に持ち上げて砕くというものであった。第3次αではトドメの時のみ掴んだ後に三連ガトリング砲をブチ込んでから持ち上げて砕く形になった。
OGにおいてはキョウスケの「アルトのように破壊力重視の大型の武器がアラドには合っているだろう」という意見が反映されたのがこの武器だと思われる。
なお、キョウスケはリボルビング・バンカーを搭載するのではないかと踏んでいた。*2

OGシリーズでは、GBA版OG2はαシリーズと変わらないが…
OGS以降は引っ掴んだ相手を地面に叩きつけて激しく引きずり、トドメに挟みちぎるという、ド派手という表現すら超越した凄まじいほどに演出が強化されている。
…地面のない宇宙空間や境界空間だろうとお構いなしに。
性能面でもOGS以降はバリア貫通効果が付いている。

今でこそEN消費武器だが、初登場の第2次αではなぜか6発の弾数制だった。右腕の弾数6発…あれ?*3


○ビクティム・ビーク


ビルガーの本当の姿を見せてやる!
ヤツに喰いつけ!ビルガー!!

ジャケット・アーマーをパージしてウィングを展開し高機動モードへ移行、機体のテスラ・ドライブをフル稼働させて相手に突撃する。
テスラ・ドライブをフル稼働させるとウィングにエネルギーフィールドが発生するので、これを超高速で突っ込んでぶつけるのがメインの攻撃。
αシリーズではホントにそれだけだったが…
OGではコールドメタルソードを抜いてからアーマーをパージ、機体が見えないほどの超スピードで何度も突進を繰り返し、最後にソードを構えたまま突っ込んで締め…とスタッグビートルほどではないがかなり演出が強化されている。

余談だが、本来ジャケット・アーマーは作戦の内容に合わせて出撃前に付け外しするのだが、アラドは戦闘中にパージする。無論それは本来の用途ではない。
パージしたアーマーも作戦行動中の再装着は不可であるため、本当なら戦場でパージした場合は戦闘終了まで高機動モードのまま行動することになるのだが…攻撃後にはアーマーが戻っている。
演出の関係でそうなっているから、深く突っ込むのはやめておこう。アニメ版のジ・インスペクターではさすがに無理があったのか、アーマーパージ後は高機動モードのまま戦闘を続行している。


○ツイン・バード・ストライク


アラド、ちゃんとついて来なさいよ?

おめぇこそ遅れんじゃねぇぞ?

ビルトファルケンとの合体攻撃。略称はパターンTBS。
ビルガー・ファルケン両機の連携戦闘パターンで、本機はこれの運用を前提としている。

共通しているのはどのシリーズでも連携攻撃の後に2機揃って超高速で相手に突撃して締める点。
シリーズが進むごとにスピード感が増しているので、新作が心配になってくるという意見も散見される。

注意しなければいけない点は、乗り換えが比較的自由なOGシリーズの場合、ビルガーにはアラド、ファルケンにはゼオラを乗せていなければ使用できないこと。
尤も、これは他の合体攻撃全てに言えることなのだが。

○スタンショック

タイプLにのみ搭載されている固定武器…というより禁 断 の 兵 器
ヒットすれば相手をラスボスだろうが何だろうが行動不能にしてしまう。
この行動不能は攻撃・移動が出来なくなるという生易しいものではなく、効果中はそれらに加えて各種反撃行動や精神コマンドも使用不能になるというとんでもないものである。
コクピット(パイロット)ブロックやフルブロックがあれば防げるのだが、直撃を使用すれば…

既プレイ者はプレイ中にその恐ろしさを痛感したことだろう。
だがうまく使えば難易度がガタ落ちするため、使う使わないはプレイヤー次第。


◆各シリーズでは…

どの場合でも相方より完成が遅い…と言うより、相方の完成が早すぎる。
OGではカイ少佐に「アルトの前例もある、杭打ち機の次は何を付けられるか分からんぞ」と言われている。

αシリーズではALL武器を持たないため雑魚戦はあまり得意ではなく、ビルトファルケンに小隊長機の座を奪われるケースが多い。
OGシリーズでは武器換装システムによってALL武器を持てるようになったためカバーが可能。
オススメは移動後使用可能なM13ショットガンやガンレイピア、相方の固定ALLと射程が噛み合うリニアミサイルランチャー辺り。

第2次OGまでのカスタムボーナスは運動性・装甲+15%
ここまで獲得できれば最終的な耐久力はかなり高くなるので、アラドの高い防御値と併せて援護防御も大いに活かせる。


第2次α

初登場、そして後継機。
前述の通り、スタッグビートルがなぜか弾数制になっている。
アラドが魂持ちなので最終的な火力はダイゼンガーよりも高かったりする。

火力は高く主人公特権で精神コマンドも充実するが、アラド自身の能力が主人公にしては低い上に小隊長機に重要な要素であるALL兵器がないので使い勝手はイマイチ。
ぶっちゃけファルケンを小隊長にした方が強くて便利。

実は最初に乗ったのはアラドではなく謎の食通
食通が「百舌の一刺し、受けていただく!」と助太刀してそのままアラドに譲り、自分はそれまでアラドが乗っていたヒュッケバインMk-IIIに乗って撤退という形。
そしてMk-IIIはトロンベに…

※:スタッグビートルが弾数制になっていることについては、αシリーズの機体図鑑で「試作機のコンセプトを受け継いだ」とされているが…


第3次α

リアル男ルート限定で登場。
前作のEDを引き継いでおり、初期は行方不明の状態…と言っても参入は早いんだけどね。
魂から熱血になってしまったため火力が下がってしまった。その代わりか、合体攻撃の必要気力が下がったため使い勝手は向上。
飛行可能・高移動力・アラドが加速持ちであることに加えて編成コストも高くないので、思い切って小隊員にしてしまうのも手。


○OG2(GBA版)

OGシリーズ初登場。
メインシナリオだけでなく隠し要素でもアラドの出番が多いため必然的に出番が多くなっている。
性能面では耐久力・火力以外の基本性能が兄弟機のリーゼより上。
合体攻撃の強化に関わっているのはビクティムではなくスタッグビートルなので注意。

また、タイプLは隠し機体として初登場。
一応デフォルトのパイロットはマイだが、前述した通り乗り換えは自由。
スタンショック他の特殊効果武器を有効利用するために、直撃と必中を併せ持つレオナを乗せるのが鉄板とされている。


OGS

OG2シナリオでは基本的にGBA版と同じ。


OG外伝

珍しく相方と共に参戦が早い。
しかし、本作では格闘機にライバルが多いため活躍させられるかはプレイヤー次第。
なお、こちらでは無条件でタイプLが入手できる。


第2次OG

ラ・ギアスに飛ばされていないため、参戦はEX編が終わった辺りから。
なぜか機体の地形適応が空Bになってしまった。鳥なのに
それにより、これまで以上に相方とのセット運用がしづらくなってしまっている。
基本的には地上で行動する事になるのだが…本作は海だけのマップが非常に多く、否が応にも飛ばなければならないことも。
本作ではA-アダプターが比較的多く入手できるので補強自体は簡単。
ノーマルモードならパイロットの適応で補強も可能だが、EXハードモードでは強化パーツでしか補強が出来ない。
タイプLは…残念ながら登場しない。登場しないのは行動不能の特殊効果が廃止されたためとも言われている。


○ムーン・デュエラーズ

+ 発売から間もないため収納、中身はネタバレを多分に含みます
地上ルートなら序盤から使用可能、それも歴代最速ではないかといえるほどに。
前作同様空適応がBのまま、武器射程等も据え置き。
地形適応は強化パーツで補強できるとはいえ、これだけ見るともう「相方とのセット運用は諦めろ」と思えてしまう…

が、MDでは一部の機体のカスタムボーナスとほぼ全パイロットのエースボーナスに変更が入っている。
アラドとビルガーにも変更が入った。

で、気になるカスタムボーナスは…


射程1を除く固定武器の射程+1、機体の空適応がS


…である。

標準のAどころか最高値のSにランクアップ。アラド本人の空適応はAなので養成しなくても総合Sになる。
さらに、元々短射程武器ばかりのビルガーには射程+1もかなりありがたい。
射程プラスに対応するのは三連ガトリング砲、コールドメタルソード、ビクティム・ビーク、ツイン・バード・ストライクの4種。
毎回微妙な短射程に泣かされるコールドメタルソードの射程がパーツやアビリティなしで補強できるのは地味に嬉しい。

こうしてビルガーは「飛ばない鳥」から「飛んだ方が強い鳥」へ見事なパワーアップを遂げたのだ。
フル改造したらだけどな!

ちなみに、相方は固定武器の弾数+1、機体の空適応がSと、こちらも以前の完全上位互換となっている。

加えて、アラドのエースボーナスは「自部隊にゼオラがいる場合、初期気力+15」に変更され、立ち上がりが早くなった。
エースについても、相方は「自部隊にアラドがいる場合、PP開始時に気力+5」に変更され、戦闘できない状況でも気力が毎ターン必ず上げられる状態にできる。

但し…

●ビルガーとファルケンは射程が致命的レベルで噛み合っていない(最大の問題点。片や近接格闘機、片や遠距離砲撃機なので仕方ないのだが)
●加速が使えない(↑の射程問題に次ぐ問題点。代替策がゼオラの愛だけしかないのが痛い)
●固定武器のみではALL同時攻撃が出来ない(一応換装武器でカバー可能)
●エースボーナスが気力アップのみなので、気力が上がりきるとそのマップでは死にボーナスと化してしまう
●何よりビルガーをフル改造するだけのが無ければその境地にたどりつかない(特に資金の無い1周目)

…と、山ほど難点を抱えている為なかなか実感が沸かないのも事実である。
特に最後。MDでは強烈な性能の強機体が序盤からわんさか参入する為、それらを押し退けてビルガーを最優先で改造するのはなかなか骨である…。
でもOGシリーズは基本的にどの機体も問題なく戦えるようになってるから、結局はプレイヤーの好みの問題ということになるんだろうけど。






◆小ネタ

  • 第2次αの後継機のうち、本機だけがなぜか発売前にデザインが公表され、
    その後に初期機体であるヒュッケバインMk-IIIが公開されるという通常なら逆だと思う順番で公開されている。

  • 漫画版『スーパーロボット大戦OGクロニクル』でラミアアンジュルグと即席の合体攻撃を披露している。
    イリュージョン・アローとビクティム・ビークの合わせ技であるが、技名はビルビルスタッグトルネード、命名はもちろんアラド。

  • 青色のタイプR、赤色のタイプL以外に、緑色の森林迷彩バージョンも存在している。
    これはゲーム中には登場せずプライズ等の立体物でのみ登場している。

  • 一部書籍でトロニウムエンジン搭載という凄まじい設定になっていてファンを驚愕させた事がある。
    すぐに誤植である事を公式が発表したが。



さぁ、どっからでもかかってきやがれ、この野郎!!
良項目だろうが糞項目だろうが、どいつもこいつもオレが追記・修正してやる!!


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最終更新:2023年05月12日 21:06

*1 アルトアイゼンはリボルビング・ステークの弾薬がビームである。

*2 この時点でアルトアイゼン・リーゼは改造設計書すら提出されていない。

*3 αシリーズにアルトは存在しないんじゃ?と思われる人もいるかもしれないが、『α外伝』の量産型ゲシュペンストMk-IIのロボット図鑑での説明でαシリーズの世界でもアルトとヴァイスが存在する事が明かされている。