ゼクトルーパー

登録日:2015/11/09 (月) 21:54:02
更新日:2023/05/17 Wed 23:50:26
所要時間:約 7 分で読めます





ゼクトルーパーは特撮ドラマ『仮面ライダーカブト』に登場する組織『ZECT』(ゼクト)の戦闘員

声:塩野勝美
身長:170 - 190cm / 体重:70 - 90kg



【概要】


社会に潜伏した*1地球外生命体『ワーム』を迎え撃つべく設立された秘密結社『ZECT』の汎用戦闘員。
人間社会に潜伏したワームをあぶり出し、抹殺するのが彼らの使命である。

ワームの中でも地球人に友好的な派閥『ネイティブ』の技術提供により、軍隊にも勝る高性能な装備に身を固めてはいるものの、
ZECTの戦力ヒエラルキーにおいては最下級の存在。最新鋭のオーバーテクノロジーが惜しみなく盛り込まれ一騎当千の力を秘める
『マスクドライダーシステム』『サナギ』から脱皮した『成虫ワーム』に対しては非力であり、
数・連携・機動力といった諸要素でライダーの戦闘をサポートするのが主な任務となる。


デザインモチーフは『アリ』。黒一色のカラーリングが特徴。
通信機能・暗視機能・汚染大気濾過機能などが搭載されたフェイスヘルムで素顔を覆い、
スペクトラ繊維製の戦闘服『BDU』(バトルドレスユニフォーム)と衝撃吸収素材が内蔵されたプロテクターで全身を防備している。
BDUは鋼鉄の5倍、各部プロテクターは10倍の強度をそれぞれ持ち、刃物や銃弾に対しても高い防御力を発揮する。

量産型仮面ライダーに数える人もいるが、ギミック的に量産型ライダーマンというべきか。


主要武器は右腕に取り付けられたアタッチメント式銃剣ユニット『マシンガンブレード』。
トリガーの引き具合に応じて任意に発射弾数を変えられる『可変バースト機能』が特徴で通常発射速度は毎分600発。
最大射程2000m・装弾数3000発で通常用いるホローポイント弾*2の他にも
ミッションに応じて徹甲弾・炸薬弾・焼夷弾などの特殊弾頭を使用可能。
銃身下部からは厚さ3㎝の鉄すら切り裂くウーツ鋼製のブレードが展開し、白兵戦にも対応できる。

…ただし重さは一丁9.8㎏。…倍力機構無いのにこれはキツいだろ…


劇場版で通常のゼクトルーパーが仮面ライダードレイクを倒した武器は「強化型マシンガンブレード」とされ、DVDのデータファイルや『THE仮面ライダー AUTUMN 2013年11月号』に設定画が載っている。
特徴として通常のマシンガンブレードよりも全体的に大型化し、ブレード部分は先端が太くなりノズル部分はかなり伸びている。


サシでワームとやりあうのは自殺行為のため、基本的にチームユニット単位で動くのが鉄則。
中間管理職の隊長ごとに班分けされており、ワーム出現時は専用車輛で現場に急行・戦闘配置につく。

1体のワームに対し10人以上もの大人数で弾幕を張り、逃げ場を奪って圧し潰すのが基本戦術。
しかし、未成熟でウスノロな『サナギ』はともかく、そこから脱皮した『成虫ワーム』
時間の流れから逸脱することで認識不可能なスピードで行動するクロックアップ』能力を持つため、
成虫相手となると完全にボウリングのピン。高確率で返り討ちにあっている。

また、命令に忠実であるが、破天荒な仮面ライダー*3たちに翻弄される事も非常に多い。


基本的にやられ役ではあるが顔をすっぽりと覆うメットのせいで『中身が誰か伏せることができる』という創作上の利点もあり、
天道総司矢車想影山瞬加賀美新といった主要キャラがゼクトルーパー装備に身を包み(あるいは扮し)印象に残る活躍を見せたこともある。
このノリは初代仮面ライダーにおいてFBIの若造が倒したショッカー戦闘員の覆面・戦闘服を奪い、変装して敵基地に潜入する~系のイベントの平成版ともいえる。

また、ZECTは決して一枚岩では無く人命を軽んじた作戦を強行するなどライダー史上屈指の『ブラック組織』でもあり、
真実を知ったライダーがZECTの意向に沿わない行動を取った際には、ゼクトルーパーがそのまま悪の手先としてライダーの往く手を阻むことも多い。



派生


作中では以下のような特殊なトルーパーも登場する。


シャドウ(シャドウゼクトルーパー)

仮面ライダーザビーを隊長とする特殊部隊『シャドウ』に所属するゼクトルーパー。
ヘルメットやスーツに金色のラインが入れられており、集団の統率力が高いザビーの采配も相まって
練度の高い連携戦術を得意とする精鋭である。


ブライトルーパー

実戦に出る前の訓練生。装備が白一色なのが特徴。基本、未熟で戦力としては役に立たないが、
偶にめっちゃ強い女の子が紛れ込んでいたりする。


ネオトルーパー

劇場版で登場。
ZECTの離反者たちが結成した反抗組織『NEO ZECT』に所属する銀色にブルーの差し色が入ったゼクトルーパー。
マシンガンブレードの他にシールドユニットを装備している。
ライダー殺しで有名だが、現場に居合わせていた中では通常のゼクトルーパーの比率の方が多い。



【玩具】


キャストオフライダーシリーズ』にラインナップされている。
劇中そのままの仕様だとつまらないと判断されたからか、玩具オリジナル装備が大量に付属されている。

具体的に言うと

  • 右腕に装着するパワーアーム
  • 左腕に装着するガトリングアーム
  • 背中に装着するフライトユニット
  • ガトリングアームに取り付ける事も出来るシールド(後に劇場版に逆輸入)
  • 普通のライダーっぽいフルフェイスヘルメット
  • ヘルメット以外の武器を合体させる事でアリ型メカにもできる

と、てんこ盛りな内容。フル装備させたゼクトルーパーはなかなか恰好良い。
プレイバリューも爆増!もはやザコ兵士とは言わせない!


劇中未登場だが設定上は存在している幻の装備で、
『仮面ライダーカブト 超全集』や『THE仮面ライダー AUTUMN 2013年11月号』には「アントロイド」の名称で設定画が載っている。
仮面ライダーバースが使用するバース・CLAWsは性質がアントロイドに近いかもしれない。


S.H.Figuarts』でもラインナップされているが、ゼクトルーパーとネオトルーパーは魂ウェブ限定商品。
一般発売のシャドウ仕様もある。
ブレードが展開せず、ネオトルーパーのシールドもない。


S.I.C.』ではなんとサブライダーをおしのけてVOL.53で仮面ライダーガタックとコンパチ販売という謎の大抜擢を受けた。
同シリーズの特徴である斬新なアレンジの影響でプロテクターの面積が増え、SF映画のパワードスーツのような硬派でマッシヴなデザインとなっている。
素体もガタックの物と共用ゆえスタイルが良く、同シリーズの他商品としてはオルタナティブ・ゼロに近い雰囲気。
同じくかっこよくアレンジされたマシンガンブレードのほか、ZECT隊員の共通武装『ZECTガン』も付属する。
最大の欠点はメットの複眼部がクリア成形でどこの誰とも知れないオッサンの顔が透けて見える点。
それがイヤで、複眼を裏から黒く塗ってしまう購入者もいるとか…

また、大前提としていくらかっこいいとはいえ「他のライダーを差し置いてまでこんなもんをガタックと抱き合わせにするな」という批判もある。
事実、カブトにあったマスクドフォームがガタックに無いのはコイツのせいとも言える*4

こちらもオリジナル装備としてパワーアームユニット、シールドユニット、ガトリングユニットが存在し、形状は『COR』のものを元にしている。
ギミックも踏襲しており、後者2つを組み合わせると同じようにガトリングシールドになる。



【余談】


★『カブト』は初期稿の段階から『組織』『個人』の対比を盛り込んだストーリーにする構想があり、
味方サイドの一般戦闘員の登場は最初から決定されていた。しかし、現状のゼクトルーパーに落ち着くまでには様々な試行錯誤があり、
『ZECTの戦闘員は全員マスクドフォーム状態、しかし主人公だけがキャストオフしてカブト(ライダーフォーム)になれる』
などといったアイディアが出たことも。しかし、マスクド状態だと誰が主人公なのかわからなくなる、という理由でボツになってしまったらしい。


★声を演じた塩野勝美氏は平成ライダーシリーズでは『怪人の唸り声担当の人』として常連中の常連。ヘェアア…シャァァァ…!
PS2版『カブト』では大和鉄騎/仮面ライダーケタロスの代役も担当しているほか、
後に『仮面ライダーG』にて、フィロキセラワームの声を担当した。
ZECTワーム、やる側もやられる側も経験していることに。…どっちもやられてるか?


★また、スーツは『仮面ライダー電王』のイマジン・レオソルジャーと『仮面ライダーW』のVシネマに登場した仮面兵士へと改造されている。
そのためか、『仮面ライダーディケイド』客演時には訓練兵であるブライトルーパーが戦闘に混ざって参加していた。



追記・修正はZECTと共にお願いします。

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最終更新:2023年05月17日 23:50

*1 ワームは殺害した人間の身体的特徴および記憶をそっくり写し取る擬態能力を持つ。

*2 弾頭がすり鉢状に凹んでいる弾丸。着弾時弾頭が潰れて径が広がり、運動エネルギーの伝達効率が上がる=殺傷力が高まる。

*3 意志を持つ変身ツール『ゼクター』に選ばれた資格者でなければライダーにはなれない。そして選ばれし者は大抵変人で、なおかつ戦闘指揮官としての適性があるとは限らない…

*4 カブトもマスクドフォームのアーマーは別売のダークカブトに付属するのが難点。立体化のチョイス&組み合わせが阿漕すぎるのはS.I.C.ではよくあることだが。