アルゴス小隊(蒼穹のファフナー)

登録日:2015/11/05 Thu 19:05:02
更新日:2024/01/09 Tue 13:40:53
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蒼穹のファフナー EXODUS』に登場する人類軍所属の部隊。
正式名称は「新国連本部直轄・独立ファフナー大隊所属 アルゴス小隊」となっている。


【概要】

どこの艦隊にも所属しない独立部隊。フェストゥムに「同化」された同胞を始末する指令『交戦規定アルファ』の遂行を専門とした、いわゆる汚れ役である。
描写的に人類軍トップのヘスター(通称BBA)子飼いである可能性が高く、他部隊が死と隣り合わせでいつフェストゥムが来てもおかしくない状況で過ごしていることが多い反面、この小隊は人類軍本拠地でのうのうと過ごしている。この野郎

正直肩書きの時点で出来れば関わりたくない連中であるが、フェストゥムに同化された味方は基本的に助からない為、二次被害を防ぐという意味では必要な存在ではある。
しかし、例え発足当初は高い理念と覚悟をもっていた部隊だったとしても、まだ人間としての自我を失っていない同朋を、
無抵抗だろうが一方的に処刑し続ける狂気的な任務を課されただけでなく、新国連は派閥間での権力抗争が絶えない環境。
そんな修羅場に晒され続けて、真っ当な部隊として存続出来る筈も無し。

少なくとも現状において、この部隊は同化されてない人間であっても上が危険因子と判断すれば容赦なく粛清に赴く「新国連の犬」である。
また、彼らなりの義務感や使命感の元任務を遂行している一方、利己的かつ視聴者の神経を逆撫でするような行動、言動も見受けられる。

結果、視聴者から「分かりやすいヘイト集め役」とまで称される程の非道集団と認識され実際に憎まれている。
こんな連中が幅を利かせている現状が人類軍という組織の限界を表しているのかもしれない。

この先どれだけ株を上げようととそれまでに溜めたヘイトを相殺する迄には至らない気もするが、彼ら今後の動向に(色んな意味で)期待である。
というか頼むから余計なことはしないで下さいお願いしますから。


【主要隊員】

  • ダスティン・モーガン
CV 中村悠一
小隊長。
1話のハワイ防衛戦時にモーガン隊を率いて現地部隊の応援に駆けつけるも惨敗。
以後フェストゥムに同化された同胞の危険性を覚え、交戦規定アルファを絶対視、かつその遂行に義務感を持っている……
とは言うものの、後述するように私情を捨てて任務遂行に徹しているとは言いがたい。
ハワイでの経験が相当堪えたのかそれ以降の風貌はかなりやつれた様にも見受けられる。

ペルセウス中隊のビリー・モーガンは彼の弟でビリーからは尊敬されている。
ハワイで共闘して後、ビリーは自分があてがわせた後方任務に就いていると思い込んでいたが、
再会するまでナレインの人選でペルセウス中隊に再配属された事を知らなかった。
再会してからはペルセウス中隊とのエンゲージの度にビリーを引き入れようと彼に接近している。
搭乗機:トローンズ・モデル空戦型「ラファエル」

  • キース・ウォーター
CV 宇乃音亜季
アルゴス小隊の紅一点。
おおらかな性格でダスティンともフランクな態度で接し、味方殺しの任務を請け負う彼を気遣う素振りを見せる。
その一方でハワイ防衛戦以降は「ズルい者が勝つ」という信条の元、汚れ役の仕事を嬉々としてこなす「心の壊れた女」。
交戦規定アルファの遂行についても「自分が相手をしているのは人間ではない」と思い込んでいる(或いは思い込もうとしている)節がある。
下手すりゃダスティンより嫌われてるかも(後述)。これでも1話完全版ではフェストゥムを口説きかねないようなイけてるお姉さんだったのだが……
搭乗機:ドミニオンズ・モデル空戦型「ガブリエル」

  • ハインツ・ビットナー
CV 泉大智
メカニック出身で生き残る可能性の少しでも高い部隊への配属を望み、その為なら味方殺しも厭わない男。
言動がいかにもヒャッハーなチンピラで棒読み気味なのが特徴。
搭乗機:トローンズ・モデル陸戦型「サンダルフォン」

  • チェスター・ゲイン
CV 栗原吾郎
ハワイ防衛戦時の現地部隊の唯一の生き残り。
同化された仲間の始末を己の義務としている。

…ハインツ共々顔と名前が一致しないと言う人先生怒らないから出てきなさい。
作中でも扱いは悪いというか啖呵を切った数秒後に死んだ。
搭乗機:パワーズ・モデル陸戦重装型「エイワース」


【活躍 (ネタバレ含む)】

フェストゥムとの共生を目指すナレイン一派を危険因子と見なした新国連上層部は、交戦規定アルファを発令。
アルゴス小隊にインドに基地を構えるナレイン一派の抹殺を命令する。
この時点でキースは待機中にもかかわらず酒を飲んでいたり任務を茶化したりと結構アレ。酒を呑まなきゃやってられないというのもあるのかもしれないが。

そしてダスティンはナレイン抹殺に反発したダッカ基地(ナレイン一派の行軍先)のカマル指令を殺害。
ダッカ基地目前でフェストゥムとの交戦中のナレイン一派(と竜宮島部隊)の援護に入った…
と思いきや、小隊を援軍と誤認した堂馬広登をダスティンが殺害。
しかもご丁寧にコックピットのみを狙ったピンポイント狙撃によってである。
更に言うと、広登を殺害してから交戦規定アルファを宣言している。

その後広登のマークフュンフを回収し戦前を離脱する。
この時、爆撃機に組み付いた真矢の説得を無視してキャンプごとナイレン一派及び竜宮島部隊と難民達を一掃しようとするが、発射直前に爆撃機が撃墜された為、最悪の事態は避けることが出来た。
この時の名目は「移動中の難民もナイレン一派も竜宮島部隊も同化されているから(要約)」というもの。無茶苦茶にも程がある。
そしてこの襲撃以降、真矢と暉の歯車が少しずつ壊れていく事に……

なおこの時戦場でダスティンはビリーと再会した際に今の仲間を捨て自身の元に来るように促しているが、
この行いはファフナーの捕獲共々本来の交戦規定アルファの目的からすれば完全にアウト。
いかにこの指令が形骸化しているかがよくわかる。

その後捕獲したマークフュンフを解体する一方で、弟との再会を経て自らの行いに迷いを感じ出したダスティンとそれを気遣うキースの姿が描かれていた。
…が、回収された広登の遺体が詰められたクーラーボックスにキースが乗り掛かり、なおかつ邪魔な荷物程度にしか見ていないというある意味衝撃的な姿は、
多くの視聴者にショックと彼女への怒り、そして憎悪を加速させた。 母さんです。

先の戦いで竜宮島部隊の所有するザルヴァートルモデルには正攻法では勝てないと判断したダスティンは、
更なる行軍を始めたナレイン一派に対し工作員を潜入させパイロットを抹殺する方向にシフトした模様。
1回目の襲撃はエメリーと美羽により工作員の持つ悪意を察知された事で失敗に終わっており、投入された3人の工作員は1人が情報隠匿のために服毒自殺、
もう1人は一騎に肉薄するもある人物によって射殺、最後の1人も人類軍ひいてはアルゴス小隊に対し堪忍袋の緒が切れ暴徒化した難民達の投石で殺害された。
この一件でヘスター以下好戦派が竜宮島部隊及びナイレン一派をフェストゥム同様敵として認識しているのが見て取れる。

その後もナレイン一行の追跡を続行。逃げ入った地下道の入り口でトラップに引っかかり、
「本当の敵を思い出させる」という名目でアザゼルC型アビエイターをけしかけられることになるが、主要メンバーは爆撃支援で隙を作ってなんとか生存。
アビエイター仕事しろ。

部隊再編後にはナレイン一行と竜宮島の合流ポイントで奇襲を仕掛けた。
ナレイン一行に追いついた時、彼らは2体のアザゼル型とその配下の群れが入り乱れた混戦状態にあったが、
あろうことか共通の敵であるフェストゥムを完全に無視してナレイン一行のみを攻撃するという暴挙に及んでいる。
自我を失いかけたジョナサンの攻撃により航行不能となった輸送機から脱出した難民達(非戦闘員)を狙っている機体もいた。
人類軍が守る「人類」というのは自分達と例の5万人の事なのだろう。
更にはこの攻撃により真矢と暉が鹵獲されかかり、それを助けようとしたウォルターがフェンリルを起動させて自爆・戦死する結果となってしまった。
ついでにハインツと潜水母艦3隻もそのフェンリルであぼん。やったぜ。

暉は竜宮島からの救援が間に合ったものの、真矢は予想外の妨害が入った事もあってウォルターの奮戦も虚しくジーベンごと鹵獲・拉致されてしまう。
剣司が真矢の追跡に向かい、捕捉した所で最後っ屁のミサイルにより接近を阻まれ、そのまま逃亡を許してしまう。

キースは鹵獲したジーベンから降ろした真矢に対し「いつ金色に光るんだ」等とフェストゥム因子を組み込んでいる事を声高に罵り、
兵士が見ている中で着替えろ(スーツの都合上着替える場合一度は全裸にならざるを得ない)と命令するなど同性にもかかわらず真矢に対し悪辣な態度を見せているが、
ぶっちゃけ一騎由来のマカベ因子を取り込んでいる時点で「お前が言うな」の極地であり、自分自身へのブーメランになっていることに気づいていない上に只の同族嫌悪でしかない。この時のキースの言動は更に視聴者の彼女に対する嫌悪感を増幅させた。

ビリー・ジョナサンも同時に鹵獲されてしまっており、ジョナサンは暴行を受けた描写があるにもかかわらずダスティン及びキースの手引なのか、
ビリーのみ「アルゴス小隊員でありペルセウス中隊に潜伏させていた工作員」という事で処理しているようである。
しかもそのことに関して上からお咎めを食らうどころか、ビリーがアルゴス小隊に異動が認められた。軍としてどうなんだ。

同じ人間に対して、平然と殺戮を行う化物のような彼らの所業に
真矢の父親代わりをしていた溝口は皮肉にもかつて真矢がミツヒロと決別した際の言葉と似た言葉をアルゴス小隊に叩きつけた。
お前らと(お前らから見た)フェストゥム、どこが違う!?」と……

そしてクローラー群が基地を襲来した際にはビリーを除いた面々は例のごとく交戦規定アルファに従い臨戦するが、
クローラーそっちのけでへスターの潜水艇に向かう真矢のマークジーベンのみを攻撃している
それどころか、真矢を救出しに来た竜宮島部隊に共闘を申し込むどころか、従わなければ攻撃することを前提で武装解除を求めていた。ダメだこりゃ。

そんなアルゴス小隊もついにツケが回ってくる時が来た。
マークジーベンは長期に渡る遠征から満足に整備されてない*1上に最低限の内蔵武器しか残っていなかった。
だが、4年もの間フェストゥムと戦い続けた歴戦のパイロットであり、脱出行の中で人を殺す覚悟を固めた真矢は、その圧倒的不利な状況で一転攻勢に出た。
「(やれるものなら)やってみろ!」と叫んだチェスターはデュランダルでコクピットを狙撃され秒殺、
キースは「人殺し野郎!!」とこの上ないブーメラン発言を声高に叫びながら激昂してきたが、レージングカッターであえなく撃墜(憎たらしいことに生きていたが)。
ダスティンは一騎打ちに臨み、ジーベンの右腕・左脚を封じたが、リスクを厭わずに自機の右腕を切断した真矢の機転によって返り討ちに遭い、
マインブレードをコクピットにダンクされてしまい、しめやかに爆発四散したのであった。

こうして、キースを除いた隊員は戦死し、アルゴス小隊は壊滅したのであった。

尤も、ダスティンの死を見たビリーと真矢に憎しみを抱いたキースは、兄の仇だの復讐をさせてやるだのとアトランティスミールに唆され、海神島侵攻作戦に参加。
そこで再び真矢とエンゲージ。
2機がかりで組み付き呪詛を吐きながらフェンリルで道連れにしようとするが、キースは起爆プログラムのコントロールを奪われ、ビリーはコクピットブロック*2を抜き取られて不発。
キースはコクピットから這い出て、コントロールを奪っているケーブルを拳銃で撃ち抜くが、
起爆プログラムが復帰した瞬間に機体ごと振り払われ、狂気の笑声を上げながらフェンリルの爆発に呑まれた。


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最終更新:2024年01月09日 13:40

*1 遠征の端々のマークジーベンをよく見ると液体金属で保持されている内部装甲が所々へこむなどして微細な損傷を受けている事が分かる

*2 1期でコクピットブロックを載せ換える事でマークエルフが戦闘データを移行させていたため電子機器類はここに集約されているのだろう。形状こそ違えど人類軍のファフナーも着脱可能なコクピットブロックを採用している点は共通しており、同様の構造と考えられる