白峰天斗/仮面ライダーレイ

登録日:2015/10/25 Sun 23:33:18
更新日:2023/05/18 Thu 15:15:15
所要時間:約 28 分で読めます












やぁ!久しぶりだねぇ…名護くん?







劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王』の登場人物。
天斗は「たかと」と読む。


演:山本匠馬

なお、同氏は後にTV版で現代篇のキング・登太牙/仮面ライダーサガも演じることとなる。
しかし『キバ』のTV版と劇場版は背景設定がそれぞれ異なるパラレル作品であり、白峰と太牙も関係は無い*1
なお、彼が変身する仮面ライダーレイのスーツアクター、永徳氏も同様にTV版では仮面ライダーサガのスーツアクターを担当している。





人物像


永き眠りから目覚めた謎のモンスター・レジェンドルガと交戦した紅渡名護啓介の窮地を救った謎の青年。
『素晴らしき青空の会』とは別の異種族討伐機関『3WA』(World Wide Wing Association)に所属するハンターであり、
サポートロボット『レイキバット』を伴い、同組織が開発した人造のライダーシステム、『仮面ライダーレイ』に変身する。

上下共に白一色の服装に、顔を包み込む"掌"のように伸びた長髪が特徴的な優美な雰囲気の持ち主。
『爪』に拘りを持っているようで、暇な時は愛用の爪ヤスリで長く伸びた爪の手入れをしていることが多い。

レジェンドルガを殲滅するために独自に彼らを追討していたが、同じ目的を持つ青空の会と共同戦線を張ることになる*2
(ただし、彼自身が青空の会の実力の程を軽んじていた為、情報交換以上の目だった協力はしていなかった)。

一人称は「私」。基本的に言葉遣いは丁寧だが、後述の高飛車で冷淡な人柄のせいで
礼儀正しいというよりも慇懃無礼といった方が相応しい。

非常にプライドが高く、自身の中で格下と見做した相手は露骨に軽視した態度を取る。
キバの鎧の伝承者である渡に会って光栄の意を示したり、かつてファンガイアの侵攻を退けた渡の父・紅音也を英雄と称して尊敬している一方で、*3
過去に3WAの同僚だったが、ドロップアウトして逃げるように脱退した名護のことは完全に見下しており、
青空の会の仲間の前で過去の黒歴史をバラして屈辱を味わわせるなど、陰湿でサディスティックな面を覗かせたことも。
名護自身も白峰に明確な苦手意識を抱いており、ある意味753唯一の天敵のような存在である。







てめえ…!俺のこと尊敬してるんじゃなかったのか!?

勿論ですよ。ですが……

これとそれとは話が別です。




中盤、レジェンドルガの襲撃を退けた紅親子の隙を狙いレイキバットを使役して不意討ちを仕掛ける、そのままキバを変身して一方的に叩きのめし、麻生ゆりと恵を腹パンで気絶させて連れ去ってしまう。

実は白峰が纏うレイシステムは、闇のキバの鎧かつてのイクサがそうだったように変身時装着者の肉体に過度の負荷がかかる規格外の代物。
目的のためには手段を択ばない彼は、ライダーの力を手にするためにレジェンドルガに身も心も売り渡し、
既に人間をやめていたのだった。*4
このことからわかるように、後天的に異種族の力を手に入れたという意味では改造人間(怪人)といっても良い存在。
劇中では怪人態に変身したりレジェンドルガ特有の超能力を使うシーンこそなかったものの、
気絶した麻生母娘(自己申告計80㎏)を両手に軽々とぶらさげてお持ち帰りするなど常人を超えた身体能力を披露していた。

そして白峰はかつてファンガイアのキング(当時のダークキバ。過去キン。)に封印された恨みからキバを継ぐ者への復讐に燃える
レジェンドルガのロード/仮面ライダーアークの野望に加担し、人質の麻生母娘を餌にレジェンドルガの本拠地・魔界城へと青空の会の戦士たちを呼び寄せる。
乱戦に次ぐ乱戦の末、城外の森でガーゴイルレジェンドルガと戦う恵の変身したイクサを抹殺すべく横合いから奇襲。
しかし、すんでのところで恵イクサが攻撃を回避したためにガーゴイルを誤爆、
挙句の果てに逆上して掴みかかってきたガーゴイルを物も言わずに返り討ちにして惨殺してしまう。

そして、恵から交代しイクサに変身した名護との決戦が始まる。
猛襲するはレジェンドルガの力を取り込み魔人と化した白峰に現行のイクサを凌駕するスペックを誇るレイシステム。
しかし、惨めな過去の記憶を振り切って正義の闘志を限界まで燃やした名護イクサは生身の恵と連携し、凄まじい奮戦でレイを圧倒。





残念でしたね…!俺はもう昔の俺じゃない!


その命…!神に返しなさい!!

イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ


……ハアッ!!!



名護くん……。



会心のイクサ・ジャッジメント一閃。
悪魔に魂を売り渡した男は、魔界城の王に先んじて、神に命を返したのだった……。




……ここまで書いてきたのだが、ぶっちゃけ作品内での扱いは空気気味で不遇なキャラクター。
劇場版定番の『味方面してすり寄ってくる敵ライダー』枠にあたるが、
「実は中の人がラスボスだった」グレイブや、
「実は悲しい過去を背負っていた」というドラマ性のある歌舞鬼に比べると、
人物像の掘り下げがろくになく、所属している3WAも含めてとにかく背景・設定が不透明。

・いったいいつ、どこでレジェンドルガと接触し、人間をやめたのか?
・何故人間をやめてまでライダーの力を求めたのか?
・人類を確実に絶滅させるレジェンドルガに与していったい何がしたかったのか?
・味方のはずのレジェンドルガを殺してしまったが、操られていたり忠誠を誓っているわけではないのか?
・3WAは結局悪の組織なのか?白峰を放置していた理由は?
etc…

また、レイが敗れてからも大ボスである仮面ライダーアークが控えているため、
同じくこの映画ではやや蚊帳の外気味なポジションの名護さんにあてがう
前座の中ボス・かませ犬でしかないと彼の存在意義を疑うような批評も少なくない。
人格描写に乏しい単なる中ボスという意味では『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』のレオ/仮面ライダーサイガに似ているかもしれない。
とはいえ、あちらはレイとは逆に2号ライダーを殺しているが。







レイキバット!

行こうか、華麗に激しく!!

変身!!








仮面ライダーレイ -Masked Rider Rey-


身長:205cm
体重:87kg
パンチ力:17t
キック力:8t
走力:100mを5秒
ジャンプ力:ひと跳び30m


概要


秘密組織・3WAが独自に開発したライダーシステムを白峰が装着した姿。
黒地に純白の外殻、ブルーの複眼黄金の差し色など、ノーブルな雰囲気の彩色だが、
その一方で毛皮や鉤爪、幾重にも巻かれた鎖など野性的なパーツも全身に配されており、
装着者の白峰同様、優雅さの裏に凶暴性の隠れた『敵か味方かわからない』不穏さを醸し出すライダーである。

レイは即ち『冷』であり、その名の通り冷気属性の攻撃を駆使した戦闘を得意とする。
実は灼熱の力を使うタイプ、光の力を使い、闇の力を無効化するタイプなど、
様々な属性を持つライダーシステムも3WAでは研究開発されていたが、いずれも完成には至らず、
冷気属性に特化したこのレイだけが対レジェンドルガ討伐戦闘服として採用された経緯がある*5


開発コンセプトはファンガイアの持つ技術の結晶たる『キバの鎧』を解析し、人類の持つ科学技術で再現すること。
いうなれば『メカ・キバ』である。また、その過程でファンガイアを始めとする13魔族のデータも取り入れられ、
特に3WAが秘密裏に捕獲したギガント族の個体(イエティクラスとのこと)のデータは武装や外観に強く反映されている。

ジェネレーター及びスーツを循環するエネルギーの制御をバックル部に留まったレイキバットが司るという構造や、
ゴシックテイストあふれる意匠こそキバに似通っているが、実際はイクサのようなメカニック系ライダーに分類されるという変わり種。素材もすべて無機物である。
動力はキバと同じ魔皇力であり、それを身体各部に装着された人造魔皇石で増幅して攻防に用いる。

最大の特徴は両腕に過剰なまでに巻いた封印鎖(カテナ)で、
その内部には暴発の危険性をも孕む、巨大な黄金の鉤爪『ギガンティック・クロー』が封印されている。

なまじキバを模してしまったせいで調整が容易なイクサと違って装着者を選びまくる窮屈な仕様になってしまい、
なおかつ所詮は定まった性能しか発揮できない機械なのでキバのフォームチェンジやファイナルウェイクアップのような拡張性にも乏しい。
…高性能ではあるが後のエンペラーフォームやライジングイクサに追い抜かされている事実を見ても、
進化の袋小路にはまってしまった仇花の鎧といえるだろう。



主な武器


ブリザードミスト

バックル部のレイキバットが口から吐く冷凍弾幕。マイナス200度の極低温であり、
命中すればたちどころに相手を凍結させ、その自由を奪い取る。多分レイキバット単体でも使える。
設定上はレイの掌に無数に開口したブリザードホールからも発射可能。ただし、かなり便利そうなのに劇中未使用。


ブロウニングショルダー

両肩にマウントされた鉤爪の生えたショルダーパット。暴れるとぶらんぶらん揺れて取れそう。
設定上は単なる飾りでなく、天斗の意思で鉤爪をひとつひとつ自在に動かすことが出来る、いわば戦闘用のマニピュレーターである。
その握力は9tにもおよび、対峙した敵を絶対拘束する他、爪は伸縮自在で槍のように前方の敵をぶち抜くことすら可能。

…今日に至るまでまったく再現されたことのない機能である。が、仮面ライダーOOOプトティラコンボには似たギミックがあり、劇中でもちゃんと使用されている。
プトティラも冷気属性なので、ある意味レイの強すぎる後輩と言えるかも。


ギガンティック・クロー

両腕のカテナによって厳重に封印されている手甲と一体化した巨大な鉤爪。
キバの右脚のヘルズゲートと原理はほぼ同じだが、
キバの場合、必殺キック『ダークネスムーンブレイク』の発動が完了した後は早々に再封印がされてしまうのに対して、
レイの場合、一度封印を解除すれば人造魔皇石のパワーをフルドライブさせた状態で永続的に戦闘が可能という長所がある。
そのため、本気を出す際は変身して速攻でウェイクアップし、このクローを展開させた状態をデフォルトとして戦闘を行う。

必殺技は蒼白い冷気を纏った爪撃で対象を凍結させつつバラバラに引き裂く『ブリザードクロー・エクスキュージョン』。相手は死ぬ。
なんてイタそうな技なんだ!なお、威力は28tで、瞬発的な威力はキバに負けている。

この特徴的な武器や氷属性ということも相まって、先輩ライダーである仮面ライダータイガと比較されることもある。

劇中で登場したのは3連の人造魔皇石がはめ込まれた青い手甲だが
企画段階ではそれとは別に魔皇石が露出しておらず、金色のエングローブが施された黒い手甲も別の案としてデザインされていた。
クロー部分の造型も異なり、ボツ案では爪というよりも厚みのあるブレードが3枚並んでいるといった感じである。




戦闘スタイル


特に上半身の力が強化されており、純粋な腕力は怪力に特化したキバのドッガフォームすら凌駕する。
それに加えてスピードが低減するというネックも特になく、瞬発力を利用した奇襲・強襲に向いたパラメータ。
実際、劇中3度あるレイの戦闘シーンはすべてABが争っている最中に横合いから突っ込んで美味しいところをかっさらう」
といった風情のシチュエーションである。
ただ、一度目はキバに自分が味方だと思い込ませるための八百長、
二度目は不意討ち込みで勝ちを拾い、三度目は名護さんがやる気MAXだったとはいえイクサの反撃に成す術も無い打たれ弱さを見せているので「真っ向勝負には弱いんじゃないの?」という疑いもあるにはある。

変身時には冷気の余波で周囲に雪が舞う。
カテナを解放する前は力強いパンチやダイナミックな廻し蹴りを多用した「華麗で激しい」スタイルで戦うが、
ウェイクアップを経てカテナの封印を解き、ギガンティック・クローを展開してからは
白峰のレジェンドルガとしての本能が剥き出しになったかのような獰猛な戦いぶりを見せる。
野獣のような唸り声を上げながら一方的かつ徹底的に相手を爪で八つ裂きにする戦法は
ブリザード・ミストによる足止め効果も相まって凶悪なまでの初見殺し効果を誇る。
…ぶっちゃけ、斧と虎がなくなったタイガと言ってもいい。弱体化してんじゃねーか、一応、自力で冷気出せるけど。



ええいどけどけぃ!凍えるぜ…COOL!



レイキバット -Rey Kivat-



レイシステムの中枢ともいえる、3WAが技術の粋を結集し開発した超高性能ロボットシステム。
レイ自体がキバを模倣した人造ライダーであるが故に、そのパワージェネレーターとなるベルトも
キバット族を模したコウモリ型ロボットとなっている。名前は『レイのキバット』にして『冷気の蝙蝠(バット)』からか。

非常に優れた自立型コンピュータを備えており、レイの変身端末である他、戦闘中にアドバイスを与える参謀メカの役割も果たす。
独自の濃いキャラクターを持ち、まるで生物のように振舞うが所詮は機械。白峰には逆らえない忠実な下僕である。

また、掌サイズの癖にメチャクチャ強く、「でぇえいっ!」「っはあああっ!!」などとドスの利きまくった掛け声と共に繰り出す
ウイングチョップや体当たりは不意打ちとはいえキバさえキリキリ舞いさせるほどの絶大な威力を誇る。
無論キバットなんぞ相手にならず、魔界城への案内としてカフェ・マル・ダムールに乗り込んで来た際、
「このエセキバットめぇ!」と喧嘩を売ってきたキバットを一撃でダウンさせている。

戦闘時はレイのバックルに留まった状態からスーツを流動するエネルギーを制御しつつ、
ブリザード・ミストを発射するほか、ウェイクアップフエッスルを吹き鳴らすことで
レイの両腕のカテナを解放させる役割も担う。


実際のところ劇中ではレイの参謀という設定を活かすこともなく、
CV:若本という以外に明確な個性をアピールする機会に乏しい、主人の白峰共々不遇な存在。
…まあ、アークキバットよかマシだが…
最期に関しては全く描写が無いが、レイはうつ伏せに倒れ、跡形も残さず爆発四散しており
やはりその際にレイキバットも破壊されてしまったと見るべきだろう。

実はアークの変身ツールである『アークキバット』とは同じ『メカキバット』を素体としている(声も一緒)。
しかし、アークキバットの背景が全く語られていないので両者の関係や、共に3WAに開発されたのかどうかは不明。

玩具では限定盤トイとして、1体のメカキバットに、アークキバットレイキバットの2種類の外装を換装することで
聴くことのできる電子音声が変化し、それぞれのベルトを再現するギミックとなっている。
つまり、両者を別々に揃えるには同じ商品を2つ購入する必要がある。

キバットに比べてプレイバリューは大幅にダウンしており、音声収録の時期的な問題か最大のキメ台詞である
「行こうか、華麗に激しく!」が聴けないなどいろいろ不満点も多い。しかし、その一方で劇中では聴けない
「俺に任せておけばァ、すべての問題は解決するぜ…」というやたら頼りになりそうなボイスは超カッコイイ。
…普通に味方にする予定もあったんだろうか?



ウェイクアップフエッスル


フォームチェンジやビークル関係の装備を持たないレイにとって唯一のフエッスル。
銀地に黄金の『鍵』の意匠がエングローブされている。
素体であるメカキバットが同じためか、アークの持つウェイクアップフエッスルとも同じもの。即ち、計1対開発されていることになる。
ただし、レイキバットとアークキバットがそれぞれ使用した場合、流れる電子音は異なる。

玩具的には、キバやイクサの変身ベルトに使用すると劇場版の宣伝関連のボイスが聴けるというお遊びがある。





本編以外での映像作品における登場


上記のように不遇な扱いが際立つ白峰/レイだが、実は本編の外の方が個性を発揮していたりも…?



◆TV版『モモタロスのまっかっか城の王』


劇場版公開に先駆けての宣伝として、キバ本編終了後に挟まれたミニドラマ。全3話。
当時の東映特撮の客寄せパンダだったイマジンズがフリーダムにメタネタを垂れ流したりして、
とても映画と繋がりのある世界とは思えないハチャメチャな展開なのだが、*6
それに相応しくレイもフリーダムな所行が目立つ。

第2話のラストでイマジンズの乗ったデンライナー(と称されたギンジロー号)を高架橋の上から不敵に見下ろして「フフフ…」と笑っており、
続く第3話では地下駐車場でイマジンズを襲撃する。

この時のモモタロスとの掛け合いで




君たちですか?我が3WAに仇為す輩は…。


テメエはッ!?


仮面ライダー…レイ。



…と平成ライダーシリーズではかなり珍しいフル名乗りをキメている。
ウラタロス「これ、どう見てもボクたち正義の仮面ライダーに立ち向かう悪の怪人軍団だよね?」などと自虐ネタを披露していたが、
明らかにレイの方が冷酷で邪悪なオーラを放出しているのは内緒だ。
例によってイマジンズがバタバタやってる隙にリュウタロスを捕獲し、

吹雪に紛れてリュウタもろとも忽然とワープするというとんでもない能力を披露した。
「こいつは貰った!…劇場で、お会いしましょう♪」…お前は怪盗紳士か!


…なお、劇場で見ることのできるオチの映像には登場せず(もう死んでるし…)。
ただ、攫われたはずのリュウタロスは貸し切り状態の映画館で無邪気に劇場版キバ&ゴーオンジャーを楽しんでおり、
あの白峰が普通に映画の試写会に招待してくれたのかと考えるとちょっとほっこりする。



◆『ネット版 仮面ライダー裏キバ 魔界城の女王


劇場版と連動してネット配信されたスピンオフムービー。映画やTV本編とは全く繋がりの無い、
言うなれば『キバの登場人物を使ったコント映像』でしかないのだが、
その分原作ではクールでよそよそしい白峰妙にイキイキとした表情を見せてくれる。


第1回『紅渡の裏の顔?!』では青空の会と馴れ合う気は無い、とツンデレ臭い態度を取りながら、
渡とジンジンの漫才やマジックショーを大人しく見物し、頭上から唐突に降ってきた金ダライの直撃を受けたり、
渡の消失マジックを目の当たりにして本気で驚愕したりしていた。


そして第3回『名護啓介の裏の顔?!』ウェイクアップ。
3WA時代のヘタレな753を知る唯一の人間という立場から、あらゆる手段を使い彼をいじり倒す。
のっけからカフェ・マル・ダムールに来訪し、753にコーヒーを淹れさせたうえに一口飲んで
「変わりませんね、この味。…最高にマズイ!」と笑顔で酷評。さらに

・過去に753からもらったガラクタ(鉄道模型)を返却、『753は熱狂的鉄道ヲタである』という新事実を暴露
・753が同期の女性隊員に宛てた大量のラブレターを持参し、恵(753の未来の嫁である)に声に出して読ませる*7
・753が訓練の厳しさに耐えられず泣いてしまったことを暴露、しかも偶々撮影した泣きッ面の写真まで大公開。「…ネガもあるんですけどねー。」
・トドメにその写真をプリントしたオリジナルTシャツ常時着用していることをアピール。

…と753のプライドをズタボロにした挙句、逆上して襲ってきた753を当て身一発で返り討ちにし、Tシャツ姿で颯爽と帰っていった。コーヒー代払えよ!!

しかしガラクタ呼ばわりしながらも模型を立派な箱に入れて捨てずに取っておいたり、
753を公開処刑する手口がドSながらあまりにも念入りなことから、ファンからは
「実は白峰さんは名護さんに対して本当に(歪んだ)好意を持っていたのでは?」と
冗談交じりな考察がされたりされなかったりも…?
…今わの際に名護の名を呼ぶシーンの後に見ると、逆にしんみりしてしまうかもしれない。


続く第4回『カフェ・音也・ダムール』ではデタラメな思い付きで
マル・ダムールをメイド喫茶やら歌声喫茶に改造しようとする音也に脇から鋭い批評とツッコミを入れ、
30人前のアイスコーヒーの予約が入ったのに氷が無いという状況(どんなだ)を救うべく「任せてくれるかな…?」と変身。
音也諸共にマイナス200度のブリザード・ミストを30個のカップに噴きつけ、悠然と帰っていった。
恐らく白峰が純粋に人助けのために変身した最初で最後のケースではあるが、いい迷惑である。



◆その他のライダー作品


『キバ』の後番組、『仮面ライダーディケイド』では「555の世界」が舞台となった第10話で、
カードを媒体に仮面ライダーのコピーを召喚して使役する新ライダー、海東大樹/仮面ライダーディエンドの手先としてレイが登場。
ディエンドの召喚するライダーは基本的にガワだけライダーの戦闘員のようなものなので当然ながらこのレイは白峰本人ではない。
同時に劇場版『響鬼と七人の戦鬼』に登場するライダー、歌舞鬼も召喚されており、この2体は

・劇場版限定ライダーである
・味方として登場するが、中盤で本性を顕し敵対する
・鬼/レジェンドルガと常人ではない異形の存在である

…といった共通点がある。
また、ストーリー冒頭の「ライダー大戦」においてはディケイド打倒の為集まった各世界のライダーの中に紛れ込んでおり、
ひっそり画面の脇でちっさく爆発四散している。


また、平成2期に入ってからの作品『仮面ライダーウィザード』のスピンオフネットムービー、
『ネット版 仮面ライダーウィザード イン マジか!?ランド』『魔法使いを探せ!!』コーナーでは、
17話になんと『もこもこの魔法使い』としてレイが登場。しかし、ソラにキバの劇場版にしか出てないマイナーなライダー
クソミソにdisられてタジタジになってしまう遊園地ショーのような反応を見せていた。

さらに同じく冷気属性の魔法を使う「白の魔法使い」マジマザーが出現した隙に、
白い魔法使い本人とやけに親しげに並んで歩き去っていった。笛木と白峰が仲良く…シュールである。





余談


◎デザイナー曰く、コンセプトはキバ=『牙』に対する『爪』のライダー。これは変身前でも徹底しており、
白峰の髪型もレイのマスクと同じ『鋭い爪の生えた両手で顔を包み込む』シルエットとなっている。
ちなみに、もう一人のオリジナルライダー・アークは『角』のライダーである。


◎レイキバットはキバットバットⅢ世のフェイクにしては、あまりそれっぽくない高い鼻梁を備えた面相をしているが、
これは『雪だるま』がモチーフだから。バックル部に留まってひっくり返っても違う顔に見えるようなデザインされている。
また、最初期の劇場版情報では、『ユキバット』という名称になっている資料もあったりする。


◎主人公らと敵対した悪のライダーではあるが、実は劇中に限れば無関係の一般人を襲ったり、人間を殺したことは一回も無い。
レイの殺害スコアはどさくさに紛れて始末したガーゴイルレジェンドルガのみである。それもどうかと思うぞ…?


◎名護イクサVSレイの決戦シーンで、画面外からの謎の飛び道具攻撃(弾着の火花演出がある)をイクサが回避するシーンがある。
普通に考えればレイが放ったものと思われるが、設定上唯一の飛び道具のはずの前述のブリザードミストとは描写的に一致しないように思えるので、隠し武器にバルカンでも搭載していたのだろうか?


◎劇場版ライダーでは珍しくも無い事だが、例によって専用マシンは所有していない。
しかし、変身前の白峰がバイクに乗っているシーンはある。
車種は後のマシンディケイダーのベース車にもなったHONDAの『DN-01』。
TV版で太牙も乗っているが、こちらのカラーがなのに対して、白峰の愛車は白。


◎そんな扱いが散々で不遇なレイだが、自身の戦闘BGMである『仮面ライダーレイ』は劇場版キバ屈指の名曲としてファンからは有名になっている。
悪役に似合わない非常に爽やかで勇ましい曲調になっており、機会があれば是非聴いて貰いたい所。
尚、このBGMはディレクターズカット版では別のBGMに差し替えられている。


◎立体化に関して、商品はソフビ『ライダーヒーローキバシリーズ』にてEXナンバーとして発売されている。
また、『装着変身』は仮面ライダーアークとのセット商品として魂ウェブ商店とB★SHOPにて受注販売された。
代わりに展開される『S.H.Figuarts』への橋渡し的なキバシリーズの装着は、最後の作品ということで当時の最新技術を詰め込んでおりクオリティが高く、
仕様もフィギュアーツに極めて近い(装着させるパーツが少なくマスクの中の素顔も無い)。
レイも細かいディテールがこだわって作られており、可動の方も申し分ないなど良好な商品に仕上がっている(難点はギガンティッククローが取れやすいこと)。


◎児童向け漫画誌『テレまんがヒーローズ Vol.2』に掲載された漫画版『魔界城の王』では
徹頭徹尾味方キャラである通称・『きれいな白峰さん』として登場。裏切ることなくアークとの最終決戦にも参加する。
一方で尺の都合か名護との過去については「昔の同僚だよ」の一言でさらっと済まされている。
単行本『スーパーヒーローズ 1巻』ではカフェ・マル・ダムールに集まったところで出番は終わるが、前半の頼もしく登場したシーンはあるのでぜひ読んでみよう。
作者は特撮漫画でお馴染みの藤沢真行氏で、演者によく似せてスッキリしたイケメンに描かれている。








追記バット!

書こうかァ!華麗に激しく!



「「編集!」」

画像出展:劇場版仮面ライダーキバ 魔界城の王
劇場版『キバ・ゴーオンジャー』制作委員会
© 2008 石ノ森プロ・ADK・テレビ朝日・東映

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最終更新:2023年05月18日 15:15
添付ファイル

*1 太牙の育ての親である嶋が太牙と瓜二つの白峰に会って無反応だったので、劇場版の世界におけるキングは太牙とは別人の可能性がある。さらにぶっちゃけるなら劇場版製作時にはその手の設定が決まっていなかっただけとも言うが…。

*2 劇場版の世界では、渡はキバの正体が自分であることをすでにカミングアウトし、青空の会の面々と共闘している。

*3 結局、時を超えて現代にやってきた音也本人に出会った時には、その変人っぷりに呆れて「ただのナンパ師じゃないか」と陰口を叩いていた。マジで失望していたようなので、一応音也を英雄視していた気持ちはウソでは無いと思われる。

*4 なお、劇中で明らかになっているのは嶋が3WAに直接連絡して確認した「レイは常人には扱えない」という情報のみ。白峰が人間をやめた背景に関しては名護の一方的な憶測であり、実際にそうだったという確証はどこにもない。

*5 メタな話をすると、火属性も光属性も13魔族に使用者が存在しないのもあるのだが…。

*6 一応『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』では『キバ』と『電王』が同じ世界観の下で共闘しており、『魔界城の王』は電キバ世界における後日談、と解釈することもできなくはない。また『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』ではキバのキャラクターでもあるアームズモンスター3人組が登場している。

*7 しかもその女性隊員と白峰は当時つきあっており、白峰はカノジョがウザがってるのを見てこのことを知ったとか。鬼かお前は。