ゴ集団

登録日:2015/10/25 Sun 02:12:28
更新日:2024/02/16 Fri 14:43:37
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もうすぐ『ゲリ・ザギバスゲゲル』が始まる。俺達『ゴ』だけのな。



ゴ集団とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダークウガ』の登場怪人・グロンギ族の一集団。


概要

グロンギ族の中で最も優れた者のみが所属を許されるトップランカーとも言うべきエリート集団であり、腹のバックルは非常に濃い金色(Gold)*1

知能・武力共に優れ、下位集団のズ集団メ集団と比べると、人間体もリントの文明に合わせた常識的な現代風の服装をしている。
劇中での登場時期が遅かったせいもあるが、全員が現代のリントの言葉=日本語を使った日常会話を身につけており、更には現代人の文学や音楽などにも理解を示すなど、粗暴さや狂気が強調されていた下位集団とは異なる趣を持っている。
とはいえ、ゲゲルを重ね、ランクを上げてきた選りすぐりのプレイヤー達であるため、そのゲゲル=殺戮に臨む凶暴性と闘争心自体は下位集団と比べ物にならない強さである。


ゴ集団はグロンギの王に挑む権利を得るために、ゲリ・ザギバスゲゲル(セミ・ファイナルゲーム)(黒き闇のゲーム)』という複雑な設定のゲゲルを行う。

ゴ集団以上は専用の武器の使用が認められているのも特徴で、身体の装身具を変化させ、己の武器に変えることが出来る。
これは仮面ライダークウガがその辺の棒きれや拳銃などから武器を生成する分子変換能力「モーフィングパワー」と原理的には同一である。
その圧倒的な強さと理不尽さは多大な犠牲者を出し、クウガの進化を導いていく結果となった。

そして、ゴ集団にはもう一つ厄介な点がある。
ゴ集団の持つ霊石はメやズに比べて厖大なエネルギーを蓄積しており、強引に息の根を止めると核爆発もかくやと言うような巨大な爆発を起こすのだ*2
かくしてクウガ=五代雄介はその正体を警察に明かさなくてはならなくなり、以降はグロンギをいかに人気のない場所まで誘き出すかも話の焦点となっていったのである*3


ゲリ・ザギバスゲゲル(セミ・ファイナルゲーム)

ゴ集団が執り行うゲゲルで、日本語に訳せば「黒き闇のゲーム」
クリア人数は基本3ケタ近くに指定され、更にステータスアップのためにプレイヤー毎に殺害する対象や方法、場所などに関する複雑な制約を課している。
俗っぽくいえば縛りプレイ

この「制約」は破ってもゲゲルの権利を奪われることはないが、ゲゲルのスコアにはカウントされない。
例えば、劇中ジャラジやザザルが駆け付けた警官を殺しても何も咎められはしなかったが、逆に言えばルールに則さない限り、クリア人数の倍の人数を殺してもスコアとしては全くカウントされずクリアには近付かない。
そのため単に人数を稼ぐこと以上に、制約をクリア出来る場所の選定や効率的な立ち回りなども要求される。
また、現代では警察にゲゲルの概念が伝わったことで「制約」を見破られたケースも有り、結果行動を先読みされたり、悪くすれば「制約」の条件を潰されゲゲルの進行自体を阻まれてしまったり、内容次第では状況変化によるリスクもかなり大きくなる。

こういった殺害人数やルール設定の大幅な難度上昇に伴い、下位集団よりも厳正なカウントと裁定が必要になったため、下位集団ではプレイヤー自身が行っていた殺害人数のカウントは運営役であるラ集団のメンバーから専属の計測役が充てられるようになる。


メンバー

リーダー

ゴ・ガドル・バ
演:軍司眞人

未確認生命体46号。自称「破壊のカリスマ」
ゴ集団のリーダーにして、ゴ最強の怪人。
クウガのアンチテーゼとも言えるカブトムシの怪人で、クウガに対応する格闘、俊敏、射撃、剛力の全てのフォームを有し、更に自ら高圧電流を浴びることで最強形態・電撃体をも得た。
その力はいずれもクウガを上回るものであり、ゴ集団中層レベルの力を持つズ・ゴオマ・グ 強化態を一蹴するほど。
ゲゲルの制約は「リントの戦士(警察官)」のみを狙って新しい力で殺すというもの。

人間形態は黒い軍服風の衣装を着た威厳のある男性。
ファンからの通称は“閣下”。

構成員

ゴ・ブウロ・グ
演:高尾晃市

未確認生命体第37号。ゴ集団最初の挑戦者。
フクロウの能力を持つ怪人で、超人的な視力と飛翔能力を活かし、筒でペリット(食べかす)を吹き矢のように射出し東京上空を転々として犯行を重ねた。
制約は東京23区を五十音順に巡回し、各区9人ずつ殺害すること。このことから、目標人数は207人ということになる。
翼にペガサスボウガンの攻撃を受けて高空から落下するが、射貫かれた翼を自ら引き千切って逃走した。
高高度から落下しても無傷で逃走し、失われた翼も短時間で再生する等、自分の能力に自信があるが故の冷静な判断である。

人間態はメガネの似合うクールな男性で、外国文学を嗜むなどの知的な一面を見せ、ゲゲルの法則も「あいうえお」の五十音に沿ったものであった。


ゴ・ベミウ・ギ
演:伊藤聖子

未確認生命体第38号。自称「死のコンダクター」
海蛇(爬虫類の方)の能力を持つ怪人。
体温を瞬間的にマイナス150℃まで下げることが可能で強烈な冷気を操る。
専用武器のの先端から冷気を送り込み、相手の体温を奪って瞬間的に心臓麻痺にして死に至らしめる。
その威力は心臓部に先端部を僅かに接触させるだけで標的の命を奪う程で、クウガ ドラゴンフォームのドラゴンロッドも一瞬で凍りつかせてへし折った。まさにウミヘビの牙である。
頭にバンダナのような意匠があり、ドレッドヘアー状のザンバラな髪や褌と相まって女海賊っぽいデザイン。
制約として、自らが最も愛する『革命』のエチュードの楽譜に従ってプールや海水浴場などの水辺を回り、指定されただけの人数*4を殺していった。
現場でピアノを弾いていたことから雄介により法則を見破られ、ゲゲルを進められなくなった所を追い付いてきた雄介=クウガに倒された。

人間態は黒いチャイナドレスが似合うグンバツの美女。
仮面ライダーシリーズで唯一水着姿を披露した女性怪人としても有名。あとおっぱい
クラシックを愛するが故にダンスグループの持っていたラジカセを奪って『革命』を流して悦に入り、文句を言ってきたグループに怪人体を明かして惨殺した。


ゴ・ガメゴ・レ
演:酒井一圭

未確認生命体第39号。
リクガメの能力を持つ怪人。
ビルから転落して金の紫のクウガの攻撃を受けても生きているほどの凄まじく硬い身体を持つ。
指輪型の装身具を鎖付きの鉄球に変え、高層ビルの屋上から片っ端から投げつけて雨のように降らせるという非常に乱暴かつ迷惑なゲゲルを行った。
その飛距離は数kmを余裕で跨ぐ程で最早メテオ(隕石群)である。
制約はルーレットを行ってから殺害場所を決めるというもの。
ガメゴとの戦いを通じて、上級グロンギの物質変換能力の存在が明らかとなった。

ズングリムックリした体型に見合わず、人間態は松田優作のような外見のギャンブラー風の男性。翌年鋼の猛牛は関係ないし、深紅の稲妻とか仮面ライダーになってしまった男とかスーパー弁護士との面識はない
ジャラジやザザルとは気が合ったのか、共にトランプに興じる場面もあった。



未確認生命体第40号。
猪の能力を持つ怪人。二又に分かれたを持っている。
それほど強敵でもないが、これはハイパーバトルビデオに登場した怪人のため。


ゴ・バダー・バ
演:小川信行

未確認生命体第41号。自称「驚異のライダー」
以前クウガを苦しめたバッタ種怪人ズ・バヅー・バ双子の兄。赤いマフラーをたなびかせてバイクに乗るというギリギリなデザインをしている。
……まあ、同じ東映だし、『クウガ』自体が初代のリメイクとしての立ち位置もある訳だが。
装身具を差し込むことで、どんなバイクでも愛機「バギブソン」に変化させてしまうスタイリッシュ道路交通法違反野郎。なお、古代ではバイクの代わりにをバキブソンに変形させていたらしい。
ライジングペガサスボウガンを躱し切り、体当たりでトライチェイサーを破壊するほどの巧みなバイクテクニックでクウガを翻弄した。
制約としてバイク乗りだけを執拗に狙ったゲゲルを行っており、物置に逃げたライダーを物置ごと粉々に轢き潰すシーンはトラウマもの。
とてつもなく強いらしく、ガドルがゲゲルの進行の速さに唯一焦りを見せた程。

双子ということもあってか、人間態もどことなくバヅーに似たアフロヘアにカーキグリーンの長袖コートの男性(演者も同一)。


ゴ・ジャラジ・ダ
演:大川征義

未確認生命体42号。
ヤマアラシ種怪人。『クウガ』最大のトラウマとする人も多い最低最悪のド外道。
装身具を極小の鍼に変えて標的の脳内に差し込み、4日後に元の大きさに戻る性質を利用して標的の脳を内部から破壊するという方法を使い、制約として緑川学園高校2年の男子生徒だけをターゲットにゲゲルを行った。
鍼を差した後も標的を監視し、葬儀の場に現れて標的以外の関係者にも恐怖を与えるサイコパスである。戦士としての誇りを持つ者も多いグロンギの中でも珍しい性格の持ち主。
どこに逃げようが執拗に追いかけ続け、耐え難い死の恐怖に怯えて苦しむ標的たちを相手に放った言葉はグロンギを象徴するかのような台詞。
戦闘力は低くはないが、別に高いわけでもない。せいぜいヤマアラシらしく悪路の走行に長けている程度か。
しかし、その神出鬼没の動きは瞬間移動を疑うレベルで大きな驚異となった。
黒い肌に白い髪で、どことなくアフリカや南米の部族のような意匠が見受けられる。

人間態はストリートファッションに身を包んだ若い少年の姿をしており、眼の下のクマドリが不気味さを強調している。


ゴ・ザザル・バ
演:朝倉ちあき

未確認生命体第43号。
サソリの能力を持つ女性怪人。辮髪みたいな頭をしている。
体内に鉄でも一瞬にして溶かすほどの強酸性の猛毒を持っており、イヤリングを変化させた鉤爪で相手を突き刺して瞬時に溶かし、殺害する。
指定された色の動く箱(タクシー、電車、エレベーターなど)に乗る人間を片っ端から殺すという非常に難易度の高いゲゲルを行ったが、すぐに法則を見破られてしまい、ゲゲルの進行に苦労する羽目に。
性格は普段は気だるい様子ながら実際には短気ですぐムキになる性質。ズ集団であるゴオマに対しても大人げなくマジギレしていた。

人間態はベミウと甲乙つけがたいデカパイハデ目な美女。


ゴ・ジャーザ・ギ
演:あらいすみれ

未確認生命体第44号。最強三人衆の一角。
シュモクザメ種怪人で、を武器とし、速度に優れた俊敏態(通常形態)と、を使った攻撃に特化した剛力態を有する。
だからと言って俊敏態なら力が弱い……なんてことは全く無く、この形態ですら投げた銛の一撃で金のクウガの肩口を貫通するほどの威力。
勿論サメの怪人らしく、水中を高速で泳ぐことも可能。
劇中では船や飛行機に乗り込んで人々を次々に田楽刺しにしていった(劇中の台詞より)。
もはや法則もへったくれもなく、現場に着いた時点で詰み。
しかし、ネット上に犯行予告を残していたことから2度目のゲゲルは現場を特定されて倒された。

歴代の鮫の怪人はいずれも粗暴であったが、ジャーザの場合は非常にクールであり、人間態は眼鏡をかけ、ノートパソコンを携えた理知的なキャリアウーマン風の姿をしている。
その実力と知能にはバベルとガドルも一目置いており、「お前ならゲゲルを終わらせるのも苦ではあるまい」と評される程。
性格は極めて合理的かつ残虐であり、ジャーザの犯行予告文を知ったときのクウガのリアクションは(その回のシナリオも相まって)秀逸。


ゴ・バベル・ダ
演:桜井顕生

未確認生命体45号。最強三人衆の一角。
バッファロー種怪人。格闘態(通常形態)の際にはメリケンサックを、剛力態の時にはスパイクハンマーを使い、殺戮と戦闘に用いる。
そのパワーはクウガをはるかに上回り、マイティフォームの装甲を粘土細工のように叩き潰し、出血させるほど。
ゲゲルの制約は殺害方法そのものと殺害人数だったと思われ、一説には1000人殺すつもりだったとも。
古代の頃から獲物を出口のない密室に閉じ込めて仕留める方法を得意とし、現代では地下街に大型車両を突っ込ませて逃げ道を塞ぎ、閉じ込めた人間を皆殺しにする手法を取った。

人間形態はヒッピー風の巨漢。
彼がクウガに対して投げかけた台詞は『クウガ』の……ひいては『仮面ライダー』という存在に対しての根源に当たる言葉とも取れる。



余談

構想の段階では「ゴ」と「ン」の間に「ジャ」という階級も存在していたが、最終的にその設定はジャーザ、バベル、ガドルの3人に統合される形になった。



ヅギビ・バ・ググン・ゼギスバ?

訳:追記は進んでいるか?



























うんうん、実に素晴らしい項目です




この私のことに気付きすらしない、そのお粗末な所が特にねえ!!!





















本編終了から15年後を描いた講談社キャラクター文庫小説 仮面ライダークウガ』のラスボス
未確認生命体第49号、ライオン種怪人。

究極の闇の力を手に入れたプロトタイプ「空我」とも渡り合えるほどの実力を持ち、火球を放って暴れ回るという後の作品における魔化魍イマジン顔負けの戦闘力を持つが、それすら使おうとせず、巧みな計略で160万人の命を同時に奪おうと企んだ卑劣漢。
というのも、ダグバ亡き後のリントの無力さにほとほと呆れ果てた末の犯行であり、もしガドルがいた頃に復活していればもっと乱雑なゲゲルを行っていた可能性は高い。

人間態はある大物の姿をしていた。

固有能力の火球はダグバとは違い外側から燃やす攻撃であり、残念ながら「空我」相手には決定打とはならなかった。
しかし、もう一つの特徴的な能力である「打ち込まれた封印エネルギーそのものを体外に排出できる能力」はある副作用もあり、自身をも圧倒した「オリジナル空我」を心理的に追い詰めたが、
最終的にはその卑劣さに鉄槌を下すかのように一条薫に打ち込まれた嘗ての戦いの負の遺産により無惨な最期を遂げることになった。




  • おまけ
◆ゴ・ガブニ・ギ
ひらかたパークで開催された『仮面ライダービルド スペシャルショー』に登場したゴ集団のグロンギ。
設定上『ビルド』の世界は『仮面ライダーディケイド』以降~『仮面ライダーエグゼイドまでの世界とは隔絶した世界線であるが、ひらパーのショーにおいては繫がっていたり繫がっていなかったりしている。
※詳細は割愛するが、仮面ライダーイクサ憑依した紅音也が、ネビュラガスを吸い込んで暴走した仮面ライダーキバを救ったり、スマッシュに改造された絶望ファントムが発生したりしている

この個体は先述のライオ没後にゲゲルを行っていた。
あらゆる「人類の進化」を倦厭するアンノウンによりグロンギが襲われているという情勢から、
ヒトあらざる者、即ち仮面ライダーやファウストのみを狙ったゲリザギバス・ゲゲルを敢行する。
名前や属から察するに、恐らくモチーフはカブトガニで、全身が仮面ライダークローズチャージの攻撃も通さない頑健な鎧に覆われている。
最期は「オリジナル空我」により追い詰められた末に自爆するも、その瞬間に金に変身した「空我」が覆いかぶさったことにより、全エネルギーを受け切られて消し飛んでしまった。

ちなみに、『ビルド』のショーにも拘わらず、戦闘シーンはひたすら「ギベエ!」「うおりゃあ!」しか台詞が無いなど、原典『クウガ』を見ていないちびっ子たちからしてみたら驚きの再現度であった。




……カタカタカタカタカタ、カチャ

パタン


ふう…。ゲリ・ザギバスゲゲルに進むまで、無駄な体力は使いたくないの。あとは貴方が追記・修正してくれる?



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最終更新:2024年02月16日 14:43

*1 黒に見える程に濃いため、言われないと気付かない人も多かったと思われる。対して主たるダグバは明るい金色で分かりやすい。こういった上位種の怪人のベルトが金色なのは初代『仮面ライダー』の幹部怪人や番組後半の強化怪人が元ネタと思われる。

*2 ただし、金の力で倒されなかったジイノは倉庫一個壊せない程小規模な爆発だった事から「ゴ集団だから大爆発するのではなく、ライジングフォームの力だから爆発するのではないか」という説があるが、メであるガリマを倒した際の爆発の規模が小さかったために誤りである事がうかがえる。従ってより正確に言うならば、ライジングフォームの起爆力+ゴ集団の内在エネルギーが相乗効果を上げた結果なのかもしれない(迷惑な)。

*3 ゴ集団の共通した演出としては、最早通常形態のクウガを越える身体能力と回復能力を有している事がある。このため、通常4形態で打ち込める封印エネルギー(必殺技)では決定打にならず、飛躍的に能力を高めるライジングフォームでも、相性によってはダメージを通せないというギリギリの戦いを強いられる事になった。

*4 ドの8部音符なら「ど」から施設名が始まる水辺で8人殺害する