主人公(ペルソナ4)

登録日:2009/12/12 Sat 09:31:24
更新日:2024/02/09 Fri 11:22:35
所要時間:約 19 分で読めます




我は汝、汝は我



双眸を見開きて、今こそ発せよ





読んでの通り、PS2用ゲーム『ペルソナ4』の主人公。



両親の都合により、稲羽市の叔父の下に一年間居候することとなった高校二年生。

市内の八十神高校に転入して早々、『雨の夜中零時にテレビ画面を見つめる』という流行のおまじないの噂を聞き、勧められるままにそれを実行。
結果、不可思議な異世界『マヨナカテレビ』に入り込む力と、もう一人の自分『ペルソナ』を手に入れ、
現実世界で起こる奇怪な連続殺人事件の解決に乗り出すこととなる。





初期固有ペルソナは『イザナギ』。
刀(アマノヌボコ)を携え、長ランに襷掛けしたような衣装を纏い、ハチマキをなびかせながら戦う。雷系。耐性は割と優秀。
そして何よりも見た目が物凄くカッコよく、初期ペルソナながら終盤まで愛用するプレイヤーは多い*1


アッシュグレーの髪、前髪が若干長い点以外、外見に特筆すべき所は無い。
前作ペルソナ3の主人公と比べ、体格は一回りか二回りほど大きい。

ドラクエ方式の為名前は存在しないが、
説明書では月森孝介、漫画版では瀬多総司、アニメ版と格ゲーでは鳴上悠(なるかみゆう)となっている。

月森孝介はアトラス制作「超執刀カドゥケウス」の主人公から。
瀬多総司はアトラスに名前の候補をいくつか出してもらって、そこから作者の曽我部氏のイメージに合った名前を起用したとのこと。
鳴上悠はイザナギが電気技を使うことから「雷→神鳴→鳴神→鳴上」に「この物語の主人公はあなたである」ということから「You→悠」を合わせて命名されたのではないか?という説がある。
アニメ版のプロデューサーの足立氏曰くそういう理由での命名ではないとのことだが、それが公式設定でも良いとのこと。

現在ではアニメ版と格ゲーで採用された「鳴上悠」が事実上デフォルトネームになっている。

イザナギの外見とカリスマ溢れる性格から『番長』というニックネームが定着しており、一部同人誌ではそのまま『番長君』等と呼ばれていたりする。
若干シュール。

デザインを担当した副島氏曰く、「いい意味でのふてぶてしさや、ワイルドなイメージ」とのこと。
意図的に目付きも悪くしたようだが、だからといってそれほど鋭い目付きという訳でも無いが。
ちなみにデザインにあたって、「プレイヤー次第でどんなキャラになっても違和感無い、戦隊物で言うブルーぐらいのポジション」を意識したらしい。


自分から言葉を発する事はほぼ無く、浪川ボイスは戦闘用。
提示される選択肢の内容は正義感溢れるもの、他人に無関心でだんまりを決め込むもの、皮肉めいたジョーク、思春期特有の下世話なもの等非常に多種多様。
性格はプレイヤーの好みで素行が大きく変わる。

ただ、コミカルな演出、またジョーク選択肢や余裕のある発言が多々ある固定イベントを見るに、
スタッフの敷いた下地は親しみやすくリーダーシップに溢れた性格のようだ。


また『絆を力とする』P4のシステム上、老若男女ありとあらゆる人物と交流を深めることができるズバ抜けた求心力を持つ。
人格パラメータの高さによって選べなかった選択肢も選べるようになる為、リア充っぷりを堪能したい場合は重視しよう。
なお、『勇気』の人格パラメータはほぼ女の子を口説く時にしか使われない。


そしてここが番長の番長たる最大の所以なのだが、

6股が可能。


6 股 が 可 能 。

カリスマ性が行きすぎてか、女性キャラの多くに恋愛ルートが用意されている。
前作のようなリスク、ペナルティもなくヒャッハーし放題。
恋人がいる状態で他の恋人候補とデートするとそれが見つかってプチ修羅場になることはあるものの、
一言謝ったのみで(謝らない選択肢もある)平然と恋人のほうとデートを続けるというとんでもない精神の持ち主。
番長マジパネェっす。

ペルソナ4 ザ・ゴールデン』では新キャラであるマリーの追加によって7股が可能となった(後作のペルソナ5は9股できるが)。
しかし同時にバレンタインで何股かしていると呼び出しに応じなかったパーティの女性陣から哀しそうにチョコを渡されるイベントが追加され、ちょっと心が痛む仕様に。

P4Gではちょっとヒャッハーしづらくなったが、下手な美少女ゲーよりP4をやったほうが充実した仮想恋愛ライフを送れること請け合いである。

ちなみに、あくまで可能というだけであって女性キャラのコミュの選択肢で「恋人」になるか「友人」のまま絆を深めていくかを選べるので、心に決めた一人への愛を貫くのもOK。


口癖は「落ち着け」、「そっとしておこう(おいた)」。


戦闘では日本刀や西洋剣など銃刀法ブッチギリの長物を使用。中にはゴルフクラブや金属バット等も存在する。

またペルソナを入れ替えて戦う事ができる『ワイルド』という特性の持ち主である為、スキルやパラメータがコロコロ入れ代わる遊撃手となる。
マヨナカテレビ内で着用する眼鏡は、太めのフレームでブラックのややシックなもの。

因みにP4Uでのキャッチコピーは『可愛い菜々子は誰にも渡さん! 鋼のシスコン番長』
ついに公式になってしまったが、本人はそこまで悪くないらしい。
悠『まあ、俺のはそんなに悪くないけど』
陽介『悪くないのぉ!?』

プレイアブルキャラとしての性能は高めで、基本的に『このキャラには打つ手がない』という相手がいない。
近距離から遠距離まで対応できる多彩な技を持ち、特に雷を纏わせた刀で斬り上げる逆ギレ『乾坤一擲』と高速で突っ込む中段技『獅子奮迅』が強力。
覚醒SPスキル『十文字斬り』も出かかり無敵で高威力かつカス当たりしない、と高性能。
十文字斬りには初段の当て方によってはヒット時に裏回りするというテクニックがあり、
全ゲージを吐いて1コンボで十文字を3回叩き込む高火力コンボ『三十字』も存在する。(家庭用のチャレンジモードではこれをやらされる)

P4U2では足払い→5Dのチェーンが削除されたものの、連打コンボのモーション変更によってA版・B版・SB版3種の獅子奮迅を当てていく『三獅子ループ』がやりやすくなった。
また、ガード不能の投げを繰り出せる新技『勇猛果敢』やボタン長押しで十文字斬りの後に新SPスキルを出してコンボを繋げる通称『十一文字斬り』等が追加され、さらに強力に。
主人公らしいオールラウンダーのために初心者向けキャラクターの一人ではあるが、やり込めば多彩な技で相手を翻弄できるため、初心者から上級者まで使えるキャラクターである。
ストーリーでも、仲間やラビリスのために奔走。アイギスやエリザベスには『キタローに似てる』と言われている。

『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』でもP4U2の面々共々登場。
相変わらず刀を用いた通常技、遠距離攻撃のジオ系、近距離では電光石火と隙の無い器用万能タイプ。
このゲームはKOFのようないわゆるドリームマッチの類のゲームだが、他のシリーズの面々からも一目置かれている。
ちなみに陽介とタッグを組むと専用ポーズが発生する。
他のペルソナメンバーと組む時は冷静な対応の悠だが、陽介と組んでいる時はいつもより少し熱を帯びている感じ。

ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス』では主人公の一人として登場し、キタローと夢の共演を果たした。
特別捜査隊の面々だけでなく、S.E.E.S.のメンバーからも落ち着いた佇まいと言動からか一目置かれており、岳羽ゆかりは「大人っぽい」と評している。
キタローが主人公の場合はサブリーダーとして登場。普通に喋り、イケメンなセリフがポンポン飛び出すが、時折天然なセリフも飛び出す。

例:(キタローの『コンゴトモヨロシク』という挨拶に)『オレサマ、オマエマルカジリ』
  (状態異常攻撃で眠らされた時の寝言で)『ごめんなさい、プリン、食べました…』
  (状態異常攻撃で混乱を受けた際味方に斬りかかりながら)『菜々子危ないッ!!!』


オイ最後ちょっと待てや

以下ネタバレ









一連の事件の黒幕であるイザナミが人の望みを見極める為に『力』を与えた1人で、3つの因子のうちの『希望』に当たる存在。

真EDルートでは事件が解決され、メンバーが自身の正体にまで辿り着いたことで危機感を感じたイザナミが自ら動き出す。
そこで最終的に『幾千の呪言』によりメンバーを消し去ろうとしたが、主人公がそれまで培ってきた絆の力によりアルカナ『世界』を覚醒。
ペルソナ『伊邪那岐大神』を召喚し、『幾万の真言』によってこれに勝利した。



P4アニメシリーズ(P4A、P4GA)の番長

こちらの主人公も基本的にはゲームに近い雰囲気だが、ゲーム同様無口…というのはさすがにマズイのでよく喋る。また、原作で登場した台詞も多く発する。

注目すべきは第1話開始時点のステータスで、*2原作の初期ステから更に一段階下げられ


知識→世間知らず
勇気→意気地なし
根気→腑抜け
寛容さ→心貧しい
伝達力→ちぐはぐ


…と、散々な有様になっている。
しかし、原作同様数々の出会いや出来事を経験することでステータスもどんどん上昇し、人間としても磨きがかかり最終話間近でついにカンスト。あのスペシャル肉丼を完食するに至った。

戦闘面でもワイルドとしての力を披露しており、ペルソナチェンジを多用している。
が、このアニメの番長、妙に強い
千枝の影戦でLV30超のジャックランタンを喚ぶところから始まり、直斗の影戦に至ってはベルゼブブでメギドラオンをぶっ放したりとやりたい放題。
コミュの進め方も非常に手際が良い為、原作組には「二周目だ」とか言われる。


そういうわけで原作におけるリーダーに相応しい頼もしさ・立ち振る舞いはアニメでも健在で、最後まで特別捜査隊の中心人物として前に立ち、事件を解決に導いている。
…のだが、番長も人の子。悩みや恐れはつきものである。アニメ番長が恐れるもの…それはずばり『孤独』。
ミツオが連続誘拐殺人の犯人として浮上したタイミングで「犯人が逮捕されればみんなで集まることもなくなるでは」という雰囲気になり、孤独になることへの恐怖が表面化。二度に渡って孤独への恐れを敵に付け込まれピンチに陥っている
しかし、仲間たちと紡いだ絆は簡単に切られることはなく、それまで築いた絆をもってその都度ピンチを乗り越えている。



2014年に放映されたP4Gのアニメ版では、なんと物語開始時点でステータスがオールMAX*3
特に一話ではイザナギが

召喚の余波でシャドウ数体消し飛ばす

開幕電撃の全体攻撃(マハジオダイン?)

シャドウの圧倒的な物量で押し潰されそうになるも弾き返す(物理無効or物理反射?)

シャドウ切り捨てながら上昇、上空からシャドウの群れに全体攻撃(刹那五月雨撃?)

なお、公式によるとコンセントレイト→マハジオダイン→木っ端みじん斬り→刹那五月雨撃、とのこと。どう考えてもペルソナ全書から呼び出してます、本当にry

…戦闘中の不敵な笑みと言い、日常の言動と言い、明らかにペルソナ能力をわかっているような描写といい、
視聴者からは「3週目かよw」だの「5週ぐらいしてるだろw」だの「トロフィー集めですかそうですか」だの散々に言われていたりする。

P4GAでは原作における追加要素の一つであるマリーとの交流に重きを置かれており、*4マリーの記憶を探す中で彼女と仲を深めていき最終話ではテレビ画面越しに愛の告白を受けている

そしてP4GAを語る上でもう一つ欠かせないのが足立との関係で、ともすれば原作以上に彼とより深く関わり合いお互いに強い影響を与えている。
特に足立が真犯人であると発覚した際に一人足立の下へ向かい「信じていたのに」と口にするも「君が信じてたのは、君が頭の中で勝手に作り上げた僕だろう?」と嘲笑・一蹴されてしまう。
最早戦う以外道は無くなった二人は互いのペルソナがぶつけ合うが、その際にどことなくニュータイプめいた演出で彼の過去を垣間見てしまう。

自分と足立の見えている世界の違いを痛感し、遂に足立から完全に拒絶された番長は「損得抜きに『誰かの為に』と思い行動しても、それはただの上から目線の自己満足であり、その行いで誰かを傷つけてしまうのなら自分のやってきた事は無意味だったのではないか」と思い悩む。
しかし、彼のその行いで救われた人物が多いのもまた事実であり、その内の一人であるマリーから「わがままでも上から目線でもなんでもいい、『意味なかった』なんて言わないで!キミが作ってくれた思い出、なかったことになんてしないでよ!!」と叱責され、悩みが氷解。仲間たちと共に足立のところへ向かうのであった。


このように、原作とはまた違った人物像が描かれ『鳴上悠』といういちキャラクターとしての個性を確立したアニメ版番長だが、その結果ギャグシーンでは徹底的にボケ倒している。しかも天然気味なので始末に追えない。



余談

アトラス作品には珍しく真エンディング・ノーマルエンディングを通して仲間と大団円を迎える貴重な存在で、P4Gでは黒幕であるイザナミすらも救って本来あるべき姿に戻している。
ちなみに立ちはだかった敵で救えなかったのは一切絡みのなかったミツオぐらいで、「虚無に当たる存在」や「絶望に当たる存在」はそれぞれ自分にできる償いをする為、前へ進んでいる。

次回作にあたるペルソナ5が、作品の路線変更やアトラスそのものが存続の危機に陥ったりと、2016年にリリースするまでに苦難の連続だったが、その間P4Gを始め格ゲーやダンスゲーなど様々な派生作品にペルソナ4の顔として出張った番長は『アトラスを八年間支えた男』として讃えられている。
…が、2023年現在もペルソナシリーズや他社作品とのクロスオーバー、そしてP4Gの最新機種への移植など5が発売された現在も番長の過労死レベルの活躍は続いている。とりあえず、「お疲れ様です」と労ってあげよう。



追記・修正できそうだ。どうしようか……

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→そっとしておこう。

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最終更新:2024年02月09日 11:22

*1 詳細は個別項目に譲るが、その人気たるや『P4』では意図的な合体事故により終盤でも使用に耐えうるイザナギを生み出す通称「事故ナギ」が流行したほど。なお『P4G』では育成要素が充実したため事故に頼らずとも使いやすくなった

*2 アイキャッチが入る度に番長の現在のステータスが表記される

*3 2話以降のOPで確認できる

*4 番長曰くマリーは「ほっとけない子」だそうな