ソフラン(音ゲー)

登録日:2015/10/17 Sat 11:42:48
更新日:2023/11/11 Sat 14:06:02
所要時間:約 7 分で読めます





音ゲーにおけるソフランとは、主に譜面のスクロール速度が変化することを指す。



  • 概要
音ゲーの譜面上で楽曲のBPM変化を表現する手段として、譜面の流れるスピードを変化させる手法が用いられることが多い。このとき、

譜面が加速した場合→ノーツの流れるスピードが速く目が追いつかない
譜面が減速した場合→ノーツが詰まった状態で流れてきて見切りづらい

といった事態となるため、こういったギミックへの対策が必要になる。
そうでなくても叩くべきリズムが一定でなくなることでスコアに影響するケースもあり、いわばソフランは音ゲーマーにとっての攻略対象なのである。

また、曲自体にBPM変化がなくても、ゲーム性を考慮し主に曲調の変化などに合わせてスクロール速度を倍増・半減させることもある。
(後述の"ソフラン"の由来となった曲はこのタイプである)
ソフランという言葉のニュアンスは少々曖昧で、当初はこのような曲のBPMに関係なくスクロール速度が変化することを指していたが、次第にBPM変化全般を指すようになった。また、速度の急激な変化のみをソフランと称する向きもあり、BPMがわずかに変化することを微ソフランと表現することもある。その他、GITADORAのように譜面のスクロール速度が一定のBPM変化曲も人によってソフランと呼んだり呼ばなかったりである。

  • 由来
"ソフラン"という呼称の由来となったのは、beatmaniaIIDX 2nd styleで初登場した"SOFT LANDING ON THE BODY"*1という楽曲である。
この楽曲自体のBPMは159で一定である(と思われる)が、譜面上では変拍子がうまく実装できなかったのをそのまま採用した結果、突然BPMが倍の318となってスクロールが加速したり、逆に半分の79.5(表記上は79だったり80だったり)となり譜面も減速するという仕掛けとなっていた。この当時としては斬新なギミックにプレイヤーたちは度肝を抜かれた。
コンポーザはDJ SIMONこと杉本清隆.
もちろんライオン株式会社の柔軟剤とは無関係である。

  • 公式での扱い
beatmania CompleteMix 2にDOCTOR S(杉本清隆)が手掛けた"Do you love me?(SOFT LANDING MIX)"が登場。
曲名通りスクロール変化が組み込まれており、原曲の作曲者である南雲玲生も「ひどい…」と漏らしたらしい。
この一件もあり、音ゲーマーの間で「ソフトランディング(縮めてソフラン)」=変速の代名詞という用法が定着していった。

pop'n music 14 FEVER!の収録曲で国道一号(杉本清隆)が作詞作曲を手掛けたフィーバーヒーロー / フィーバー戦士ポップン14のテーマが登場。
その歌詞の一節に「地獄の速さ ソフトランディング」というフレーズが使われている。

pop'n music 20 fantasiaの収録曲であるピラミッドREMIX / 永遠という名の媚薬~Pyramid Power・Death Match ver.~の一行紹介コメントでゲーム中にソフランの呼称が用いられた
それまでは「ソフトランディング」として使われることはあったものの、「ソフラン」という略語形式で公式に登場するのはこれが初。
音ゲーマーの間で市民権を得ていた「ソフラン」という通称がついに公式でも用いられた瞬間であった。

REFLEC BEAT groovin'!!の検定試験ではソフラン曲がテーマの検定が登場。題名は"ソフラン検定"…とはならず"BPM変化検定"であった。

SOUND VOLTEX III GRAVITY WARSのThe 4th KAC オリジナル楽曲コンテストでは、このソフランをテーマとした楽曲、"混乱少女♥そふらんちゃん!!"も採用された。本楽曲は33回のBPM変化と100回にも及ぶ変拍子でプレイヤーとボーカルのななひら自身を混乱させた、ソフランのソフランによるソフランのための曲となっている。



譜面のスクロール速度がBPMに依存しているタイプ。
これらのゲームではハイスピード調整が可能であり、譜面が見やすいようにハイスピやSUDDEN+などを利用するのが鍵となる。

特にノーツが小さい分BPMの影響がデカいIIDXではFHS*3の活用・緑数字の調整*2など対策を十分にとる必要がある
とりわけDICARUSや移植曲のDAY DREAMなどは楽曲個別の対策が要求されることになる。それらについて解説しているサイトもあるので詳細はそちらに譲ることにする。

その他IIDXでは皆伝で3曲目に定着した卑弥呼やラストに待ち構えるもソフラン曲の有名どころである。
ポップンのソフラン曲としてはクラシックシリーズ(特に後期)が代表的。*4
また、最難関曲こと"どうしようもないもの"として知られるサイレントもソフラン搭載曲である。

pop'n以外はオプションの充実により曲中に速度が変わってもプレイ中にハイスピードなどを変えることが出来るので、昔ほどの脅威は無くなった。
しかし、ハイスピードやSUDDEN+変更をしている隙すら与えてくれない曲では「高速部分にハイスピードを合わせて低速部分は気合で捌く」「低速部分にハイスピードを合わせて高速部分を暗記する」などの昔ながらの方法や、「見逃しミスによるダメージ覚悟でハイスピードを変更しに行く」方法で対策することになる。

また、IIDXのSABER WINGやポップンの姫コアことKIMONO♡PRINCESS等、一瞬だけBPMを大幅に落とすことで擬似停止を実現させている譜面もある。

ノーツが大きいため相対的にBPMの影響が少ないとされるが、その分ソフランが最も猛威を振るっている音ゲーと言っても過言ではない。
BPM変化自体はソフランという言葉が出来る前から存在しており、なんと初代ボス曲であるPARANOiAで既に非常に体感し辛い微ソフランがかかっておりノリ辛い。
目に見える形で登場したのは2ndのLOVE THIS FEELIN'で、該当エリアにはノーツがないためとてつもなく早くなるダンサーの動きが飛び込んでくる。
その後も.59やABSOLUTEなどちょくちょくと登場するが、ある時を境に一切自重が無くなる。
突然の加速あるいは減速、そして譜面停止が搭載されている楽曲がてんこ盛りになっていき、その最たるものがSuperNOVAシリーズのCHAOSとPluto。
特にEXTRA STAGEやENCORE EXTRAのような初見曲にLIFE1~4(1回or4回コンボ切ったら即死)で挑む状況でこれらの要素が強烈な向かい風となる。

Fascination MAXXPARANOiA ~HADES~SABER WINGΔMAXなど、DDR初出の楽曲が移植先でもソフラン曲として存在感を放つ例も少なくなく*5、逆にBPMが一定の楽曲がDDRにソフラン搭載で移植されてくることも多い*6

IIDXなどのようなハイスピード調整ができないタイプのゲーム。
現在のニジイロverでは0.1単位ではやさを調節可能。

DDR同様ノーツが比較的大きめの作品として知られるが、BPM変化によるスクロール速度変化の度合いはかなり大きい。BPM100と200でどえらい速度差になっているのが容易に視認できる。
初期は倍速・半速のBPM変化が中心であり、GOODBYE 夏男快晴・上昇・ハレルーヤ、何を血迷ったか童謡であるいぬのおまわりさんにまで取り入れられていた。

本作の仕様として、画面上のすべてのノーツの速度が変化するのではなく、ノーツごとに異なるスクロール速度で流れてくるため、場合によっては先発の遅いノーツを後発の速いノーツが追い越すという珍しい光景が発生する。
『太鼓の達人7』に収録されたハンガリー舞曲第5番がその最初期の利用例であったが、流石にやり過ぎだと判断されたのかこのギミックは長年封印されることとなった。

後に『8』よりBPMと独立して設定できる 譜面の仕様として HSが導入された。
もっとも当初は上記のような極端なBPM変化を持つ曲を調整して叩きやすくするため……という無難な形での利用が多く、上記のハンガリー舞曲第5番もWiiに移植された際に追い越しが起こらないように易しくする方向の調整が行われていた。
一方で一部の裏譜面では自重しないことに定評があり、特に最終ゴーゴーがソフラン+精度により譜面分岐という極悪ギミックになっているエンジェルドリーム(裏譜面)、曲全体を通して譜面が徐々に加速し最後には全く視認できなくなるもりのくまさん(裏譜面)は悪名高い。
これらは曲のBPM自体は変化せずにスクロール速度だけが変わるため、原義のソフランに近いものである。

ところが2011年の新筐体版稼働あたりから雲行きが変わり、一部の曲はノーツごとにスクロール速度を設定することによって追い越しギミックによる認識難を難易度上昇の手段に用いる譜面が本格的に増加し始める。
スーハー2000Venomous(裏譜面)が新筐体初期の代表例である。

そしてその極致が2014年6月に登場したドンカマ2000であり、コイツを簡単にまとめると全難易度が多重スクロール譜面、かつリズム難・超高速ノーツ・ラストの激遅ノートとギミックまみれであり、大きな反響を呼んだ。*7
その後も!!!カオスタイム!!!彁(裏譜面)などこの種のギミックを持つ譜面がいくつか作られており、いずれも超難関曲としてドンだーたちを震撼させている。

余談であるが、太鼓の達人のBPM変化・HS設定に特有のものとして32分音符の配置がある。
これは1小節を48分割まで扱えるというゲーム仕様に起因しており、48の約数でない32分音符はそのままでは配置できないのである。
そのためBPMを2倍・HSを0.5倍にして16分音符を配置することで見かけ上32分音符にする、という設定が用いられている。
はたラク2000が有名であるが、他の譜面でも広く用いられている。
他の音ゲーでは見られない、ソフランにまつわる仕様の珍しい利用例と言える。

こちらもゲームの性質上ハイスピード調整は不可能
このことにより本ゲームでは低速譜面が特に認識困難になり、ノーツが大きいため譜面が詰まっている曲はろくにリズムが把握できなかったり、GOOD判定の広さも相まってオブジェの誤反応などにより精度を落としてしまうという事態が待ち受けている。
VOLZZA 2にて遂にハイスピードが実装されたが、スピードは0(デフォルト)・+50・+100の3段階のみであり、他の音ゲーのように楽曲プレー中のハイスピ調整はやはり不可能。とはいえ低速譜面が格段にやりやすくなったのは言うまでもなく、それ以外の楽曲も含めて全体的にスコアが伸びたというプレイヤーも少なくない。
悠久のリフレシアからはオブジェ速度がBPMに関係なく全曲のほぼ全譜面一律となった。ただしBPM変動や一部楽曲(譜面)のみの仕様によるオブジェ速度変化あり。

初期のソフラン曲としてはL'erisia(primal logic)TITANS RETURN*8が挙げられる。
前者はBPMが234であるが、中盤にオブジェ速度が大幅に落ちる箇所があり、高速・低速両方の性質を持った譜面である。
後者は途中の低速地帯の他、最高難易度の10+最少オブジェ数(オブジェ数が少ないとそれだけ1つのミスによる影響が相対的に大きい)、ロングオブジェクトによる拘束、3TOP混じりのリズム難かつ誤爆を誘発する配置などといった要素により初登場時話題となった。
また前述のΔMAXや後述のJOMANDAのような移植曲も、オブジェ速度が徐々に変化する見た目にも面白い譜面となっている。

余談であるが、VOLZZA 2までのリフレクは楽曲のBPMとオブジェ速度の間の相関が小さい部類に入っていた
同じ楽曲でも高難易度譜面の方がオブジェが速くなったり(低速曲は遅さに拍車がかかったり)する傾向がある他、あるBPM180程度の曲より別のBPM150程度の曲の方がより速いオブジェが飛んでくるということも珍しくなかった。
私立BEMANI学園で登場したSTULTIでは、基本BPMが182でありながらとんでもないスピードでオブジェが降ってくることが注目を集めた。

ギタドラシリーズでは曲のBPMが変わっても譜面のスクロール速度は変化せず、1小節の長さが変化するだけ。
曲のBPM変化さえ頭に入れておけば譜面の見た目に惑わされることはなく、他の音ゲーよりは簡単に対処できる。
…だがそれは最近のシリーズでの話。ハイスピードの微調整が出来なかった旧シリーズ初期ではBPMごとにスクロールスピードが極僅かに違う困った仕様がある。
初期にはDAY DREAMが話題をさらった。(ソフラン面ではなく高難度に関してであるが…)

  • GROOVE COASTER
アバターが様々な形のレール上を目まぐるしく走っていき、カメラアングルも次々と変わる。さらに曲のBPM変化や3Dのトリックによってアバターの移動速度も変わるため、
やろうと思えば初見目押しクソ喰らえな譜面が飛んでくる。対策はただひとつ…「覚えて打て」。

他のBEMANIシリーズのような落ち物とは異なり、もぐら叩き叩くべきパネルにマーカーが現れるタイプ。
各マーカーはエフェクトや出現速度が大きく異なるので自分に合ったものを選ぼう。BPMに依存しないため、ソフラン対策=リズム変化の理解である。

jubeat発の楽曲で代表的なソフラン曲としてJOMANDAが挙げられる。*9
普段はBPM195であるが、途中90まで落ちてから徐々に300まで加速する箇所があり、ここに左下隅・右下隅の同時→左上隅・右上隅の同時がBPM220の16分間隔である所がある。本楽曲も含め、トップ層にとってEXCELLENTゲーであるjubeatではソフランという壁が立ちはだかることになる。
JOMANDAは多くの機種に移植された人気曲であり、移植先でも対策は必須である。*10

そもそもノーツ速度が一定である仕様だが、2015年10月現在、ソフラン曲が1つも存在しなかった洗濯機なのに柔軟剤なしとは…

  • CHUNITHM
2015年7月に稼働を開始したこのゲームも基本的にBPMはスクロール速度に影響しない。
ところが、L9閃鋼のブリューナク、更に稼働から2ヶ月も経たないうちに最高難易度の13+を引っ提げてやって来た怒槌(いずれもMASTER譜面)にはなんと譜面停止が実装されている
今後譜面スタッフの暴走によりスクロール速度をいじくった譜面が登場する可能性もなくはない。恐ろしくも楽しみである。来ました。

公認糞譜面難易度のWorld's Endに譜面傾向「止」があり、一見元の譜面と同じに見えるが上述した譜面が可愛く見えるレベルで止まる。
さらに後に追加された譜面傾向「戻」に至っては、止まるだけでなくあろうことか譜面が逆スクロールし、譜面がワープする(実際には超高速で逆スクロールしている)。

▲    
┃   
┃   
┃   
▼    
ベースベースキックキックベースキックキック…

STAR PLUSの最終マップにて「macrocosmos」という曲が追加された。現在最高難易度の14。CHUNITHM NEWの難易度改定によって15となった。
作曲者はあのBMS作家、LeaF氏である。
Master譜面ではスクロール速度は変わらないが、公式糞譜面ことWORLD's end「?」譜面では、
この曲のBPMに合わせて譜面のスクロール速度が変化する。
この曲のBPMは42〜約300。しかしほとんど常時BPMが変化しており、選曲時にメインBPMしか表示されないCHUNITHMの仕様にて「42で始まって42で終わるから」という頭のおかしい理由で42という表記となってしまっている。
更にあろう事か「?」譜面はMasterから若干譜面変更がなされており、超低速高密度トリルを片手で処理させるというとんでもないラス殺しが追加されている。

2021年11月、CHUNITHM NEWが稼働され、「ULTIMA」という新難易度が登場し、同難易度の「六兆年と一夜物語」で、(WORLD's ENDを除いて)初めてスコアに影響する低速が実装された。
実際に低速がかかるのは最初の簡単なホールド地帯だけなのだが、L9などの初見殺し譜面とは違い、覚えていてもスコアを出しづらい。
この譜面の実装により、ユーザーの間では「今後本格的にソフランを実装するのでは」と囁かれていた。

2022年2月、KoP決勝にて「POTENTIAL」という曲が公開された。同曲はWORLD's ENDや削除曲を除くと1000曲目の楽曲となる。
MASTER譜面では曲の中盤に低速がかかり、そこからだんだんと加速し、配置も複雑になっていく。

2022年4月、CHUNITHM NEW+稼働され、同日にDDRのボス曲「ENDYMION」が収録された。
ラス発狂前の低速と4鍵トリルが再現されている。



追記・ 修 正 よ ろ  し  く   お   願    い     し     ま     す      。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 音ゲー
  • BEMANI
  • beatmaniaIIDX
  • ポップン
  • DDR
  • ギタドラ
  • jubeat
  • REFLEC_BEAT
  • SOUND VOLTEX
  • 太鼓の達人
  • グルコス
  • ソフラン
  • BPM
  • 変化
  • わけのわからないもの
  • 柔軟剤
  • 柔軟剤 ←ではない
  • 初見殺し

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年11月11日 14:06

*1 ACでは削除と復活を繰り返していたがREDで削除されて以降復活しておらず、現在は家庭用3rd styleでしかプレーできない

*2 前述のFHSとSUDDEN+と組み合わせることで速度が変わってもスタートボタンを押しながらスクラッチを回すことでハイスピードを自動的にあらかじめ設定した緑数字に合うように変更してくれる

*3 フローティングハイスピード。20 tricoroから導入されたオプションで、これまで0.5刻みでしか調節できなかったハイスピードが0.01刻みで調節できるようになった。

*4 メドレーであるためソフラン曲となるのはある意味必然なのだが、初期はできるだけしないようにされていた。しかし8からネタ切れで開き直ったかのように極端なソフランが導入されるようになった。

*5 移植というか微妙だが、MAX 300はDDRでソフランしないのにIIDXでは開幕BPM50→300に変化していた。その後、IIDX30 RESIDENTで復活した際に開幕のBPM50がなくなり、BPM300開始に変更された。

*6 途中の速度変化だけでなく、Elemental CreationやAETHERなど基本BPMが倍取りされているケースもある

*7 2014年のネット流行語大賞にドンカマ2000がノミネートされるという出来事があった

*8 リフレクではBPM97-194。後にIIDXに移植されたが、こちらではBPM194と一定となった

*9 この曲は加速以外にも十字押しや終盤の出張必須の発狂など難所が満載である

*10 なお、移植先ではDDRのみ600まで加速する