スーパー能力(星のカービィ)

登録日:2015/10/14 Wed 23:38:07
更新日:2023/03/27 Mon 17:16:17
所要時間:約 9 分で読めます





上武:とにかく何でもやれちゃうんです。地形も壊しちゃうし、でっかいものがあったら、ドカンと燃やしちゃうこともできます。

熊崎:過去のシリーズにも、これほど大きなアクションはないので最終的に「そこまでやるかっ!?」という感じが出せたことは、大きな価値があると思っています。

~社長が訊く『星のカービィWii』3.目がキラキラしている より抜粋




星のカービィWii』に登場する特別なコピー能力の総称。


概要

本作の象徴とも言える新システム。
全身がキラキラ輝いた、いつもの能力持ちの敵とはちょっと違う敵から得られるコピー能力。

吸い込まずに倒した場合は能力星が残るので、これに触れてもいい。
仕様上の扱いがコピー能力と同じのため、獲得した後は前のコピー能力が上書きされる。

多くは元となったコピー能力の装飾を派手にしたような帽子を被っており、星型のオーラがキラキラと光り輝く。
また、能力保持中は処刑用専用BGM「必殺!スーパー能力」が流れる。

最大の特徴は技が一つだけの代わりに技自体がド派手で、通常のコピー能力を遥かに上回る破壊力を秘めていること
それも敵を一撃必殺などという生易しいものではなく、スーパー能力に対応した物体(大体は星マークの光を放つもの)を粉砕することもでき、地形レベルでステージに大きな変化をもたらす
敵も地形も片っ端から張り倒す光景はまさに気分爽快。ちょっとしたカービィ無双である。

だが、敵からのダメージで解除されない代わりに使用できる残り時間の概念が存在する。
取った瞬間からカービィの下に虹色のゲージが出現し、時間経過でどんどん短くなっていく。
普通にクリアする分には問題ないだろうが、スーパー能力が出るステージは必ず異空間への入口が隠されているため、スーパー能力を活用して入口を発見しなくてはならない。
といっても、余程寄り道やヘマをしない限りはある程度余裕をもって辿り着ける。

エクストラモードではゲージの減少速度が上昇しているので流石にのんびり構えておられず、ゲージが無くなる前に迅速に行動する必要がある。

一応使わずにステージを突破することは可能なものの、対応した地形やトラップを破壊できないので、進行が難しくなるという点では難易度が上昇する。
特にトラップ系はこちらの被ダメージがかなり大きいので、最大体力が低下するエクストラは注意。
当然だがスーパー能力を得られるのはカービィ(色違い含む)だけであり、マルチプレイでワドルディメタナイトデデデ大王らが取ることはできない。
あと他のステージへの持ち越しも不可。まあ出来たらUFO並のぶっ壊れコピーになるが。

コピーして最初に技を使う時はちょっと長めのモーションが入り、2回目以降は省略されて短くなる。
技の発動時はステージ内の時間が停止するため、その間に攻撃するタイプの能力は敵を討ち漏らさずに済む。

見た目も中身もインパクト満点の新要素ということもあってか、当時星のカービィシリーズの据え置き機では久々の新作だった『星のカービィWii』の人気に一役買った。
その後の作品でもスーパー能力のポジションを継承した「ビッグバン」が登場したり、『大乱闘スマッシュブラザーズ for 3DS/WiiU』でカービィの最後の切り札にウルトラソードが採用されたりと強く影響を残し続けている。

なお、これで倒した敵はスクロールしても復活しない。
あと何故か看板も破壊可能。こちらは復活する。


『星のカービィ Wii デラックス』では

リメイク作の『Wii デラックス』において、大まかな仕様は変わっていないが、以下の変更点が存在する。

  • 移動スピード、演出の短縮
『デラックス』ではリメイク時に比べてカービィの移動速度が上昇しているが、スーパー能力時にはさらに速いスピードで移動できるようになった。
さらに攻撃時の演出が微妙に短縮されており、これらによって原作の問題点であったテンポの悪さが改善されている。

  • 演出の変更
スーパーボンカースを除くスーパー能力持ちの敵キャラの登場演出が『上空に開いた異空間のゲートから出現する』ものに変更されており、小説版のメタナイトによる「スーパー能力持ちの敵は異空間からやってきているのではないか」という推測を裏付けるものとなっている。

そしてコピー時の演出は大幅に変更されており、能力ごとに大きく異なるものとなっている。特にミラクルビームでワンドをくるくるしたりスノーボウルでお目目をキラキラさせるカービィは必見。
一方で「たやっ!」と聞こえることに定評のあるコピー時のボイスは別のものになった。

先述の通り攻撃時の演出は短縮されているが、その分ド派手に。撃破された雑魚敵が画面手前に叩きつけられる演出も追加されている。

  • 再取得
リメイク前はスーパー能力を捨てるとコピーのもとが自動で破壊されていたが、デラックスでは再取得が可能になった。
ただし、制限時間は捨てる前の状態を引き継ぐ。また異空間に入った時は不可のまま。



スーパー能力紹介

下線部分は2回目以降の使用時に省略される部分。

ウルトラソード


はかい力バツグン
つるぎのスーパーのうりょく
その名もウルトラソード!
だいちもろともきりさいて
みごといっとうりょうだんだ!

元となったコピーはソード
スーパーブレイドナイトを吸い込むことでコピーできる。
帽子がより長くなっている他、剣をあしらった額の装飾が特徴的。

持っている大きな剣を振り回し、更に巨大化させて広範囲をぶった斬る。
この剣はデフォルトで持っているものに加え、使うたびに形状が変わるというお遊びがある。
(ソード、シミター、ギャラクシア、出刃包丁、竹刀、マグロ、ハリセン。後ろ2つはなんとレアパターン。『デラックス』ではこれらにギガントソードとバルフレイソードが追加。)

カービィを中心に360度斬るので、背後の敵にも余裕で届く。
7ー3で中ボスをまるで雑魚のようになぎはらう姿は気分爽快で格好いい。
北米版のパッケージに使用されたり、一部のボス達のトドメに使用されたり、その際に固有のBGM*1や演出があったり、スマブラに採用されたりとスーパー能力の中では結構優遇されている。
ある意味で『星のカービィWii』の看板役とも言える。
ちなみにその一部のボス戦では、最初からモーションが省略されておりトドメの時だけ1回目の演出が入る。



ドラゴストーム


しゃくねつドラゴンよぶ
スーパーのうりょく!
あらしのごとくあらわれて
おたけびあげてさっていく…
このよのすべてをやきつくせ!

元となったコピーはファイア
スーパーホットヘッドを吸い込むことでコピーできる。嵐であって荒らしではない。
帽子の装飾が大きく変わっており、赤い4本の角みたいな形状と化している。

大きな炎を画面外へ飛ばし、カービィの後方から横一直線に竜の形をした炎が画面外から襲ってくる。
竜はかなり長く、ある程度は上下に操作できるため比較的広範囲を攻撃できる。
出てくる方向の上下隅にかなり届き辛いのが唯一の難点だが、そのせいで困るケースはほぼ無いに等しいので問題ないだろう。
何より演出がカッコイイ。ドラゴンにはずれ無し。



ミラクルビーム


ねんじてあやつる
スーパーのうりょく!
でんきあつめてまるくしたら
じざいにとばせエスパーだ
クセあるうごきもなんのその!

元となったコピーはビーム
スーパーワドルドゥを吸い込むことでコピーできる。
ウルトラソード同様に帽子が長い。

自分の頭上に巨大なビームの球を作りだし、それを十字キーで操って攻撃する。2回目以降は一瞬で出来上がる。
攻撃中カービィは一切動けない。
強い慣性が働くので急な方向転換と細かい操作を苦手としており、スーパー能力の中では取り扱いが難しい方。
スマブラXのピカチュウを想像してもらえるとわかりやすい。
ビームは一定時間で消滅してしまうが何度でも作りだせる。任意でビーム中にキャンセルも可能。



ギガトンハンマー


スーパーきょだいな
ハンマーだいちドッスン
はどうがはしるぞ!
リモコンふってパワーアップ
デッカいクイも…ペッタンコ!


元となったコピーはハンマー
スーパーボンカースを倒して能力星に触れるとコピーできる。
緑と赤の注連縄のようなでかい鉢巻が特徴的。

ハンマーを振り回した後、巨大化させて地面を叩き、衝撃波を放って攻撃する。
ハンマーはリモコンを振ることで三段階まで強化でき、見た目も衝撃波の大きさも変わる。
ゴールデンハンマーを使うときは勇者王を想像しよう。
モノがモノだからか、一部のステージにはもぐら叩きのような対応ギミックがある。
それ以外にもハンマーの強化段階によってリアクションが異なるギミックも存在するため、使い分けが重要。



スノーボウル


こごえるふぶきだ
スーパーゆきだまだいへんしん
てきもくっつくぜったいれいど
かいじょボンとはれつして
はずむころがるとんでいく!


元となったコピーはアイス
スーパーチリーを吸い込むことでコピーできる。
これまでスーパー能力帽子がかっこよさげなもので占められていたのに対し、スノーボウルはぶっちゃけソフトクリームにしか見えない。

冷気をまといながら回転し、カービィ自身が巨大な雪玉に変身。リモコンを振ると敵を巻き込みながら猛スピードで転がる。
雪玉になっている間は左右移動ができたりジャンプできたり、他のスーパー能力より自由な動きが出来るが、解除するまで自由に飛べないので若干使いづらい。
敵を大量に巻き込んで能力を解除すると爆発攻撃になる。
少なくとも巨大な火山を一瞬で凍らせるほど冷たい。
破壊力はあるのだが、どうにも帽子のせいでネタにされがちなちょっと不憫のスーパー能力。


実は本作で登場するよりも先に、かなり似たものがデデププ1巻やカービィ64コピー能力ミックスで既に登場している。
前者はサンタに変装したデデデが逃げたため追いかける際に雪からコピーして使われた。名前もズバリ「スノーボール」そのままである。
後者はアイス同士のミックスで使用可能。敵を巻き込みながら次第に巨大化していき、解除の際には雪玉の破片や巻き込んだ敵を周囲に撒き散らすというものであった。



余談

元々は本作の企画書に初めは無かったシステムであり、本作が出る前に据え置き機で頓挫していた
「幻の3つのカービィ」のうち3本目にあったシステムが原型になっている。
冒頭の引用文にもあるように何でも出来る自由度の高さから、デザイナーの負担が大変だったそうである。

また、ゲーム中には未登場だが、カッタースパークのスーパー能力版が内部データに存在している
特にカッターは帽子やモーションまで作られていた。
納期に間に合わず作りかけだったのか、何らかの理由で見送られたのかは不明。




追記・修正お願いします。



























以下衝撃の事実とネタバレ

























実はスーパー能力を使えるのはカービィだけではない。



どういう事かと言うと、本作のラスボスであるマホロアも繰り出すのだ。


そもそもウルトラソードの項で前述した「一部のボス達」の1体はマホロアの事であり、瀕死まで追い詰めるとバリアを破壊するためにスーパー能力を総動員させる展開になる。
(ノーマル、エクストラそれぞれで3つ選出され、最後の1つは必ずウルトラソード)
バリアの破壊が進行するごとにマホロアの力でスーパー能力が強制解除させられ、
バリア全消失の所でウルトラソードカービィ、マホロアの鍔迫り合いにもつれ込む一連の流れは、まさにラストバトルを飾るに相応しいイベントである。

ちなみに『デラックス』ではこのときのみコピー時の演出がリメイク前準拠のものになるという熱いファンサービスがある。
さらに鍔迫り合い~フィニッシュでは『ロボボプラネット』以降のラスボス戦を彷彿とさせるカービィの熱いシャウトが追加され、さらに盛り上がる演出となっている。



だが、そこで「勝った!エンディングだ!」と喜ぶプレイヤーを絶望のどん底に突き落とすのが第2形態。
戦闘開始直後から真っ先にカービィの能力がひっぺがされてしまう挙句、本気を出し始めるとカービィのそれと同じスーパー能力を繰り出すようになる。
この意表を突いた展開があるために、本作のラストバトルはかなり印象深いものとなっているのだが、
スーパー能力の立場で考えてみるとさっきまでイケイケGOGOとばかりにラスボスを追い詰めていたのに、トドメをさせなかった所かラスボスに利用されるハメになったのだから、最後の最後になって踏んだり蹴ったりな扱いである。



マホロアが使うものはカービィのそれとモーションが異なるが、やはりスーパー能力。
こちらのガードを問答無用で貫通するため、移動するか無敵性能付きの技でやり過ごさなくてはならない。
エクストラの第2形態では技の内容が更に変化している上、スノーボウルとギガトンハンマーをミックスしたギガトンスノーハンマーという独自のアレンジ技も会得している。
カービィ当人ですら最近は久しいコピー能力ミックス、それもスーパー能力同士を難なく合成してしまっているのだ。
マスタークラウン……恐ろしい子!


結果的にラストバトルで思わぬ役回りを担う事になったスーパー能力だが、その不完全燃焼と屈辱は後にビッグバン能力が素晴らしいカタチで晴らすことになる。


スターアライズでもドリームフレンズのマホロアがウルトラソードを使用できる。やはり強力な技。



追記・修正はスーパー能力を愛する方にお願いします。
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最終更新:2023年03月27日 17:16

*1 タイトルは「ウルトラスーパーボスバトル」