両毛線

登録日:2015/10/03(土) 11:22:33
更新日:2024/03/18 Mon 16:17:47
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両毛線(りょうもうせん)は、小山駅から新前橋駅を結ぶJR東日本の鉄道路線である。

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概要

所謂「両毛地域」と呼ばれる小山と高崎を横に結ぶ連絡路線である。
北陸新幹線開業後は高崎~前橋間が新幹線への連絡路線として機能している。
また、それ以外の区間も上越線東北本線を始め、後述するように多くの乗り換え路線を結ぶ重要な路線である。

路線名の由来は、上毛野(群馬県)と下毛野(栃木県)を結ぶことに由来する。
因みに両毛線の区間は足利~伊勢崎間で東武伊勢崎線が、桐生~前橋間には上毛電気鉄道上毛線がそれぞれ競合路線として存在するものの、

  • 乗り換え不要(伊勢崎線は乗り換えあり)
  • 所要時間が短い&運賃が安い(上毛線は長い&高い)

事からほぼ単線にもかかわらず東武の大動脈路線である伊勢崎線を相手にしても、一定数のシェアを保ち続けている。
関西のどっかの路線も見習って欲しいものである。

そんな両毛線であるが、非電化時代に気動車運転を開始した1950年代に大量に新駅を増設しながらも採算が合わなかったのか、1968年の全線電化に合わせて休止、そして1987年頃に廃駅となるという笑えない歴史もあったことを記しておく。

この路線の最大の特色は「乗換路線の多さ」が挙げられる。
小山駅〜高崎駅の91.7km(両毛線のみだと84.4km)の接続路線数は、何と18路線!(高崎駅を除くと13路線)にも登る。
上越、北陸、東北の3新幹線、宇都宮線、上越線のみならず、東武鉄道の2大幹線(伊勢崎線日光線)からローカル線にも接続するなど、まさに縦横無尽の状態である。
因みに3つの新幹線に全て接続できる路線は分離する大宮駅以北のみを結ぶ路線では、唯一の路線でもある。

車両

現在の車両

  • 211系
かつては高崎線や宇都宮線などでも走行していたが、E233系の投入や115系・107系の撤退により今では群馬県の顔として活躍中。
  • E231系・E233系
前橋~新前橋間で運用。高崎線湘南新宿ラインの直通列車に使用される。

過去の車両

  • 185系200番台
「あかぎ」で使用されていた。 かつては一部の普通列車の運用に就いていた。
*2
  • 651系1000番台
「あかぎ」「スワローあかぎ」で運用。 現在は同列車の高崎以北の運用自体がなくなっている。
常磐線で「スーパーひたち」として使用されていたが、直流専用に改造され185系を置き換えた。
*3
全線で運用されていた。
  • 115系
全線で運用されていた。初期型デビューから50年以上、改造されながら走り続けた。余談だが、両毛線に全線乗った時幸運に115系に乗っていた記憶がある


駅一覧

  • 小山
東北新幹線宇都宮線水戸線乗り換え。
栃木県第二の都市である小山市の代表駅であるとともに、栃木県を東西南北に繋ぐ交通の要衝でもある。
両毛線は6・8番ホームなのだが、改札口からその2つのホームまでの距離が微妙に長い。
余談ながら、この駅と連結していたビルにはイズミヤやドン・キホーテが入居していたが、閉店済み。
…だったのだが、TSUTAYAやダイソーが入居したりドン・キホーテが戻ってきたりと復活。茨城県の古河市民が「電車乗って映画見てからドンキ行く」と言う場合は大抵このビルである。
当駅のみ大宮支社管轄。

駅前には小山市唯一の大学である白鷗大学が位置する。
ちなみに西口・東口両方の駅前にセブン-イレブン(西口はセブン-イレブン小山駅西口店、東口は白鴎大学本キャンパス店)が存在するため、他人との待ち合わせに「セブン-イレブンのある方」といった表現をするのはおすすめしない。

  • 思川
ここから高崎支社管轄。栃木県立小山西高校、白鴎大学グラウンド最寄り駅。
小さな無人駅。

  • 栃木
東武日光線・東武宇都宮線乗り換え。
県名と同じ栃木市の代表駅。ちなみに栃木市の規模は県内3位。県庁所在地でもない。
まあ、同じ県名を名乗る非中心駅の中では神奈川駅や兵庫駅よりは断然栄えている。
また、國學院大學栃木学園(中学校・高等学校・短期大学)の最寄駅でもあるため学生の利用客もそれなりに多い。
構内にはNewDaysと居酒屋があり、新幹線停車駅を除くと栃木県内では大きい部類に入る駅である。しかし昔あった立ち食い蕎麦屋は残念ながら閉店してしまった。

駅前には國學院大學栃木学園の附属施設である教育センターが存在するが、利用できるのは当校の学生のみ。

  • 大平下
元は2面3線の駅だったが21世紀に入ってスリム化。以降しばらく線内唯一の単線駅だった。
なお、大平の市街地は東武日光線の新大平下駅の方が近い。

  • 岩舟
ここから隣駅の佐野駅までの間だけ複線化する。
因みに映画「秒速5センチメートル」、「花とアリス」にそれぞれモデルとして登場する。

  • 佐野
東武佐野線乗り換え。
因みに東武鉄道は2014年まで改札が存在しなかった…。
佐野市の代表駅であり佐野日本大学高等学校および佐野日本大学中等教育学校の最寄駅でもある為、利用客が多い。
小山方面への折り返しが可能で当駅発着の臨時列車が設定されることも。

  • 富田
あしかがフラワーパークの元祖最寄り駅。現在でも臨時快速の停車駅になっている。白鴎大学足利高校富田キャンパス最寄り駅。

  • あしかがフラワーパーク
2018年3月開業の線内で一番新しい駅。また大平下とここだけが単線駅。JRでは一番表記の長い駅の一つでもある。
しばらくは富田駅と同一運賃、料金の扱いだったが2020年3月14日に本設化し、料金も別々になった。

  • 足利
関東の駅百選の一つ。北口にはEF60が静態保存されている。
東武伊勢崎線の足利市駅が渡良瀬川を挟んで徒歩約15分の所にある。
ここから伊勢崎駅まで伊勢崎線と競合する。
足利市の中心駅だが、都心へのアクセスは伊勢崎線の方に軍配が上がる。しかし乗降客数で見るとどっこいどっこい。
有名な足利学校は当駅の方が近い。

  • 山前
足利大学最寄り駅。

  • 小俣
栃木県最西端の駅。

  • 桐生
わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線乗り換え。北に300mほど歩くと上毛電鉄上毛線西桐生駅がある。当駅で列車が一部折り返す。
桐生市の中心駅で、群馬大学を始め桐生大学附属中学校・桐生第一高等学校や樹徳中学校・高等学校、桐生高等学校の最寄駅の為、学生など利用客が多い。
2000年代初頭までは当駅から上越線・高崎線経由で上野に直通する普通列車が存在した。
かつてはキオスクや立ち食い蕎麦屋があったが閉店してしまった。

(下新田信号所・わたらせ渓谷鐵道下新田駅:わたらせ渓谷鐵道との実際の分岐点。)

  • 岩宿
みどり市唯一のJR駅だが、市街地に近いのは赤城駅または大間々駅である。自動改札機はない。先土器時代の遺跡で有名な岩宿遺跡の最寄駅。

  • 国定
清水次郎長と並ぶ幕末の大侠客である国定忠治の出身地。

  • 伊勢崎
東武伊勢崎線乗り換え。
2010年の駅舎改装前までは東武鉄道と改札を共用していたが、高架化されてから分離されている。
伊勢崎市の代表駅だが、市の中心部へは東武線の新伊勢崎駅のほうが近い。
中線があり、高崎方面に列車が一部折り返す。以西で日中2往復/hとなる。
構内にはNewDaysと居酒屋がある。

  • 駒形
ここから前橋駅まで再び複線化する。
この駅も共愛学園や山崎学園の最寄駅の為学生の利用客が多い。
自動改札機がある。

  • 前橋大島
1955年から1967年までは東前橋駅として存在した。
その後32年間の空白を経て1999年に現在の駅名で「新設」された。

  • 前橋
群馬県の県庁所在地前橋市の中心駅。高崎線列車は当駅まで乗り入れる。
群馬県内では高崎駅に次ぐ乗車人員第2位の駅であるが、実は関東の県庁所在地の駅としては最も少ない…。
(小山駅のある宇都宮駅・取手駅と守谷駅のある水戸駅はおろか、甲府駅さえも下回る有様…)
これは前橋市の中心街が上毛電気鉄道上毛線の中央前橋駅周辺で北に1kmほど離れている事に加え、やはり高崎駅の影響もある。
このこともあり、県の最大都市の高崎市は永遠のライバル。
一応、構内にはNewDays、パン屋、マクドナルド、お土産屋などがあるので(高崎駅ほどではないものの)群馬県内では大きい方の駅であると言える。

  • 新前橋
上越線水上方面・吾妻線乗り換え。路線上の終点駅だが、全列車が高崎駅まで直通する。
NewDays、飲食店あり。

  • 井野
ここから高崎市に入る。周辺は住宅街で通勤・通学利用がほとんど。

  • 高崎問屋町
名前の通り問屋が密集している地域。駅の開業は2004年と比較的新しい駅。

上越新幹線北陸新幹線高崎線信越本線八高線、上信電鉄上信線乗り換え。
群馬県最大都市である高崎市の代表駅で北関東のターミナル駅。県庁所在地の前橋市はライバル。
0番線はあるのに1番線がない不思議な駅。

かつて存在した駅

小野寺駅、犬伏駅…岩舟駅と佐野駅の間にあった
東足利駅…富田駅と足利駅の間にあった
西足利駅…足利駅と山前駅の間にあった
三重駅…西足利駅と山前駅の間にあった。三重県には存在しなかった三重駅である
葉鹿駅…山前駅と小俣駅の間にあった
東桐生駅…小俣駅と桐生駅の間にあった
間野谷駅…岩宿駅と国定駅の間にあった
東伊勢崎駅…国定駅と伊勢崎駅の間にあった
下増田駅…伊勢崎駅と駒形駅の間にあった
東前橋駅…前述した前橋大島駅とほぼ同じ位置に存在した



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最終更新:2024年03月18日 16:17
添付ファイル

*1 出典:Wikipedia URL: https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/ad/Kumoha107-113.JPG 日時:2016/01/18 出典者:Rsa

*2 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/train/883/11.jpg 日時:2016/01/18

*3 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ltdec/651_1000.jpg 日時:2016/01/18