ドラキュラ伝説

登録日:2015/09/19 (土) 00:39:50
更新日:2024/04/08 Mon 10:02:17
所要時間:約 6 分で読めます





ドラキュラ伝説』(Castlevania:The Adventure)は1989年にKONAMIから発売されたゲームボーイ用作品。

既に名作ACTゲームとしての地位を築いていた『悪魔城ドラキュラ』シリーズ初の携帯機用ゲームとして注目を集め、GB初期のメジャータイトルの一つとしても数えられている。

しかしながら

  • 液晶ブレによる残像を抑えるために極端に落とされたゲームスピード
  • それに伴い主人公の操作性の悪化
  • プログラムの組み方が円熟しておらず、ごく少数のオブジェクトが画面上にあるだけでも処理落ち(ボタンをきちんと押しているのに攻撃ができない、ジャンプができない等)

といったマイナスポイントが際立ってしまう事に。
これにより、元から厳しめに設定された難易度が更に厳しくなってしまい、数多のプレイヤーの精神を理不尽な形で挫く・・・所謂“クソゲー”として認定されるに至ってしまった。
ただし、ゲームその物のアイディア、空気感、グラフィック、サウンドは素晴らしく、重ね重ね「操作性だけが残念なゲーム」である。
シリーズ初期作群は「操作性の悪さをテクニックでカバーしろ」というゲーム性なのでそれに則ってはいるが今作は極端である。
それでもやり込んできっちり攻略パターンを構成して慣れれば30分程でクリアできるゲームであり、そこまでいけば面白いところ


【概要】

同年に発売されたFC版完結作『悪魔城伝説』と同じく、初代『悪魔城ドラキュラ』の以前の物語として設定されている。
全4ステージ。
短いステージ数にも関わらず、一度でも攻撃を受けると鞭がパワーダウンする仕様*1や、落ちたら即死のギリギリの足場(数ドット単位の極端な微調整を要求されるようなもの)を越えていくステージ構成。
歩いて画面がスクロールしただけで処理落ちする仕様に加え、それに前述の操作性の悪さが加わった高難易度が特徴。

本家と違う『ドラキュラ伝説』独自の特徴としては、階段ではなくロープによるブロック間の移動と、多彩な針(刺)山のギミックが挙げられる。
また、サブウェポンシステムをばっさり廃しており、代わりに鞭のパワーアップで飛び道具が出るようになっている。

【鞭の段階】

●皮の鞭(小ダメージ)
初期段階の鞭でリーチは短く威力も低い。
この状態の鞭では一撃で倒せる敵も少ないので厄介。

●鎖の鞭(大ダメージ)
一段階パワーupした状態。
リーチも長く高威力。
最低限、この状態を保ちたい。

●鎖鞭+火炎弾(大ダメージ+小ダメージ)
二段階パワーupした状態。
連射は出来ないものの先端から遠距離攻撃可能なファイヤーボールを出せる。(後にソニアやネイサン、ジュストが継承している。)
火炎弾の威力は皮の鞭と同じ。
上手く本体と共に多段ヒットさせると耐久力の高い敵も一撃で倒せる事も。


【アイテム】

●金貨
点数up。

●水晶
鞭の強化。
固定された位置にしか出ない。

●ハート(小) 
体力小回復。ハートは他の作品では「サブウェポンを使用するためのコスト」なのだが今回はないのでゲーム全般の例に(分かりやすい例だとゼルダだろうか)則って回復アイテムに。

●ハート(大)
体力大回復。

●十字架
一定時間無敵。

●1up
プレイヤーの残数が増える。


【登場人物】

クリストファー・ベルモンド
シモンの祖先。
『悪魔城ドラキュラ』にてドラキュラを倒した人物として名前が登場している。
後に『悪魔城伝説』のラルフとサイファの子孫とされており、鞭から火炎弾を放てるのはサイファ直系の血によるもの、と云う考察も。
敵も満足に飛び越せない鈍足から「歴代最弱のベルモンド」としてネタ扱いされているが、実際には生涯で二度(三度?)もドラキュラを仕留めた歴代屈指の英雄である。

●ドラキュラ伯爵
当時はまだ一介の地方領主にして魔術師。
…既に死は越えている筈だが。
配下に魔物を従え、領地に暗い影を落としている。


【敵キャラクター】

●マッドマン
泥男。
雫状態で降下して来る。

●デスバード
画面を横切った後、反対方向から急襲して来る鳥。

●ジ・ズィー
小柄ながら耐久力が高い怪物。
小ダメージだと大きく飛びかかって来る。

●ビッグアイ
ゴロゴロ転がる巨大目玉。
倒すと爆発し、吊り橋を壊してしまう。

●コウモリ
耐久力は低いが、軌道が読みづらくしつこい。
二面冒頭にわんさか出てくる箇所が当たるか当たらないかは運ゲー。(他の登場場所は十分対処できる)

●ブナグチー
最凶キノコ。
みんなのトラウマ。
ゲームスピードの遅さを嘲笑う高速胞子は馴れるまでが大変。

●ナイトストーカー
両手に鎌を持つ怪物。
一定距離を保ち鎌を投げて来る。ぱっと見、サガットのアイガー(タイガーショット)である。上下打ち分けできる点もそっくり。
耐久力も高く厄介。

●クローラー
固い巨大芋虫。
小ダメージだと、回転して来る。

●リビングアーマー
背景の鎧の群れから出現して来る。
槍のリーチと耐久力に注意。


【ステージ】

■ステージ1 墓場
●BOSS:ゼルド
BGM・Battle Of The Holy
練習ステージ。
だが、終盤のギリギリ足場に泣いたプレイヤーも少なくない。
クリストファーさんの鈍足にイライラするようならBGMに耳を傾けて落ち着こう。ここの曲は良い。

■ステージ2 鍾乳洞
●BOSS:アンダーモール
BGM・Darkness
冒頭のコウモリ地帯がどうやってもテクでカバーできない。(それでもゲーム全般で本当に理不尽なのはここだけ)後述の周回による難度上昇は最終的にオワタ式になるがこの箇所が一番の難所になる。
最凶キノコの登場で難易度が加速度的に上昇。
吊り橋が存在。
ゴールまでのルートも一本道では無い。

■ステージ3 地下道
●BOSS:ゴーバンス
BGM・Death Fair
ステージ全体が即死ギミックになっている。
特に、下からせり上がる針山から逃れて頂上を目指すブロック2は数多のプレイヤーの心を折った難所。
難所に反してBGMがファンキー過ぎるのがちょっとしたカオス

■ステージ4 ドラキュラ城
BOSS:ドラキュラ伯爵
BGM・Revenge
様々なギミックが混在する最終ステージ。
BGMはシリーズの名曲「Bloody Tears」がイントロだけだがフレーズが使われている。ファンならニヤリとするところ。あまり話題にならないが「ゲーム後半でシリーズの名曲を流す」というファンの間で人気のシリーズの鉄板演出の元祖である。(フレーズだけでなく曲をフルにというのだと悪魔城伝説の「Dejavu」最初)
壁から針が突きだして来るギミックが登場。
1面BOSSのゼルドが通常出現する。
難所ではあるが、ここまで来れたブレイヤーなら意外と突破は簡単だったりする。
ラスボスのドラキュラ伯爵は両形態共にステージの難しさに反比例して・・・のやる気の無さ。

※クリアーするとダメージ量が増加した2周目がスタート。
以降、周回毎にダメージ量が増加。 5周目からは一発のダメージで即死する。

【その後の展開】
正当な続編として作品のその後を描いた「ドラキュラ伝説II」がGBで発売された他、Wiiにて本作のリメイクの「ドラキュラ伝説 Rebirth」が登場している。Rebirthは評価が高い一方で本作と全く別物になってしまった。(シモンの初代悪魔城がリメイクで全く別作品に仕上がってるのと同じと考えてもらえれば良い)それでもGBドット絵で鈍足だった頃からは新規ドット絵、滑らかな動きに進化しカッコいいクリストファーさんを見ることができる。



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最終更新:2024年04月08日 10:02

*1 他のシリーズではこのような仕様はなく、一度パワーアップすればずっとそのまま