鳳翔(艦隊これくしょん)

登録日:2015/09/17 (木) 22:06:51
更新日:2024/03/20 Wed 05:56:41
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航空母艦、鳳翔と申します。

最初から空母として建造された、世界で初めての航空母艦なんです。

小さな艦ですが、頑張りますね。




ここでは、『艦隊これくしょん -艦これ-』における『鳳翔』について述べる。

絵師:しばふ
CV:洲崎綾



■概要

旧帝国海軍の航空母艦『鳳翔』が元ネタの艦娘。ゲーム中の分類は軽空母だが、実際の鳳翔はれっきとした正規空母。
彼女のセリフにもある通り「設計段階から航空母艦として設計された航空母艦の中で、世界で一番最初に竣工した艦」である。
(竣工は鳳翔が先だが、起工は英国海軍『ハーミーズ』が先。また、巡洋艦や客船を改装して空母として運用した例はそれより以前から存在していた)

完成後に様々な問題が発生するものの、改装を重ねることですべて解消し、実用可能な形にまで昇華された。
その際に得られたデータは後の空母に大いに活用され、『赤城』『加賀』をはじめとする正規空母の完成に多大な貢献を果たした。
赤城とともに『第一航空戦隊(一航戦)』を結成した、所謂『元祖一航戦』。後に加賀や龍驤とも一航戦を組んでいる。

上海事変や支那事変に前線で参加した後は予備艦となり、真珠湾攻撃には支援艦隊として参加。
孤立した部隊に航空機で空から医療品や食糧を届けることもあったようだ。
ミッドウェー海戦に参戦後は練習空母として内地に留まる。
これは甲板が短すぎて新型機の運用ができず、甲板を伸ばす改装を行ったらバランスが悪くなってしまい外洋航行能力を失ってしまったため。
元々複葉機の運用を主眼に据えた艦だった為、甲板延長を施しても発着艦はかなり難儀なものだったようである。
新人パイロットの発着練習、新人潜水艦乗りの標的など、新人育成に取り組むその姿は、
艦長の梅谷薫氏をして「保母さん」と言わしめるものであった。当時からお艦認定されてたのかよ…

そのためレイテ沖で瑞鶴を中心とした最後の日本の空母機動部隊が壊滅した後も、鳳翔に出番が巡ってくることはなかった。
呉に停泊していたが、内地でも決して安泰ではなく、伊勢・日向榛名といった残された主力艦が呉軍港大空襲で次々大破着底(要は港の中で沈没である)する中、鳳翔は奇跡的に大した損害を受けなかった。
数少ない稼働可能状態で戦争を生き延びた日本艦船となった鳳翔は、戦後は甲板を再び改装されたのち復員船として9度にわたり約四万人の将兵や民間人を南方から引き揚げた。
いつでも彼女は誰かを支えていた人だったのだ。
復員任務を終えた鳳翔は、同じく復員任務で活躍した「日本空母の末娘」葛城とともに解体され、既に海に散っていった娘たちの元へと静かに旅立った。

上記のように空母黎明期に活躍した空母ということもあってか空母の中では最も低レアリティで、正規・軽空母唯一のコモン背景(水色)。
最速で1-3でのドロップが見込めるため、序盤での貴重な航空戦力となる。

だが、何故かそれ以降の海域(2-2以降)でのドロップ報告がほとんど無く、
序盤で手に入れ損ねると図鑑収集最後の艦娘だった、なんてこともあるようだ。

装備スロットの初期数が全空母で唯一の2つで、改装しても3にしかならない。
搭載機数の合計も改装後で42と最少。火力や防御力も他の空母に劣るため、力不足感が否めない。
高レベル海域での運用はそれなりの工夫と愛が必要。

彼女の最大の強みは、運用コストが極めて低いこと。全力で運用しても、同レベルの軽巡洋艦並の軽さである。
大破しても修復時の鋼材消費は80未満、燃料に至っては50未満という驚異の低燃費。
勿論これは空母カテゴリの中では最も安い燃費となる。

そのため、デイリー任務の消化や遠征、レベリングのお供など二軍的な運用に向いている。
特に、2015年8月に実装された『艦載機熟練度』との相性が良く、
低レベル海域を回れば練習空母らしく今なお未熟な艦載機の熟練度を上げるために艦載機を次々と送り出してくれる。

まさに縁の下の活躍をしてくれるやりくり上手。

とは言え、砲撃戦における艦載機による攻撃は火力は関係しておらず、運も高いため思わぬところで大戦果を挙げる事も多い。
また、スロットの搭載機数は平均数に近く、このため一点特化させるもバランス良く乗せるも良しという器用な運用法ができる。

なぜか秘書艦にして開発を行うと烈風やら流星やらがほいほい出てくる、開発失敗が少ないという報告がちらほらされている。

2015年10月30日のアップデートにて、鳳翔を旗艦とすることで熟練度を上げた艦戦(零戦21型)を機種転換し、より強力な艦戦(零戦21型熟練)にする事が出来るマンスリー任務が実装。いかにもお母さんらしい任務である。
(ついでに「鳳翔さん」と公式に“さん”付け呼びされるようになった)

2022年12月6日、そんな全ての空母の母、鳳翔に改二/改二戦が実装。
近くに実装されたGambia Bay MarkⅡ同様に4スロットに増え、運の初期値が50に増えた。
改二/改二戦になっても速度は低速のままだが新型高温高圧缶を装備させるだけで高速になる。

改二は純粋な強化であり、対潜値が付き護衛空母となった。
火力が53、装甲が67とかなり上昇。なんと軽空母最強格とされた瑞鳳龍鳳の火力を超えた。
スロットは(17,18,13,1)となり、控えめだが総搭載数は改よりも上回る。
搭載数は心許ないが運と火力の高さを生かし、連合艦隊の第二部隊に入れて夜襲フィニッシャーとして使うのも一考。

改二戦は戦力投射母艦となり、火力が50、装甲が69と改二と比べて守りに重点を置いたステータスに。なお未だ瑞鳳&龍鳳より火力が高い
スロットは(17,18,4,0)となり、空母で搭載数0のスロットがある初の艦娘に。しかも総搭載数が改の時よりも下になってしまった。
改二では装備できなかった大発動艇、陸戦隊、内火艇が装備できるようになり、遠征や輸送、陸上型対策に向くように。
一方、艦攻が装備できないという致命的なデメリットを持つのが悩みの種。
このデメリットで戦爆カットインや夜襲カットインが使えなくなってしまい、先制対潜させるにも回転翼機を装備させることが絶対条件となってしまう。
使うとすれば揚陸艦と同じように艦戦と艦爆でエアカバーしつつ陸上敵対策や輸送ゲージ減らしに専念させた方が良いかも知れない。



■性格

温和で落ち着いた言動が多く、常に一歩引いて提督を立てるような、
古風な日本女性のような性格。提督にお茶を勧めるような穏やかな会話が多い。
しかし、その言動も戦闘時には一転し、艦隊を鼓舞するような凛とした勇ましさを見せる。
淑やかながら強い芯を持つ、まさに大和撫子を体現したような女性。

提督との関係は、客観的に見てほとんど夫婦。秘書艦にすると甲斐甲斐しくお世話をしてくれる。
そのためいつの間に付けられたあだ名が、『お艦』『良妻軽母』。
控えめな言動が多いが、その一方で提督をからかうお茶目な一面もあり、


お風呂にしますか? ご飯にしますか? それとも…… ふふっ、冗談ですよ


上記のセリフに轟沈された提督も多い。私もされました。そのため、提督LOVE勢の一人に挙げられている。

俺の嫁と呼ばれる艦娘は多けれど俺の妻と称されるのは彼女くらいのものだろう
「嫁」という呼称は、「息子の配偶者」という意味もあるので、自分がケッコンしたい相手という意味で使うなら「俺の妻」の方が正しい。

なお、あの第六駆逐隊の面々と中の人が同じという事もあり、意外と声が幼い。

公式四コマでは空母寮の寮母のような存在となっている。
家計や献立に日々頭を悩ませており、加賀を見て焼き鳥を、飛鷹を見て巻き寿司を思いつくなど天然な所も披露された。
初登場の14話ではハロウィンに駆逐艦にお手製の慰問袋を配っており、公式でも『お艦』としてのイメージが確立されていると言えよう。
なお、自室に遊びに来た白雪に「田舎のおばあちゃんちみたい」と言われた際には静かにキレた。

余談だが、三越コラボにて巫女服を着用したことから、鳳翔さんの年齢は人間換算で25歳以下説が俄かに上がっている*1

また、公式イラストで指輪を付けた数少ない艦娘でもある。*2


■キャラデザイン

長い黒髪をポニーテールにし、前髪は七三分けにした穏やかな顔立ちが特徴。
錨のワンポイントが入った薄紅色の和服の袖を襷掛けにし、紺色の袴と白い長靴下を履いている。
右手には弓道などで用いる手袋(ユガケ)を着用し、左手には身の丈ほど大きな和弓を持ち、
艤装は他の空母娘と同じ様に左肩に盾のように飛行甲板を付け、背中には矢筒と電探を背負い、腰には煙突を装備している。
空母で唯一、茜色の羽の矢を装備している。
これは、帝国海軍の訓練用複葉機九三式中間練習機(通称:赤とんぼ)をモデルにしているため。
彼女が太平洋戦争中に練習用空母として多くのパイロットを育んできた証である。
一航戦のような胸当ては付けていないが、現実の弓道でも高段者の女性は胸当てを付けず、襷をかけている。
これが許されるのは5段以上の熟練の射手さんであり、女性が公式な場で射を披露する際の正装でもある。あれ?じゃあ二航戦も…?

ちなみに、空母娘としては龍驤瑞鳳に負けないほど胸がない。にもかかわらず、何故か彼女達のようにネタにされない。
古来日本においては着物が映える胸のない方が美人とされていたためだろうか……。

二次創作での話になるが、母性溢れる巨乳で描く提督もそれなりにいる。
実際の鳳翔は改装により艦橋を撤去しているため、さらしで胸の大きさを隠している……というのも一応筋が通っている……気がしないでもない。



■創作での扱い

『全ての空母の母』とでも言うべき存在だからか、鎮守府における他の艦娘の母親的な存在であることが多い。
その落ち着いた年長者のような雰囲気から、全国の提督からはもっぱら『鳳翔さん』と呼ばれ、呼び捨てにされることはほとんどない。

二次創作では特に駆逐艦と空母との絡みが多い。
駆逐艦との絡みでは無邪気で子供っぽい彼女らに対して、鳳翔さんが世話を焼く微笑ましい関係が描かれる。
駆逐艦が鳳翔さんに甘え、時にお手伝いをしようと奮闘し、それに笑顔で優しく接する鳳翔さん……まるで本当の親子のようである。
母の日には、駆逐艦達からカーネーションやプレゼントを貰う姿が描かれたこともある。

空母との関係も、基本的に駆逐艦とあまり変わらない。
ただし駆逐艦とは違い、空母娘たちを幼少から育てた母でありながら、
空母の技術を一から教えた師匠のような設定を与えられることも多く、加賀瑞鶴のような血の気が多い空母娘も鳳翔には頭が上がらない。
そんな彼女らに鳳翔も師として、時には母として優しく接するが、本気で怒った時には空母娘を震え上がらせるようなオーラを纏うことも。

また艤装工事中の戦艦大和の隣に停泊して"目隠し"(物理的な意味ではなく、大和の46cm三連装主砲の具体的な大きさを敵に知られないため)していた有名な写真から、
身体だけは大きいが甘えっこな大和とのカップリング、いわゆる「やまほう」も人気がある。
最大の戦艦と最小の空母の組み合わせからか、身長差ネタも多分に含まれる。

太平洋戦争初期に前線を離れ、内地で練習空母となった経緯を反映して、既に前線を退いた歴戦の勇士とする創作も存在する。
後輩たちに未来を託す、熱い話が展開されることもあり、
某イラスト投稿サイトでは彼女の漫画が『艦これ』タグでブックマーク数一位を誇る。
提督との絡みを描く場合は、その大和撫子ぶりが存分に発揮され、提督LOVE勢らしく献身的に提督に尽くす。
そのやり取りはもはや熟年夫婦。殺伐とした鎮守府に、一時の癒しを提供してくれる。

終戦まで生き残った数少ない艦ということで、沈んでしまった艦たちに思いを馳せる、シリアスな描写をされることも多い。
最初に生まれた空母であり、そして最後にその役目を終えた艦であることを反映し、置いて逝かれる事に怯える描写もちらほら。
しかも太平洋戦争で生き残った艦はごくわずか、鳳翔で訓練を受け飛び立った海鷲たちもほとんどが大空に散っていった……。
そのような史実があれば、シリアスな描写になるのも仕方のないことか。ただ、彼女の喪服姿はガチで未亡人にしか見えない。

さらに、彼女の二次創作を語るうえで欠かせないのが『居酒屋鳳翔』の存在。
数少ないお母さんキャラであるがゆえに割烹着を着て台所に立つ姿を描かれることが多く、
それを見たある提督が『居酒屋の女将みたい』と言ったことから広まった。

鎮守府内に鳳翔が経営する居酒屋が存在し、提督や艦娘たちの憩いの場になっているという二次設定……だったはずなのだが、
千歳の19時の時報で『鳳翔さんのお店』というセリフが出たり、
鳳翔改に『夢は二人で小さなお店を開くこと』という内容のボイスが追加されたりと、まさかの公式化。
さらには2018春イベでは和定食膳を作ると「鳳翔さんの夕食券」を貰うことができ、
夕食券のイラストには「居酒屋鳳翔」の文字があった。
大食艦などと並び、ソーシャル要素が運営により公式に取り入れられた例であろう。
なお、改二になると『夢は二人で小さなお店を開くこと』という発言をあろうことか大和に目撃されるパターンが追加されてしまい、慌てて誤魔化す羽目になる。
最初は「大和」と呼び捨てしてるのに「大和…さん…?」とさん付けする辺り、大和は白い目で見てた模様
ちなみに、ゲーム中で鳳翔が初めて大和に言及した発言である*3これが鳳翔側からの初会話になってしまった大和の心境

鳳翔が登場する二次創作は、大体がこの居酒屋絡み。
主役でない場合でも、客として訪れた艦娘の愚痴や悩みを聞き、的確なアドバイスを送る、ベテランとしての役割を与えられることが多い。
ちなみに、彼女が既に引退済みで前線から離れているか、それともまだ現役で艦娘と居酒屋の女将の二足の草鞋を履いているかは作者次第。



すみません、私の記事を、追記・修正してくれるなんて。

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最終更新:2024年03月20日 05:56

*1 巫女さんの定年は25歳とされるため。

*2 他に吹雪や加賀が指輪を付けたイラストが公開された事がある…地味にすべてしばふ艦なのはここだけの話である

*3 大和側からは2016年の時点で鳳翔と会話していた。