登録日：2015/09/12 Sat 04:30:00
更新日：2022/08/16 Tue 13:06:21
所要時間：約 12 分で読めます
HEY, 提督ゥー！
COMICでの私達の活躍、
見ていてくださいネー!!
艦隊これくしょん ‐艦これ‐
ｓｉｄｅ ： 金 剛
漫画：SASAYUKI
原作：「艦これ」運営鎮守府
発行：株式会社KADOKAWA
ブラウザゲーム『
艦隊これくしょん -艦これ-』のメディアミックス作品の一つ。
『コンプティーク』誌上で連載されていたが、2014年6月号より編集部の都合として休載。その後、同年11月号を以て連載の終了が告知された。
角川コミックス・エースより単行本を発行。既刊全1巻。
第1巻は通常版と限定版とが販売され、限定版BOXにはアンソロジーなどに関わるイラストレーター陣のブックレットとスペシャルCDドラマ『比叡、カレーを作る』が付属している。
CDドラマについては、後に書籍『艦これジャーナル艦娘たちのお正月』付属のCDにて再録された。
主役を張るのは勿論、題打った銘に違わず
金剛型戦艦ネームシップ・金剛。
とは言え、刊行された部分の内容では妹分の比叡と扶桑型の山城の二隻の成長にも主軸が置かれている。
『
いつか静かな海で』ほどではないが、艦娘の艤装や各種兵装のギミックに関しても読者へ理解を促す描き込みが見られる。
そして本作最大の特徴は何と言ってもSASAYUKI氏渾身の作画による、
これらに尽きる。間違いない。賭けてもいい。
氏の描く独特の肉感で形成された女体美宇宙は青少年の何かに実際危ない。
それもそのはず、SASAYUKI氏はエロ同人界では有名で、定評のある画力と人気を誇る方なのだ。
特におっぱいを強調する構図に関しては氏の強い拘りと渇望を感じずにいられまい。
巨乳貧乳いろいろあるが、やはり一番重要なのは如何に「流れ」ているかであろう。
あお向けになった時、左右に流れるフォルム。ジャンプした時、上下に流れるフォルム。
乳をより淫靡かつ崇高に演出するのはやはり「流れ」である。
イカレてるって？ 俺はぜんぜん普通だよ。
ああん!? 『水雷戦隊クロニクル』の方がエロいって!? あっちは流血とかフフ怖とかガチだし……
あらすじ
英国生まれの帰国子女・金剛は妹の比叡を伴い、客船に乗って日本の鎮守府へ向かっていた。
とは言え着任するまで艤装の着用さえ許されず、船旅での楽しみはティータイムくらい。
しかしある日、遂に紅茶の茶葉が切れてしまう事態にもなってご機嫌斜め。
するとそこへ本来航路上に出現しないはずの深海棲艦が襲撃を仕掛けてくる。
鎮守府からも扶桑型姉妹と時雨の三隻が護衛に駆け付けるが、多方向からの攻撃で戦況は劣勢。
止むに止まれず、金剛と比叡は独断で艤装を展開し、艦隊戦へ打って出る！
原作でも大人気の金剛型戦艦が紡ぐダイナミック・ストーリー、いざ抜錨!!
登場人物
金剛
最早言わずと知れたネームシップ。力強い眉毛をしている。
タンクも大きい。
日本行きの航海の途上では客という立場を口実に豪遊していたらしく、後で士官に怒られていた。
艦隊戦では他の戦艦にない高速機動で敵を翻弄し、ヲ級を投げ飛ばすといった破格の活躍が描かれる。
しかし紅茶をひっくり返されたことから勃発した島風との追走劇では小回りが利かない点を突かれてしまう。
燃え上がるほどヒートな提督への恋心は当の相手が留守なこともあって空回りしがち。
「無駄無駄無駄デース」やら
「この距離なら艦載機は使えないネー」やら聞き覚えのある気がする台詞も。
無類の紅茶好きのくせに烏龍茶と紅茶の区別が付かないのは……どう評すればいいのだろう？
比叡
姉LOVE1000％二番艦。力強い眉毛をしている。サラシの下のバストは実際豊満。
金剛の船旅に同行し、客船を襲った深海棲艦への迎撃に姉妹揃って乱入する。
リ級二隻・ヲ級一隻を砲撃で沈め、初戦での撃破数だけなら姉や扶桑との連携も含めて随一となる。
しかし所属することになった鎮守府では姉とのペアを解かれて山城と組むことに。
山城とは演習艦隊戦の相手となる姉二人を褒めつつ互いをディスり合って取っ組み合いの喧嘩にも。
最終的には姉との暮らしを取り戻すべく団結し、深海棲艦にも姉艦隊にもきっちり勝利。
金剛を慕う気持ちはスカートの中を見て赤面し、壁ドンされて赤面し、連帯責任を課せられて赤面するほど。
なお、金剛型姉妹のうち霧島と榛名は登場することなく連載終了したが、作者がTwitterで公開した
未掲載分の絵コンテによれば、連載があと数話続けば出番が用意される予定だったらしい。
扶桑
ネームシップ。穏やかな気性に反して勇猛な戦い振りを見せる。はち切れんばかりにバストは豊満。
妹の山城の方が活躍もお色気展開も多く、何の因果か彼女自身は中破描写も控えめ。
一時は演習の関係で金剛と相部屋になるが、喧嘩ばかりの妹らの実力を心から信じる。
山城
二番艦。口を開けば二言目には「不幸だわ……」と呻く面倒臭い戦艦娘。バストは当然爆発的に豊満。
「口は災いの元」とも言うが、その台詞の通り第一話目から大破して柔肌を晒す羽目に。
比叡と勝らずとも劣らぬシスコンだが、提督のお達しで姉から引き離されて比叡と同室にされてしまう。
「演習で金剛・扶桑組に勝つまでそのまま」な状況を覆すため、断腸の想いで比叡と結託。
深海棲艦の侵攻に対して無許可で出撃した挙句、演習用の模擬弾で戦うというアクシデントにも見舞われる。
しかしながら比叡と徹夜で編み出した作戦が功を奏し、後の演習にも勝利を刻む。
白露型駆逐艦
時雨
二番艦。扶桑・山城と共に西村艦隊繋がりで第一話から登場。パンツの色は黒。
その後目立った活躍は少ないながら中破も披露する。パンツの色は黒（念押し）。
演習では金剛・扶桑チームに組み込まれる。パンツの色は黒（さらにもう一発）。
特型駆逐艦
吹雪
吹雪型ネームシップ。地味に登場回数が多く、メインではないにしても出番は皆勤賞もの。
島風達と共に遠征の威力偵察任務に出撃するが、泊地棲姫を初めて目視した後の安否は不明。
白雪以下同型艦の姉妹や後継の
第六駆逐隊の面々や
雪風などもモブで登場。
島風
唯一無二のネームシップ。かけっこが大好きで、軽度ながら悪戯や命令無視の多い問題児。
高雄の指揮下で遠征に出撃する直前まで行方を暗まし、金剛と比叡のティーパーティーに加わる。
比叡スコーンを強奪し、金剛を「おばさん」呼ばわりしたり足蹴にしたりした結果、本気の追走劇に発展。
遠征では敵泊地を発見。ただ一人追撃から逃れて鎮守府へ帰還し、金剛らと支援艦隊を編成する。
天龍
ネームシップ。高雄を旗艦とする威力偵察任務に同行。比叡スコーンの被害者。
島風らが発見した泊地からの追っ手を迎撃する際、携行している刀での斬撃も披露した。
球磨
ネームシップ。足柄率いる第十六戦隊の一員として出撃。
なお妹の北上と大井もモブで登場している。本当にモブばっかりだよこの漫画は。
多摩・木曽
二・五番艦。演習にて時雨・由良と共に金剛・扶桑の艦隊に組み込まれる。
そして彼女らは扶桑型の部屋の炬燵を占領した。演習で戦った艦娘達全員と共に……
長良型軽巡洋艦
長良
ネームシップ。足柄率いる第十六戦隊の一員として出撃。出番はそれだけ。
五十鈴・名取・由良・阿武隈
二～四・六番艦。由良以外は比叡・山城隊に配置され、二人の喧嘩に巻き込まれる。
苦労と中破と前髪破損を重ねるも、最後には作戦にしっかり貢献。……あれ……鬼怒は……？
大淀
不在の提督代理として、実質的に秘書艦を務める才女。本作最大の苦労人。
比叡と山城がガチの殴り合いに発展しかけた際、扶桑に提督へ連絡しようかと言われて頭を抱えた。
青葉型重巡洋艦
青葉
ネームシップ。手帳とペンを片手にゴシップから珍事までスクープ探しに東奔西走。
妙高型重巡洋艦
足柄
三番艦。近海の深海棲艦を迎撃するため、第十六戦隊旗艦として球磨・長良を連れて出撃。
姉の妙高もモブで登場している。那智や羽黒も鎮守府に所属しているかは不明。
高雄
ネームシップ。威力偵察任務で編成された艦隊の旗艦を務める。当然ながらボインボイン。
出撃前に翔鶴と共に島風を探していたが、金剛と比叡が追いかけていることも知らずニアミス。
敵泊地付近での迎撃戦の後、安否は不明。ちなみに妹の愛宕と鳥海もモブで登場している。
最上型重巡洋艦
翔鶴
ネームシップ。高雄を旗艦とする威力偵察任務に同行。
敵泊地からの追っ手に対する迎撃戦で瑞鳳と共に航空戦を挑むが……？
瑞鳳
二番艦。任務中なのに夜の散策にと艦隊から逸脱した島風を追い、共に敵泊地を発見。
島風を先んじて逃がすべく高雄らと戦場に残るが、安否は不明。
龍驤
みんな（ネタ的な意味でも）大好き龍驤ちゃん。駆逐艦に混じっていても違和感がない。
島風が持ち帰った泊地棲姫の情報から何を勘違いしたのか最終的に
武蔵の大艦巨乳を連想していた。
鳳翔
間宮と一緒に荷物持ちの金剛を伴って買出しに出掛けていた。
工作艦
明石
鎮守府母港にて扶桑ら護衛艦隊の帰還を待っていた。その後の出番はない。ないんだよ……
給糧艦
間宮
艦娘達の食事を用意する料理担当。怪しい通信を聞き逃さない地獄耳の持ち主。
鳳翔や金剛と共に食料品の買出しに出掛けることも。割烹着姿がやけにエロい。
鎮守府周辺の人々
提督
本作の鎮守府を統括・管理する最高責任者。だが留守である。
海軍司令部での会議で行ったり来たりを繰り返し、まともな出番は移動中の車両内での電話口。
そんな愛しの提督の沙汰に関し、金剛は思いっきり落胆したりテンション上げたりしている。
寮母
艦娘が寄宿する寮を管理する肝っ玉母ちゃん。何故鳳翔さんじゃあないんだ……？
怒らせたら当然恐ろしく、軽巡以下の艦娘も蜘蛛の子を散らすかの如く逃げ出すほど。
士官のおじさん達
鎮守府直属の海軍士官ら。厳しそうに見えて実はかなり気前が良い。
いい年して苦労が絶えず、跳ねっ返りの強い艦娘達を束ねるのに頭を悩ませている。
艤装整備班
班長の通称「おやっさん」の下で日夜あくせくと働く技術屋の人々。
任務に出撃する艦娘の部隊を直接見送りに出て来る場面も。
装備妖精
艦娘の艤装や各種装備の運用・点検に必ず付いて回る謎の……人……々……？
深海棲艦に侵攻されているけれども
人類はまだ衰退していません。
客船に乗っていた父娘
金剛と比叡が英国から乗ってきた客船の乗客。
紳士然とした父親は「人間が艦娘になる方法」を知っていたようだが、詳細は不明。
年端の行かぬ娘のワンピースのやたらと身体に張り付く描き込みが何となくエロス。
重巡リ級
金剛と比叡の乗っていた客船を狙い、複数の隊に分かれて扶桑達を分断。
だが、金剛と比叡のコンビネーション、そして扶桑の砲撃で爆沈。エロい。
空母ヲ級
リ級と同じく客船を狙って出現。リ級を囮に使い、山城の背後を取る。
ゴウランガ！ 哀れヲ級は金剛のカラテで宙を舞い、比叡のガンファイアでしめやかに爆発四散！
戦艦ル級
指定警戒海域から鎮守府近海まで接近してきた敵艦隊旗艦。
漁船や哨戒中の艦娘に被害を与えるも、比叡と山城の至近距離からの挟撃で轟沈。
泊地棲姫
島風と瑞鳳が威力偵察任務中の夜間に発見した敵泊地の総旗艦。
応戦する高雄らを追撃し、鎮守府へ先んじて報告に向かう島風にも手傷を負わせた。
用語
艦娘
御存知の通り、太平洋戦争期に活躍した艦艇が少女の姿を模して顕れた戦乙女達のこと。
本作における艦娘の詳細な設定は不明だが、「人間が艦娘になる具体的な方法」の存在が示唆されている。
鎮守府においては通常の人員と同様に直属の兵力として共同生活を送る。
肉体的には個体差こそあれど普通の人間と変わりなく、艤装がなければ水面に立つこともままならない。
……が、取り敢えず金剛型はティータイムセット＋テーブル＆チェアを二人で全部持ち運べるくらいには怪力。
鎮守府
海軍の軍港に置かれる、出征や防衛に関して所属部隊を指揮監督する用兵機関。
艦隊司令部としての機能は勿論、整備ドックや艦娘用の生活寮まで設備の行き届いた場所になっている。
本作の鎮守府を統括する提督は不在が多く、大淀や部下の士官達に指揮を任せている。
深海棲艦
原作世界観・各作品共通で人類と艦娘の不倶戴天の敵とされる謎の生命体群。
他の作品と同様に海上封鎖と各海域での泊地建設により人類の生存圏を脅かす。
本作では既にある程度の海域を解放することに成功しており、客船や漁船の運航も可能になっている。
連載終了
上述の要素を多分に盛り込み、読者間の評判も決して悪くなかった本作。
……なのだが、本作は2014年6月ごろから連載休止状態となり、そして同年10月にコンプティーク紙上で「編集部都合」による連載終了が発表された。
作者のSASAYUKi氏によると、「公の場では名前は出せないが、とある一個人に問題の起因は絞り込める」「6月中旬に連載終了が決まり、それが十月に発表されたのは政治的なやり取りがあったのを察して欲しい」としている。
実に惜しい……
単行本は現在は絶版だが、不幸中の幸いか雑誌掲載されたエピソードは単行本第1巻分に全てが収録されており、Kindleなどで電子書籍も配信中。
過去刊行された物理書籍も中古価格は高騰していないため、興味があれば本作に手を出して、終ぞ描かれなかった物語の「その先」に思いを馳せるのも悪くないかもしれない。
HEY，wiki籠りィー！
追記修正よろしくお願いしマース!!
- 特典のドラマCDが面白かった -- 名無しさん (2015-09-14 15:13:20)
- 何にしても打ち切りが本当に惜しすぎる作品。本作でも試みられていた「艦娘達を支える鎮守府の人員や一般人などの背景描写」「一艦娘の自省や成長（本作で言うなら島風）」といった要素が、陽炎抜錨や島風漫画といった作品で少なからず引き継がれてるのがせめてもの救いかな…… -- 名無しさん (2015-09-14 16:48:04)
- 面白かったんだけどなぁ同人やってた作者を編集がスカウトしたのは良いけど編集がやらかした影響で掲載できなくなったんだっけ？ -- 名無しさん (2016-05-17 09:40:42)
- 艦これというコンテンツのメディア展開の杜撰さの代表例 いわゆる一部の人間の独断や利益の為等でその他スタッフやユーザーの事を無視した行動をとる… ある意味アニメ艦これの失敗の予兆みたいなもん -- 名無しさん (2017-01-17 23:23:26)
- ↑ 本作と流産したBOのトラブルは雑誌編集側の問題って噂だし、この辺とアニメの他にポシャったり評判が悪かったりしたメディアミックスってあったか？ -- 名無しさん (2017-01-18 09:21:43)
- ↑艦これ改かなぁ…ゲーム自体は好きだが延期連発は流石に擁護できない -- 名無しさん (2017-01-18 10:32:20)
- ↑ゲーム自体が好きならいいファンだな。キャラコンテンツとしての艦これは好きだが艦隊これくしょんという作品やプロデューサー・角川は嫌いって人間が多数いる業界だ -- 名無しさん (2017-01-18 10:47:16)
- 単純にちゃんとライセンス許諾とらずに見切り発車ではじめたのが悪い -- 名無しさん (2017-09-21 15:13:39)
- 艦これの権利が角川一社じゃないのに勝手に連載開始したせいで許諾が出せなくなったんだっけ -- 名無しさん (2017-09-27 08:35:32)
- ところで、概要がなんで『魔王』（少年サンデー）リスペクトなんだよｗ -- 名無しさん (2019-12-05 03:54:29)
最終更新：2022年08月16日 13:06
