ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり

登録日:2015/09/05 Sat 13:06:41
更新日:2024/03/18 Mon 21:21:29
所要時間:約 10 分で読めます






怪獣映画では負け役の自衛隊も、剣と魔法のファンタジー軍団相手なら負けはしない。
でもドラゴンの相手はちょっときつい。





『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』は、柳内たくみによる日本のファンタジー小説。
イラストはDaisuke Izuka(単行本版)、黒獅子(文庫版)、竿尾悟(コミカライズ版)がそれぞれ担当。

単行本:全10巻(本編5巻+外伝5巻)
文庫本:全20巻(本編10巻+外伝10巻)
コミカライズ版:既刊23巻(2023年6月時点)

本編は 1.接触編 2.炎龍編 3.動乱編 4.総撃編 5.冥門編の全5編。


柳内氏が「とどく=たくさん」名義で『自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』として投稿小説サイト「Arcadia」で連載されたのち、アルファポリスから単行本化された。
書籍版ではweb版に比べて政治批判などの要素が抑えられているほか、ストーリーもだいぶ変更されており、web版で悲劇的な結末を迎えたキャラクターの多くが救済されている。


東京の銀座に出現した「門(ゲート)」により日本とつながった中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界「特地」を舞台に、
特地の軍隊や盗賊、あるいはドラゴンなどの怪物を相手にした自衛隊による戦闘シーン、
筋金入りのオタクでぐうたら自衛官、伊丹耀司を主人公に、
テュカ、レレイ、ロゥリィをはじめとした複数の女性キャラと伊丹らが織りなすハーレム系ドタバタ劇、

日本以外の国の思惑と暗躍や、特地の覇権国家で日本侵略に失敗した「帝国」を相手に見返りと引き出そうとする日本と、
和平交渉を少しでも優位に収めようとする帝国との外交劇など、
様々なテーマや要素のもと、技術力や慣習の異なる特地と日本の交流や駆け引きを描いたファンタジー小説。

戦闘シーンもあるが、この物語の一番の主軸となっているのは政治的な駆け引きや文化の異なる特地と日本の異世界交流の要素である。
そういう意味ではまおゆうログ・ホライズンなんかとも近いものがあるかもしれない。

とはいえ、序盤に展開された「中世レベルの相手を現代の武力で一掃する」というシーンが強烈すぎたためか、
この作品のヒット以降、現代の技術や知識を異世界に持ち込んで無双するというフォロワーが雨後の筍のごとく急増し、「異世界モノ」なるジャンルが築かれるに至っている。



作者の柳内氏は自衛隊に所属していたことがあり、
その時の経験も参考にされているほか、一部の登場人物はその時知り合った人達がモデルになっている。

2011年7月から竿尾悟の作画によるコミカライズがアルファポリス公式Web漫画にて連載開始、現在も毎月末に更新されている。
1~3話と単行本に収録されていない最新話のみ無料で閲覧可能。
作画担当の竿尾悟は代表作の「迷彩君」「コンビニDMZ」で発揮したギャグと緻密なミリタリー描写が融合した漫画を得意とするだけあり、圧巻かつ克明な戦闘描写やミリタリー描写を存分に発揮したコミカライズ版となっている。

2015年7月より『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』のタイトルでアニメ化。
制作はA-1 Pictures。監督は『ラブライブ!』の監督を務めた京極尚彦。
自衛隊が取材協力などしているほか、自衛隊のコラボ企画なども行われている。
分割2クールで全24話。
「炎龍編」(第2クール)は2016年1月より放送されたが、講和派を救出するところ(原作3巻)までで終わっており、
帝国との講和や、つながった世界の謎といった話題は残されたままとなっている。


2017年には海上自衛隊が活躍するSeason2の連載が開始された。1期は海自の出番なかったもんね…。

◇ストーリー

20××年、白昼の東京銀座に突如「異世界への門(ゲート)」が現れた。
「門」からなだれ込んできた「異世界」の軍勢と怪異達。

日本陸上自衛隊はただちにこれを撃退し、門の向こう側『特地』へと足を踏み入れた。

第三偵察隊の指揮を任されたオタク自衛官の伊丹耀司二等陸尉は、異世界帝国軍の攻勢を交わしながら、地形や政体の調査に尽力する。
しかしあるとき、巨大な炎龍に襲われる村人たちを助けたことで、美少女エルフや天才魔導師、黒ゴス亜神ら異世界の美少女達と奇妙な交流を持つことになる
一方で、『特地』に眠る資源や未知の遺伝子、そして『特地』そのもの巡りアメリカ・中国・ロシアの暗躍が始まる。
『特地』最大の国家である帝国も、日本との戦いをきっかけに大きな動乱の時を迎えようとしていた。
はたして伊丹は任務を果たし、またのんびりイベント参加ができるようになるのか?

かつてないスケールの超エンタメファンタジーが、今、幕を開けた!



◇主要登場人物

◇自衛隊

伊丹耀司
声 – 諏訪部順一
主人公。
33歳。自衛隊二等陸尉、元第3偵察部隊隊長→現特地資源状況調査担当。
中学時代から筋金入りのオタクで怠け者。
「しゃかりきになって会社巡りをするのが嫌だ」という理由で自衛隊の入隊試験を受け、自衛隊員となった。なっちゃった。
そんな彼の性根を叩き直そうとした上司にレンジャー訓練に放り込まれたり、特殊作戦群に送り込まれたりもしたが、
結局彼はうまいことさぼったり、特殊作戦群にオタク趣味を布教したりしただけで、あまり変わらなかった。
しかし、このおかげで肩書はなかなかすごいことになった。
モットーは「喰う寝る遊ぶ、その合間にほんのちょっと人生」。どこのUMRだ。
一方で、困っている人は助ける等人柄そのものは良い。
銀座事件で非番中ながら(コミケが中止にならないためにという理由で)奮闘し、一般市民を皇居に誘導して避難させるという作戦をとっさに立案、
さらに指揮系統を失って混乱している警官隊に指示を出して立て直し、結果、数千人の命を救った。
その功績から「二重橋の英雄」と呼ばれ、三等陸尉から昇進し二等陸尉となった。なっちゃった。
その後、特別地域派遣部隊・第三偵察隊隊長に任命され、現地住民との友好関係を結ぶという目的で特地へと赴くこととなった。

平時の勤務態度はお世辞にも良いとは言い難いが、
自分を養ってくれている国や自衛隊に対する恩や義理は感じており、特地では真面目に任務に勤めている。
銀座事件での行動のように、とっさの状況判断能力に優れているほか頭の回転も速く、現場指揮官としての能力はかなり高い。
また、怠け気味だったとはいえ厳しい訓練を経ているため戦闘能力も高く、軍人としては優秀な方に入る。
その他の特技として危機察知能力が非常に高く、逃げ足が速い。特戦群の精鋭がガチで探しても見つからない辺り筋金入りである。
実はバツイチだが、結婚した理由と相手がアレなため、童貞捨てているかはかなり怪しい。
ホモ疑惑を掛けられた際に「コンバットプロープン(実戦証明済み)」と自称してはいるが…

ちなみに、彼が持ち込んだおそらくコスプレ写真集の本が栗林のミスで流出し、有料閲覧の聖典としてあずかり知らぬところで有名となっている。
結果、帝国ではアニメの格好が流行るようになり、外交官が頭を抱えていた。

万事お気楽な男だが、実はDVに耐えかねた母親が父親を殺害、その後遺症で精神に異常をきたして焼身自殺を試みるも死にきれず、現在も病床にあるというなかなかにハードな家庭環境。

◆倉田武雄
声 – 石川界人
第3偵察隊所属。21歳→22歳。
伊丹の後輩で三等陸曹。北海道の駐屯地出身で、高い運転技術を買われて特地へと派遣され、高機動車の運転を担当する。
伊丹とはオタク仲間。ケモナー属性持ちで猫耳萌。
フォルマル伯爵家のキャットピープルのメイド・ペルシアに好意を抱いている。
コミカライズ版巻末の四コママンガは必ず倉田とペルシアの「猫あるある」ネタで〆られている。


◆栗林志乃
声 – 内田真礼
第3偵察隊所属。24歳。女性。二等陸曹。
格闘徽章持ちで戦闘能力が非常に高く、ロゥリィの戦闘に合わせてコンビネーションを発揮したり、
モンスター相手に単身で渡り合ったりしている。本当に人間か?(と言うか彼女が暴れた痕跡がロゥリィのそれと勘違いされたことすらある)
身長が自衛隊合格基準の150cm未満だが、色々誤魔化して入隊した。
胸は、主要な女性キャラ全員から羨ましがられるほど形の良い爆乳だが、上記の理由から本当は筋肉なんじゃないかと疑われている。
高校時代には空手部と新体操部に所属(掛け持ち)。局アナの妹がいる。

伊丹とは仲が悪いわけではないが、学生時代の経験ゆえにオタク嫌いで、彼のオタク趣味には快く思っていない。
そのため、伊丹が自分の憧れであるレンジャー持ちで特戦出身であることを知ったときは絶望した。
結婚願望が強いが、デートの最後に道場での「お突き合い」を所望し相手を尽く叩きのめしてしまったために彼氏無し。


◆柳田明
声 - 遊佐浩二
特地で幕僚を務める自衛官。二等陸尉。
防衛大出身のエリートで、何かと嫌味な態度が目につく人物。
国益重視の観点からヤオの依頼を受けるよう伊丹に口を挟んだりと自衛隊内の嫌われ役を買って出ている節があり、
行くと決めた伊丹を全力で支援し、立場の悪化を最小限にしようと配慮を重ねるなど決して冷血&嫌味なだけではない。
(相手が貧乏くじを引かないようにした結果、自分が貧乏くじを引くタイプの苦労人ともいえる)
物語の途中で紀子を守るため、テューレの姦計に引っかかったデリラと交戦した末に足に後遺症が生じる重傷を負うが、それと引き換えにデリラに骨盤損傷の重傷を負わせて紀子を守ることに成功した。(そしてデリラと何故か結ばれる)

◇日本政府関係者

◆菅原浩治
声 – 興津和幸
帝国と交渉するために特地に派遣された外務省の外交官。
帝国の有力貴族に貢物を送りつつも日本の技術の高さを見せるなどのロビー活動を行っている。
外交官としての能力は非常に高いが、たまに熱くなることも。
特地で一緒に仕事をする伊丹とは比較的仲が良く、彼のことを評価している。
外交官として出席したパーティで出会ったシェリーに好意を持たれており、たびたび求愛されているが、本人にはその手の趣味はない。
……はずだったのだが、ゾルザルのクーデターの際にシェリーのことを見捨てられず、これまでのキャリアを全て捨てる覚悟で彼女を助け、その口実のために彼女との婚約を公言した。
重ねて言うが、元来彼にはその手の趣味はなかった。たぶん、なかった。なかったっつってんだろ!また殴られてえのかー!!

◆北条重則
声 – 秋元羊介
本編開始時の日本国内閣総理大臣。銀座に開いた門の向こうの土地を「日本国のこれまで未発見だった地域」と解釈し、特地を日本領とすることを宣言した。

◆本位慎三
声 – 樫井笙人
銀座事件後に内閣総理大臣に就任。直面した問題に対して真っ向から対処しない閣僚が悩みのタネで、寝床での口癖が「辞めてやる」という苦労人。
アメリカ政府から閣僚の不祥事を盾に特地からの賓客を引き渡すよう圧力をかけられ密約を結ぶも直後に総辞職してカードを無効化した策士。

◆森田
声 - 掛川裕彦
本位の後を継いで総理大臣に就任。「自分自身を客観的に見ることが出来る」と自称しているが、周囲からは事なかれ主義で物事を深く考えようとしない姿勢を不安視されている。
特地への自衛隊の派遣の目的を当初から大幅に縮小し、中華人民共和国政府の術中に嵌って門の管理を国連安保理に一任しようとしたが、1人を除く全閣僚の辞職と嘉納の手によって失脚した。

◆嘉納太郎
声 – 金尾哲夫
防衛大臣兼務特地問題対策大臣。
漫画好きで「閣下」のあだ名があり、伊丹とは古くからの友人。
現場の人間からの信頼も厚く、国益のために尽力。G8からの国連軍派遣要求(訳:「日本だけで特地の権益独占するなゴルァ」)を突っぱねた。
森田の失脚後、内閣総理大臣に就任した。

◆駒門英世
声 – 桐本琢也
防衛省情報本部所属の職員。警視庁公安部から防衛省への出向組で、伊丹達の活動を縁の下で支えている。
ロゥリィ、テュカ、レレイの初来日時の護衛を務めたが、ロゥリィのハルバードをうっかり持ち上げてしまい腰を負傷。以後杖が手放せなくなっている。
アニメ版での容姿は「刑事コロンボ」を彷彿とさせる。

◇民間人

◆葵梨紗
声 - 南條愛乃
伊丹の元妻で同人作家。栗林曰く「伊丹と同類」と言われるほど筋金入りの腐女子。ビスクドールコレクターでもある。
幼馴染の伊丹に酔った勢いで「養って下さい。代わりに結婚してあげます」とプロポーズして成り行きで結婚。それをOKしちゃう伊丹もなかなかだ。
銀座事件をきっかけに自ら離婚を切り出し、以後友人以上の関係で付き合っており、関係は夫婦だった頃よりも良好とのこと。
離婚後はダメ人間化し、趣味に散財して光熱費や食費の支払いがままならなくなってちょくちょく伊丹から借金して凌いでいる。
一時的にピニャ殿下を住み込みのアシスタントに起用したり、米国のCIA工作員をネットの書き込み一つで翻弄させたりと大物。

◆栗林菜々美
声 - 久保ユリカ
志乃の妹で在京テレビ局勤務のアナウンサー。ドジっ子で、同期にやや遅れを取っている。
だが、伊丹以下特地の御一行様が特地に戻る時にたまたま銀座に仕事で来ていたことから生中継のレポーターを務めることに。この時姉とばったり出くわしたが、志乃の爆弾発言によって華々しい道は閉ざされてしまった。

◆古村崎哲朗
声 - 佐久田脩
非常に無礼な男性ジャーナリスト。本人曰く自由に報道するため、何事も否定的に報道するとしているが、やっていることはぶっちゃけマスゴミ。
何事も否定的とは言っているが、自社、スポンサー、広告代理店に対しては口を噤むし、政府に対して反抗の意思を示す人達や団体に対しては批判などしていない。
一応栗林菜々美には自身がどうしようもない人間であると自覚した上で助言を与えるなど一定の配慮を示している。

余談だが、声の人は昔三次元で広義の「異世界人」とも言える地球に来た宇宙人のヒーローを演じていた。

◆望月紀子
声 - 山村響
銀座事件よりも前に帝国へと拉致されていた女性。拉致後はゾルザルの奴隷として働かされており、帝都を襲った大地震の際に伊丹たちに助けられた。
家族は銀座事件の時に死亡、恋人も帝国へ拉致されていたが鉱山の落盤事故で死亡、実家は漏電火災で全焼し天涯孤独の身となり、一度は自殺を考えるほど深く絶望するものの柳田によって助けられた。

◇外国政府関係者

◆ディレル
声 - 星野充昭
アメリカ合衆国大統領。支持率発揚を目的に特地の資源や利益を狙って日本へちょっかいを掛ける。ただ面倒事は全部日本に押し付ける傲慢な性格の持ち主。

◆董徳愁
声 - 楠見尚己
中華人民共和国主席。特地の資源・利益を狙って日本へちょっかいを掛ける。そのやり口はアメリカよりも直接的で、マスコミ首脳へのハニートラップ、間接的内政干渉、レレイの誘拐など手段は選ばない。
フィクションの中でもやってることは現実とほとんど変わらない。

◆ジェガノフ
声 - なし
原作のみ登場。資源が豊富に埋蔵されていると推定される特地が自国の資源戦略に支障をきたすと考え、特地の存在を疎ましく思っている。
作者が存在を忘れたのか米中露共同の特地御一行誘拐作戦後は不気味なほど沈黙を守っている。


◇特地民間人・神職

テュカ・ルナ・マルソー
声 – 金元寿子
精霊種エルフ(ハイエルフ)の娘。金髪碧眼の美少女でスタイルの良いモデル体型。
見た目は10代だがハイエルフは永遠に近い寿命を持っており、実年齢は160歳を超えている。
コダ村に近い「コアンの森」の中のエルフの村で父親のホドリューと暮らしていたが、
村は炎龍に滅ぼされ、父親に井戸に放り込まれた彼女だけが生き残って伊丹たちに助けられる。
助けられた際に着替えとして渡された無地の白いTシャツとジーパンを着て以来、その姿がデフォになっている。
種族としての特質として弓が非常に得意なほか、精霊魔法にも長けている。
なお、元来エルフはその寿命に任せた自己努力おばけであり、師事などを含めて他人と関わるということが稀。

基本的に明るい性格だが、実は目の前で父親を炎龍に殺された事で精神を半ば病んでしまっており、父が生きているかのように振る舞い続けていたが、
伊丹達と共に炎龍を倒し、仇を討ったことで正気を取り戻した。
助けられて以来伊丹に好意を持っている(なお性癖そのものは自他共に認めるバイセクシャルで、伊丹が好きなのは確かだが、可愛い女の子も大好きである)。
敵を討って伊丹が父であるという幻想から抜け出しても彼を父と呼ぶのは、精神的ブレーキのため。


レレイ・ラ・レレーナ
声 – 東山奈央
コダ村に住むカトー老師のもとで魔法を学んでいた15歳の少女。
いわゆる普通のヒト種で、流浪の民「ルルド」の出身。
無表情でしゃべりに抑揚が無く、常に冷静な性格で感情を表出すことは少ないが、感情をむき出しにすることもある。
炎龍が現れたことでコダ村の人々と共に逃げている際に伊丹率いる第三偵察隊と遭遇。
暴走した馬に襲われたところを救われ、暴れ馬を瞬く間に制圧したことから自衛隊に興味を持ち、共に行動することを決めた。
天才的なまでに頭脳明晰で、日本語の読み書きを短期間でマスターして見せたことで通訳として重宝されるようになるなど、多くの方面から一目置かれている。そんな彼女をして、日本人の暗算普及率は特殊能力クラスらしい。
魔法にも非常に秀でており、地球の技術を研究・応用して魔法と組み合わせるような離れ業もやってのけている。
イタリカ防衛戦から三晩同じ寝所で就寝したこと(=「三日夜の習わし」:特地では婚姻したのと同義)により、伊丹に非常に懐くようになり、レレイ自身も自分を「伊丹の配偶者」と称している。そのため、伊丹の女性関係の話題が出ると、集中力を切らしたり凝視したりしている。

アニメではナレーションも担当。


ロゥリィ・マーキュリー
声 – 種田梨沙川澄綾子(パチスロ版)
死と断罪の神エムロイに仕える亜神(人の肉体を持ったまま、神としての力を得た存在)。エムロイの使徒とも呼ばれている。
見た目は10代前半だが不老不死で実際の年齢は961歳。ゴスロリに似た黒い神官服を常に身にまとっている。喪服ではない。
武器は大の男が持ち上げようとしてぎっくり腰になるほど重いハルバート。随一の戦闘能力を持ち、個人戦闘能力では作中最強クラス。
冥府の神ハーディに求愛されているが、本人は迷惑に思っており、その為ハーディの領分である地下が苦手。
ハーディの求愛を嫌がっているのは、同性(つまりハーディは女神)だから、というのが大きい。
戦と死と狂気を司る神の眷属としての特性か、大勢の人々が殺しあう戦場の近くに居ると、
エクスタシーにも似た血の興奮に駆られ、戦で発散しない限り際限なくその滾りに悶えることになる。
エムロイが望む魂をささげるため、盗賊などを襲撃して虐殺したりすることもある。そのため、敵対者としては非常に恐ろしがられる一方、その容姿からか熱狂的なファンクラブも存在している。

彼女も伊丹に好意を持っており、時折肉体関係を持とうとするも、彼女にかかっている呪いによってことごとく邪魔が入る。
一方、彼を自分の眷属としたことで、自身が神となり、伊丹が死亡すれば自動的に彼の魂が自分のもとに来るようになっているため、彼の女性関係に対しては余裕を見せている。

あと40年ほどで正式に神になる予定。
何を司る神になるかはロゥリィが選べるようで、テュカ達は「死」や「断罪」や「狂気」や「戦」を挙げていたが、本人は「愛」の神になろうと考えている模様。
その理由は、「誰かを愛すると言う精神状態がまともなわけがない」とのこと。

ヤオ・ハー・デュッシ⇒ヤオ・ロゥ・デュッシ
声 – 日笠陽子
外見年齢30歳前後の美人ダークエルフ。ボンキュッボンな肉感的な体を革のボンデージ鎧で包んでいる。315歳。
婚約者を寝取られ、次の結婚相手は挙式直前に急死し、その葬式で言い寄ってきた男が事故死して、
自分が主宰を務めた宴会で一等賞を引き当ててしまうといった不幸キャラ。
ロウリィからもらった5円玉や伊丹からもらった50円玉を幸福のお守りとして大事にしている。
炎龍に居住地を襲われ、炎龍に手傷を負わせたという緑の人(自衛隊のこと)に炎龍退治を依頼しにやってきた。
しかし、居住地のあるシュワルツの森が国境を越えた向こうにあったことから新たな火種を生むことを恐れた自衛隊に断られてしまい、
何とか自衛隊を巻き込むためにテュカに彼女の父親が炎龍に殺されていることを明かし、伊丹達を炎龍退治に引き込んだ。
炎龍を倒した後は、所有物としてダークエルフ族から伊丹に献上された。
日本国憲法が適用されるアルヌスでは当然無効だが、ヤオ自身は伊丹に好意を持っており、性的なアプローチをしかけている。
冥府神ハーディの信徒として「ヤオ・ハー・デュッシ」を名のっていたが、そもそも炎龍を起こしたのがハーディ自身であり、さらに自分たちの犠牲を彼女がなんとも思っていない事を知ると、ハーディに三下り半をつきつけて棄教。
ロゥリィ最初の信徒となり、「ヤオ・ロゥ・デュッシ」に改名した。(特地住民のミドルネームは、現在信仰している神様の名前に由来する)
なお、彼女のファンクラブ会員を差し置いて信徒となったため、恨みを買っている。

◇特地貴族・政治家

ピニャ・コ・ラーダ
声 – 戸松遥
「帝国」の第三皇女。19歳。
赤い髪を持つ美女。皇帝モルトの5番目の子供。
同世代の貴族の子女を集め、自前の騎士団である「薔薇騎士団」を結成している。
軍人・司令官として残酷な命令を出す事もいとわないが、根は年相応。
モルトに命じられてアルヌスへの偵察に行く途上、盗賊団に襲われたイタリカに赴き(ピニャは自衛隊に襲われたと勘違いした)、
紆余曲折を経て自衛隊と共に盗賊団相手に戦うこととなる。
結果的に盗賊団を撃退することには成功したが、それ以上に自国と自衛隊の間のお話にならないほどの戦力差を思い知り、
それ以降自衛隊や日本にガクブルしながらも和平を進める為の調整役を務める。
このように能力面は、権力志向が薄いという権力者としての欠点を十分補えるレベルで優秀である。
しかしその後も部下のボーゼスが伊丹を拉致ったあげくボコってしまったり、
長兄ゾルザルがやらかした大失態のせいで帝都の施設を空爆されたり、
更にモルトが毒を盛られた挙句それに便乗したゾルザルにクーデターを起こされて今までの努力をパーにされたりと苦労が絶えない。
このままだと胃に門(ゲート)が空きそう。
元々素養はあったが、お忍びで東京に行った際に見事に腐った。

◆ゾルザル・エル・カエサル
声 – 小西克幸
皇帝モルトの第1子で、ピニャの腹違いの兄。帝国一の日本との主戦論者。
傲岸不遜で物事は自分の思い通りになるのが当然と考えており、そうならないと気が済まない傲慢な人物。
他人をいたぶる事に快感を覚えるサディストとしての一面も持っている。
銀座でさらってきた日本人女性(望月紀子)を奴隷にし、酷い扱いをしていたため、伊丹の命令を受けた栗林から半殺しの目に遭わされる。
実の所腕っぷしはともかく、それ以外の能力面に関しては無能もいいところで、「皇帝の反感を買わないように自分はバカな振りをしているだけだと自分に言い聞かせることで自分の失敗を認めず自尊心を保っているバカ」。
実は本人も心のどこかでそのことに気が付いているが、その心の闇をテューレに付け込まれ、自覚のないまま彼女の傀儡と化している。
本当は整った体格とは裏腹に自分に自信を持てない気弱な性格で、それを隠すために傲岸不遜な男を演じていたのをテューレに見透かされ、まんまと操られる格好となった。
一方で、自身に忠実な配下に対しては配慮を見せ、柔和な態度をとることもある。
特にテューレに対しては彼女に言い包められていることもあってか依存同然の状態で信頼しており、古田に対しても料理に妥協しない彼を篤く信頼している。
また、官僚機構の弱点に自力で気づいて部下にも適切かつ手短に説明するなどバカで無能な割に頭は回る方で、悪い部分を諫め補う者が腹心にいればという条件付きではあるが、当の彼に看破されるほどの権力亡者であるモルトと比較すると相当に最高権力者向きな人物でもある。
以前から次代の皇帝の座を狙い続けていたが、モルトが日本との講和を進め始めたことに反発しクーデターを実行する。
クーデターは成功に終わり、講和派を投獄・処刑し元老院を掌握、日本との戦争の道を進み始める。

アニメ版では、その態度や声優の声質が別作品某AUOに似ていたため、一部視聴者からは「がっかりギル」と呼ばれた。


◆テューレ
声 – 小清水亜美
ゾルザルの奴隷のヴォーリアバニーだが、ゾルザルの秘書も務めている。
もとはヴォーリアバニーの国の女王で国を滅ぼさない代償としてゾルザルの奴隷となった。
しかし、約束は反故にされ、国は滅亡し、同族からは国を売った裏切り者として恨まれている。
ゾルザルたちはその事実を隠しているつもりだが、当人はすでに気が付いており、帝国への復讐を誓っている。
謀計と人心の掌握術に非常に長けており、奴隷でありながら言葉巧みにゾルザルを陰から操っているほか、裏では複数の配下を従えている。
以前から帝国への復讐の機会をうかがっていたが、「日本」という帝国を滅ぼしてくれる絶好の相手が現れたことで帝国への復讐計画を推し進め始め、帝国と日本を全面戦争に突入させ、つぶし合わせることを企む。
そのために日本側へ刺客を放ったほか、皇帝モルトに毒を盛り、ゾルザルにクーデターを起こさせ、帝国を崩壊に追い込むべく計略を進める。
ゾルザルの奴隷となった経緯から手腕を疑問視する声は作中外から出ているが、奴隷に落ちた身の彼女個人によって帝国は泥沼の争いに誘導されたのは事実であり、上記の様に謀計と人心掌握に関しては間違いなく天才的。

◆シェリー・テュエリ
声 – 日高里菜
穏健派の貴族・テュエリ家の令嬢。12歳
パーティの席でネックレスをプレゼントされて以来、菅原に対して好意を抱いており、たびたび彼に求愛している。
ただ、これはテュエリ家を興隆させようと彼女の両親が吹き込んだものでもあった。
しかし、ゾルザルの起こしたクーデターの際に両親を失い、家は焼かれ、事実上の大使館としての役割を担っていた翡翠宮へと命からがら逃げ込み、菅原に助けられる。
12歳とは思えぬほど利発な少女で、知略に富み、もしかしたら魔法で若返ったり前世の記憶を持ったまま転生してきたりしたのではないかと菅原が疑うほど。
後に寝たきりとなったモルト直々の教育でその利発さがパワーアップすることとなった。






◇用語

◆『門』
突如出現した異世界への入り口。地球では銀座に、特地ではアルヌスの丘に出現した。
破壊する案も検討されたが、破壊した場合再び『門』が現れた際に、
銀座事件と同じ惨劇が発生してしまう危険性があった為、特地への調査と平和交渉が最優先とされ、残されている。
……実は既に閉じていなければならない状態であり、『門』が開き続けている事が、後に恐るべき事態へと発展してゆく。

◆特地
特別地域の略。『門』を介して地球とつながった異世界。
いわゆるヒトの他にエルフなど様々な種族が暮らしているファンタジーのような世界。魔法も存在するが使用できる人間の人数は少ない。
帝国を中心としていくつか国家が存在し、軍も保持しているが、
技術力は現実世界で言うところの中世レベルで、当たり前だが自衛隊に到底太刀打ちできるレベルではない。
「日本国内に出現した『門』で繋がっているから」という半ば強引な解釈の基、日本政府は自国領ということにしている。
地球の世界各国からは資源の眠るフロンティアと目されているが、アメリカの中東における手痛い経験などもあり、諸外国はおおっぴらには手を出していない。


◆銀座事件
突如出現した『門』からゴブリンなどを含む特地の帝国兵が日本の銀座に攻め込んできた事件。物語の全ての始まり。
あまりにも予期せぬ事態に銀座を始め都市部は大混乱に陥り、多数の犠牲者が出た。
その後自衛隊が本格的に動き始め鎮圧、帝国兵の多くは自衛隊と警察の反撃の前に倒れ、帝国の侵攻は完全な失敗に終わっている。
帝国側の生存者も相当数が逮捕され(日本には捕虜の取り扱いに関する法律がないため、捕虜たちは銀座事件の「犯人一味」として扱われ普通の刑務所に入れられた)、自衛隊によって『門』のある特地のアルヌスの丘が占拠された。


◆帝国
特地の覇権国家。
国名は持たず、政治体制は現実世界で言うところのローマ帝国に近い。
原作では「火山の噴火に巻き込まれかけた町が『門』によって転移してきた」と説明されており、ポンペイではないかと推測される。
昔から侵略戦争によって版図を広げてきており、『門』が出現した際には真っ先に出兵し、銀座事件を起こした。
混乱に乗じて一時は優位に立ったものの、そもそもの技術力が違いすぎるためあっという間に押し返され、失敗。
逆にアルヌスの丘を占拠され、存亡の危機に陥った。
ちなみに、今回の件における日本への賠償額は(紙幣というものがないため)国中の金を集めても足らないという国家滅亡級のもの。
日本にしても、地球で流通している量の3割に当たる金を出してこられても迷惑極まりないため、代わりに便宜を図ってもらうという形にしている。


◆アルヌスの丘
特地側の『門』が出現した場所。
銀座事件の際に反撃に出た自衛隊によって駐屯地が築かれている。
その後、炎龍によって村を追われた人々を伊丹たちが救援したのをきっかけに難民キャンプが作られ、町と呼べるまでに発展した。
ちなみに、救出は無断だった*1こともあり、必要な書類作成は全部彼の担当に。
なお、難民キャンプから発展した町の運営はアルヌス共同生活組合が担当している。
雇用形態は日本準拠に過ぎないが、特地のそれと比べると異常なまでに良好な待遇であるため、亜人種の勤労者達は天国扱いしている節がある。
法律も日本の物がそのまま適用されるため、日本の法律に引っかかる物品(例:奴隷)などの売買はNG。
その後、銀座事件の賠償の一部として帝国から日本に割譲され、正式に日本領となった。


◆炎龍
古代龍の一つ。名の通り、炎のブレスを放つ。メス。
龍の中でも上位種で、飛龍や翼龍などの他の龍とは比べ物にならないほどの力を持つ。人や亜人を捕食する。人間からはもはや天災扱いである。
その鱗はタングステン並の硬度を誇り、銃や機関銃では効果がなく、
対戦車ミサイルや砲撃でしかダメージを与えられず、空飛ぶ戦車とまで言われた正真正銘の怪物。しかも、初見のはずのパンツァーファウストを回避する(=未知の力に対して驕らない)という賢さまで持つ。
当然だが特地の既存の戦力、技術力では手がつけられず、対応策としては住処を捨てて逃げることしかない。そのため特地では天災として恐れられている。
テュカの住んでいたコアンの森を壊滅に追い込み、ダークエルフの住むシュワルツの森の集落を重点的に襲撃している。




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最終更新:2024年03月18日 21:21

*1 連絡を入れて確認を取ったらNGを食らうのが目に見えていたので、助けた後に駄目だとは思わなかったと言い張った。