ストーム(X-MEN)

登録日:2015/08/24 Mon 19:48:12
更新日:2024/01/05 Fri 16:45:42
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ストーム(Storm)はMARVELコミックスの人気タイトル『X-MEN』シリーズに登場するキャラクター。 『X-MEN』が現在に至る人気を獲得するキッカケとなった75年のリニューアルと共に登場した第2期メンバーの一人であり、その後の戦いを通じてサブリーダー、または二代目リーダーとしてX-MENを牽引していった。
『X-MEN』が最盛期を迎えていた80~90年代に於ける不動の中心メンバーの一人であり、95年のDCコミックスとの対決(『DCvsMARVEL』)では、何と“元祖女性ヒーロー”ワンダーウーマンにすら勝利した実績を持つ。

00年代以降は他の中心メンバー同様、結婚を経験してチームを離脱する等、意図的に世代交代させられていた印象もあったが『AvsX』の戦いの結果…等もあり、現役復帰を果たした。

【プロフィール】
コードネーム:ストーム
本名:オロロ・マンロー
能力:天候操作

嘗て、アフリカにて「雨の女神」として崇められていた超然的な精神を秘めた女X-MEN。
米国出身のフォト・ジャーナリストであった父と、ストームにも引き継がれた、特徴的な髪と瞳の色を持つ魔術的素養を秘めたアフリカ原住民の女王との間に生まれた。
かなりのグラマラス美女。日本のファンでX-MENの女性と言えば、サイロックと並ぶほどの人気があるぐらい。


【人物】
生まれはN.Yだが、誕生してすぐに一家でエジプトのカイロに移り住む。
しかし、スエズ戦争が勃発(この辺りの年代設定は調整されているかも)。
不運にも戦闘機が自宅に墜落し、両親が死亡
瓦礫に長時間閉じ込められたオロロは、この時のトラウマにより閉所恐怖症となってしまう。
孤児となったオロロはアマール・ファルーク(=後のシャドウキング)に身柄を捕らえられ、乞食やこそ泥をさせられて金を貢がされる(この時期に世界を巡っていたエグゼビアと出会い、彼の財布をスろうとしている)。
そして、同地にてエグゼビアが同じく強力なテレパシー能力者であったファルークを倒した事により、晴れて自由の身となったオロロは魂の導きに従いアフリカのケニアに渡り、そこで自らに目覚めた天候操作能力を使い、現地民に恵みを与える女神として崇められる事になるのである。
そうして、落ち着いた日々を過ごしていたオロロであったが、そこに今はプロフェッサーXを名乗る様になっていたエグゼビアの声が届き、生誕の地であるN.Yへ。
同じく収集されたウルヴァリンらと共に新生X-MENを結成した彼らは大怪獣クラコアを倒し、初代X-MENを救い出すと共に、リーダーであるサイクロップスを除き“卒業”した彼らの後を引き継ぐ。
その後はサイクロップスの指揮の下、世界や銀河へ飛び出し、プロフェッサーXを失ったりする状況下の中でも尚、結束を強めて戦っていたのだが「ダークフェニックス・サーガ」に於いて、サイクの恋人にしてオロロ自身にとっても親友であったジーン・グレイが戦死してしまう。

この事件により精神的に大きな痛手を負ってしまったサイクとリーダーの座を賭けて対決したストームは勝利し、傷心を癒やす旅へとサイクを送り出すと共に、彼の後を引き継ぎ二代目リーダーとなる(因みに、戦いはバイザーを奪い戦闘不能に陥らせると云う模擬戦的な物で現在から見ると微笑ましい)。

この後のX-MENは宿敵マグニートーが指導者の地位に就いたり、元祖若年チーム、ニューミュータンツが始動したり、初代X-MENが初代X-FACTORとして再始動したりと土台が拡大していく一方で戦いも激化。

X-MEN自体も生死の境をさ迷い離散集合を繰り返す中で、ストームも子供の姿になり世界を放浪する等の状況に陥る。
この際、ヒッチハイクしたトラックの運転手にレイプされかかったり(流石にかなりはしょって描かれているが)と悲惨な目にも合っている。

しかし、ジェノーシャでの戦い(「エクステンション・アジェンダ」)を経て、バラバラに行動していたX-チームが協力。
そして、過去の仇敵にして肉体を失いながらも精神世界から世界征服を成し遂げようと云うシャドウキングとの戦いを経て、遂にX-チームは統合と再編成を迎える。

ストームは本隊であるX-MENのサブリーダー兼、ゴールドチームのリーダーとして、リーダー兼、ブルーチームリーダーのサイクロップスと共にX-MENを率いて激闘を乗り越えていく事になったのである。

そして、00年代の展開によりX-MENファミリーにまたもや離散集合の波が押し寄せる中で、ワカンダ国王ブラックパンサーと“再会”した彼女は彼と結婚。
「シビルウォー」により離婚危機に陥ったリードとスーの代わりに、夫婦でファンタスティックフォー(FF)の代役を務めた時期も。
現在はフェニックスファイブの引き起こした事件を経て、王妃の座を捨てて現役復帰を決意。
ウルヴァリンらに合流し「ジーン・グレイ学園」の校長の座に就いた。

魔神アポカリプスの求めた12人の強力なミュータントの一人。


【能力】
能力は天候操作で、巨大な嵐すら召還(発生)可能である等、極めて広範な規模で大気や気象の操作が可能。
稲妻や竜巻を操るのはゲーム等でもお馴染みの姿だが、天候の変化に関わる諸現象を応用し、環境や温度を変化させる事も可能で、これを利用して戦況を有利に運ぶ事も出来る。
また、自力で雨雲を作れるのを利用して汚染スモッグを集めて有害な雨を降らせる等、かなり危険な力の使い方をした事もある。
風に乗って高速で飛ぶ事も可能で、飛行機の残骸を飛ばした事すらあるが、流石に真空中ではこれらの能力が使えなくなるのは弱点と云えば弱点。
応用の幅が広く、戦況を容易に覆し得る強力な能力である。

因みに、ストームと云えば瞳なしの白目の印象があるが、これはパワー使用中のサインであり、本来の瞳の色は前述の様に青である。
また、幼少期のトラウマである閉所恐怖症により極端に狭い場所では戦闘不能に陥ってしまう事もある。
他、近年では母親の血筋から先天的に魔術の素養があるとの設定が加えられた模様。
これ以外の特技としては、幼少期に仕込まれたこそ泥やスリの技能を活かした鍵開け等の裏技を持っており、これが逆転のきっかけになった事も。


【黒人ヒロイン】
米国では今尚、白人以外の人種との差別問題が取り沙汰されるが、その問題は映画産業と同様、二次元であるコミック産業にも存在している。
そんな中で登場したストームは当時のコミックスでは登場自体が珍しい黒人ヒロインであり、しかも市民権を獲得して主役級にまで成長したばかりか、絶大な人気と支持を受け続けるまでになっていった。
この事からストームを“コミックスNo.1の黒人ヒロイン”と呼ぶ一方、ストームの容姿が血筋(両親、共にアフリカ系)を無視した特徴で描かれている事には批判もあるとの事(直毛、青い瞳がよくツッコまれているが「ダークフェニックス・サーガ」の際にストームの姿がアフリカ系の召使いの姿に“見える”場面があり、その時の顔の特徴は普段の白人的な造形とはかけ離れた物であり、意図的に描き分けられているのが判る)。


【カートゥーン/アニメーションにおいて】
アメリカのカートゥーン『スパイダーマン&アメイジングフレンズ』にて初登場、X-MENのメンバーと共にゲスト出演しスパイダーマンとその仲間たちをサポートした。
1989年に東映アニメーションが制作した『プライド・オブ・X-MEN』(日本未放送)ではサイクロップス、ウルヴァリン、コロッサス、ナイトクロウラー、ダズラーと共にマグニートー率いる「ブラザーフッド・オブ・イビル・ミュータンツ」と激突した。
1994年では1990年度のアメコミを重視したアニメ第三作が日本初放送、ストームの吹き替えを吉田理保子が務めた。
カートゥーンネットワークではサイクロップスらを高校生に設定した『X-MENエヴォリューション』が放送、ストームはウルヴァリン共々サイクロップスらの先生になっている。吹き替えは倉持良子が担当。
2011年にアニマックスで放送されたマッドハウス版では20世紀FOX版『X-MEN』シリーズのハル・ベリーを意識した銀髪のショートカット(ファイナル・ディシジョンに類似したもの)になっている。CVは久川綾が担当。
2014年にではウォルト・ディズニー・ジャパン経由・東映アニメーション制作の『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』では第20話ラストでコロッサスとアイスマンと共に専用飛行機ブラックバードで主人公のアカツキ・アキラ達の前に現れ、決戦の地ロキ城に送り届けた後アキラ達の護衛をウルヴァリンに任せセンチネルズ軍団を迎え撃った。CVはエドことエドワード・グラント役の菅谷弥生が担当、気弱な少年のエドと大人の女性のストームを演じ分けている。


【関連人物】

◆ブラックパンサー
本名:ティチャラ。
ヴィヴラニウムの産地として知られる、アフリカのワカンダ国王。
黒人繋がりとは云え、いきなりストームと結婚(キャラ人気的な意味の格差婚)した為にファンには衝撃が走った。
その後、出会いに関わるエピソードが後付けされていき、ストームの“運命の人”である事が明かされたのに離婚してしまった。
ウオッチャーの語る子供も生まれてないのに……(異次元には存在)。

◆フォージ
本名不明。
機械の心が解るX-MENのサブメンバー。
ネイティブ・アメリカンのジジイだが、彼こそが長らくストームの恋人筆頭だった。

◆ケーブル
本名:ネイサン・クリストファー・チャールズ・サマーズ。
オンスロート」事件の際に急接近した事があるサイクの息子(オヤジだけど)。
すわ大物カップル誕生か!?とファンの度肝を抜いたが、あっさり消滅(※因みに、実現していたらストームによるNTRだったり)。

◆ガンビット
本名:レミー・ルボー。
ロリ化していた頃に出会い、X-MENに参加させるキッカケを作った。

◆クイックシルバー
本名:ピエトロ・マキシモフ。
AOA」世界での恋人。
正史世界でのクズなバカ姉弟の片割れとは全く人間性が違う。

ジーン・グレイ
先輩で同僚で親友。
ストームの出番が減ったのは彼女の死が原因の一端ともいえる。

サイクロップス
本名:スコット・サマーズ。
X-MENのリーダー。
生真面目同士で気が合う為か自然とサポート役になっていった。

ウルヴァリン
本名:ローガン。
初加入時からの同僚。
彼を始めとした第2期以降のメンバーはストームを語る際には外せない。

プロフェッサーX
本名:チャールズ・エグゼビア。
後の教授(笑)であり、オンスロート事件の発端。
本当に90年代まではまともな人だったのに。

◆シャドウキング
プロフェッサーXに匹敵するテレパスであり、幼少期のストームを含む戦災孤児達をテレパシーで縛り付けて支配していた。
若き日のエグゼビアに敗れて肉体を失うも、精神世界の魔王として暗躍を続けた。
代表的な大物悪役の一人である。

◆カリスト
本名不明。
N.Y地下のはぐれミュータント集団モーロックスを率いていた女リーダーで、ストームとはライバル設定されている。


【余談】

■初登場時からしばらくはモヒカン
コナミから稼働された横スクロールアクション版でも見られた胸部とパンツ部の繋がったレオタード、カプコンの『MvsC』シリーズでもお馴染みのオバチャン臭いウェーブのロングの他、ショートカットやオカッパみたいな髪型等、意外にもバリエーションが多い。


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最終更新:2024年01月05日 16:45