バケモノの子(映画)

登録日 :2015/08/20 (木) 00:14:01
更新日 : 2017/08/05 Sat 13:55:49
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キミとなら、強くなれる。




『バケモノの子(The boy and the beast)』は15年に公開されたアニメ映画。
監督は『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』等、数多くの名作を作り出した細田守。

現実世界のパラレルワールドに位置する獣人≪バケモノ≫の棲む世界を舞台としたファンタジー要素と、現実世界でのリアルな描写との交錯による相乗効果が特徴。

また、サマウォやおおかみで描かれた家族描写(今回は疑似)もあり、子供も大人も楽しめる逸品となっている。
が、前時代的・時代錯誤とも受け取られかねない保守的な家族関係の描写や
「悪」の描き方がおざなりであるなど、前々から指摘されていたシナリオライターとしての細田監督の弱点も垣間見え、賛否両論が激しい。



【物語】
母が死に、父が離婚し消息不明になった9歳の少年・蓮。
母の親戚に反発した彼は家出し、夜の渋谷を彷徨っていた。

そんな彼を、「一緒に来るか」と、一人の男―――否、熊が誘う。
熊の後を付けた蓮は、獣の姿をした人≪バケモノ≫の住むもう一つの世界『 渋天街 (じゅうてんがい)』に入り込んでしまう。
そのまま彼は、弟子を探していたというその熊の武人、熊徹の弟子として共に暮らすことになり、「九太」という新しい名前を与えられる。
暴れん坊で怠け者な熊徹は独特の武術で実力はあるものの、普段の行いで周りから鼻つまみ者とされていた。
熊徹に自分と似たものを感じた九太は、彼の武術を真似しながら厳しい稽古を受けながら、みるみるうちに実力をつけていく。
同時に熊徹も、九太と共に過ごすことで他人との触れ合いを通し、自身の技に磨きをかけて行った。

月日が経ち、17歳になった九太は、ある日久々に人間界に入り込んだ。
そこで知り合った同い年の少女・楓に人間界の勉強を教わり、行方不明だった父を見つけた彼は、人間界での暮らしを望むようになる。

そのことを知った熊徹は、新しい宗師選びの試合が迫る中、心が揺れ動く。

果たして、≪人≫と≪バケモノ≫の間に立った九太が選ぶ道とは…。


【登場人物】
≪主要人物≫
●九太/蓮(きゅうた/れん)
CV:宮崎あおい(少年期)/染谷将太(青年期)
この物語の主人公。
物語開始時は9歳のひょろひょろした少年。 ホショタ作品お馴染みの可愛いショタ。
年頃らしく、生意気真っ盛りな元気少年だが、一方で生い立ちが原因で鬱屈した一面も。
呑み込みが早く、武術や学問、料理を教えられたらすぐ使いこなす事が出来るハイスペック男子でもある。
仲のいい両親と共に幸せな日々を送っていたが、離婚による父の別居、さらに母の死によって心を閉ざし、何かと窮屈な母の実家に反発して家出してしまう。
荒れながら渋谷を彷徨っているところで弟子を探していた熊徹と出会い、彼の後をつけていくうちに渋天街で彼の弟子として、「九太(9歳だから)」と名付けられ生活することに。
その後は熊徹と喧嘩しながらも彼の武術を見よう見まねで習得し、剣術の稽古をつけてもらい家事当番で世話を焼きつつ共に成長。
17歳になったら筋肉もついた細マッチョなイケメンに成長した。
そんなある日、人間界に帰って来た彼は、小説の字をきっかけに知り合った少女・楓に、人間界での基礎勉強を教えてもらう。
さらに行方不明だった父とも再会した彼は、人間界の大学に行く願望ができ、熊徹と口論の末に家を出てしまう。
しかし何かに満たされなかった彼は再び荒れる一方。全てに決着をつけるために渋天街に帰った彼を、待ち受けていたものは…。

●熊徹(くまてつ)
CV:役所広司
もう一人の主人公。渋天街に住む、熊のバケモノ。
短気で粗野な性格で、昼間から酒を飲みぐうたら生活を繰り返す、だらしのないダメ親父。
天涯孤独の身の上で、荒くれ者ゆえに周囲から孤立していたが、自分で武術を習得し実力を付けた。力押しと挑発による戦法が特徴。
次期宗師の候補者の一人として立候補しているが、持ち前の暴れっぷりで条件の一つである弟子をつけることが出来なかったところ、人間界の渋谷で九太と出会い、彼を弟子に一方的に決めてしまう。
しかし彼の大雑把なやり方で九太に武術を教えることも出来ず、喧嘩だらけの毎日を送る。
九太が自分の見よう見まねで技を習得したことを機に、剣術の稽古をつけ、自身も他人に合わせることを学び技を磨いて行った。
九太が17歳の頃には大勢の弟子も出来たが、九太が次第に人間界に入れ込むようになりそのことで口論になり、家を出て行かれてしまう。
煮え切らない想いのまま、宗師を決める試合の日が迫ってきたが…。

≪バケモノ界≫
●百秋坊(ひゃくしゅうぼう)
CV:リリー・フランキー
熊徹の友人の豚のバケモノ。
修行中の僧侶で、冷静沈着で穏やかな性格。暴れる熊徹を抑えるストッパー的役割。
九太には真摯に接し、彼に家事手伝いのノウハウを教えた。いわば父性的な熊徹に対する、「お母さん」的存在。
その役割に恥じず、いざとなると怒ると怖い。

●多々良(たたら)
CV:大泉洋
熊徹の友人の猿のバケモノ。
熊徹の悪友的存在で、彼と同様の遊び人。
皮肉っぽい毒舌家で、九太にも何かと嫌味な態度で接する。いわば「親戚の悪い叔父さん」風立ち位置。

●猪王山(いおうぜん)
CV:山路和弘
熊徹のライバルの猪のバケモノ。
武術の達人にして、冷静沈着、勇猛果敢、さらに勤勉家で人望も厚い、端から見れば完璧超人な漢。
多くの弟子を持ち息子たちからも尊敬されており、熊徹とはまさに正反対な人物。
人間の子供を育てるという熊徹に対し、人間の持つ闇の危険性を解き、人一倍反対している。それにはある秘密があった…。

●一郎彦(いちろうひこ)
CV:黒木華(少年期)/宮野真守(青年期)
猪王山の長男。目鼻立ちの整った美少年。
父の武術を習得しただけでなく、念動力もマスターしている。
清廉で誰にも優しい態度で、周囲の憧れの的。
父を人一倍敬愛しており、ゆくゆくは父のような立派なバケモノになることを夢見ている。
しかし、18歳になっても美しさは相変わらずだったが角も牙も生えてこないことをコンプレックスに抱き、一方で「ひ弱な生き物」と下に見ていた人間の九太が熊徹に弟子入りしみるみる成長していったことで、彼ら師弟に激しい嫉妬心を抱くようになる。
そして、父と熊徹の試合の日、彼のタガは外れてしまった…。

●二郎丸(じろうまる)
CV:大野百花(少年期)/山口勝平(青年期)
猪王山の次男。やんちゃでわがままなガキ大将。
弱い奴は嫌いで強い奴が好きという単純バカな性格で、根はいい奴である。
この手のキャラにありがちな食いしん坊で、父と兄が大好き。
九太を最初はいじめていたが、彼が力をつけ、打ち負かされたことを機に九太の同世代の最初の友達になる。
青年期は体格のいい好青年に成長した。

●宗師(そうし)
CV:津川雅彦
渋天街を束ねるバケモノの頭首。ウサギの老バケモノ。
飄々とした態度ながら集団をまとめる力量もあり、いつの間にかそこに「いる」仙人のような人物。
近々引退を決意し、後継者を探した後は神に転生する予定。
周りが寄り付かない中、少年時代の熊徹の面倒を唯一見ており、彼に特別目をかけ、九太との師弟にも助言を送る。

●賢者たち
九太と熊徹の修行が行き詰っているのを見計らった宗師が紹介した、バケモノ界の名だたる賢者たち。
それぞれ独自の「強さ」を熊徹一行に語るが、役に立ったかどうかは微妙。

●チコ
CV:諸星すみれ
九太が渋谷で出会った謎の小さな生き物。九太は当初ネズミの子供かと思ったようだ。
食べ物を与えるうちに九太に懐き、頭の上に住みついてしまった。 遠目だと小さすぎて、九太の頭に十円ハゲがあるように見えてしまう
九太に助言を与えるような態度をとっているが、その正体は一切が謎。
終盤のシーンで目元が誰かに似ていることがわかる

≪人間界≫
●楓(かえで)
CV:広瀬すず
九太が人間界に帰って出会った、同い年の少女。都内の進学校に通う高二。
真面目で正義感が強く、人あたりもよく勉強を教えるのが上手ないい子。
教育熱心な両親に厳しく育てられ、親とろくに交流も出来ず寂しさを感じている。
図書館でメルヴィンの「白鯨」を巡って九太と出会い、不良に絡まれたところを助けられたことを機に彼に小説の読み方や基礎勉強を手伝い、親しくなっていく。
気付いたら九太の心の支えとなり、彼が自分の生き方で荒れた時も、彼を支えていた。
九太の一世一代の勝負の時も、彼の傍を片時も離れず、付き添うが…。

●蓮(九太)の父
CV:長塚圭史
平凡なサラリーマン。中年にしてもやけに可愛い顔立ちをしている。
妻と離婚し、息子・蓮と別居していた。
息子が行方不明になった後も必死で彼を探し続け、17歳になった息子とようやく再会する。
これだけ息子思いでその後も蓮と歩み寄ろうとしている彼が何故妻と離婚したのかは世の神秘である。

●蓮(九太)の母
CV:麻生久美子
息子想いの優しい母親だったが、事故死しこの世を去ってしまった。
旧家の出らしく、周囲からの反対を押し切っての結婚だったようで、一族は死後元夫を軽蔑していた。
しかし、蓮がバケモノ界に行った後も、彼が落ち込んだ時は幻影として現れるようになる。



このほか、小栗旬、谷村美月、田中要次、宇梶剛司といった俳優だけでなく、悠木碧M・A・O瀬戸麻沙美三宅麻理恵といった大物声優も全て端役でゲスト出演している。




【主題歌】
「Starting Over」Mr.Children

【スタッフ】
監督・原作・脚本:細田守
作画監督:山下高明、西田達三
美術監督:大森崇、高松洋平、西村洋一
音楽:高木正勝







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