宇宙パトロール隊 MAC

登録日:2011/11/22 Tue 22:41:41
更新日:2024/03/12 Tue 23:36:35
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宇宙パトロール隊 MACは『ウルトラマンレオ』に登場する防衛チームの名称である。Monster Attacking Crewの略称である。
ウルトラシリーズで非常に珍しい運命を授けられたチームとして有名である。


【概要】

宇宙船の航路の安全確保、及び怪獣や宇宙人の一早い撃退を目的とする。
隊員は各分野に秀でた能力の持ち主で、白土隊員曰く「世界最強の人間」
なのに殉職者や負傷者、死亡説が流れている隊員が数多くいるとか言わない。それだけ怪獣や地球を狙う星人達が恐るべき存在なのである。
仮に弱く見えるのだとしたら、それは恐らく怪獣相手にバレーボールで勝負したり、ロープで飛び移ってナイフで目玉をつついてダメージを負わせたりして『僕にも怪獣退治はできる!』というのがあまりシャレになっていない前作の民間人の強さが異常だっただけである。

アジア、南北アメリカ、アフリカ、ヨーロッパの5か所の各上空に宇宙ステーションを備えた組織であり、また地上にも東京を始めとした基地が多数存在航空機や専用車も多数配備されている模様。

またアジア本部のモロボシ・ダン隊長が率いる番組レギュラーのチームが「宇宙パトロール隊」と呼ばれているらしく、MACという場合は基本的にここをさす。よって正確には「MAC宇宙パトロール隊」と表記するのが妥当か。
なおMACにはレギュラーメンバー(宇宙パトロール隊)の他にも大勢の一般隊員が所属しており、同じMACの制服を身に纏って宇宙パトロール隊と共に活動している。

MACが非常に巨大な組織であることがうかがえるのだが、そもそも劇中での宇宙パトロール隊と一般隊員の区別が極めて曖昧であり、前述の宇宙パトロール隊の不安定さも相まって「こんな人いたっけ」感に拍車をかけているのも否めない。
資料についても顔写真の入れ替わりや抜け落ちがあったりする。

レギュラー隊員の入れ替わりがあっても交代劇は描かれず、気が付いたら、あの隊員がいなくなっていて、知らないうちに新顔が加わっているという状態。
また、番組開始当初は隊服に背番号が記されていたのに、後から登場した隊員は番号を持たない。
結果、ダンとゲン以外のMAC隊員を誰一人として覚えていないという人も少なくない。


また戦闘力は歴代最強と声高い前組織ZATに比べるとストーリーの都合で勝ち星をもらえず、ダンも「MACの力ではあの星人は倒せん」としばしば発言している。
ツルク星人やケットル星人など、等身大で残虐な殺戮を行う凶悪宇宙人が跋扈している為、隊員達は戦闘服であるMACジャケット、接近戦武装としてMACナイフを装備し、己の肉体を武器に果敢に星人に挑んでいく。
歴代防衛チームの中でも近接格闘技能はトップクラスの実力を誇る……はずなのだが、大抵は地球人を遙かに凌ぐ身体能力や超能力を誇る宇宙人が相手なので、ボコボコにされることが多い。

カーリー星人やケットル星人とは何度も交戦したがその度にいいようにやられ、アンタレス戦やフリップ星人戦では後述のように殉職者が出ている。
何度やられても星人に立ち向かっていき、しばしば散っていく姿はまさに殺られ役。
第11話と第13話では民間人に犠牲者を出した上*1
第22話にてダンから「レオなら一発で倒せる相手」と評されていた(レオが成長していた事もあるかも知れないが)ガロン相手に、死者3名、負傷者16名、マッキー2号2機破壊、マッキー3号4機破壊という過去最大の被害を与えられている。
第27話にてオニオンに特殊麻酔弾を使おうとした際に至っては「でも、効くのかねえw」とあろうことかナレーターにすら笑われてしまった(そして実際に半分の効果しか出なかったのが情けない)。
第13話にてマッキー3号が特攻でバイブ星人を倒すが、パイロットがダンであったためMACの戦果にカウントさせにくく、MACが劇中で倒したのは第18話の宇宙コウモリだけなどとネタにされる。ただし、この宇宙コウモリの正体がバットンであり、それなりの騒動を起こしたことを考えれば、巨大化前に大多数を駆除出来たことは、ある意味大殊勲と言えなくもない。


レオ序盤のハードな作風、レオが一度敗北してリベンジで勝つという展開の都合上苦戦が目立ち、またモブやゲストの隊員を中心に負傷者・死者が相当な数発生した。
航空機による戦闘では乗っている隊員のカットが映らないことなど日常茶飯事で、撃墜される確率がTACやZATと同じく非常に高いばかりか、名無し隊員の乗る戦闘機は脱出できずそのまま墜落して殉職ということが何度も見受けられた。
また、ゲンの孤独さを強調するためか非常に空気と仲が悪い上1人1人の個性が薄いという、前作ZATとは正反対のチームとなってしまった。
仲の悪さは1話初っ端から見られるが、特に酷すぎるのが8話で、逃げ遅れた大村を助けようともせずに見殺しにする青島の命令に背いてゲンが人命救助を行い、更にベキラの弱点が背中だと見つける功績を挙げたにもかかわらず、隊員達は明らかに非がある青島ではなく、ゲンに「お前は最近スタンドプレー*2が目立つ」「自分が悪いとは思わないのか」「チームワークを乱す奴と戦いたくない」と人命救助の事実を蔑ろにした非難を浴びせ、更にベキラの弱点を説明した時も「怪獣がバレた弱点を見せるわけが無い」とまだ一回しか戦っていないのに一蹴*3。直接非難しなかった女性隊員もゲンに対して哀れみ・軽蔑の視線を向けるという、正義の防衛隊の仲間として許されざる展開まであった*4(そんな彼らを咎めないダンにも問題はあるが)。


これは元々MACの隊長として設定されていた川上鉄太郎役をオファーされた森次氏が「ウルトラシリーズにはダン役以外では出演したくない」と訴え、 それを受けて急遽ダンがMACの隊長となりゲンとダンの関係を描くために設定変更された経緯がある。

中盤以降は物語的にはゲンの成長と隊員の入れ替わり、番組的にはテコ入れの結果により隊員間の空気の悪さは大分緩和されて仲の良さを見せ、隊員も多少目立つようになりレオとの連携も発揮されるようになった。
またレギュラーメンバーも最低限の特徴を持たせている他初期の隊員達も対立は多いとはいえ自分に非があった場合はちゃんと謝罪したりするので、救いようのない扱いや仲の悪さではない。
MACのメンバー交代も命懸けの戦闘を行っている部隊であることを踏まえれば、リアリティがあると言える。

しかしオイルショックによる物価高騰からスタジオセットの維持が困難になったこと、最終クールのテコ入れにインパクトが求められたことから、

40話で円盤生物シルバーブルーメにダンとゲンを除いた隊員が喰われ、

M A C 全 滅

となってしまった*5*6


ちなみにもう一つのテコ入れ案である「ウルトラ兄弟が円盤に乗り戦う」が採用された場合でも、
MACの壊滅が前提条件であったため、どっちにしろMACは壊滅する運命にあった。

隊員の個人エピソードがゲスト隊員(一部は後にレギュラーになったが)のみだったことも含めて、最初から最後まで異色尽くしのチームとして有名になってしまった。
戦果・援護回数が防衛チームの中でもワーストクラスに少なかったり、せっかく作られたワンダバも劇中では使用されないなどシリーズ全体を見てもかなり不遇。

ややこしいが全滅したのは宇宙パトロール隊のみでありMACという組織そのものは健在。
だが指揮系統が滅茶苦茶になったためか、それともマッキーなどのメカニックはMACステーションと共にほとんどが失われてしまったのか、理由ははっきりしないが、防衛組織としてのMACが崩壊したことは確実で円盤生物編では兵器・人員は再編された防衛軍に吸収された模様(でもMACよりも弱い)。
また、VHS第15巻に収録された映像特典「ウルトラマンレオの獅子奮迅!」第9回では、シルバーブルーメ襲撃の時点で、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカの各基地は侵略者との戦闘で壊滅していたという設定になっている*7
最後の砦となっていたアジア本部が全滅したことで、MACは主要な基地をすべて失い、崩壊に至ったことになる。
後に一般部隊が使用していたマックファントムがUNDAでも使用されている。

ここまでやられっぱなしだったにもかかわらず市民からの人気はそこそこ高かったようで、子供たちからの信頼は厚く、作中では子供達がリトルMACごっこに興じる姿が散見された。
ジロウ君(第25話に登場)「MACがやっつけてくれるよね!」


【隊員・関連人物】

モロボシ・ダン隊長(演:森次晃嗣)
ウルトラセブンの仮の姿であり、地球人以上に地球を愛する宇宙人。背番号「1 」
マグマ星人に敗れ変身能力を失ったためゲンを入隊させ、地球人として、ウルトラマンとして鍛え上げる。また右足を骨折しているためにロフストランドクラッチを使用している。
状況が状況なためか非常に厳しい人物となってしまったが、所々見せる表情はセブン時代と変わらない。唯一残された超能力であるウルトラ念力を使ってレオを助けることもある。
今作では主に「ダン」ではなく「モロボシ」と呼ばれる。
ちなみに隊長になったのは過去の活躍を認められてとのことなのだが、おそらくウルトラ警備隊での活躍だと思われる。
MAC全滅の際に生死不明となるが、部下たちを差し置いてちゃっかり叔母に助けられていた。

◆おおとりゲン隊員(演:真夏竜)
主人公。背番号「7」
格闘術に優れ、パイロットとしての評価も高い。
正体はウルトラマンレオであり、ダンと同じく地球を愛する宇宙人。詳しくはウルトラマンレオの項目で。

◆黒田昭雄隊員(演:黒田宗)
序盤の副隊長格であり、台詞から察するに整備等のメカニックに長けている様子。背番号「3」
マッキーのエンジンを換装してスピードを2倍にしたことがある。一応MACアジア本部の初代副隊長格だが、青島からはタメ口を利かれたり、指示を飛ばされたりもすることからダンとの会話が多い青島が事実上の副隊長であるかあるいは黒田・青島の二人体制であると考えている視聴者がいる。
ゲンに対しては先輩風を吹かせる面もあったものの、本人なりにゲンを気遣っていた。前述の第8話で人命救助のために青島の命令に背いたゲンをスタンドプレイ扱いして青島や赤石と共に責めたのを最後に姿を消す。

◆青島一郎隊員(演:柳沢優一)
序盤の隊員である。背番号「5」
短気で厳格な性格で、第8話では上述の通り民間人を見殺しにする命令を出した上に、それに背いた件でゲンを問答無用で責め、第10話ではロンを撃てなかったゲンとの共闘を拒み、バイブ星人の策略で民間人を殺したと見せかけられたゲンに「お前はなんて事を!」と詰め寄り、第14話ではダンから事情も説明されないまま赤石と共にゲンの特訓に付き合わされ、苛立ってゲンに「特別扱いされてるからっていい気になるな!」という暴言をぶつける等、ゲンに対する批判が多いが、第8話ではゲンに助けられて和解し、第13話ではゲンの無実が証明されたことを真っ先に報告し、第14話では事情を知ると素直に謝罪する等、和解も描かれた。
一方で猪突猛進な一面もあり、ベキラ戦では敵の弱点を攻撃するために命令を無視して突貫して負傷、ダンから「温泉にでも浸かって傷を治してこい」と休暇をもらった。
第14話ラストではスポーツセンターでトオルの空手の練習に付き合っている。良くも悪くも序盤の隊員の中では比較的描写された事から、彼がいなくなったことを惜しむ声もちらほらある。赤石、桃井と共に第16話で姿を消す。
ちなみに同話でアトラー星人と交戦した、MACのF-106デルタダートの編隊が全滅してから姿を見せていないため、死亡説も囁かれる。テロップでは常に先頭をキープしていた。

◆赤石清彦隊員(演:大島健二)
序盤の隊員。背番号「6」
目立たないが、メカニックに強く、黒田の助手をしたことも。
第1話で黒潮島の調査に赴いた際には、黒田や青島とは逆に一応ゲンの意見は汲み取ってはいたものの、第8話では上述の命令違反の件でゲンを「チームワークを乱す奴」と罵り、第14話では上述の特訓の件で真っ先に苛立ってゲンに怒鳴る等、ゲンに対しては冷淡な態度をとることが多い。だが14話の件では素直に青島と共に謝罪した。
一方で、マッキー1号に2回も乗れた幸運な隊員でもある。第16話を最後に姿を消す。青島同様、死亡説が囁かれる。

◆桃井晴子隊員(演:新玉恭子)
序盤の女性隊員。背番号「9」
前線に出ることも多かった。第6話ではカーリー星人に襲われて負傷した模様。第8話では直接罵倒したりはしなかったが、命令違反したゲンを軽蔑の視線で見ていた。第16話を最後に姿を消す。青島や赤石同様死亡説が囁かれる。

◆白川純子隊員(演:三田美枝子)
序盤の女性隊員。背番号「8」
と思いきや気付けば、ダンとゲン同様の最古参メンバーに。
基本的には通信係で、「○○地区に星人(怪獣)出現!」が決め台詞。ダンに好意を抱いていたようにも見える。
また。第4話ではマッキー2号に搭乗したり、第17話ではパトロールに出るなど状況に応じては実戦に参加することもある。
しかし、シルバーブルーメに……
第1話から登場したMAC初期メンバーが次々といなくなる中、彼女だけは第40話まで残り続けた(ただし33~39話には未登場)。

◆大槻美也子隊員(演:大原みどり)
中盤で2話のみ登場の女性隊員。

◆平山あつし隊員(演:平沢信夫)
第1クールの半ばから第2クールの初めくらいまで出ていた副隊長格。背番号「3」
格闘が得意らしく前線によく出ており、青島、赤石両隊員をあっさり蹴散らしたケットル星人に対してもそこそこ粘った。
第18話を最後に姿を消す。青山、赤石、桃井同様死亡説がある。
レギュラーでありながら彼についての記述がない書籍もあり、劇中で名前を呼ばれる場面が少ないこともあり、名前を別の資料なり繰り返しの視聴で知った視聴者が多いかもしれない。
現場での号令が多く、ゲン個人に声をかける場面が極めて少ない。

◆佐藤大介隊員(演:手塚茂夫)
中盤からの副隊長格。
ダン隊長よりも年上1万7千歳オーバーという裏設定がある。
温和な人物で人付き合いも良い。要所要所で人の良さを見せて、隊の空気を良くした人物である。
通信機越しでもコーヒーを飲んでいることが分かるという妙な特技を持つ。
しかし、シルバーブルーメに……

◆梶田一平隊員(演:朝倉隆)
中盤からの隊員。
台詞は少ないがゲンとよく一緒に行動し、仲の良い描写が多いせいか印象が良い。マッキー2号の操縦に秀でている。
しかし、シルバーブルーメに……

◆白土純隊員(演:松坂雅治)
序盤で別の宇宙ステーション所属というゲストで登場し、その後、中盤からレギュラー入り。元宇宙ステーション所属で、マックガンの腕前は隊員一。
ゲスト時はゲンと友人という扱いで、ゲンに託した恋人がカーリー星人にあっさりと踏み潰されて殺害されてしまったため、以後ゲンとわだかまりが発生する。
恋人の敵討ちのために一時的に宇宙パトロール隊に所属し、打倒カーリー星人の一心からの特訓により二丁拳銃をマスターした。
事件解決後も人間の姿のゲンが活躍した描写がなかったためか、「ま、お前もしっかりやるんだな」と皮肉を言って宇宙ステーションに戻っていった。
その後特に説明もなく唐突にレギュラー隊員入り。このときにはゲンとも和解していたようで、ゲン、梶田とトリオで活躍した。
しかし、シルバーブルーメに……

◆松木晴子隊員(演:藍とも子)
中盤からの女性隊員。
誕生日パーティーを開いてもらえる等、隊の空気が良くなった象徴といえるイベントを開いてもらった。
しかし、よりによって、その誕生日パーティーの最中にシルバーブルーメに……

◆高倉長官(演:神田隆)
本作の長官は第2期シリーズで唯一温和で性格の良い長官だった。
アトランタ星人の策略でゲンのマッキー2号が墜落しかけた際、「信じてください!本当に操縦桿が動かなくなったんです‼︎」「馬鹿なことを言うな!君は1ヶ月の謹慎だ!」TACさながらのやりとりを展開したが、真実を知るとMAC基地を救ったゲンに感謝の言葉を述べた。
ウルトラの星接近の際は地球を守るためにミサイルによる爆破命令を出したが、ウルトラの星でないことを祈っていた(地球では本当にウルトラの星かどうかは分からなかった)。MAC全滅後の消息は不明。

◆鈴木隊員(演:鹿島信哉)
ゲスト隊員。子供好きの奥さんがいる。
温厚な性格で父親を殺されたトオルとカオルを引き取ろうとしたが、ツルク星人に……
本編最初の殉職者でもある。

◆佐藤三郎隊員(演:東龍明)
アフリカから来た奇人。関西弁を話す、アフリカ帰りの陽気な冒険野郎。
彼のデビュー戦は、サイマー族の衣服のまま、ふしぎなおどりでバンゴを追い返すという衝撃的なものであった。
戦闘前に戦いの踊りを踊るなど奇行が目立つが、一本でバンゴを撤退させ、バンゴが再登場した際は「興味を持った物の真似をする」という習性をいち早く見抜くなど実はかなり有能。
レギュラー入りしなかったのが惜しまれる。どういうわけか、彼に対してはダンまでもが敬語で話している。
最後はヒマラヤへ雪男を探しに旅立った。この件から「MACの生き残り」という話題が出てくるときは度々登場する。

◆北山洋二隊員(演:うたた賢)
北海道出身の隊員。ニケの女神(アルファ星人)という美人の宇宙人と両思いになった数少ない勝ち組。
オーロラ国際スキー大会で優勝経験があるスキーの名手で、それをノースサタン星人との戦いに生かし、ゲンも参考にした。
巨大化したノースサタンからニケの女神を逃がす際にニードルが右足に刺さり、右足を切断するか否かの傷を負う。手術は成功するが、退院した時にはニケの女神は地球を去った後だった。

◆内田三郎隊員(演:五代勝也)
3年前にアトランタ星の調査に行き行方不明になったが無傷で生還した奇跡の男。スペクトルマンではない。
高倉長官の娘の婚約者でもあり、長官の推薦により入隊する。
しかし、それはMACウラン強奪を目論んで暗躍するアトランタ星人の巧妙な罠だった。
本物の安否は不明だが、ダンやゲンは既に殺害されたと推測している。

◆第3話の名無し隊員
鈴木隊員とは別。
巨大化したツルク星人との二度目の交戦の際にマックファントムに乗っていたが撃墜され、コクピット内でパニックに陥って断末魔の叫びを上げる。なお背番号5がチラリと見えるが、おそらく青島とは別人だと思われる。
……そもそもあのファントムは宇宙を飛べるのか?という疑問がよく出てくる。東京支部の隊員だと思われる。

◆第13話の名無し隊員
停職になったゲンの代わりとして登場した隊員。一時的な補充隊員でありながら青島らと妙によく馴染んでおり、本編後半では平山とマックロディーに同乗するにまで至っている。

◆第14話の名無し隊員たち
ゲンとの特訓のためにスポーツセンターに集められた名無し隊員たち。
アンタレスが出現した際に平山と共にマッキーで出撃するが、撃墜され8名が死亡する。
生き残った数人は道場に戻ってきていたが、ゲンの特訓には協力せず、青島らと同じように道場から去っていった。
その後ゲンと道場破りの試合に1人の名無し隊員が青島らと共に立会い、正体を現したアンタレスの追跡にも参加した。

◆第15話の名無し隊員
等身大で現れたフリップ星人との格闘戦に参加した隊員。
フリップ星人に投げ飛ばされ大木にぶつかり、地面に頭を打ちつけ血を吐いて死亡。東京支部の隊員だと思われる。
同じく格闘戦に参加していた平山や青島が川に投げ飛ばされただけで無事に生還したこと、ゲンがダンの命令に背かなければおそらく死ぬことはなかったと考えると相当に運が悪い。
ラストでダンは、彼の死んだ場所に花束を添える。

◆第22話の名無し隊員たち
ガロン戦にて、3名の死者と16名の負傷者が出ていることが白川隊員の口から語られる。
その後、全員出動態勢を受けた名無し隊員たちが出撃していった。

◆第31話の名無し隊員?
バーミン星人戦にて白土と共にマッキー2号に乗っていた女性隊員。松木隊員ではないかと思われるが、別人ではないかという意見も存在する。
「松木隊員にしては声が凛々しいような……?」とファンからウルトラマンレオの謎としてよく語られる隊員。なお第31話に松木隊員役の藍とも子氏はクレジットされていないが、そもそもMAC隊員のクレジットはいまいち不正確なのであまりあてにならない。
名無しの女性隊員は他に第34話の背景にわずかに2人*8確認できるのみなので、貴重である。

その他の話でも、宇宙パトロール隊と共に作戦に参加している一般隊員の姿が確認できる。


【MACの退治・対処した怪獣】


  • バイブ星人
  • 吸血コウモリ群(後のバットン)

ギロ星獣戦、フリップ星人戦、スペクター戦ではMACの援護がレオに勝利をもたらした。
(フリップ星人戦の援護は、モロボシ隊長がレオに心眼を使わせるために
レオを攻撃して怯んだところに泡を吹きかけて目をくらませるというものだったが…)
アクマニヤ星人戦でもピンチのレオをマッキー2号が援護したものの、その直後に駆け付けたアストラにお株を奪われてしまった。
アトラー星人戦ではマッキー2号のミサイル集中砲火とα機の特攻によって敵に大ダメージを与え、トドメを刺す隙を作った。
また、ケンドロス戦ではMACの援護がレオに撤退のチャンスを与えてリベンジへと繋げ、アンタレス戦、ノースサタン星人(等身大)戦、マグマ星人(等身大)戦、プレッシャー(等身大)戦ではMACの活躍で敵を撤退させている。


【メカニック】

前作のZATに続いてデザインに球体を配しているが、カラフルだったZATと違い全体的に赤を基調としている。
全滅後も販促のためにOPに出続ける姿はどことなく涙を誘う。

◆MACステーション
通常は本部として機能している大型宇宙ステーション。常にアジア東京上空400kmの静止軌道に配置されるようになっている。
100名以上の常駐隊員が勤めている。ウルトラシリーズの宇宙ステーションといえばMATステーション、ZAT第1ステーションなど基地ごと怪獣の犠牲になるケースが多く、MACステーションもまた同様の危険に晒されており……
上部にマッキー1号がドッキングしており、また多数のマッキー2、3号を備え、大気圏突入能力も持った守りの要である。
しかし最前線に基地を置く大胆なシステムが災いしてシルバーブルーメに…
とりあえず、主題歌に乗って登場した時の見栄えは非常にいいのだが。
余談であるが、『ウルトラセブン』の時代には宇宙ステーションへの配属が「左遷」であると明確に位置付けられていた(第13話「V3から来た男」脚本のマナベ参謀の台詞より。映像ではカット)。宇宙ステーションでの勤務が、危険性や居住性において地上勤務とは比較にならぬほど悪い条件下に置かれることは容易に想像できる。『レオ』の時代には宇宙ステーションが本部として機能していることから、技術進歩によりそれらの改善がなされたものと見られる。

MACステーション壊滅の遠因
①総本部を宇宙ステーションにしたこと
本来宇宙人や宇宙怪獣を迎え撃つ最前線となり、非常時に脱出手段が限られる殉職率の高い宇宙ステーション(MATステーション、ZATステーションなど基地全滅の前例もある)を本部にした為、いきなり本部が破壊されることになった。

②ステーションの構造
MACステーションは、基地上部にマッキー1号がドッキングしており、さらに2号、3号の発進ゲートも上部にあったのでシルバーブルーメに上部から取り付かれて、全てのメカが発進出来なかった。

③シルバーブルーメの速度
シルバーブルーメはレーダーの索敵範囲圏ギリギリまで小型化しており、さらにレーダーに引っかかってから僅か13秒という超スピードで取り憑いたので一切対処できなかった。シルバーブルーメとは奇襲用の円盤生物だったのではないか。

④前回のウルトラの星接近の後遺症
ウルトラの星接近の際に、MACステーションのみならず彼方此方の宇宙の関連施設が大なり小なり被害を受けていたので、そのダメージが完全には復旧していなかったのかもしれない。

全滅と言っても前述の通り、シルバーブルーメにやられたのはアジア本部であるMACステーションのみであり、外国の支部は無傷。日本でも地上の拠点であるMAC東京支部こそ第34話でのアシュランの襲撃で被害を受けていたものの、その他の施設は無事であり、高倉長官や後の『ウルトラマンメビウス』に登場するアライソ整備班長、地上パトロール隊員や当日ステーションにいなかった非番の宇宙パトロール隊員などは無事だったはずなので、組織全体が全滅したわけでは無い。なお、軍事用語における「全滅」とは、「組織的な戦闘能力を喪失した」という意味であり、「全員が死亡した(生き残りが一人もいない)」という意味ではないことにも注意を要する。

◆MAC東京支部
アジア総本部の地上における防衛施設で、地上パトロール隊の拠点。
マックロディーやマックカーはここに配備されており、マッキー2号・3号もここから出撃することがある。
アシュラン戦で多数の兵器が破壊・多くの隊員が殉職・負傷と甚大な被害を受けた。

◆マッキー1号
普段はMACステーションにドッキングしている大型機で、司令塔の役割をこなす。登場回数が序盤の1話と3話のたった二回しかなかったためにいずれの役割もほとんど果たさなかった。ファンの間では原因は撮影用の模型があまりにデカく重かったとかミニチュアの破損とも盗難ともされているがはっきりした理由は不明。
シルバーブルーメに…
ただし、物語本編に登場しなくなった後も、大型のコンテナを活用して、他のステーションや基地への人員・物資輸送船として使用されていた、という設定もある。
なお、コクピットのセットはZATのペルミダーⅡ世の物が流用されている。

◆マッキー2号
両翼が円盤状で、ジェット戦闘機α機と円盤型のβ機に分離可能な4人乗り戦闘機(α機とβ機に2人ずつだが、α機は3人で乗る事も多い)。要所要所で出番があり、3号と並び活躍した。
大抵ただの中型機程度の扱い。
第16話ではα機の特攻でアトラー星人に大ダメージを与えるが、パイロットがゲンだったためやはりMACの戦果としては評価されない。
第36話では思い出したかのように分離合体を繰り返し、エピソード内でも重要な役割を果たす。
α機とβ機それぞれに2名ずつ、合わせて乗員4名と記載されることが多いが、第27話や第40話ではどちらかのコクピットに3人乗りしているので、5人乗りも可能と思われる。
特にダンをして「今のレオでは命の保証がない」と言わしめたアトラー星人を怒涛の連続攻撃で一方的に圧倒したのは、普段落とされまくっている汚名を返上して余りあると言える。
しかしシルバーブルーメに……

◆マッキー3号
後方に球状のブースターらしきものが付いた高速小型戦闘機。空中での完全な静止が可能。
バイブ星人に特攻をして倒す、マグマ星人を圧倒するなど数少ない戦果を挙げた機体。
格子状の窓が特徴だが、どう開くのかスタッフにもわからないようで、第10話や第22話などでは脱出シーンだけこっそり2号の脱出バンクにすり替えられている。
小型機とされる事が多いがマックファントムなどと編隊飛行しているところを見れば十分大柄。
1人乗りでよくマッキー2号と共に出撃したほか、ダンがよく乗り込んでいた。たまになぜか2人で乗る事も。
しかしシルバーブルーメに……

◆モスキーター
小型ヘリコプター。オニオン戦で桃型カプセルを運ぶ為に投入された。
ミニチュアは前作OPトリでおなじみ(?)のZATが保有していたヘリ「ドラゴン」のリペイント。龍から蚊へと一気にランクダウンしたとか言わない。
あまりにも異常なシチュエーションゆえか各書籍では単に「果物を運んだ」などと書かれることがある。

◆マックファントム(F-4EJファントムⅡ)
MACのマーキングが入っている。第3話に2機登場。後半登場した機体はエンジン換装後のマッキーにも引けを取らない奮戦ぶりを見せるが、案の定撃墜されてしまう。

◆F-106デルタダート
ダッソー・ミラージュⅢだとする説もある。真っ赤に塗装されていて、MACのマーキングも入っている。
マッキー3号を先頭にする編隊を組み第15話ではレオを援護する活躍を見せるが、第16話にてアトラー星人との交戦の末案の定見事に全滅する。

◆マックロディ
前作の兎熊猫に続いてやっぱり独特な見た目の地上車両。デザインと赤いカラーリングの関係でどことなく消防車のようにも見える。
地上からの攻撃や探索で活躍した。
ロケット弾にレーザー砲、設置型地雷と火力は豊富(強いとは言っていない)。
しかし、第10話で火炎に巻かれながら激走する姿は熱い(燃えているからではない)。
地上支部に配備されているため宇宙パトロール隊壊滅後も使えたはずだがその後は登場せず。
三菱のジープを改造した車両。

◆マックカー
黒い塗装が施された非武装のパトロール車。第3話では鈴木隊員諸共ドアを斬られてしまった。
MAC全滅後にゲンが塗り替えたモデルに乗っているが、長官から退職金代わりに貰った物らしい。
車両はホンダ・シビックで、通信の際にも「シビック」と呼ばれている。

◆マックジープ
ダン隊長が使ったことで有名なジープ。カーリー星人の突進に対抗するため、ダンが乗ってゲンを追い回した。
真夏氏によると、使用されたジープは中古品でブレーキが甘く、急ブレーキをかけても6メートルは進んでしまう代物だったらしく、このシーンの撮影の際、「轢かれたら死ぬだろ!」と本気で目を血走らせていたらしい。
車両はいすゞのユニキャブ。
詳しくはウルトラマンレオの特訓一覧の項目参照。
尚、ババルウ星人戦では別のジープが登場した。こちらは三菱製。

◆マックシャーク
後期OPにのみ登場の潜水艦。19話でゲンがボーズ星人に対しての使用を提案するも、ダンに却下される。(実際に出撃したとしても沈没するのがオチである)。
だが幸いにも第28話にて水中のセットが組まれたため、働く姿をついでに撮ってもらえた。その姿は第28話以降のOPで拝むことができる。

◆マックモール
『MACのマーチ』の歌詞にのみ登場の地底戦車。シールドマシンのようなドリルが特徴的。
小説作品『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』によれば計画が立ち上がったのみで実際には建造されていないとのこと。
一応ミニチュアは製作されている。
似たような存在としてTACの潜水艦・ドルフィンがある。


装備

◆隊員服
男性用はオレンジのジャケットで、戦闘時は上から銀色のマックジャケットを着る。女性用は赤と白のミニスカート型ワンピースで、初期にはベレー帽も被った。
伸縮性が高く、中に空気も入れられるが用途は不明。
初期隊員のみジャケットに背番号がある。ダンが「1」、ゲンが「7」。
ミラクルマンのナンバー「7」を背負った新人のゲンが一番数が大きい訳ではないが、何故か「2」と「4」の隊員がいない。
途中加入の隊員は背番号がないため、最終的にはゲンとダンのみのトレードマークとなった*9
ジャケットの胸に刺さっている筒はマックガンのカートリッジ。

◆ヘルメット
頭を防御するヘルメット。隊服と同じくオレンジ地に銀の装飾が施されている。
クワガタの大顎を思わせる銀のアンテナやウルトラマンというよりは仮面ライダーのような緑の目がついたバイザーなど、歴代でもかなり前衛的なデザインが特徴。

◆マックシーバー
腕に巻く通信機。怪獣反応を探知出来るが画面が無いためどうやって見るのかは不明。
MAC全滅後もゲンが42話で使用。

◆マックガン
隊員達が携帯している銃。実弾主体である。

◆マックナイフ
隊員達が携帯しているハイマンガンスチール製のナイフ。ウルトラシリーズでは珍しい接近戦用武器だが役に立った例はほとんどない
(それ以前に隊員達は何故か素手で星人に挑むため使用回数自体ほとんどない)ばかりか、バイブ星人に悪用されてしまう。
資料によっては男性隊員のみが持っていると表記される。

◆スティックガン
金属製のロフストランドクラッチにして、ダン隊長最強の武器
車のドアを切断するツルク星人を弾き返して応戦できるほどの強度を誇り、
人間に化けたドギューの正体を暴いた煙や、ショットガンを内蔵している。
材質はなんなのか気になるところ。ウルトラの星の技術が使われているのだろうか。
ゲンへの可愛がり折檻にも用いられ、地面を突く音はちょっとしたプレッシャー星人

◆マックブラスター
銃座に据えて使われるレーザーガン。キララ戦やババルウ星人戦で使用されたが目立った戦果は無かった。

◆マックバズーカ
ババルウ星人戦で使用された大型火器。何故かレオ兄弟が登場すると攻撃中止された為戦果は無い。

◆UN-105X爆弾
ウルトラシリーズ定番(?)の惑星破壊兵器で、ババルウ星人の策略で地球に接近してきたウルトラの星を破壊する為に発射されそうになった。ウルトラの星に届かずに地球に落下して逆に地球が壊れそうとか言ってはいけないし、そんな火力もないだろうからどちらにせよ安心とかバカなことはもっと言ってはいけない
内山まもるの漫画版『ウルトラマンレオ』では、セブンがこれに似たミサイルを抱えてシルバーブルーメに特攻している。



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最終更新:2024年03月12日 23:36

*1 もっとも犠牲になったのは、どちらも星人を見つけたゲンが「そいつを捕まえてくれ」と頼んだことが原因だが

*2 言うまでもないが、ゲンの行為は命令違反なのは事実だが、防衛チームとしても、人としても何らおかくしくない。

*3 隊員が見つけた弱点を攻撃する方法を考えるのもMACの仕事のはずである。しかし、隊員達は弱点の存在を疑うならまだしもそれを一方的に否定して、作戦を考えることすらしていない。

*4 隊員達の名誉のため一応言っておくとベキラとの1度目の交戦場所は市街地という迂闊に攻撃できない場所かつ、交戦場所の近くには大村の他にも避難していた人々が存在していたため、「大多数の人々を優先する」という考えは間違っていない。その弱点もゲンしか見ていない上に証拠もないので、その存在に否定的になるのも無理はない。とはいえ弱点も知らないまま、民間人を見殺しにしてまで戦ったところでベキラを倒せたとは考えられず、人命や功績を無視した非難は流石にフォロー出来ないが

*5ウルトラマンメビウス』に登場したアライソ整備長やヒマラヤに旅立った佐藤隊員、地上パトロール隊員や当日ステーションにいなかった非番の宇宙パトロール隊員なども助かっているのは内緒

*6 後にダンは生存が確認される。が、それはウルトラの母に助けられて、セブンが後のシリーズに登場したことである

*7 あくまでもこの映像特典内で作られた設定である

*8 うち1名は髪型が白川隊員や松木隊員とは別人であり、第34話は藍氏、白川隊員役の三田美枝子氏両者ともクレジットされていない

*9 背番号を引き継いだのは平山隊員のみ。