霧崎兜

登録日:2015/07/28 (火) 0:30:00
更新日:2021/03/28 Sun 10:12:47
所要時間:約 4 分で読めます





クズ野郎にしか見えない風景だってあるんだぜ




きりさきカブト

PSYREN-サイレン-』の登場人物の一人




◆概要


陽気かつ軽いノリの無職の青年。面倒事は嫌い、楽して金を得ようとするタイプだが、
「どんなツライことも絶対逃げ出す根性と、信じられる人間を見抜く観察眼だけは持つ」と自負している。
その言葉通り常人レベルとはいえ逃げ足が速く、高い観察眼を持っている。
また暴力を受けることも振るうことも嫌っている。

身内にジャーナリストの叔父・霧崎塔二(カブトからはオジキと呼ばれる)がいて事あるごとに金をせびっているようだ。

彼もまた赤いテレホンカードを手に入れゲームに参加することになる。

名前は兜だが、作中ではカブト表記。




◆能力資質と固有能力

PSI能力はライズ(感覚強化のセンス)とトランスの素質が高く、加えて特殊な才能に恵まれたために希少なPSI能力幻視(ヴィジョンズ)の使い手となった。


  • 脅威(メナス)の予視
「幻視」とは本来見えないモノ、例えば未来の一部などを視認することができる能力である。
彼の場合は死の脅威(メナス)を見る事でこれから起こる危険を予知する事が出来る。ちなみに「脅威」は白い光として見える。
これにより、敵に囲まれた時や逃走の際に安全なルートを仲間達に教えるといった使い方ができる。
ただし、PSIの鍛錬はサボりがちであるため、基礎能力の熟練度はアゲハ達に比べて低く、後半まで予視以外ほとんど使えなかった。


  • イアン式ライズ
CUREの使い手イアンが開発した、通常のライズから派生したライズの事。
自分のPSIを外界に放射、相手の呼吸、脈動、生命のリズムを感知し、それに同調することで、瞬時に相手の懐に潜り込む事が出来る。
ただ、ストリングスを使わないので単純なパワー、速度維持、耐久力は付かないため、ライズ自体で攻撃することには全く向かない。


  • 弱者のパラダイム(チキンソウル・パラダイム)
カブトの中に存在する「もう一人の自分」ヨヨが死線から蘇った彼に与えた新たな力。
カブトが視た未来の「脅威」を手で「祓う」ことで、脅威の源そのものを「脅威の光」の方向に捩じ曲げる。
それにより自身に迫った死の運命を操り回避するという言わば限定的な運命操作・未来改変能力である。

ここで言う「脅威」とは「カブトが感じた危険そのもの」なので、PSIによる攻撃はもちろん実体を持った攻撃も祓い回避することが可能。
例えば誰かがカブトに接近して攻撃を仕掛けようとした場合、カブトには相手自体が脅威の前兆を示す白い光として見える。
ヨヨがそれを掴み別方向に投げることで相手はその方向に吹き飛ばされる。恐ろしいのはその発動速度であり吹き飛ばされた相手は一切の抵抗ができない。

ヨヨ単体でできることは「脅威」を祓う事と前兆の「脅威」を集め結晶を作る事のみ。ここまでなら攻撃力皆無の絶対回避能力である。
しかし、カブトがこの結晶を相手に戻してやることで、相手の放った「脅威」を相手自身に跳ね返す事が出来る。
この結晶を戻されたが最後、脅威はそのまま放った本人へと全てが還元され定められた死の未来・運命が待ち受けることとなる。
これを実行するため、相手の懐に潜り込むのに用いるのが先述のイアン式ライズである。

なお、この能力はやろうと思えばカブト以外を対象とした攻撃からも脅威を祓うことが可能。
カブトが生来の臆病者であるがゆえに「脅威」の範囲も非常に広く、直接の攻撃だけでなく妨害や下準備のようなものにも適応されてしまう。




◆来歴

ゲームには2ndゲーム(アゲハから見た)から参加。
望月朧を含むそれなりの人数と共にサイレン世界に飛ばされ、そこで夜科アゲハ達と出会う。
PSI能力の開花による高熱により朧共々ダウンするが、アゲハ達の尽力により生き残ることに成功。サイレン世界を脱出して以降も彼らと行動を共にする事になる。
…すぐにPSIの訓練をサボって別行動を取るようになったが。

3rdゲームにて未来での叔父の地下シェルター内に残された情報で金儲けを目論んだことがきっかけで、ドリフト達は宣戦の儀のDVDを手に入れることとなった。
…ついでにカブトは個人的に宝くじ(NOTO6)の当選番号が記された未来の新聞の切れ端を入手。買い続ければ近い未来に必ず当選する番号を手に入れた。

第五星将ドルキの強襲に対してアゲハと即席コンビを組む。遠距離爆破能力に対抗するため、秘められた「脅威を視る眼」を発現。
紙一重で爆破を躱し続け、アゲハの作戦によって単独でドルキを引き付ける囮になった。脅威が視えていてもライズによる運動能力の強化が使えないカブトは次第に追いつめられるが、
アゲハの改良型暴王による狙撃によってドルキは手傷を負い、撤退させることができた。

4thゲームでは再戦したドルキの力の前に恐怖で怯え、アゲハや雨宮達を置いて逃げ出すが…


幻視脅威―――自分に迫る死の危険が光のオーラになって視える―――それがオレの能力

だからオレには爆風が白い光に包まれて見えて 飛び込む瞬間も怖くはなかった




あいつに「大丈夫だ」って言ってやろうと思ったけど ―――喉がメチャクチャ痛くてやめた


アゲハを庇って生身でドルキの爆塵者を受け、瀕死の重傷を負ってしまう。
だが、エルモアウッドの子供達の救援によって窮地を脱出。天樹の根にて天樹院ヴァンの治療を受け、9日という長い時間はかかったものの何とか回復した。
その際に、精神下に存在するもう一人の自分「ヨヨ」を認識している。

余談だが当初の予定ではここで死ぬ予定だったらしい。


目覚めた後はアゲハらと共に現代に帰還。だが現代パートではアゲハや雨宮と別行動を取ることがほとんどで、今回もほぼ出番無しだった。

5thゲームでは前回同様、いきなりW.I.S.Eに見つかってしまうが、カイルとシャオが自分達が来た時に備えて地上に出ていたおかげで危機を脱し、再び根に迎えられる。
しかし、間を置かず第二星将ジュナス、配下部隊スカージ、そして第五星将ヴィーゴの侵略作戦が根を襲い、エルモアウッドと協力して防衛戦を行うことになる。
カブトはフレデリカから根の住人の避難を助け、守ることを託される。住人達を襲うスカージの一人アッシュを相手にカブトは啖呵を切り戦闘開始。
新たな力「弱者のパラダイム」により攻撃を完全に回避し、最後は一斉爆撃と巻き起こる粉塵による「脅威」をイアン式ライズでアッシュの懐に潜り込み胸に返した。
結果、「脅威」は全てアッシュ自身に返り勝利を収めるが…


―――あんまり気持ちのいいもんじゃねえな…わかってたけど


自身の持つ力の大小にかかわらずカブトは暴力を振るうことも受けることも嫌悪する。
「できることなら戦いたくない。でも戦わなくてはいけないときには戦う」という逃げるだけだった過去から成長しその上で芯は変わらないカブトのスタンスが強く出た一幕である。




追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • PSYREN
  • サイレン
  • 霧崎兜
  • カブト
  • 幻視
  • 弱者のパラダイム
  • 臆病者
  • 無敵
  • 運命を操る程度の能力
  • 無職
  • 予視可能性
  • 暴力反対
  • 作家の決断までも操作してみせた男

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2021年03月28日 10:12