ジュラシック・パーク(映画)

登録日:2015/07/26 (日) 22:34:38
更新日:2024/03/31 Sun 14:30:47
所要時間:約 14 分で読めます




映画の歴史が変わる。

スピルバーグが変える。




概要


ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』とは、93年に公開された米映画。

原作はSF作家マイケル・クライトンの同名の小説(映画公開の半年前に放送開始した『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の元ネタである)。脚本についてはマイケル・クライトン本人も脚色を担当しており、原作とは大幅にストーリーが異なる。
監督は『ジョーズ』、『インディ・ジョーンズ』シリーズ、『E.T.』等、数々の傑作映画を生み出したスティーブン・スピルバーグ
製作はユニバーサル映画。
音楽は「映画音楽の巨匠」ことジョン・ウィリアムズ。壮大で力強いメインテーマは、あなたもどこかで一度は耳にしているかもしれない。

遺伝子操作によって現代に蘇った恐竜が生息するテーマパークで起こった事故により、従業員が次々と襲われていくパニック映画の傑作。
これは、序盤で肉食恐竜を登場させず焦らしに焦らした、サスペンス映画で培ったスピルバーグ監督の演出力の高さもその高い評価の理由の一つ。

そして本作の最大の特徴は、アメリカの映画で初のフルCGアニメーション合成が使用されたこと。
当初はアニマトロニクス(機械仕掛け)とストップモーションアニメを中心に撮影する予定だったが、
スピルバーグがVFX担当のインダストリアル・ライト・マジック(ILM)の仕事に興味を持ち、恐竜のシーンの大半で使用することが決定。
そして、フルCGによる、作り物とは思えないほどのリアルな恐竜の動きに、世界中が熱狂。
このILMの働きは『スター・ウォーズ』に続く「映像革命」として映画史に残っている。

2024年現在、続編が4本製作されている。
飼育用の島「サイトB」を舞台とした『ロスト・ワールド』と『ジュラシック・パークⅢ』、
再オープンしたパークを舞台とした『ジュラシック・ワールド』、さらにその続編の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』がある。各作品については個別項目へ。

その他コミカライズもされており、何と日本でも公開時期に合わせて『デラックスボンボン』で漫画版が連載されていた。


物語


古生物学者のアラン・グラント博士と助手のエリーは、
大企業インジェン社の社長にして稀代の億万長者、ジョン・ハモンドに自身が設立した新しいテーマパークのモニターとして、もとい箔付けのために招待される。

そのテーマパークは、大西洋・コスタリカ沖の孤島イスラ・ヌブラルを貸し切ったところにあった。
そしてその「ジュラシック・パーク」最大の目玉は、6500万年前に絶滅したはずの、本物の生きた恐竜。
ハモンドは最新鋭の遺伝子技術を用いて、古代の蚊が吸った恐竜の血液から恐竜のクローンを生み出したのだ。
「最新型の厳重セキュリティ」、「遺伝子組み換えにより子孫を作れない恐竜」等、
絶対安全の革命的テーマパークを前に期待に満ち溢れたハモンドだったが、グラントはそれを懐疑的な視点で見る。

そして、初のパーク周回ツアーが開かれた時、最悪の事態は起こってしまった!
ハリケーンの到来によるツアー客の遮断、ほとんどの従業員が本島に帰宅、そして従業員の一人の造反によるセキュリティシステムのダウン……。
高圧電線の電源は落ち、フェンスで囲まれたはずの肉食恐竜が脱走し、人々を襲い始めたのだ……!


登場人物


アラン・グラント
演:サム・ニール/吹き替え:富山敬
古代生物学の博士。恐竜を中心とした古代の生物の権威として有名。
子供に好かれる性格で、発掘現場でも人気がある。
しかし本人は子供の扱いは苦手で、「鳥と恐竜は近縁」という持論を嗤った子供に前脚の爪の化石を突きつけて恐竜の恐ろしさを半ば脅すような形で教える大人げない一面も。
その時は当然あんな目に遭うとは想像もしていなかっただろう。
本作ではこの持論が半ば正しいこととして扱われており、一部の恐竜の動きに表れている。

ジュラシック・パークのモニターとして選ばれ、更に日給2万ドルの顧問手当に釣られてノリノリで参加してしまう(発掘に必要な資金3年分に相当)。*1
当初は初の生恐竜に興奮していたが、徐々に明らかになるパークの「穴」を知り、否定的な意見を寄せる。
そして、T-レックスの襲撃で子供客二人と共に島を彷徨する冒険に出る羽目になる。

原作では映画とは正反対で子供好き。かつ奥さんに先立たれた男やもめ。イケメンだった映画とは異なり、髭面でがっしりした胸板のおっさんとして描かれている。
エリーはただの教え子に過ぎず、彼女には婚約者がいる。
小畠郁生氏によると、モデルは古生物学者のジャック・ホーナーとロバート・バッカー、グレゴリー・ポールとのこと。


エリー・サトラー
演:ローラ・ダーン/吹き替え:弥永和子
古代植物学の博士。グラント博士とは恋人同士。
劇中では植物の知識を生かして、毒草を食べたトリケラトプスの検診をし、糞の山にまで手を突っ込むほどの男気を見せる。
その際グラントとは離れ、ビジターセンターで彼らの救助のために手を尽くすなど、終盤でも男気を発揮していたが、電源復旧後は衝撃の事態が畳み掛けてきたので流石に一時的に挫けてしまう。
原作ではグラントとは恋仲ではなく、別の婚約者がいる。


イアン・マルコム*2
演:ジェフ・ゴールドブラム/吹き替え:大塚芳忠
黒ずくめの数学博士。カオス理論の専門家。
軽薄な皮肉屋で、自身も家庭を持っているにもかかわらずエリーにナンパしていた。ハモンドとは犬猿の仲で、その言動から彼に「ロックスター」と皮肉られていた。

自然生物の複雑性に重きを置いており、パークの方針には「恐竜が人間のスケジュールなんかに従うもんか」「自然界へのレ○プ」等と批判的。
だが徐々に明るみに出るパークのセキュリティの破綻が、彼の主張が正しかったことを証明する。
小説版では原作者の代弁者のような立ち位置であり、彼の口を通して語られた遺伝子工学への警鐘や科学者のモラルの問題といったテーマは、娯楽性を優先した映画版でも僅かながらに活かされている。

原作では当初死亡扱いだったが、映画では中盤からはずっとベッドで寝たきりだった(足を負傷していたので致し方ないが)。
続編で実は生存していたことが明かされるばかりか主人公になるなど、大出世を果たしている。


「生命は、自ら道を見つけ出す」


ジョン・ハモンド
演:リチャード・アッテンボロー/吹き替え:永井一郎
大企業インジェン社の社長で、ジュラシック・パークの創設者。スコットランド出身。
明るい性格の好々爺だが、一代で成功したとの自信があるゆえか、人の忠告に素直に耳を傾けない悪癖がある。
相当年を喰っているにも関わらず子供のように熱く夢を語り、
パークの開業で子供たちを喜ばせようとするその情熱は本物。
最新鋭の技術を投入したジュラシック・パークは絶対安全な施設であると豪語していたが、全く予期していなかった事故に動転してしまう。もっとも、その事故の元凶でもあるため割と自業自得ではあるが。
事態が深刻化してもパークの開業を最後の最後まで諦めず、「ディズニーランドも最初はトラブル続きだった」と例えに出してみるが、マルコムから「カリブの海賊は故障しても人は食わないよ」と皮肉られる。
全てが終わった後、アランからも「(色々検討してみたんですけど)推薦状は書けません!」ときっぱり一蹴されてしまった。
頑固ではあるが根は悪い人物ではないので、最終的には本人も自分の過ちを認め、アランの言葉には「わしもだ」と返した。

原作では映画以上の金利主義者の銭ゲバと化し、かなりのクソジジイとして描かれている。終盤にプロコンプソグナトゥスの群れに食われて死亡する。
この違いは、映画版ではスティーブン・スピルバーグが自身を投影しているからではないかと言われている。


レックス
演:アリアナ・リチャーズ/吹き替え:坂本真綾
ハモンドの孫娘。タンクトップが眩しい。
年頃らしい生意気な小娘で、恐竜には疎い。パソコンのプログラムが得意。また、自称ビーガン。
Fsnというかなりマイナーなソフトを使っているため、園内のシステムのパッと見UNIXだとわかりにくい画面を見て一目でUNIXだとわかるシーンはよくネタにされた。
劇中ではねばねばした液体をぶっかけられる。※恐竜のクシャミのことです。
原作ではレックスが妹。

ティム
演:ジョゼフ・マゼロ/吹き替え:大島一貴
レックスの弟。
恐竜が大好きで、グラントに懐いている。劇中では何かと酷い目に遭う。
原作ではティムが兄で、コンピューターの扱いが得意なのもこちら。

レイ・アーノルド
演:サミュエル・L・ジャクソン/吹き替え:梁田清之
パークのチーフエンジニア。愛煙家で、登場するシーンではほぼ必ずスパスパやっている。
技量はあるが怠惰な部下に頭を悩ませ、さらに最悪な事態を引き起こされたことにより苦悩する。
今でこそ名俳優のサミュエルだが、今作では驚くほど地味な役。
終盤、エリーと再会できたことはできたのだが、既に恐竜に食い殺されたらしく、腕しか出なかった。そりゃ心も挫けるよ……。


ロバート・マルドゥーン
演:ボブ・ペック/吹き替え:田中信夫
パークの恐竜監視員。
猛獣の扱いのベテランで、パークの管理面において火力がかなり不十分であることを嫌というほど理解しており、対戦車用装備の配備を要求していた。
T-レックスに追跡されている最中でも冷静で、ハモンドから孫達の救助を頼まれてもふたつ返事で受けるなど、頼れる男。
本来の脚本であれば、クライマックスで、ラプトルに囲まれたグラント達を助けに来る予定だった……が、T-レックスにそのお株を奪われた。
というわけで、終盤、武器を完備してエリーの護衛に参加したものの、ラプトルに食い殺されてしまう。
コミック版では「実はなんとか逃げ延びていた」という設定で再登場する。
原作ではウォッカを煽りながらティラノサウルスやラプトルに対し、果敢に戦いを挑む。

ドナルド・ジェナーロ
演:マーティン・フェレロ/吹き替え:納谷六郎
インジェン社の顧問弁護士。
慣れない森の中のパークにあからさまに嫌な態度をとっていたが、パークの開演で見込まれる収益に浮かれ気味に。
子供を置いて自分だけ逃げるというお約束の行動をとった結果、お約束通り最初の犠牲者に。

原作でも拝金主義のビビリ系で性格も悪人寄り。
だが子供を体を張って守るなど映画よりは勇敢な人物で、半ば強引に付き合わされたのも大きいが生き残って意外と活躍する。
映画のキャラクターには、原作のみ登場するエド・リージスの要素も含まれている。

デニス・ネドリー
演;ウェイン・ナイト/吹き替え:桜井敏治
システムエンジニア。パークのセキュリティシステムの管理を担当する。
ズボラで怠惰な肥満体の男で、机の上は常に散らかっている。
ただし、DNA配列を解析するスパコンの処理の効率化を成したのは彼で、エンジニアとしての実力はあった。
しかし性格面がアレだったため、ハモンドや同僚からの評判は最悪で雇用条件も実績に見合わないものだったとか。

実はライバル会社に雇われており、培養していた恐竜の胚を提供する産業スパイを働こうとしていた。雇用条件が悪かったことがこの離反に繋がったらしい。
そして逃げるために嵐の中、セキュリティシステムをダウンさせ桟橋へ向かい、騒動の全ての発端を作る
詰まる所、ハモンドたちが実績やパークでの功績を「勤務態度を少しは是正してくれたら」程度にでも評価していれば、この惨劇は起きなかったのだ。
実際、ハモンドや同僚たちの彼に対する態度の方にもかなり問題があったのは紛れもない事実。
何しろ作中描写を見る限り、オープンを間近に控えてもシステム担当はネドリーしか常勤していないのである。
(ハーバードにネドリーの仲間がいるので連絡を取れという趣旨のセリフがあることから、流石に1人という事はないようだが……)
システムをダウンした際、簡単に復旧できないように細工した挙句ケンカ売りまくりのブラクラを添えたことからも、相当に頭に来ていたことがうかがえる。
ハモンドェ……。

原作ではハモンドが人間の屑だったこともあり、より理不尽で過酷な扱いで、インジェン社にタダ働きを強制させられるなど、SEの方ならよく分かりそうな境遇を受けていた。
これで忠誠心を持ってもらおうという方がおかしいというものである。

だが嵐で道に迷った挙句車も故障し、そこをディロフォサウルスに襲われ死亡。

余談だが、彼のデスクには“原爆の父”ことロバート・オッペンハイマー博士の写真がキノコ雲のイラストと共に飾られていた。
原爆と遺伝子工学。共に科学の発展の産物であることを考えれば、原作者の主張を示唆しているように見えてこないだろうか?

「アッハッハーン、魔法の呪文を言わなきゃダメだよ。アッハッハーン、アッハッハーン」


ヘンリー・ウー
演:B・D・ウォン/吹き替え:中村大樹
生物科学者で、恐竜の培養を担当する。
事件発生時は本島に帰っていたため危機は逃れていた。

今作ではチョイ役だったが、原作では主要人物として最後まで活躍。
恐竜をソフトウェアのように、より安全かつ観客ウケする“商品”としてバージョンアップすることを提案していたが、ハモンドからは「それでは恐竜が本物でなくなる」と聞き入れてもらえなかった。

後に4作目にてまさかのキーパーソンとして再登場を果たすが、同時にハモンド顔負けのトラブルメーカー(死神)体質であることも明らかに。
裏設定では、琥珀から採取した恐竜の遺伝子がなかなか揃わない中で、カエルの遺伝子で欠損部分を補うことを発案した張本人らしい。
本作の事態は彼にとっても想定外だったが、恐れるどころか生命の可能性に魅了されてしまったとのこと……。

ジェリー・ハーディング*3
演:ジェラルド・R・モーレン
パークのお抱え獣医。映画版ではトリケラトプスを、小説版ではステゴサウルスを治療していた。
映画ではアラン一行と別れた後の顛末は描かれなかったが、小説版では最後までパークの復旧や負傷したマルコムの治療で奔走していた。

ちなみに恐竜の病気の原因は映画では明らかにされなかったが、小説版では胃石(食物の消化を促進するために消化管に取り込む石のこと。)を呑み込む際に西インドライラックの実を誤飲したことが明らかにされている(映画でもシナリオは用意されていたが、カットされた)。
また、続編では同姓のトラブルメーカー古生物学者が登場しており、血縁関係にあることが示唆されている。

演じたモーレンは本作の製作を兼任している。

ルイス・ドジスン
演:キャメロン・ソア/吹き替え:小室正幸
インジェン社のライバル企業に所属する産業スパイ。
密かにネドリーに造反を促し、胚を持ち出すためにヘアスプレーに偽装した保管器を手渡した。
映画ではこれっきりの登場だが、原作では黒幕として暗躍、続編のロストワールド(小説版)で恐竜の餌食になった。
ちなみに吹き替え版では言語ネタでネドリーから「ドジ」の部分を強調されている。



登場恐竜


登場する恐竜は、白亜紀の木の樹液が固まった石である琥珀に閉じ込められた蚊の死骸が吸った血液から遺伝子を取り出し、欠けた部分をカエルの遺伝子で補足したクローン体。
ちなみに現実にはこの方法での再現は不可能。蚊の消化器官の働き、たんぱく質の経年劣化といった諸々の要因から、6500万年前のDNAが現代に遺ることは有り得ないため。残念なような、ホッとするような……。*4

後年、恐竜の生態について考察が進み本作での描写(外見等)に間違いがあるという指摘がなされたが、前述したようにジュラシック・パークで作られた生物は恐竜をベースに別生物の遺伝子が組み合わされたキメラ体であるため、「実際の恐竜とは異なる」ということで説明がつく。

とはいえ、従来怪獣みたいなイメージを持たれていた恐竜という存在に対し、「恐竜もかつてこの星に存在した、すばらしい生きもの」であることを一般層に知らしめたのは今作でまず間違いなく、この映画の恐竜研究への貢献は非常に大きい。
本作以降恐竜研究者、とくに女性の研究者が増えたとか。
また本作のヒットにより恐竜を扱った書籍や作品は非常に増えた。

繁殖は行えないよう雌のみになるよう調整されていたはずだったが、
件の遺伝子の出所であるカエルが「周囲の雌雄比率に応じて性転換する」種だったせいで実際は産卵が可能となっていたことが発見される。
最も近縁だと映画開始から伏線が張られていた鳥類でも、当時主流の説だった爬虫類でもなく、両生類のカエルが選ばれたのはおそらくこの繁殖の展開のため。
ちなみに後の『ジュラシック・ワールド』でウー博士より「熱帯での発熱調節のため」だったと説明された。

ティラノサウルス・レックス
肉食恐竜の王者。
最初の周回では姿を見せなかったが、後に雨の中、焦らしに焦らし、フェンスを破って堂々と登場する様はまさに圧巻。
そのままツアーに残った一同を車ごと、あるいはトイレを襲い恐怖のドン底に陥れた。
……が、最後の最後で美味しい所を持って行く。
本当は鈍足だが、当時の学説を反映して車にすら追いつかんばかりの勢いで突っ走ってくる。
ティラノサウルス・レックス(ジュラシック・パーク)の項目も参照。

ヴェロキラプトル
中型の肉食竜。
動きが俊敏で必殺の鉤爪を持ち、さらに大変知能が高く頭が切れ、群れを成して行動する完成度の高いハンター。
終盤ではある意味T-レックス以上の強敵として一同を苦しめた。
なお、本来のラプトルは白亜紀後期に現れたしっぽの先までの長さが2m台で、山猫サイズの小型恐竜だがこの作品では上記の通り中型クラスの身体になっている。
スピルバーグが見栄え重視でデイノニクスやユタラプトルサイズにした上で、名前は原作どおりラプトルにしたらしい。
なお、大きさの参考にしたデイノニクスとヴェロキラプトルが同属という説は一応この頃にはあることはあったが、当時からほとんど賛同を得ておらず、現在では忘れられた説と言っていい。

ディロフォサウルス
襟巻を持った小型恐竜。
一見無害だが、実は汚い声で鳴き口から粘液を吐く肉食恐竜。
なお、本来のディロフォサウルスは5~6mはある、ジュラ紀前期としては大型な肉食動物(ただしその貧弱な顎から腐肉食説・魚食説あり)。
案外まだ生まれてちょっとしか経っていない幼獣なのかもしれない。
特徴的な襟巻は化石からは見つかっておらず、映画中での創作。
「それにしても、本来威嚇用のものである襟巻をこれから獲物を襲うときに広げるのがおかしい」というツッコミが多数寄せられた。

ブラキオサウルス
パークに来場したメンバーが初めて目にした恐竜。
大型の雷竜で、大人しい草食。人間にも懐きやすい。前肢が長く鶏冠があるのがトレードマーク。
冒頭の後ろ足で立ち上がるシーンが、公開当時から恐竜オタにはツッコまれまくった(ブラキオサウルスは体の構造的に後ろ足で立つことはできない)。ま、あくまで恐竜っぽいキメラなんで……。
また、映画では哺乳類のように咀嚼するシーンがあるが、これも現実には顎の構造や歯の形などから不可能である。

ガリミムス
中型の草食恐竜。草原に生息し、群れをなしている。

トリケラトプス
角の生えた大型草食恐竜。
ツアーでは毒の実を食べて体調を崩していた。
小説版ではこの顛末が詳しく描写され、胃石を飲み込む際に誤って本来は食べない(映画でエリーが困惑していたのはこのため)毒の木の実を飲み込んでしまったとされている。

パラサウロロフス
最初にブラキオサウルスが登場するシーンで一瞬だけ遠景で登場。
その活躍は次作に持ち越しとなる。

その他の恐竜
ネドリーが胚を盗むシーンで、ステゴサウルス(スペルがSTEG"A"SAURUSと誤記)、メトリアカントサウルス、アパトサウルス、プロケラトサウルスなどの名前が登場する。
なお戸田奈津子氏の字幕版だと、「メトリントサウルス」とアカン誤記がされていることは一部界隈では有名。
2015年にフジテレビ系列で放映された際には「メトリアカントサウルス」と修正されている。

この他にも、設定上バリオニクスやセギサウルス、ヘレラサウルス、プロケラトサウルスなども島で飼育されているようである(パークの地図に名前が登場する)。
ちなみに映画の裏側を描いたスピンオフ的なゲームである「Jurassic Park: The Game」では、ティロサウルスやトロオドンなども登場。


余談

名作や革新的な作品には面白い裏話が付きもので、当然この作品にもさまざまな逸話がある。

キャンセルされたストップモーションアニメ
先に述べたとおり当初はアニマトロニクスとストップモーションアニメを中心に撮影する予定だった。
しかし監督がCGに興味を持った事で予定を変更、ストップモーションアニメはキャンセルされてしまう。
これにショックを受けたのはすでに4か月近くかけて映像を作っていたフィル・ティペットという男。
『スター・ウォーズ』旧三部作にも関わっていた彼もCGで動く恐竜を見て「私は絶滅(失業)だ」とかなり落ち込んでいたらしい。
しかし「恐竜のリアルなCGは作れても、動きがリアルでなければ意味が無い」とCGのアニメーション監修を任される事に。
こうして命を吹き込まれたのが本編の恐竜達である(特にラプトルがキッチンで暴れるシーンは彼のアイデアがかなり盛り込まれている)

実物大ティラノサウルス・レックス
一般的にアニマトロニクスでは必要な部分だけを作り撮影を行う(頭・脚・尻尾など)
ところが監督はどうせならフルスケールの機械仕掛けのティラノサウルス・レックス(歩行可能)を作りたいとか考えていた。
(流石に歩行は無理だったが、NASAやらMTIやらから研究者を集め検討していた辺りマジで歩かせようとしていた)
その後2年ほどの月日をかけて1/1T-REXが完成。流石に腿から下は無いが全長12mを超える巨大なものに。
しかしこれほどの巨体の割にそこまでトラブルも無く撮影は順調に進み、スケジュールが前倒しになるほどだったそうだ。
監督は「『ジョーズ』の時に比べたら夢のようだ」と笑っていたそうな二度と戻ってこないとか言ってたもんね
序盤でティラノが自動車のサンルーフ越しに子供たちを食おうとするシーンはこのロボットが使われている。
なおサンルーフが外れてしまったのは実はシナリオには無いトラブルだったため、この時子役たちはマジ泣きしていたとか……。

急遽変更された"オチ"
当初の脚本では、グラント博士一行は、ティラノの骨格模型を利用して、マルドゥーンの助けも借りながら、自力でラプトルを倒し脱出するというシナリオだった。
ところが監督が「この映画の看板はティラノサウルスだ。このままティラノを出さないで終わったらブーイングが起きる」と急遽脚本を大幅に変更。
そして生まれたのがあのクライマックスである。
これがどれほどの英断だったかは語るまでもないだろう。


「追記修正を初めてする時はどんな時にもトラブルがある。仮面ライダーの項目もそうだった」
「クウガの項目は人を喰わないよ」

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最終更新:2024年03月31日 14:30

*1 2万ドルってどんくらい?となると思うが、1993年のドル円だと大体110円くらいなので1日220万円貰えることになる。払える方もすごい。

*2 媒体によってはマルカム表記。

*3 ゲーム版でのファーストネームはゲイリー。

*4 DNAには521年の半減期が存在し、実際に血を吸った蚊が琥珀の中に閉じ込められ保存されていた例があったらしいがその血は鉄の塊になっていたらしい。