ウルトラかいじゅう絵本

登録日:2015/07/24 Fri 12:51:35
更新日:2024/04/09 Tue 17:53:29
所要時間:約 8 分で読めます





『ウルトラかいじゅう絵本』は、『ウルトラシリーズ』を題材にした絵本集。
あいうえお館から発売中。


【概要】

世界の童話を基にした「せかい名作童話編」、海外の文学作品を基にした「世界名作文学編」
日本の昔話が原作の「日本昔ばなし編」、別の絵本が原作の「児童文学編」、オリジナル作品の「すくすく知育編」の5つのシリーズに分けられている。

ウルトラシリーズの絵本には「おとうさんはウルトラマン」シリーズや、
「ぼくだってウルトラマン」などもあるが、この絵本の特徴は多彩多種なウルトラ怪獣がメインである事である。
どんなジャンルでも一所懸命な円谷プロ関連作品らしく、登場怪獣はメジャー級からマイナー級まで何でもあり。
バルタン星人やゴモラ、ゼットン、ブースカなどメジャークラスと共に、ミラクル星人タイショーが主人公と言う作品も発売されている。
ブースカは厳密にはウルトラ怪獣じゃないだろって?こまけぇことはいいんだよ!『R/B』にも出たし!

配役も絶妙で、登場キャラと因縁がある組み合わせから、予想外の配役までファンのツボを突きまくる。
中にはどう見ても出オチにしか見えない強烈な面々も。大人なファンも一見する価値はある。

全冊ではないがウルトラ戦士も勿論登場しており、
「ギンガのおにたいじ」や「まごころのおくりもの」「ゼロとまめのき」などは怪獣たちではなくウルトラ戦士が主人公となっている。
なお、ペダン星人は『大怪獣バトル』以降のヘルメットスタイルではなく、
『ウルトラセブン』時に一瞬だけ映った外見を参考に製作されたガチャガチャの人形の異形頭スタイルを基にしている。


【あらすじ】

○3びきのかいじゅう

原作:3びきのこぶた
ウルトラセブンに仕えるカプセル怪獣ミクラスウインダムアギラ
カプセルはちょっと狭いという事で、それぞれ家を建てることを決めた。

怠け者のアギラは組み立てるのが楽な藁の家、お調子者のミクラスは少しぐらぐらしている木の家、
そして真面目なウィンダムはの家である……「」?
ところが、そこにペダン星人がロボ(キングジョー)に操り来襲してきた!

「ロボのちからをみせてやる!」

キングジョーに踏み潰され、アギラの家は一瞬で破壊。ミクラスの家も怪力で壊されてしまった。
危うし、カプセル怪獣!果たしてどうなるのか!?
怪獣たちとの対比を考えると、このロボ(キングジョー)はとてつもなくでかい。


○カネゴンとかきのたね

原作:さるかにがっせん
おむすびを食べようとするカネゴンの元に、メフィラス星人が出現。
甘い言葉と共に、自分の持つ柿の種をおむすびと交換しようと告げた。
その言葉を聞いて柿の種を貰ったカネゴン。地面に植え、育てていくとやがて大きな柿の木に成長した。
しかし、カネゴンは木に登れないので、せっかく実った柿を食べる事ができない。
そこにメフィラス星人が再び登場。悠々と木に登り、熟した実を食べ始めたのである。
しかもカネゴンには青い実を投げつける始末。

「ははは、君はこれを食べたまえ」

泣きながら歩くカネゴンの前に現れたのは、モチロン、エレキングサボテンダー、そしてナメゴン。
話を聞いた4体は、悪質宇宙人の二つ名に恥じぬメフィラスの態度に激怒。敵討ちをすることになった!

役柄はサボテンダー=栗、エレキング=蜂、ナメゴン=牛の糞(昆布)、モチロン=臼となっている。
特に臼役はこれ以上ないキャスティングであろう。


○ピグモンのおつかい

原作:(オリジナル作品)
おじいさんの元にプレゼントを届けに行く事になったピグモン
だがその行く手には、ピグモンを狙うザラブ星人やペダン星人、ケムール人の妖しい影が。
お母さんからの約束を守って、ピグモンは無事お使いを済ませることは出来るのだろうか…?
ゾフィー隊長ゴモラも活躍するぞ。

オリジナル作品「すくすく知育」扱いだが、物語の内容は『赤ずきんちゃん』が基になっている。


○ブースカのふゆじたく

原作:アリとキリギリス
夏真っ盛り。ババルウ星人が遊んでいると、一所懸命家を建てているブースカの姿が。
これから来る寒い冬に備えて、家を作っていたのだ。

こんなに暑いのに今からなんて気が早すぎる、とブースカを馬鹿にするババルウ星人は、その後も遊んでばかり。
そしてとうとう冬が来て……。


○おむすびとかいじゅうのくに

原作:おむすびころりん
今日も畑をたっぷり耕したミラクル星人
一休みしようと取り出したおむすびをうっかり落としてしまう。
おむすびはころりんころりん転がって、穴の中に入ってしまった。するとそこから賑やかな声が。
それに呼ばれて入ったミラクル星人の前に広がっていたのは、レッドキングゴルザが住む地底怪獣の国だった。
怪獣たちはおむすびをくれたミラクル星人をたっぷりともてなし、お宝まで渡してくれた。

それを聞いたガッツ星人は……。

オチがちょっと怖い。


○ダリーをやっつけろ!

原作:(オリジナル作品)
タイショーの通う怪獣小学校が大ピンチ。
宇宙細菌ダリーのせいで、クラスメイトが次々に倒れてしまったのだ。
ウルトラセブンが奮闘している中、自分たちもセブンを助けたいと保健室のウルトラの母に相談するタイショー。
するとウルトラの母は、ダリーを倒す事はできないが追い出すことは出来る、と教えてくれた。

風邪を皆で追い出そう、と言う感じのお話。


○まよいのもりとおかしのいえ

原作:ヘンゼルとグレーテル
ガンQツインテールは仲良し怪獣コンビ。
冒険が大好きな2人は、森の中を探検することにした。ところがその途中で迷子になってしまってさあ大変。

すると2人は、森の中でお菓子の家を発見した。
2人を迎え入れたのはその家に住むダダだが、どこか怪しいようで…。

…ヘンゼル役とグレーテル役に驚いた貴方、見間違いではありません。
ぶっちゃけダダより主人公コンビが怪しすぎるが、絵本の主人公らしく可愛らしいキャラデザインとなっているのでご安心(?)を。
ただしダダの最期は原作どおりに……。


○バルタンとてぶくろ

寒いある朝、あちこちにたっぷりと雪が積もった。

真っ白の銀世界に、子供のバルタン星人はおおはしゃぎ。
しかしこのままでは手がかじかんでしまうと考えたお母さんのバルタン星人は、町で暖かい手袋を買うように言った。
ただし、そのままのハサミの手だと驚かせてしまうかもしれない、
という事で、人間やウルトラマンと同じようにした手のほうを出すように、と注意も加えながら。

そして町にやってきた子供のバルタン星人。
ところが、うっかり手袋屋さんのドアの隙間から「ハサミ」の方の手を出してしまい……。

ウルトラシリーズでは「手が普通じゃない」くらい珍しくない気がするのは気のせい。


○あいさつ あいさつ

原作:(オリジナル作品)
朝起きたら「おはよう!」
ご飯のときは「いただきます!」
お友達に会ったら「こんにちは!」

そして、迷惑をかけてしまったときは……?

ブラックキングくんと一緒に、たくさんのあいさつを覚えよう!


切り絵の絵柄もあってか、とあるページのデッパラスの顔が物凄い事になっている。


○なにがぬけるかな?

原作:おおきなかぶ
ダダがお散歩をしているとどこからか助けを呼ぶ声が。
球根のような体を持つ怪獣が穴にはまり、抜け出せなくなっていたのだ。
早速引っ張り出そうとするダダだが、怪獣はびくともしない。友達のガッツ星人に協力してもらっても効果なし。
怪力のレッドキング、馬力自慢の恐竜戦車
空が飛べるペギラ、そしてゼットンと次々に助っ人を呼んでも、怪獣は微動だにしなかった。

「よーし、こうなったら!」

そういうとゼットンは、一気に大量の助っ人を呼んできた。
ゴモラエレキングブラックキングタイラントバードン
おまけにあのガタノゾーアという、頼もしい以上に恐ろしすぎる面々である。エレキング以外はウルトラマンに勝ったガチの実力派が複数名いる時点でおかしい上に仮にもあの邪神がおまけ扱いである。

「これだけいれば、絶対にぬける!」

ところが、これだけの錚々たる面々が集まっても、穴にはまった怪獣を助ける事はできなかった。
ギリギリまで頑張っても、ギリギリまで踏ん張っても、どうにもこうにもどうにもならない。駄目なのか、と怪獣たちが諦めかけたそんな時……!


○ギンガのおにたいじ

原作:ももたろう
ウルトラマンタロウが修行をしていると、空から大きな隕石が。
家に持ち帰ると、中から元気な赤ん坊が生まれた。
銀河が瞬く空から落ちてきたので「ギンガ」と名づけるタロウ。
ギンガは彼やウルトラ兄弟のもと、すくすくと育っていった。

そんなある日、恐ろしい鬼軍団が来襲。鬼が島に本拠地を置くダークルギエルが黒幕だ。
タロウからきびだんごを貰い旅立ったギンガは、ゴモラ、リトラ、
そしてギャンゴを味方に、ルギエルを倒すために鬼が島へ向かっていった……。
これじゃあギンガじゃなくて大怪獣バトルな気がする

ルギエルの配下はオニデビル、オニバンバ、オニオン、宿那鬼、
さらに怪獣ゲロンガと「鬼」に纏わる面々が勢揃いしている。
なお、今回はおじいさんに当たる役回りのウルトラマンタロウも『ウルトラスーパーファイト』や紙芝居などで桃太郎役を演じた事がある。


○かたづけしないとどうなるの?

原作:(オリジナル作品)
いつも様々な発明をしている科学者のメトロン星人。だが片づけは大の苦手で部屋は滅茶苦茶散らかっていた。
友人のウルトラセブンからも注意されるが、「とりたいものが近くにあるから平気」と聞かないメトロン星人。

ところがある日、大変な事が起きてしまい……。


○まごころのおくりもの

原作:けんじゃのおくりもの
毎日宇宙の平和のために奮闘するウルトラの父
そんな父のために、ウルトラの母はクリスマスプレゼントに心を込めた贈り物を渡す事に決めた。
ウルトラアレイの力をよりパワーアップさせるアイテムだ。
しかし、それを受け取るためには自身の大事なものを捧げなければならない、とキングに言われ…。

ウルトラの父と戦っている怪獣・超獣はスノーギランやリンドンなど父と因縁の深い面々である。


○はしれギンガ

原作:走れメロス
ウルトラの母の薬を買いに来たウルトラマンギンガとウルトラマンビクトリー
ところが城下町で、悪い王様が怪獣を昼夜を問わず扱き使い、反対した者は牢屋に入れていると耳にする。
ギンガは怒って王様に抗議をしに行くが、王様はギンガを捕まえる。
だが、ビクトリーが代わりに罰を受けると王様に進言し……。

改心した王様(ベリアル)の「俺様が間違っていた。誰かを信じると言うことはすばらしいことなのだな」は外見からまったく説得力がない台詞である。

なお、ウルトラシリーズの漫画版には「走れメロス」が名前の元になったウルトラ戦士が存在する。
地味に「ギンガ・ビクトリー組vsベリアル」は(偽物である)エタルダミーの時を除けば初めての顔合わせとなる。


○「ねんじゅうぎょうじ」ってなに?

原作:(オリジナル作品)
1年の中には、たくさんの行事がある。
お正月に節分、春はお花見、夏は花火、秋にはハロウィンも待っている。
ウルトラマンボーイや宇宙人たちと一緒に、いろいろな年中行事をみていこう!

マグマ星人がちょっと格好良い。


○ガラモンとりゅうぐうじょう

原作:うらしまたろう
浜辺を散歩していたガラモンは、子供たちにいじめられている恐竜戦車を目撃。
子供たちに飴を分け、恐竜戦車を逃がしてあげた。
それから少し経ち、友達と一緒に釣りをしていたガラモンの元にあの恐竜戦車がやってきた。
助けてくれたお礼に、竜宮城へ招待してくれるというのだ。
そして恐竜戦車の背中に乗ったガラモンの目に飛び込んだのは、大きな大きな竜宮城で……。

メインキャラ以外にも多数の怪獣・宇宙人が顔を出しており、ガラモンの友達もカネゴン、M1号作品繋がりである。
ただし竜宮城でガラモンをもてなしたのは歴代ロボット怪獣、サイボーグ怪獣やペダン星人で、
歴代ウルトラシリーズに登場した「浦島太郎」モチーフのキャラ(大亀ガメロン、パラダイ星人、大龍海他)は何故かほとんど登場していない


○ゴモラのちからこぶ

原作:きんたろう
静かな山奥で生まれたゴモラは、元気いっぱいな男の子。
お母さんの愛を受けてすくすく育ったゴモラは山一番の力持ちになり、怪力のスカイドンもあっという間に投げ飛ばすほどに成長した。
そんな彼に感服し、仲間になったスカイドンと一緒に街にやって来ると、ゾフィーが彼らに援護を要請した。
あのウルトラマンベリアルが町で大暴れしていると言うのだ……。

「え? 金太郎ってそんな話だっけ?」と思う方も多いかもしれないが、
元々は金太郎は武士・源頼光に仕え仲間たちと共に大江山の悪鬼・酒呑童子を討伐する物語の前日譚である。
プロローグどころかキャラ紹介と言ってもいいほど短い物語なのだ。


○きんのフライパン ぎんのフライパン

原作:きんのおの ぎんのおの
レストランでコックを営むミクラスは、ある日友達と一緒に山へピクニックに訪れた。
ところが、フライパンで水を掬おうとした時、うっかり泉の中に大事なフライパンを落としてしまったのだ。
ミクラスが困っていると、突然泉が光り出し、なんと中からウルトラマンキングが現れた。
そして、お前が落としたのは金のフライパンか、銀のフライパンか、と尋ね……。
ミクラスの職業がコックになっているのは、彼の上司、モロボシ・ダンを演じた森次さんの現況(俳優業の傍ら、洋食店オーナーを兼業)から…というのは考え過ぎだろうか。


○すごいぞ!はたらくおとうさん

原作:(オリジナル作品)
休みの日はいつもゴロゴロしてばかりのメトロンのお父さん。
普段は「出版社の営業」の仕事をこなしているようだが、説明されてもいまいちメトロンには分からなかった。
そこである日、こっそりメトロンはお父さんの仕事を見てみようと動き出し……。

冒頭でメトロンの友達のお父さんの仕事が紹介されているが、
ブラックキングのお父さんは大工と無難な仕事なのに対し、
バードンのお父さんは消防士、ブースカのお父さんはラーメン屋と色々と絶妙なチョイスとなっている。


○ゼロとまめのき

原作:ジャックと豆の樹
ある日ウルトラマンゼロは、困っていたザラブ星人から奇妙な豆を買った。
さっそく植えてみると豆はぐんぐん伸びていき、雲を突き抜け天へとそびえたっていった。
長く伸びた豆の樹を登っていくと、辿り着いたのは雲の上のお城。
そこでは悪い王様が、地上から攫ったユリアンを捕えていたのである。また陛下か!
ゼロはユリアンを助けるため奔走し……。

元ネタは「ジャックと豆の木」だが、主役はウルトラマンジャックではなく色々な事情でウルトラマンゼロになっている。
一応ウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュに力を貸すウルトラ戦士と言う共通要素はあるが……。

ただジャックが奇妙な豆をそうホイホイ疑わずに受け取るだろうか?という点もあるので、
良くも悪くも単純で直情型・ジャックより(あくまで比較的ではあるが)社会経験に乏しいゼロがキャスティングされた可能性もある。もしくは相手が陛下だからか。

また、ゼロとベリアルの初登場作品である『大怪獣バトル THE MOVIE ウルトラ銀河伝説』でもユリアンは登場するが、
全く敵わず他の戦士たち共々ベリアルに一蹴されている。残念。


○ちいさなレオのだいぼうけん

原作:一寸法師、『ウルトラマンレオ』第26話「ウルトラマンキング対魔法使い」
ちびすけレオは、何年経っても他のウルトラマンのように大きくなれないまま*1だが、勇敢で誰よりも元気。
そんな彼は、ウルトラマンキングの屋敷で修業を積むようになった。
働き始めて幾月が経ったある日、屋敷に悪い魔法使いが侵入し……!

上記の通り「一寸法師」を基にした物語だが、
実は『ウルトラマンレオ』第26話「ウルトラマンレオ対魔法使い(ウルトラマンキングのおくりもの)」もこの一寸法師の話が元ネタとなっており、
今回の物語のメインキャラはその『レオ』版一寸法師に基づいたキャスティングになっている。
二重の意味で原作再現エピソードなのかもしれない。ウルトラかいじゅう絵本はますます面白くなるねぇ


○ちゅうもんのおおいレストラン

原作:注文の多い料理店
キノコを採りに遠くの山にやってきたピグモン、ブースカ、お供のガーディー
ところが気づけば当たりはすっかり夜。3頭は疲れ、困り果ててしまった。
すると彼らが見つけたのは不思議なのレストラン。
そこで妙な注文に従っているうち、ピグモンとブースカはこの場所のとんでもない真相に気づき…!

幸い記憶は奪われなかったが、ピグモンとブースカには忘れられないトラウマが刻まれてしまったのであった。


○はみがきしないとどうなるの?

原作:(オリジナル作品)
歯磨きが大嫌いなゴモラ。今日もお母さんに怒られてしまうも、するりと逃げ出してしまった。
友達のザラガスも歯磨きが大嫌いなようだ。
ところが、そこに泣きながらドラコがやって来て……?
虫歯がモチーフな話だがピッタリそうな存在のシェルターは未登場。

公式ページでも序盤のページが閲覧できるが、ザラガスが何故かゴルザと誤植されている。


○ゼロとふしぎなおふだ

原作:三枚のお札
山に修行に出かけたウルトラマンゼロ
ところがそこで待っていたのは恐ろしいマグマ星人の屋敷。
星人につかまってしまい絶体絶命のゼロだが、父・ウルトラセブンから貰った不思議な三枚のお札を思い出し……。

一人称が「僕」、マグマ星人にビビって柱に隠れるなど色々と新鮮なゼロが楽しめる作品。
また、ゼロを追って来襲したマグマ星人とセブンが対峙するシーンは夕陽をバックにしており、因縁の対決にふさわしい光景になっている。


○ゆだんはきんもつ

原作:うさぎとかめ
車もあっという間に追い抜いてしまう俊足が自慢のケムール人
そんな彼はある日、ふとした事で鈍足のレッドキングと競争をする事になった。
当然自分が勝つに決まっている、と余裕綽綽のケムール人であったが……?

競争の審判や客はサンダーダランビアラゴン、そしてギンガと『ウルトラマンギンガ』に纏わる面々になっている。


○コスモスちょうじゃ

原作:わらしべちょうじゃ
立派な勇者を目指す若者・コスモス
カオスヘッダーゼロから「優しい心を持ち続ければ立派な勇者になる」とという教えを得たある日、
一輪のコスモスを拾った彼は薬売りのマザルガスにその花を譲ってあげた。
すると、あれよあれよとお礼の品からたくさんの出会いが繋がっていき…?

カオスヘッダーゼロやマザルガス以外にもギラッガスやザランガ、パラスタンなど『ウルトラマンコスモス』に登場した怪獣・宇宙人が続々登場する1作。
ただし何故かリドリアスのようなメジャー級ではなくマイナー級が多めである、
物語の内容も、「力で勝つだけじゃ何かが足りない」コスモスの世界観がうまく再現されている。

なお、元ネタが日本の昔話という事もあってか、内容は和風チックになっている。


○オーブとたびびとのふく

原作:きたかぜとたいよう
いつもなかよしオーブジャグラス ジャグラー。(by公式サイト)
顔を合わせれば競い合う2人は、ある日通りすがりのババルウ星人の服を脱がせたほうが勝ちという勝負を始める。
風ノ魔王獣マガバッサーの暴風で力任せに脱がそうとするジャグラーだが、寒さでかえって着込んでしまい、上手くいかない。よく吹っ飛ばなかったな
作戦を練るオーブ。果たして勝負の行方は?
よし!あいてのきもちになってみよう
勝負がついた2人(とマガバッサー、マガゼットン)は仲良く銭湯で汗を流すのだった。

満を持してついに登場のウルトラマンオーブと、永遠の宿敵ジャグラスジャグラー。
仲良く競い合う2人の姿に噴きつつ涙した人も多いとかなんとか。
旅人役のババルウ星人は髪型がまんま「馬場先輩」仕様になっている他、背景にもシャプレー星人や背景の癖にやたら目立つマガゼットンなどオーブに登場した星人・怪獣が登場。
ラストシーンもオーブといえば!のシチュエーションとなっている。

作画担当はカリカチュア・アーティストの渡辺孝行氏。
世界的に活躍している氏だが、実はこれが絵本デビューらしい。


○ベリアルとくものいと

原作:蜘蛛の糸
ある朝、天国を散歩していたウルトラマンキングは、蓮が茂る池の下に映る地獄を眺めていた。
そこで苦しんでいたのは、やはりと言うか何と言うか、殺人と略奪を繰り返した大悪党のウルトラマンベリアル
だが、キングは極悪非道のベリアルが行なったたった1つの善行を思い出した。
道端でうっかり踏みそうになった蜘蛛を助けた事を。

そこで、ベリアルを地獄から助けてあげようと蜘蛛の糸を下ろしたキングであったが…。

芥川龍之介が手掛けた名作短編小説を、これ以上無いほどぴったりなキャスティングで絵本化。
「かわいそうだ」と蜘蛛を助けるという中々見られないベリアルの優しい一面も描かれているが、結末は原作どおり…。
ちなみに地獄で苦しんでいる怪獣や悪徳宇宙人たちは、いずれも陛下が『ウルトラ銀河伝説』で生き返らせた連中である。


○ゴモラのえいようまんてんごはん

原作:(オリジナル作品)
いつも元気で力持ちのゴモラ
友達のドラコザラガスはその理由を尋ねるも、当のゴモラもわからない様子。
そこで、森の奥に住んでいるものしりじいさんに聞いてみると…?

何でも好き嫌いせず食べよう、というお話。


【余談】

  • 最初に発売された「3びきのかいじゅう」~「ダリーをやっつけろ!」までは、あいうえお館の公式ページで読み聞かせ動画が公開されている。
    また「はしれギンガ」もYouTubeの円谷プロ公式チャンネルで同じく読み聞かせ動画が公開されており、こちらは円谷作品でお馴染みの声優さんによる吹き替えが行われている。

  • 絵は複数の方が担当しているが、そのうち「くらしま かずゆき」は、
    moon』のキャラデザインやチンクルの声でお馴染み、あの倉島一幸さん本人。
    またヒカリンさんは倉島さんの奥さんのイラストレーターである。
    他にも、倉島さんと繋がりの深いイラストレーターのヲバラトモコさん、
    貼り絵イラストレーターのカワツナツコさんが絵を担当。
    上記の「まよいのもりとおかしのいえ」を担当したのはヲバラさんである。




ついき・しゅうせいのちからを みせてやる!

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最終更新:2024年04月09日 17:53

*1 つまり地球人と同じサイズになるのかどうかは不明