サドラ(ウルトラ怪獣)

登録日:2015/07/21(火) 19:54:22
更新日:2024/03/23 Sat 10:41:15
所要時間:約 8 分で読めます




サドラは、ウルトラシリーズに登場した怪獣の1種。
別名は「岩石怪獣」。

目次



【概要】

身長:60m
体重:2万4千t
大きな耳を持つ顔に岩も砕く牙、鋼鉄を切り裂くハサミのような手を有した二足歩行の怪獣。
肉食性であり、人間もその標的である。

全身は蛇腹のような関節に覆われており、非常に柔軟な体を有している。
また、その全身から分泌した体液を瞬間的に蒸発させることで、「電磁セリクションフォッグ」と呼ばれる磁力を狂わせる霧を噴出させる事が出来る。
サドラ自身は左右の耳に生物の発する微弱な電流を感じる器官があり、霧の中でも迷う事無く餌を探せる。
また、腕の先端にあるハサミは「重層ベローズピンチ」と呼ばれ、腕を自在に伸ばして獲物に襲い掛かる事も可能。

なお、喉には熱液袋と言う器官があり8万度の炎が吐ける能力を持つが、それが活かされた事は今のところない。

正式名称は「サドラ」だが、古い書籍には「サドラー」とされているものもあり、
企画当時はサソリモチーフだったために「サソラー」と言う名前だった。

現在の名前で落ち着いたのはテレビ東京の番組『ウルトラ怪獣大百科』で取り上げられて以降である。
なお、『レッドマン』までの個体と『メビウス』以降の個体では体型が異なり、後者は太めの外見になっている。

テレスドンやグドンとは何かと共演作が多い。


【登場作品】




【主な活躍】

◆帰ってきたウルトラマン

登場:「恐怖の怪獣魔境」(3話)
原因不明の転落死亡事故が続出し、魔の山と恐れられていた霧吹山に潜んでいた怪獣。
霧が立ち込める山に潜み、入り込んだ人間を次々に捕食していた。古くから住んでいたらしく、伝説にも人を喰らう龍として伝えられている。
なお、後述の『ウルトラマンメビウス』での設定で、この霧はサドラ自身が起こしていたものである事が明かされている。

調査のため単身降り立ったMATの加藤隊長を襲おうとするも、郷秀樹隊員の助けもあり一度は撃退された。
だが、霧吹山に潜んでいたもう1体の怪獣テレスドンデットンが出現。
戦いの中2人も巻き添えにされかかるが、命の危機を前に郷隊員はウルトラマン(ウルトラマンジャック)に変身。

新たな敵を前にデットンとサドラは休戦し、連携してウルトラマンに襲い掛かった。
一度は圧倒するも、奮起したウルトラマンの前にデットンがダウン。
その直後サドラも八つ裂き光輪で首を跳ね飛ばされ、倒されてしまうのだった。

ちなみに『ウルトラマン』時代は「ウルトラマンと戦う怪獣は1体だけ」と言うルールが定められており、
サドラ&デットンはその慣習を破った初の怪獣コンビとなった。

◆レッドマン

登場:26、28、116~120、122、125~127、131、133、134話

例の赤いあいつの番組。
他の怪獣同様、サドラもレッドアローレッドナイフを刺され、レッドキックをぶちかまされ、何度も何度も殺されたのであった。

着ぐるみは『帰ってきたウルトラマン』のものを引き続き使用。
その後『ウルトラマンタロウ』放送時に20分割され、雑誌『小学三年生』の読者プレゼントとして使用された。

◆ウルトラマンメビウス

登場:「逆転のシュート」(5話)、「戦慄の捕食者」(8話)
謎の女の力により、数十年ぶりに霧吹山に出現。得意の霧でCREW GUYSのメカニックにも影響を及ぼし翻弄した。

その後、東多摩ニュータウンに霧を伴い再び出現。女子高生やカップルを捕食しながら大暴れする。
謎の女の妨害も受けてGUYSは苦戦するが、イカルガ・ジョージ隊員の攻撃が弱点の耳に命中。
しかしそれでも進撃を続けたサドラの前に、ヒビノ・ミライ隊員がウルトラマンメビウスに変身し立ち向かう事になった。

霧で身を隠し、神出鬼没のサドラの攻撃に苦戦するメビウスの前に、GUYSはメテオールを解禁。
マニューバモードとなり、常識を超えた俊敏な動きでガンローダーを駆るジョージ隊員の援護射撃で霧が吹き飛ばされ、
最後はメビウスのメビュームシュートが決まり、サドラは撃破された――。


――と思ったとき、なんと新たなサドラが2体も出現。エネルギー切れ寸前のメビウス、絶体絶命!
だがその直後、その2体は謎の青い巨人『ハンターナイト ツルギ』のナイトシュートの前に一撃で倒された……。


なお、霧吹山に最初に出現したサドラと東多摩ニュータウンに出現したサドラは別の個体であり、
前者はGUYSとの交戦直後に謎の女=ボガールによって捕食されてしまった事が第6話での記録映像の分析で確認されている。
第5話だけで計4体のサドラが犠牲になったのであった。
その後も第8話に5体目のサドラが登場するも、やはりボガールの餌にされてしまった。

これ以降、サドラは噛ませ役や戦闘員的ポジションで登場する事が多くなってしまっている。

◆ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル

登場:「怪獣無法惑星」(1話)、「ベラルゴシティの罠」(5話)、「もう一人の怪獣使い」(6話)
謎の力によって怪獣無法惑星と化した惑星ボリスに不時着したスペースペンドラゴンのクルーが目撃した最初の怪獣の1体。
第27採掘基地付近でテレスドンと鉢合わせになり戦いとなったが、その途中になんとレッドキングが乱入。
テレスドンは逃亡に成功したがサドラは間に合わず、怪力で首を締め付けられてそのままダウンしてしまった。
『帰ってきたウルトラマン』で実現しなかった戦いがようやく実現したものの、乱入者のせいで散々な結末になってしまった。

その後、第5話で今度は多数のサドラの群れが出現。
惑星ボリスの首都・ベラルゴシティを本拠地にし、怪獣使い(レイオニクス)のケイトが操るファイヤーゴルザに戦いを挑んだが、
マグマパンチや強化超音波光線で全て撃破されてしまった。

続く第6話でもさらに多数の個体が群れをなして現れ、スペースペンドラゴンに襲い掛かるも、
またしてもワイバーンミサイルの前に全滅。続編の『大怪獣バトルNEO』でもサドラを操るレイオニクスは登場せず、
ますます噛ませ役のイメージが強くなってしまうのだった。

河本ひろしによる漫画版では遂にゴルザの手下に成り下がってしまった。
同じく軍門に下ったテレスドンやアーストロン、グドンにネロンガといった地底怪獣たちと共にゴモラを襲うも鎧袖一触された。

◆大怪獣バトル ウルトラ怪獣伝説 THE MOVIE

ウルトラマンベリアルの怪獣軍団の1体として登場。
次々に怪獣・宇宙人たちが倒される中でもしぶどく生き残ったが、ウルトラマンゼロ無双の前に結局は敗れ去っている。
なお、ベリュドラの体には『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンメビウス』の1体の合計2体のサドラが確認されている。

◆ウルトラゾーン

第1話のコント「怪獣転校生」に、私立小学校への転校生として登場。
熱液袋や弱点(耳)も含め色々なプロフィールを紹介された。喧嘩以外のことを考えると頭が痛くなるらしい。

また第7話のアイキャッチではテープカットに加わっていた。ハサミ状の手を持つを持つサドラには天職かもしれない。

◆ウルトラゼロファイト

登場:第1部「新たなる力」
バット星人グラシエが、ウルトラマンゼロの力試しといわんばかりに怪獣墓場から蘇らせた怪獣の1体。
グドンテレスドンベムラーと共にゼロを襲うが、役割はやっぱり噛ませであり、ストロングコロナゼロの力でグドン共々瞬殺されてしまった。

◆ウルトラマンギンガS

登場:「強さの意味」(4話)
ダークルギエルによって命の時間を停止させられた『スパークドールズ』の姿で登場。正式名称は「サドラ(SD)」。

最初はアンドロイド・ワンゼロがモンスライブして出現し、ショウ=ウルトラマンビクトリーと対決。
スパークドールズの力を自らに宿す「ウルトランス」と言う力の意義に悩んでいたショウの心の迷いを突いて戦いを有利に進め、
霧の中からの重層ベローズピンチの攻撃で危機に陥れた。

だが、礼堂ヒカルウルトラマンギンガの加勢で逆転され、ウルトラマンジャックの力・ウルトラショットによって倒された。

その後、サドラのスパークドールズはショウが受け取りを拒んだためにヒカルが回収。
ワンゼロがライブし、再びショウ=ビクトリーを追い詰めたグドンからの攻撃から、
ショウを心配して地底から駆けつけたレピを守るべく、ウルトライブを果たした。


聞いてくれ、こいつらは敵じゃない!

悪い奴に戦うための道具として操られていただけなんだ! 信じれば、きっと力を貸してくれる!


サドラの力で大事な仲間を助けたヒカルの心を受け取ったショウ=ビクトリーは、迷いを振り切った事でウルトランスに成功。
シェパードンの助けも借り、見事グドンを撃破した。

そして喜ぶレピの前で、ショウ=ビクトリー、シェパードンと共に、ヒカル=サドラも並び立ったのであった。

久々にやられ役や戦闘員ポジションから脱却。しかもスパークドールズの意義をその身をもって示す重要な役割を担うと言う優遇振りであった。
その後も攻防一体の武装「サドラシザース」として度々ビクトリーに力を貸している。

◆ウルトラマンデッカー

登場:第10話「人と怪獣」

ネオメガスと戦闘するも敗北し投げ捨てられた...所がGUTS SELECTの基地のモニターに一瞬映っただけ。鳴き声すら流れなかった。
『ギンガS』以来,久々に登場したと思ったらまたまた噛ませ、しかも今までで1番の扱いの酷さである...。
ちなみに着ぐるみは『メビウス』以降使われたものではなくアトラクション用のものである。


【余談】

  • 3万年前の光の国を襲ったエンペラ星人の怪獣軍団にもサドラの姿が確認されており、
    イラスト版では『ウルトラマンタロウ』で、実写版では『ウルトラマン列伝』などで登場している。

  • 『帰ってきたウルトラマン』当時に発売された怪獣図鑑には弱い者苛めが大好きな怪獣と紹介されていた。
    確かに自分より弱い人間にはめっぽう強いサドラだが、逆に自分より強い存在にはとことん弱いようである。

  • 「怪獣音頭」の歌詞にも登場しているが、何故か冷凍怪獣扱いされている。
    さらに言えばくしゃみをすれば大雪崩とお前只の雪山に住んでるだけじゃねーかという扱いである。

  • バンダイの怪獣ソフビ『ウルトラ怪獣シリーズ』ではメビウス放送に合わせて登場。
    腕を長く伸ばした「重層ベローズピンチバージョン」も発売されたが、定番ソフビには加われず限定版のみの発売に終わってしまった。
    だが、その後リニューアルした『ウルトラ怪獣500』では晴れて定番ソフビの一員に加わっている。



追記・修正は自らの汗で霧を生み出しつつお願いします。

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最終更新:2024年03月23日 10:41