T-シリーズ(ターミネーター)

登録日:2015/07/13 (月) 12:14:00
更新日:2024/02/15 Thu 00:21:53
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T-シリーズとは、映画『ターミネーター』シリーズに登場するアンドロイド「ターミネーター」の総称である。
実際にはTシリーズに含まれないターミネーターも存在しており、本項ではそれらについても紹介する。
だって単独で項目作れるほど情報量ないし……

  • 目次

基本設定

正確な型番(というよりナンバリング)は「サイバーダインシステムズ・モデルX0XシリーズXXX」
モデル番号は潜入型ターミネーターの擬態用生体外皮のモデルを指しており(シュワちゃんが演じたタイプは全部101型)、
シリーズナンバーは型番(T-800とか1000とか)そのもの。
T-600から850まではエンドスケルトン(本体骨格)の形状が類似しているため、全てモデル101か、
あるいは同等の大柄な男性への擬態しか想定していないと推測される。

顔こそ違えど、まったく同じ体格の潜入暗殺ユニットを複数回投入したら、どう考えても怪しまれる(実際、サラ・コナー・クロニクルズの回想シーンではデレクがTOK-715を一目見ただけでマシンだと看破した)というものだが、スカイネットがその辺を気にした形跡はない。
人類側の兵器では、プラズマライフルなどを除けば即時排除が困難だ、という性能面への信頼かもしれない。
なお、構造体、あるいは外装を液体金属で構成し、擬態機能が多彩化したT-1000やT-Xのような次世代型や、
そもそも潜入ユニットとしての機能自体が存在しない旧シリーズには、モデル番号がない。

ちなみに、なぜ潜入型ターミネーターが犬にモロバレするのかは作中でもハッキリしておらず、
半ば経験則的に犬を人間/ターミネーターの識別に使っているらしい。

映画の展開(続編のストーリー等)で未来が変わっていくため、各機種の開発年次にはズレがある。
また、『2』の後日談である『ターミネーター2:3-D』を含めると、『3』以降の内容と若干の矛盾が生まれる。


T-シリーズ一覧と簡単な解説

作中時間軸で最初に開発されたターミネーター。走行様式から戦車型とも呼ばれる。
元々はサイバネティック・リサーチ・システムズが歩兵の代替戦力として製作したもの。
二足歩行の制御系が未成熟などの問題から、キャタピラ走行式として設計され、明確にロボットだとわかる外見になっている。
展開する事でやや不気味な頭部が現れる。両腕前腕部が12.7mmガトリングガンとなっており、素体時の火力は潜入型よりも上。
ただし運動性や俊敏性では比較にならないほか、劇中で射撃、索敵、移動程度の単純行動しか行っていない。
そもそもの人工知能の思考性能自体が低く、無人ドローンのような運用が精々だと思われる。
サイズも大きく小型トラクター並となっている。

『3』小説版にて、T-Xの完成をもって廃棄されたことが描写されている。
戦車型ハンターキラーのベースにもなっており、開発史的には重要な機体。

なお、ガトリングガンの銃声が現実と違いすぎる(普通のマシンガンと同じになっていた)ことからコアなマニアにバッシングを喰らったが、
監督曰く「軍事に疎い視聴者にも分かりやすいようにわざとそうした」とのこと。

  • T-70(『ターミネーター2:3-D(ユニバーサル・スタジオのアトラクション)』)
90年代後半に新生サイバーダイン・システムズ(※)が開発した最初のターミネーター。
二足歩行型で両腕にマシンガンを備える緑色のカラーリングが異彩を放つ機体。
どうもバッテリー駆動らしく、充電1回につき2kmを走破可能で、マシンガンの命中率は80%らしい。
稼働時間が長いのか短いのかどうにも判断しづらいが、デモンストレーターなので問題ないのだろう。たぶん。
因みにキャッチコピーは「最強戦闘ロボ」。もっとマシなコピーなかったのか。

※『2』でのサラ達の行動で、サイバーダインのコンピュータ部門は大打撃を受けており、再編するはめになった。
それでも最長5年で二足歩行型を作ってのけるあたりは流石だが。

  • T-100(『ターミネーター4』)
スカイネットが作り出したT-1の改良発展型で、戦車型ターミネーターの第二世代段階モデル。
シルエットは若干スリムになったが、サイズはむしろ大型化した。T-1より頭部の主張は控えめ。
原型同様、武装は両腕のガトリングガン(銃口径不明)。
より汎用性に優れたT-600が実用化・量産化された為か、『4』作中では人間収容所の監視役としてのみ稼働していた。
パッと見た感じの印象は両肩の長距離砲を無くしたガンタンクっぽい。

  • T-500(設定のみ)
T-600のプロトタイプ。デカくてゴツい、らしい。
ゲーム『ターミネーター ドーン・オブ・フェイト』で敵として登場しており、見た目はデカくてゴツいロボコップ。
「T-500 Endo」とされ、T-70の発展形として人工皮膚ではなく装甲板で覆われており、潜入ではなく純粋な戦闘用マンハンターとして造られている。

  • T-600(『ターミネーター(言及のみ)』『ターミネーター4』『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』)
人型ターミネーター初の量産型。この型から偽装外皮を装備して潜入が可能になった。
しかし、全高2m以上の高身長、機械的なサンプリングボイス、偽装外皮や衣服でも隠しきれない各種駆動音と、まるで擬態性がない。
そもそも偽装外皮がゴム製など、あまりにも人間をナメくさった偽装であり、当然ながら犬を使わずともあっさりバレている。
まあ、そうは言ってもそのパワーや積載量が人類にとって脅威なことは確かで、人間ではまず不可能な圧倒的な重武装も可能。
劇中では市街地の哨戒や施設の防衛についていた。

骨格はチタン合金製だが、後発機に比べ材質のグレードが低いのか、耐久性で劣る。
また、首の後ろには制御系等の一部が露出しており、ここを攻撃されると機能に支障が出るという弱点も存在。
関節部の破壊などに対するフェイルセーフとして、各部位に小型の電磁コアを埋め込まれており、爆発などで吹き飛ばされた四肢を磁力で回収、応急接合を行い戦線復帰が可能。
この機能がT-800以降のモデル101シリーズに搭載されているかは不明だが、わざわざ外す合理性がないので恐らくは実装されていると思われる。

視覚センサーのデータ処理ソフトはT-800の前段階と思われる仕様で、色合いが薄くモノクロに近い可視光線画像に、赤色の文字やターゲットカーソルを重ねる方式。
これは『4』時点でのスカイネット軍の標準フォーマットのようで、後述のエアロスタットやハーヴェスター、モトターミネーターにも同様のソフトが搭載されている。
作中での描写を見る限り、後発機のような生体反応センサーを搭載していない模様。

  • T-700(『ターミネーター4』)
人型ターミネーター第二段階型にして、T-800の前段階。T-600より小型化されたが、やっぱりデカい。
構造はT-600を踏襲しており、ほとんどの個体がエンドスケルトンむき出しで登場する。
皮膚で覆われた個体も存在するが、偽装外皮が生体細胞なのかゴムなのかは不明。
作中時間軸などから察するに、T-800用偽装生体外皮の最終試験仕様である可能性はある。
配備もスカイネットセントラルのみでごく少数となっている。

  • T-800(『3』以外のほぼ全ての作品)
みんな大好き「ザ・ターミネーター」と言って過言ではない、ターミネーターと言われて真っ先に想像するであろう潜入型ターミネーターの完成型。
人間の細胞組織で覆っており体格も大柄だが人間サイズと、擬態としては完璧。詳細は項目を参照。
『新ターミネーター2』シリーズによると、パワーセル(水素電池)やプロセッサ以外は現代でも製造可能らしい。
『新起動/ジェニシス』で、生体細胞製だからか時間経過で偽装外皮が老化することが発覚。
また、CG合成された若いシュワちゃんと現在のシュワちゃんの共演がある。技術の進歩とはありがたいものだ。
完成度が高いのか様々な続編で運用されている。傑作の名機といったところか。

  • T-850(『ターミネーター3』)
T-800のアップデートモデル。詳細はT-800の項目をどうぞ。
未来世界でジョンが本機に殺された理由は「T-800シリーズに特別な思い入れを持っており、油断して殺された」というものであり、『3』が不評なのはこの点が大きいという話も。
T-800と比べボディの耐久性や知性など、全体的な性能そのものが向上していてウソも吐ける。

  • T-888(『サラ・コナー・クロニクルズ』)
現状で確認されているT-800シリーズの最新バージョン。通称『トリプルエイト』
複数機がタイムスリップし、各種任務(終末戦争を想定した資材備蓄など)に就いている。
そのうちの1機、ジョン抹殺を目的としていた個体「クロマティ(ジョンと接触した際に使っていた偽名が由来)」がキーパーソン。
プラズマガンで首を吹き飛ばされてなお時間すらまたいでジョン一向を追跡する、シリーズ上稀に見るレベルの執念を発揮した。
フレーム材質はコルタンにバージョンアップされ、ただでさえ高かった耐熱性がさらに強化された。ただし耐久力は下がっている為、現代兵器で破壊可能。
またT-800は電気に弱かったりしなかったが、T-888は高圧電流で一時的に機能停止状態に陥る。(再起動には120秒)
モデル101より潜入能力が格段に強化されており、一般人と見紛うほど。
まあ、外の人がシュワちゃんじゃないし……

何より凄いのは飲食が可能となったという点。ただしどうやって処理しているかは不明。また、休眠装置が付けられ眠る事もできる*1

ちなみに、ジョン達が倒した内の1体は情報を抜き取られそうになった際に電子頭脳を自壊させており、「再プログラム対策なのではないか」と推測された。
車で挟んだだけで腕がもげたりと、耐久性の低さはよくつっこまれる。

  • T-900(『ターミネーター3 ザ・レデンプション』)
ゲーム版にスカイネット軍の歩兵ユニットとして登場する。脇腹や肩の一部の色(赤黄緑)がタイプで異なる。
潜入型として設計されていないのか、生体細胞による偽装処理は施されていない。
機体は頭部を除き装甲で覆われており、開口部が少ないため、歩兵としてはT-800系列以前より優秀だろう。

流体多結晶合金製ボディの最新鋭(『2』時点)ターミネーター。詳細は項目をどうぞ。
最新鋭かつ唯一のプロトタイプだったためか、機能制御が不完全という欠点があった。
凄まじい修復性能と白兵能力から、「T-X以上に厄介なんじゃね?」と考察するファンも少なくなかったが、
久々に銀幕復帰した『新起動/ジェニシス』では割と速攻で倒された。外の人の差か……

最後の最後までしつこくしぶとく嫌らしく再生しては立ち上がり、執拗かつ冷徹にジョン一行を追い回したためか、
「ボスとしての格はT-Xより上じゃね?」などと言われることが稀によくある。
しかし、そもそも忘れてはならないのだが、T-800の時点で現代市民が所持を許可された銃器では破壊不可能なのだ。T-888の事は忘れろ
ましてT-1000ともなれば、本来は「お願いだから未来からプラズマライフルも持ってきて!」レベル。
スパス連射→40mmグレネードでダメ押し→溶鉱炉ドボンは、倒し方としては相当なイレギュラーである。まず溶鉱炉がねえよ。

独特な走り方をマネした人は多いはず。

  • T-1000000(『ターミネーター2:3D』)
スカイネットのセンターコア防衛用巨大ターミネーターで、通称『T-Meg』。
クモのような独特の見た目はインパクト抜群だが、要は超デカいT-1000。機能的にもT-1000同様。

  • T-1001(『サラ・コナー・クロニクルズ』)
T-1000の改良型で、より擬態速度が高まっており、思考回路も高度化した。
T-888同様に飲食も可能であるばかりか、なんと性交まで出来る。スカイネットの偽装技術の発展がうかがえる。
登場当初はスカイネット開発を目論んでいるようにも見えたが、それにしては開発に不利となる行動をとったり、
部下がスカイネット(の原型となるAI)に命の尊厳を教えたのに満足するなど、その行動は謎めき始め……

以下作中最大のネタバレにつきステルス。
作中世界において唯一、リプログラミングではなく、自らの思考と意志で人類軍に味方したターミネーター
その任務は「スカイネットに対抗可能なコンピュータ」の創造。

  • T-3000(『ターミネーター:新起動/ジェニシス』)
未来のジョン・コナーに擬態した新型ターミネーター。曰く「機械でも人間でもない存在」。
人間の骨格を模したフレームではなく、筋肉むき出しの人体が鋼になったような外観。
躯体の隙間から流れ出す砂状のナノ粒子で擬態を行う。

以下、作中のネタバレを含み、かつ未視聴のアニヲタ諸氏への配慮のためステルス。
コイツの特性を分かりやすく表現すると「感染するターミネーター」
本物のスカイネットが入っていた個体から注入されたナノ粒子が、ジョンの細胞を一種の金属細胞へと作り変え、
思考も人間のままでスカイネットに忠実になるように調整された、人間と機械のハイブリッド・ターミネーターへと変貌させてしまった。
全体的な機能はT-1000の上位互換で、ダメージを受けるごとに劣化するあちらとは異なり、
ダメージを受けても新たな金属細胞が増殖・機能を補填するので、機能劣化が起こらない。
また、人間をそのまま変貌させたことから、他のターミネーターでは足元にも及ばないほどの社会潜伏能力を持っており、
日常会話はおろか本人しか知り得ない情報も持ち合わせているため、余程のことが無ければ正体を暴くことが出来ない。

射撃武器を内蔵していない事から、戦闘力は下記のT-Xに劣ると思われがちだが、T-1000の腕部ブレードに加え、
老朽化していたとは言えT-800を正面から圧倒できるほどのパワーを持ち、分離・再結合による短距離の瞬間移動
ある程度の質量を数回に分けて移動しつつ攻撃することにより全く同じ打撃を一瞬のうちに何発も叩き込む連続攻撃
粒子を巻きつける事で偽装外皮を瞬時に喰らい尽くす浸食攻撃、粒子を飛ばす事で擬似的だが衝撃波を再現して内部構造にもダメージを与える等、
接近戦では人間はおろかターミネーターですらも圧倒できる。
T-1000に対しては衝撃波の内部浸透でCPUを破壊し放題、T-Xに対しても擬似瞬間移動からの衝撃波で死角を取り続けられるなど、
最大火力はともかく、総合的な戦闘能力ではT-Xに勝るとも劣らない。

欠点は粒子は磁力で結合している事で、コイルなどの強力な磁場を持つ物体で叩かれると一時的に結合出来なくなる。
しかし、コイル程度では動きを止めるのが限界で、破壊するには極めて強力な磁場を発生する装置が必要になる。
もう一つの欠点はほとんど性能試験をしておらず、まともな試運転もせずに投入した事で当機特有の問題を把握していなかった事。
人間そのものの知性や思考柔軟性、調整されたとはいえ強固な自我に加えてほぼ不死身の身体を持った事が仇となり、
素体であるジョンの戦闘経験やターミネーターの合理性といった長所を打ち消すほどの傲慢さを有してしまったのも痛かった。

まさかスカイネットも、「信じて送り出した必勝必殺の切り札が、厨二病こじらせて旧型に負けた件について」
なオチが待っていようとは、さすがに想定外だったに違いない。

そもそも、本機最大の問題は「ナノマシンの感染適合率が非常に低く、制作そのものがこれまでの比ではない超高難度」なことであり、
宿敵であるジョンを被験者として成功するまで、幾人もの被験者が失敗して命を落としていることに加え、
既にカイルが過去へタイムリープしていたこともあって、とても試運転や性能試験をする余裕がなかった。
即実戦投入というのは、スカイネットとしても不本意極まりないイチかバチかの賭けだったのだ。

その賭けの結果が「厨二病発症して旧型ナメくさった結果、人と機械の悪い部分が見事に出まくって負けました」
では、スカイネットも浮かばれまい……

  • T-5000(『ターミネーター:新起動/ジェニシス』)
同作に登場する新型ターミネーター。
作中最大のネタバレなのでフルステルス。
その正体はターミネーターに機能を移転したスカイネットそのもの
兵士の一人に擬態して抵抗軍に紛れ込んでおり、カイルが過去へ転送される直前で正体を現した。
背後からジョンに襲い掛かりT-3000化させるナノマシンを注入し、カイルの転送後にその場にいたジョン以外の抵抗軍を殲滅。
ジョンにその正体を明かしつつ、彼のT-3000化を見届けた。
どうやら時間軸そのものが変わることも見越していたらしく、新しい時間軸での審判の日に備えてT-3000を過去へと送り込んだ。

  • T-X(『ターミネーター3』)
捕獲・リプログラムされる旧型Tシリーズの存在を憂慮し、被鹵獲機抹消用途を含めて開発された。
言わば「アンチ・ターミネーター・ターミネーター」。詳細は項目を参照のこと。初期擬態がエロい。
固定武装が無かったこれまでのモデルとは異なり、プラズマキャノンや丸ノコなどの武装を内蔵しているのが特徴。

T-850のパワーセル自爆で物理的に倒されたため、溶鉱炉ドボンでようやくターミネイトされたT-1000に比べ「ボスとしての格に劣る」と言われることがある。
しかし実際両機種が正面から殴り合った場合、T-Xの持つ溶鉱炉にドボンしても耐えられるレベルの高熱耐性や防御性能、
内蔵プラズマキャノンによる特効ダメージなど、T-1000さんサイドはワンチャンどころか1000%負け確だったりする。
もっとも逆に言えばT-Xは対T-1000向けに特化してしまっているとも言えるが…

そもそも、隠密潜入/対人暗殺に特化したT-1000と、被鹵獲ターミネーター抹消も重要任務として想定され、
スペック(レベル)を上げて物理で抹殺(ターミネイト)すればいい」を地で行く物理攻撃全振り重アタッカーなT-Xでは、
設計/運用コンセプトが真逆であり、敵キャラとしての格はさておき単純な戦闘力を比較することそのものが野暮なのだが。

  • T-RIP(『ターミネーター4』)
“Resistance Infiltrator Prototype(レジスタンス潜入型プロトタイプ)”。英語版WikiによるとT-800のプロトタイプ。
製造されたのは元死刑囚のマーカス・ライトの脳と心臓を有する、人間ベース1体のみ。
T-800に使われた技術を用いて人体を機械化し、T-800の潜入テストなどを目的に開発されたと思われる。
骨格材質はTシリーズと同等だが、ワンオフモデルな為かより人体骨格を正確に模した形状。
生体外皮の外観は生前と全く同じであり、本人でさえ見分けがついていなかった。
心臓は強化されているが生前同様に弱点でもあり、心停止状態に陥ると機能停止する。
脳と心臓が人間なのでサイボーグに近いのだが、死刑執行後に再利用されているのでどちらかと言えばロボコップに近いか。

生前のマーカスをできる限り精巧に再現しているためか、同世代の機種に比べて俊敏性や精密動作性は極めて高い。
そのぶん純戦闘素体でもあるT-800に比べれば戦闘能力は劣るが、それでも十分人外級である。
だが何より彼の最大の武器は、自身の正体を知らされてなお折れも砕けもしなかった「心」だろう。

  • TOK715(『サラ・コナー・クロニクルズ』)
2027年に開発された少女型ターミネーター。スカイネットに捕らわれた、アリソン・ヤングという兵士がモデル。
潜入したまではよかったが、結局ジョンに捕まりリプログラミング。過去の彼を守るよう命じられた。
構造は従来のモデルを踏襲しているが、飲食や涙を流すなど、より“人間らしく”なっている。
過去に送り込まれて以降は、ジョンの妹キャメロンとして振る舞っている。

小柄で運動性と俊敏性に優れるが、パワーやタフネスでは従来型にやや劣る傾向にある。
というのも、元々は戦闘用ではなかったらしく、スカイネット側にいたころは音楽に関連する研究に従事していたらしい。
その分は格闘術などの技術で補っているようだ。
一度アリソンの記憶を自分のものと混同し、人間の少女そのもののように行動したことがあった。


T-シリーズではないターミネーター

  • I-950(『新ターミネーター2』)
バイオテクノロジーを用いて生み出した赤子を改造し、従来とは異なるコンセプトで生み出されたターミネーター。
Iは“Infiltrator(潜入者)”の略で、半人半機の人間ベース。
脳内のマイクロコンピュータでスカイネットと通信するほか、代謝機能までも精密にコントロールできる。
人間ベースのため、幼少期の教育によって感情と人間らしさを獲得可能で、より高度な潜入行動が可能。
さらに体内にラッピングしたCPUとパワーセルを隠し持ってタイムスリップし、現代でT-800を製造して使役するなどの芸当もやって見せた。

欠点は初期スペックにゆらぎのある人体がベースのため、規定値未到達個体がしばしば出るという不安定さ。
また、遺伝子操作で強化されたとはいえ所詮人体なため、身体能力はともかく耐久性は人間レベル。
加えて前述の人間らしさは、あくまで幼児期の教育による「後天的なもの」なので、スカイネット直々に教育された1号機のサリーナ・バーンズは無理なく抵抗軍や人間社会に溶け込んで見せたものの、
現代で生み出されたクローンの2号機であるクレア・ベネットは言動が無機的で、相対する者に威圧的な印象を与えてしまっていた。平たく言えばコミュ障。

それでも紆余曲折ありつつクレアは一度凍結されたスカイネットの開発計画を復活させる成果を挙げたものの、用途が用途だけにスカイネットも再生産を行う気は無かったようで「無能だった」と切り捨てていた。

  • ハンターキラー(ほとんどの作品に登場)
生命体掃討用無人戦闘システム。通称「HK」。戦車型の「ハンターキラー・タンク」とVTOL飛行機型の「ハンターキラー・エリアル」が有名。作品によって微妙にデザインが異なる。
『1』でカイルが「機械をコントロールしてる」と発言しているため、他のターミネーターを前線で統率・指揮する機械軍の将校か下士官のような役割がある模様。
ミサイルやフェイズドプラズマ砲で強力に武装しており、火力的にはエンドスケルトンより厄介。

『3』で登場したエリアルのプロトタイプは、偵察用のUAVに毛の生えたようなサイズではあったが、
ミサイルと機銃を装備するなど、対人掃討レベルには必要十分な火力を持っていた。

『4』では小型機と大型機の2タイプのエリアルが登場。
小型機はA-10 サンダーボルトⅡと大体同じくらいだが、大型機は同じ画面内に比較できるような対象物が見つからないので正確なサイズは不明。

スカイネットが歴史から消滅した『ニューフェイト』でもリージョン配下のハンターキラーが登場。
こちらは人間の航空機から大きく逸脱した、まるで昆虫めいたフォルムをしている。

  • ミニハンター(『ターミネーター2:3D』)
ハンターキラー・エリアルに格納された小型飛行マシン。後述のエアロスタットと形状が似ている為、後継機と思われる。
詳しい性能は不明だが、プラズマガンで武装しているためおそらく火力は上回る。

  • ハーヴェスター(『ターミネーター4』)
巨大ロボット運用試験/人類捕獲兼用ターミネーター。全高25mの巨体が特徴。
潜入型T-シリーズのより確実な潜入を期すため、研究材料である人間の細胞研究が必須と判断したスカイネットが開発した。
左肩にプラズマキャノンを1門備え、サイズ相応の火力に百発百中の攻撃精度から、純粋な攻撃メカとしてもなかなか厄介。
腹部の二本の副腕で人間の捕獲を行い、低い機動性は両脚に格納したモトターミネーターで補う。
見た目があまりにもアレすぎて破壊大帝監督から怒りを買った。
名前のハーヴェスターとは英語で「収穫する者」との意味。

  • モトターミネーター(『ターミネーター4』)
ハーヴェスターの脚部に格納されているバイク型マシン。驚異的な追跡能力と機動力を誇り、両側面にある2門のプラズマキャノンで武装している。
追跡時の妨害を排除するため、ある程度の自己判断能力も備えている。
1度コケると自力では起き上がれないが、高度なジャイロシステムを積んでいる為、普通のバイクでは確実にこけるような機動も難なくこなせる。
音に敏感な性質を利用してジョンに捕獲され、リプログラム&改造されてバイク代わりにされるシーンがある(小説版においては、ジョンはプログラムを書き換えてからしがみついていただけとされている)。
ジョンが搭乗できたことから、T-シリーズの搭乗による有機的戦力展開も視野に入れていたのだろう。
因みにベース車はイタリアのバイクメーカー・ドゥカティのハイパー・モタード。監督曰く「ドゥカティはカッコよくてパワフルだからピッタリだと思った」とのこと。

  • トランスポート(『ターミネーター4』)
非武装の大型輸送機型。
作中での最大搭載量は、ハーヴェスター1機、モトターミネーター2機、ハンターキラー2機。
見た目はハンターキラーの超大型版。同様にVTOL機能も備え、エンジンが2基増設されている。
捕獲した人間の収容スペースは機首にある。

  • エアロスタット(『ターミネーター4』)
円盤のような形の小型飛行偵察ドローン。ハンターキラーの斥候のような役割で他の機体に情報を送る。
偵察用のため非武装で戦闘はまったく考慮されていないし、耐久性も貧弱。

  • ハイドロボット(『ターミネーター4』)
水域哨戒用小型マシン。名前は“ハイド・ロボット”ではなく“ハイドロ・ボット”。
蛇かミミズのような細長いボディの先端に、六本の鉤爪と細身のドリルとセンサーを組み合わせた頭部と、
ニードルで構成された尾を備える。
元々は海底資源採掘用だったのを軍事利用したものらしい。
近接攻撃しか持たず脆いが、UH-1の装甲をやすやすと突き破る高い貫通力は脅威。

  • スパイダータンク(ターミネーター新起動/ジェニシス)
戦車型ハンターキラーの発展系に当たるモデル。
キャタピラの代わりに4脚を採用しており、走破性はこれまでのモデルと段違いに高い。劇中ではハンターキラー・エリアルに空輸され、空挺戦車のように直接戦場に投下されるシーンも存在。
両腕に装備した2門のプラズマキャノンにより、火力面でも申し分ない。
ただし、劇中で登場した際は本来の用途ではないであろう拠点防衛を担っていた為、自慢の走破性は殆ど発揮できなかった。

  • スプリングボックス(『新ターミネーター2』)
T-800やハンターキラーと共に機械軍の主力として運用されていた小型殺人マシン。
複数の脚に塩酸を充填した注射器を搭載しており、人間の頭に飛び付いて塩酸を直接脳に注入して殺害する。
機能としてはそれだけであり知能もイタチ程度だが、その分大量生産が容易で、抵抗軍の側からも小さくて四角からの接近を許しやすい上に、残骸の処理も危険を伴う厄介な存在と見られている。

リージョン製のターミネーター

スカイネットの存在が抹消された時間軸において、人類に反旗を翻したAI「リージョン」が制作したターミネーター「Revシリーズ」の最新モデル。ジョン・コナーに代わって人類抵抗軍のリーダーとなる女性ダニエラ・ラモス(ダニー)を抹殺すべく、2020年に派遣される。
T-Xのように内骨格を液体金属の外皮で覆った「デュアル・ターミネーター」なる存在であり、他人に成りすましたり手を鋭利な刃物に変形させるのはもちろん、最大の特徴として本体(内骨格)から液体金属(外皮)を分離させ、2体に分かれて行動することが可能。
他にも体表を棘のように変化させ拘束者を返り討ったり、手の部分を紙袋を持っている擬態させて拳銃を隠すなど、刃物等の金属類や衣服しか再現できなかったT-シリーズと比べて液体金属の機能も高度になっている。
開発元がAI(人工知能)であるためか人格面も洗練されており、自然な笑顔を見せたり、ジョークを言うなど人間らしい振る舞いもできる。しかし、やはり犬には吠えられたりケアレスミスから不信感を抱かれたことも。
内骨格は金属炭素製で、スカイネットのターミネーターと比べて人間の骨格に近い構造になっている。液体金属はざらついた質感で、色は黒い。

  • Rev-7(ターミネーター:ニューフェイト)
Rev-9より2世代前のRevシリーズ。グレースの回想にのみ登場。
リージョン配下の機械軍の主力であると思われ、多数が抵抗軍の輸送機を襲撃・撃墜したうえで兵士たちに襲い掛かっていた。
この時点で既に内骨格を液体金属で覆う「デュアル・ターミネーター」だが、人間への擬態は出来ない模様。
また液体金属自体の強度もRev-9より劣り、実弾銃の集中砲火によって破壊されている。


追記・修正は捕獲される、あるいは抹殺(ターミネイト)される前にお願いします。

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最終更新:2024年02月15日 00:21

*1 これは生体組織の老化を防げるシステム