ザ・魔雲天

登録日:2015/07/07 Tue 22:53:03
更新日:2023/10/23 Mon 11:51:37
所要時間:約 5 分で読めます





二枚目のテリーマンを粉々に打ち砕いてやるのは



このオレ 魔雲天よ!!



概要

漫画『キン肉マン』のキャラクター。「超人山脈」の異名を持つ7人の悪魔超人の1人。口癖は「ゲヘヘヘ」
「ゴツゴツした岩肌の山が柔道着をそのまま着た」と形容できる、インパクトとセンスのある外見が特徴。
鋭い眼光をしているが、登場した時は口がない丸目で無口だった。見ようによっては可愛いかもしれない。
キャラの濃い他の7人の悪魔超人に比べると特色はないものの、悪魔超人の狡猾さと男らしい友情を持ち、山の様にどっしりと構えている。
マウンテンを当て字しているその不気味なネーミングに渋さを感じさせる。

見たまんまのパワーキャラであり、悪魔超人一の握力を自負している。体格も全超人の中でトップクラス。
柔道着を着ている通り柔道技も得意にしているが、その巨体を活かしたパワーでの戦いを好んでいる。
また、「悪魔超人はタダでは死なない」の言葉通り、実力的に敵わない相手にも一矢報いようとする勝負根性の持ち主。


グフフフフッ キン肉マンのようなとぼけた顔じゃないだけに
つぶすのが楽しみってもんだぜ

マウンテン・ドロップ!その一発でな!!


プロフィール

出身:ネパール・エベレスト
身長:285cm
体重:1000kg
超人強度:50万or300万or500万パワー
年齢:21歳or53歳
得意デスマッチ:断崖絶壁デスマッチ
CV:北川米彦

イメージソング
地獄の山脈(歌:宮内タカユキ)



『キン肉マン』での活躍


「フッ…テキサスの化石にしてやるぜ テリーマン」


「くらえーマウンテンドロッ――プ!!」


7人の悪魔超人のうち、6番目に登場。
ステカセキングとの試合で入院したキン肉マンを休ませようと、
キン肉マンの格好をしてブラックホール戦にリングインしたテリーマンに必殺のマウンテン・ドロップを食らわせた。

その後、アイドル超人VS悪魔超人の全面抗争に入り、テリーマンを相手に秩父連山での断崖絶壁デスマッチを行う。
キャラ性が定まってなかったせいか、アイドル超人軍登場の際にはマジギレしていた。
山に紛れて現れるインパクトある登場をするが、そのせいかしばらく胴着を着ていないまま戦っていた。
ボディの硬さとテリーマンのシューズの紐が切れまくるアクシデントもあり、長期戦になるも有利に試合を運んでいく。
しかし、敗北した他の正義超人を馬鹿にした事によりテリーマンからの猛攻を受けてダウン。
そのまま追撃を受けそうになるものの、すんでの所で避けてマウンテン・ドロップを決める事に成功。
だが、不屈の心でテリーマンが蘇り、全身全霊を傾けられたブレーンバスターを食らい敗北した。

その直後、戦いの衝撃に耐えられずリングが落下。
「悪魔超人はタダでは死なん!」とテリーマンの足を掴んで道連れを試みる。
テリーマンは死んだとみんなが思い、特にキン肉マンは受け入れる事ができなかった。
しかし、紐が千切れたためにシューズが脱げ、テリーマンは奇跡の生還を見せる。

ちなみにこのエピソードは読者アンケートで初めて1位を取れた、作者にとって思い出の回だとか。
後の黄金のマスク編で悪魔六騎士により他の悪魔超人と共に斬首され、アシュラマンに腕を取られた。



夢の超人タッグ編では、準決勝のマッスルブラザーズVSはぐれ悪魔超人コンビの戦いで登場。
アシュラマンの呪いのキャンバスで他の悪魔超人と共に悪霊として復活。
2代目グレートであるテリーマンの正体に気づく、霊界ポケットを破壊、マッスルローリングを受け止めるなど悪魔超人の中でも活躍が多かった。
だが、悪霊から悪魔超人への昇格を認められるものの、最後にはマッスルローリングの勢いに負けてやはりやられている。



完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編では7人の悪魔超人として、動けない正義超人軍の代わりに無量大数軍と対決。
マックス・ラジアル戦のダメージがまだ残っているテリーマンの代わりに、グランドキャニオンでストロング・ザ・武道に戦いを挑む。
だが、武道は今回のシリーズではどう見ても重要キャラであり、「魔雲天なんかではどう足掻いても勝てない」と言う印象が読者にはあった。

以前より鍛え上げて大きくなった肉体を持ち、マウンテン・ドロップでの奇襲からのマウントからのパンチで攻撃を続ける。
しかし武道が上になった途端に、ただのチョップ一発で顔面に亀裂が入る。
反撃で放ったマウンテン・ドロップも、放つ直前にテリーマンのシューズの紐が切れたせいか、腹へのただのキックで止められて、
呻き声を上げながらダウン。
更に必殺技でも何でもない正拳突きで腹にクレーターが作られ、ローキックで軽く片足をもぎ取られる。
しまいにはアイアンクローからのワンハンド・ブレーンバスターにより、岩の身体から歯茎や眼球が露出するグロテスクな姿に。
尚も立ち上がる根性を武道に認められ、零の悲劇で人間として生かす恩赦を受けるものの*1
人間として生き恥を晒す事を拒んで耐えきり脇固めに入る。

「ど…どんなに醜かろうとあの“お方”にオレは超人として認められてこのリングに立っているんだ」

「人間として生き恥を晒すくらいなら死を選ぶわ~っ」

しかし、直後にテリーマンのシューズの紐が全て切れ、それを見たバッファローマンにギブアップを求められる。
だが、ギブアップもせず腋固めも効かず、武道の必殺技「“完武”兜砕き」で頭部を砕かれ敗北した。

……と、無残なまでにやられてしまったが、魔雲天が自分より遥か格上の武道に戦いを挑んだのには理由がある。
バッファローマンが悪魔超人軍に復帰し、7人の悪魔超人は自分が闘う相手を決めていく。
その中でバッファローマンは罪滅ぼしとして、相手の中で最も強そうな武道と戦おうとするが、それより早く志願したのは魔雲天だった。
魔雲天は自分達のエースであるバッファローマンのために、自らの命を持ってして捨て石になろうとしたのである。
最後には試合に敗れたものの、リングを自ら破壊して武道を掴み、共に谷底へ消えていく。
スゲェ…あの武道、落ちながら腕組んでる…

「いいことを教えてやろう… あ…悪魔超人はタダでは死なないんだぜ…」

どう見ても勝てない試合ながらもそこでドラマを描く、ゆでらしい手法が目立った試合である。
テリーマン戦では敗北からの苦し紛れに放ったこの台詞も、角度を変えて見れば実に頼もしい。

そして悪魔将軍ネメシスの対面が終わった頃、コミックにして10巻分後に案の定生きていた武道がようやく再登場。
しかも無傷のままだったが、魔雲天が道連れしようと掴んだ腕は切断されても尚武道を掴み続けていた。
当の武道からは「下等のわりにはよく頑張った」と、亡骸*2に感慨深く言葉をかけられている。

ちなみにアシュラマンVSジャスティスマン戦で、アシュラマンが生やした腕に魔雲天は存在しない。
当時死んでいた悪魔超人は魔雲天を除いて6人だったため、「単にあぶれた」「実はまだ生きている」などの意見が出た。
実際は武道を押さえこんでいたためであり、腕を持って行かれたら魔雲天は報われないところであっただろう。

その後もストロング・ザ・武道の正体が判明し、さらにその弟子である完璧超人始祖の悪魔騎士ですらほとんど歯が立たない圧倒的強さ、そしてその始祖達すらも遥かに超える武道自身の強さが明らかになるにつれ、武道相手にまともに戦いになっていた上に、しばらくのあいだ押さえ込むことに成功した魔雲天の株も上がっている。

キン肉マンⅡ世』での活躍

本編には登場しないが、「テリー・ザ・キッドの夜明け」にて登場する。
単行本未収録だが、新章連載の休載中にプレイボーイWEBで再掲載されたことがある。
大魔王サタンの目にその執念が止まり、次世代の正義超人たちを倒すために超人墓場から復活。
そして息子・暴留渓(ボルケーノ)を育て上げ、テリー・ザ・キッドに復讐する。
魔雲天の持てる超人柔術の必殺テクニック全てを注ぎ込んで育てた
暴留渓は魔雲天の頭部が噴火口になり、黒い胴着を上下着ている外見で柔術部のキャプテン。
火山らしい技でテリー・ザ・キッドを苦しめるものの、最後には敗北した。

ちなみに、ここで登場した中年の魔雲天は口元が武道戦の様に砕け、*3オーバーオールを着てトラクターに乗っている。
なぜ農業に精を出してそうな姿なのか、岩の身体でどうやって子供を作ったのか、1tもあるこいつが乗ってパンクしないタイヤはどうなっとるのか、
柔術はいつマスターしたのか、なぜ親子揃ってDQNネームなのか、嫁は誰なのか、謎は尽きない。



キン肉マンレディー』での活躍


「ナニ超ムカつく→ ころころするぞ→!」

7人の悪魔超人の一人、まうんタンとして登場。
初期の丸目に口、セーラー服を着て手首にシュシュらしきものを通しているデザイン。
ー(伸ばし棒)の代わりに矢印を使うコギャル系のキャラになっている。
「(ミートのパーツは)いざと言う時はあきらめなきゃいけない部位も出るかも」と言うドライな正義超人らにより、
「絶対取り変えさなければいけない部位」である腰パーツの半券を持っていたために第一試合の対戦相手としてキン肉マンレディーに挑まれる。
だが試合が始まる前に連載が終了した。
何故頭よりも腰が優先されたかについては、この作品の悪魔超人が「発禁レベルのファイトをする変態集団」であり、さらにリーダーのバッファローマン・ボニータが重度のショタコンであることからミートの貞操を守るためと思われる。



『キン肉マン マッスルグランプリ』での活躍

格闘ゲームシリーズでは『MAX』から参戦。
『2』ではなんとキン肉マン スーパー・フェニックスや悪魔将軍に並ぶ最強キャラの一角に。
固い・強い・遅いを地で行くキャラ性能に、強力なダウン追い討ち技のグラウンドインパクトを持っている。必殺技ゲージが貯まっている状態で、投げ技で相手のダウンを奪ってからのグラウンドインパクトを連発するだけで相手の体力をゴリゴリ減らしていくクソムーブが強力。
別コスチュームには登場初期のつぶらな瞳もある。



関連商品

埼玉県秩父市の老舗酒蔵・矢尾本店とコラボレートした純米吟醸酒『魔雲天』(定価2500円 税別)の発売が決定。
ラベルやパッケージには対テリーマン戦の名場面がプリントされている。
黄金のマスク銀のマスクがあしらわれた川連漆器ぐい呑み&収納用の特製木箱とのセット販売(12500円 税別)もある。
リアルキン肉マン世代の年齢を考えると客層に合った商品展開なのかもしれない。
その他、関連商品として秩父連山特設リングをモチーフとした一合枡、前掛け、Tシャツ(魔雲天単体の他にバッファローマンとの酒盛りverも)。
どれもTRESTのホームページで購入が可能。



戦績

× テリーマン(ブレーンバスター)
× ストロング・ザ・武道(完武・兜砕き)

2戦2敗2死亡と言う切なげな戦績。
テリーマンはともかく、武道に勝ったら元も子もないのでしょうがないのだが。

なお、魔雲天の超人強度は一般的に50万パワーと言う数値が知られており、この無残な戦績も無理なく感じる。
これはミートくんと同じパワーであり、7人の悪魔超人内ではぶっちぎりの最弱。
しかし、媒体によっては300万パワーだったり、ソーシャルゲームの「マッスルショット」では500万パワーとしても登場している。
300万パワーならバッファローマン、スプリングマンに次いでの7人の悪魔超人中3位だし、500万パワーなら2位にもなる。
どこぞのスニゲーターのごとく、誤植で500万パワーが50万パワーになってしまい、それが定着したのだろう。おそらく。

…とはいえ、超人強度はあくまで強さの目安のひとつ。
超人の実際の強さにはテクニックや経験など様々な要因が絡んでくる。
魔雲天の場合はその肉体、特に「重さ」「硬さ」「速さ」に着目すべきだろう。
魔雲天は超人会全体でもトップクラスのウェイトを誇り*4、またその見た目通り岩のような硬さの肉体を持つ。
しかも後述するように柔道技やトップロープからのダイビングも披露できる機敏さもある。
子供が投げた石つぶてでさえ凶器になりうるのに、1tもの巨岩が超人のパワーとスピードでたたきつけられたらどうなるかなど想像に難くない。

正義超人のバカどもが
どんなに体を鍛えたところで 所詮は筋肉!
オレさまのような岩石の体になれるはずもない!

見なテリーマン!
きさまの返り血をあびたオレの体は
さぞかし輝いて見えるだろうぜ!!


得意技

  • マウンテン・ドロップ
ザ・魔雲天を象徴する大技。285cmの体格と1トンもの体重で相手を押し潰す。
ただのボディプレスながらもシンプルイズベストを地で行く性能。
ただし、原理が単純すぎる上に隙も大きいため、ストロング・ザ・武道の様な実力者相手には反撃をもらう。
その場からジャンプして押しつぶす事もあるが、基本的にはロープで反動をつけて攻撃する。

「マッスルグランプリ」シリーズでは必殺技が両方ともこれであり、ロープを使う方を渾身のマウンテンドロップとして使用している。
通常の方ですらほとんどの必殺技より強いのに、渾身となると比類なき威力になる。


  • グラウンドインパクト
「マッスルグランプリ」シリーズで使用。
ダウン追い打ち技ながら相手のテンションゲージを上げない上に威力も高く、キャラランク上昇に一役買った。
他、横になって転がる「マウンテン・ローラー」、自身を中心に亀裂を走らせる「グラウンドゼロ」などの技も習得。
ミイラパッケージなどわずかな技しか持たないミスターカーメンも、このシリーズでは多数の技が追加されている。


  • 逆行霊界ポケット返し
マッスルブラザーズVSはぐれ悪魔超人コンビ戦で、呪いのキャンバスへの対抗策としてモンゴルマンが霊界ポケットをブロッケンJr.に投げる。
しかし、それに入ろうとしていたブロッケンを張り手で吹っ飛ばした。名称がついているので一応は技だと思われる。
この後、パンチで霊界ポケットを破壊している。


  • 柔道技(巴投げ、内股など)
ストロング・ザ・武道戦で使用。
自らのパワーのみで戦い、柔道技は使わないのが魔雲天の信条だったが、相手が相手だったためか流石に使用している。
しかし、どれも効果があったとは言い難いところ。



「いいことを教えてやろう… あ…悪魔超人はタダでは追記・修正しないんだぜ…」

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最終更新:2023年10月23日 11:51

*1 余談だが、一瞬だけ出てきた人間化した魔雲天は精悍な顔立ちでなかなかの男前である

*2 死んだとも言われていないが。

*3 ブレーンバスターや兜砕きで負った傷はないため、武道戦の傷そのものではないと思われる

*4 一位がキング・ザ・100t(1t~100t)、二位がタイルマン(5t)、三位がサンシャイン・ゴーレムマン・ザ・魔雲天(1t)