レナード・テスタロッサ(フルメタル・パニック!)

登録日:2015/07/06 Mon 10:49:57
更新日:2023/10/17 Tue 12:26:39
所要時間:約 4 分で読めます






このまま友情を育みながら死んでいく……そんな風になると思うか?



フルメタル・パニック!』の登場人物。


【人物】
ミスリルと敵対するテロ組織「アマルガム」の幹部の一人で「ミスタ・Ag」のコードネームを持つ。
テスタロッサの名字から察する通り、テレサ・テスタロッサの実の兄である。

テレサ同様ウィスパードの一人であり、妹以上の知能を有している。
性格は一見するとクールでニヒルな好青年を気取っているが、その内面は過去のあることが原因で現実を激しく憎む歪んだものになっており、
極めて粗暴かつ歪んだコンプレックスの塊そのものである。
外見はやや細身だが、肉弾戦でミスリルの諜報員レイスや宗介と互角に渡り合うほどその実力は高い。

現在の世界を滅ぼし、自らの望む「まともな世界」を作り上げるために千鳥かなめを必要としており、
そのためなら手段を選ばない。

【主な動向】
「終わるデイ・バイ・デイ」にて初登場。かなめを殺害しようとしたガウルンの部下夏玉蘭(シャ・ユイラン)(原作では飛鴻(フェイホン)という男性)に
自らの任務に刃向かったことを許す慈悲を与えようとするが断られ、小型ASアラストルで殺害する。

「つづくオン・マイ・オウン」ではベリアルを駆り自ら出陣。宗介のアーバレストを大破させ、かなめを連れ去る。
その後は彼女を丁重に扱っていたが、ある時彼女がうっかり放ってしまった銃弾を額に食らって(幸い無事だった)からは上記の本性を露わにし、
暴行や暴言を振るうようになる。

「せまるニック・オブ・タイム」にてヤムスク11内部にて宗介と対峙。
外部の戦闘が原因で建物に閉じ込められた両者は一時休戦。脱出作業を共に行う中、彼は宗介に自らの過去を語りだす……。



以下ネタバレ注意










彼が歪んだ直接の原因は、母親であるマリアのある行いであった。
夫であるカールが仕事で家を空けるため、それを退屈と感じた彼女がほかの男を家に連れ込み交際していたのを察していたこと、
家に強盗(ただし一説によればどこかの工作員)が入り込んできた際、彼女に身代わりにされたことで自らの存在を否定されたレナード。

やがてウィスパードの力を利用して今ある世界を滅ぼそうと企むようになった。
そして彼は自らの思想に共感したカリーニンと共に「世界の変革」を目論むようになる。
やがて両者は脱出に成功し宗介はかなめと再会するも、彼女はヤムスク11の奥に眠っていた初代ウィスパード・ソフィアの怨念に支配されており、結局目の前で奪還を許されてしまう。

そしてメリダ島での最終決戦。ベリアルの新装備「アイザンアン・ボーン・ボウ」でレーバテインを終始有利に追い詰めていく。


さっきは大口を叩いていたな、サガラ!


台無しにする? 邪魔をするだと!


やれるものならやってみろ!


だが宗介がテレサから伝えられた言葉「テレサは母親のやったことを知っているぞ*1)」を聞いて動揺。
激昂してレーバテインを破壊するも、宗介の奇襲戦法でベリアルのラムダ・ドライバを破壊され、敗北する。
(なおこの時かなめはこの光景をソフィアに見せつけられ「宗介が死んだ」と思い世界の変革を行うも、
「あいつがいなくてもあたしは生きていける」とガッツを見せつけ、自力でソフィアの怨念を消滅させて世界の変革を阻止した。)

自らの敗北を認めたレナードは宗介に「自分もまともになりたかった」「まともな人生を過ごしたかった」を胸の内を吐露し、
宗介自身もほんの少しだが彼に同情した。

しかしレナードは和解を良しとせず、自暴自棄になってかなめを爆殺しようとするが、彼を見限ったカリーニンによって射殺される最期を遂げた。



……母に己が存在を否定され、平凡な人生を得ようとした男の最後は、あまりにも悲しく虚しいものだった。




スパロボシリーズでは『W』『第3次Z』『V』にて登場。

Wでは原作が終わっていなかったため敵でありながら味方に協力すると言うトリックスターになっており、終盤でザ・データベースに「太陽系の知の記録者」と認められていた。

第3次Zでは原作小説版の設定を交えてZ-BLUEと敵対。
なんと自力で時空振動弾を開発しており、自軍を一時期バラバラにするという暴れっぷりを見せた。
最終決戦ではメリダ島ではなく第3東京市跡にて対決。ガドライトサイデリアルから盗んできたロンギヌスの槍を利用して時空の歪みを生み出し、無理やり時空修復を行おうとした。
(この際ベックからは「パラダイムシティみたいに俺から記憶を奪う気か」と嫌悪され、ハーデス神、宇宙魔王、ミカゲ、ズール皇帝に至っては「人間の分際で神の力を使う愚か者」とバカにしていた。
アドヴェントもこの場に来ており、レナードを「運命に抗おうとする存在」と興味を抱いていた。)
彼の死後、時空振動弾の研究は地球の科学者たちによって引き継がれ、宇宙怪獣退治のために活かされることになった。
ただ、ゲーム的には底力を所持していないため、画竜点睛を欠く。
星間軍事連合の侵略と宇宙の大崩壊が迫る中で結局は「ただの逃げ」を行おうとしていると自軍に看破されるなど、扱いは今ひとつ良くなかった。

Vでは宇宙世紀世界の出身で、当初は西暦世界で暗躍していたエグゼブエンブリヲと共に三つの世界を統合して作り変えるために暗躍。
だが、所々でエンブリヲに拘束されたアンジュを開放したり、「エンブリヲが気に食わない」と発言する等、自軍に協力的な態度を見せたりもしていた。
第3次Zで問題だった底力もイベント後に取得し、全体的に扱いが良くなった。
そして終盤のエンブリヲとの最終決戦。アンジュに敗れたエンブリヲが悪足掻きの凶行に及ぼうとするが*2、その前に満身創痍のレナードが立ち塞がる。

「なるほどな……キモい男というのは、こういうものか」

「…俺もこの男と同じだったとはな……。自分のやっていた事が嫌になる……」

エンブリヲの凶行を目の当たりにしたレナードはその姿に自分を重ね、遅まきながら今までやって来たことの意味を理解していた。
しかし逆上したエンブリヲの反撃で致命傷を負ってしまい、世界統合のデータを託して妹であるテッサに見守られつつ、穏やかな表情でその生涯を閉じた。

レナード「俺たち…出会い方が違ったら…友達…みたいなものに…なれたと思うか…?」

宗介「…仮定の話をしても仕方ない」

レナード「最後まで可愛くない奴だ…サガラ…俺にお前くらいのガッツがあれば…な………」



追記・修正はウィスパードの力で現実逃避してからお願いします。



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最終更新:2023年10月17日 12:26

*1 (この場での「母親のやったこと」とは「レナードを己の身代わりにした事」と「浮気をしていた事」の二通り或は両方が考えられるが、劇中の描写からしてレナードは後者だと受け取り、テッサもまたその言葉を宗介に伝える時の様子から、後者の事を示していたと思われる。

*2 ルートによってこの辺のエンブリヲの動向は若干異なり、通常ルートだと屋内から避難中の女性陣を道連れにしようとし、困難ルートではアンジュと共に歌うことで邪魔をしたラクスの乗るエターナルを破壊しようとしている。レナードは前者の場合だと生身で、後者だとベリアルに搭乗してエンブリヲのヒステリカと対峙する違いがある。