アルスラーン戦記(荒川弘)

登録日:2015/07/04 Sat 19:02:37
更新日:2024/03/06 Wed 07:11:49
所要時間:約 6 分で読めます




少年は、そして王となる―

田中芳樹の大河ファンタジー小説を原作とした荒川弘の漫画。

■概要

別冊少年マガジン2013年8月号より連載開始。2017年5月現在、既刊7巻。

2015年4月からTBS日5枠にてアニメ化された。
アニメは原作の第1部を中心に、全25話。
2016年7月より同じ枠で続編『風塵乱舞』(全8話)が放送された。

映像ソフトの販売元はNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンで、
この枠で初めてアニプレックスとバンダイビジュアル以外の企業から円盤が発売された。
もっとも、主題歌は例に漏れずソニーミュージックだが。

同作の漫画版は、かつて中村地里の手によるものがあったが、
本作はモチーフとされる古代ペルシアの習俗をかなり取材しており、特に甲冑のデザインの違いが顕著である。

■あらすじ

パルス国王太子・アルスラーンは初陣となったアトロパテネの会戦で大敗を喫し、臣下の万騎長・ダリューンと共に落ち延びた。
その後、隠遁生活を送っていたダリューンの旧友ナルサスとその従者エラム、自称旅の楽士ギーヴ、
ミスラ神殿の女神官ファランギースを仲間に加え、王都エクバターナに戻るが、既に敵国ルシタニアの手に落ちていた。

こうして、アルスラーンの祖国を取り戻す旅と戦いが始まった。

■登場人物


【アルスラーン一行】

  • アルスラーン(CV:小林裕介)
主人公。パルス国王太子。
心優しいが臆病という典型的なヘタレ王子だったが、多くの戦いと駆け引きを経て、王の器として成長してゆく。
1期EDでラクダにペロペロ(^ω^)されているときの顔は牝だけどな!!
デザインが男の娘的で、姫殿下やらヒロインやらネタにされることも。

パルス国万騎長(マルズバーン)のひとり。
戦士の中の戦士(マルダーンフ・マルダーン)、猛虎将軍(ショラ・セーナニー)などの異名を持つ、敵、味方双方から「人間相手ならまず負けない」と認識されている。単純な武力なら一行の中でも最強。王太子としてではなく、アルスラーン個人に対して忠誠を誓う。
ナルサスとは旧知の間柄。
きれいなキンブリー

政戦両略に長けており、かつてチュルク・トゥラーン・シンドゥラの3国が攻めて来た際、流言を用いて内紛を引き起こし、見事撃退した。
パルス国ダイラム地方の元領主にして元宮廷書記官。
アンドラゴラス王からはその知略を重宝されていたが、諫言を疎まれたため辞職。
身分と役職を返上して隠遁生活を送っていたが、王都奪還の暁に宮廷画家として召し抱えることを条件に一行に加わる。
しかしダリューン曰く、絵はヘタクソ。
一行の中では圧倒的に頭脳派だが、実は剣術も達者で、千騎長すら一蹴するほどの腕前。

ナルサスの従者である解放奴隷の少年。
ナルサス所有の奴隷だった両親の遺言に従って、ナルサスに仕えている。
当初、アルスラーンに対してはやや冷たい態度を取っていたが、行動を共にする中でアルスラーンとの親交を深めていく。

  • ギーヴ(CV:KENN)
自称・旅の詩人で演奏技術はエクバターナの女官をうっとりさせるほどだが、剣や弓の扱いにも長ける。
ファランギースを目当てに一行に加わるが、当の彼女からは相手にされていない。
王族というものに対して否定的な考えを持っている。しかし、アルスラーンが「王族らしくない」ことから興味を持ち始める。
敵の捕虜になったシャプールの「敵に穢されるより味方にとどめを」との言を受けて遠矢で射殺した。

ミスラ神殿の女神官で自他共に認める絶世の美女。
先代の神官長の遺言により(本人曰く)半ば厄介払いのような形でエクバターナに派遣されるが、その途中でアルスラーン一行にギーヴ共々加入する。
坂本女史は日5枠の前作に引き続いて痴女ルックのキャラを演じることになってしまった。

  • アルフリード(CV:沼倉愛美)
ゾット族の長ヘイルターシュの娘でメルレインの妹。
陽気で気は強いが、捕虜となったルシタニア避難民の面倒をこまめに見てあげるなど細やかで情に厚い性格。
縄張りに侵入したヒルメス一党を父や手下と共に襲うが返り討ちに遭い、ナルサスに助けられた。
そのまま同行し、父の敵討ちも兼ねてアルスラーン陣営に参加する。

シンドゥラの黒豹と呼ばれた元シンドゥラ国の将。
誠実で生真面目、温厚で義理堅い男。元々はガーデーヴィ派の宰相マヘーンドラの命令でラジェンドラ陣営に潜入していた。
ガーデーヴィの敗北、父のように慕うマヘーンドラの死で行き場を失っていたところをアルスラーンにスカウトされ、戦闘でアルスラーンに3度命を助けられた恩を返すべく陣営に加わる。


【パルス国】

  • アンドラゴラス三世(CV:菅生隆之)
パルス国王でアルスラーンの父。
武勇に秀でた王だが、自ら軍を率いたアトロパテネ会戦で大敗を喫し、ルシタニア軍に囚われてしまう。

パルス国王妃でアルスラーンの母。
夫ほどではないが、アルスラーンには冷徹な態度で接する。
エクバターナ占領後はルシタニア王に献上される。

  • ヴァフリーズ(CV:津田英三)
パルス国大将軍(エーラーン)。ダリューンの伯父にして、アルスラーンの武術指南役。
アトロパテネの会戦で撤退中に銀仮面卿に討たれ戦死。
会戦の前には甥であるダリューンにアルスラーン個人に忠誠を誓うように望むなど、
アルスラーンの出生に関わる、ある重大な秘密を知っていた。

パルス国万騎長。アトロパテネの会戦の時には、東方国境のペシャワール城塞をバフマンと共に守備していた。
2本の剣を使うことから、「双刀将軍」(ターヒール)とも呼ばれる。
先祖代々パルス王家に仕え、キシュワードを含めて1人の大将軍、8人の万騎長を輩出した名門の出。
告死天使(アズライール)と告命天使(スルーシ)という2羽の鷹を飼っており、伝令役としても重宝している。
アルスラーンが奴隷解放を即位後に行おうとしていることを打ち明けた際には、反対はしないものの、貴族等の反発を招くことを危惧した。
アルスラーン一行が城塞に到着後は、王都奪還の挙兵に応じる。

  • バフマン(CV:武虎)
パルス国万騎長。キシュワードと共にペシャワール城塞を守備する。
パトロアテネの会戦の前に、ある秘密をヴァフリーズより託され、苦悩することになる。
アニメでは、城塞内でアルスラーンがヒルメスに襲われたところを身を挺して庇い、死亡する。
かつてはヒルメスの教育係でもあった。

パルス国万騎長。左眼が一文字に潰れている。「ほら吹きクバード」の異名を持つ。
第一次アトロパテネ会戦での万騎長の半数が戦死または捕虜になる中を生き残った。その後は軍を離脱し各地を放浪、サームに請われ一時はヒルメスに仕えた。
反骨心が強く、気に入らない相手であれば、王族相手でもそっぽを向くようなところがある。

パルス国万騎長。イスファーンの異母兄、同じ万騎長のクバードとの不仲は有名で、列に並ぶ時には必ず両端に離れて立つと言われるほど。
第一次アトロパテネ会戦でルシタニアの捕虜となる。エクバターナの城門前にて、ボダンによる拷問の最中にパルス軍によって殺されることを望み、ギーヴの放った矢によって射殺された。

  • ガルシャースフ(CV:乃村健次)
パルス国万騎長。第一次アトロパテネ会戦には参加せず、サームと共に王都エクバターナの守備の任に就いていた。優れた武将だったが、同僚のサームと比べると即戦即決派で、また奴隷に対しては冷淡な態度をとった。エクバターナ防衛戦で勇戦するも戦死する。

  • マヌーチュルフ、ハイル、クルプ、クシャエータ
パルス国万騎長。第一次アトロパテネ会戦に参戦し戦死する。


【銀仮面卿とパルス反乱軍】

ルシタニア王国客将。その名の通り銀色の仮面を着けている。
アトロパテネの会戦では彼の策が効を奏し、ルシタニアを大勝に導き、ヴァフリーズを討ち取り、アンドラゴラス王を生け捕りにした。
アンドラゴラスには個人的憎悪を持っているようだが……?
正体は先代パルス王オスロエス五世の息子・ヒルメス。つまり、「本来ならパルス国王を継ぐはずであったが、アンドラゴラスにより王位を簒奪された」として憎悪をたぎらせる。
一般には火事で死亡したとされていたが、実は生き延びており、アンドラゴラスへの復讐のためにルシタニアと結託して舞い戻って来た。

  • カーラーン(CV:大川透)
パルス国万騎長だったが、アトロパテネの会戦で祖国を裏切りルシタニア側に付く。
その後はアルスラーンの首を獲るべく略奪を行って炙り出そうとしたが、
ナルサスの策によって逆に炙り出され、ダリューンに追い詰められて、事故同然に死亡した。

カーラーンの息子。カーラーンの死亡後は、父と同じくヒルメスに仕える。
アニメでは大剣を用い、アルスラーン一行の追撃を指揮した。
追撃中、ダリューンとは二度対峙する。二度目の対峙で落馬し、ダリューンに槍を突き付けられ逃走しようとしたところを、ファランギースに射られて崖から転落した。

  • サーム(CV:家中宏)
パルス国万騎長。城砦の攻防に定評があり第一次アトロパテネの会戦には参加せず、ガルシャースフと共にエクバターナの守備に就く
エクバターナ陥落時に捕らえられ後ヒルメスの秘密を知らされ、苦悩の末、ルシタニア人をパルスから追い出す事を条件に配下となり、参謀として活躍する。


【ルシタニア王国】

  • エトワール(CV:内山夕実)
バルカシオン伯に仕える、ルシタニア王国騎士見習い。
かつて捕虜としてエクバターナに連行されたが、町に降りてきたアルスラーンを人質に取り脱出に成功。
アトロパテネ会戦後は占領軍として再びエクバターナにやって来た。
アルスラーンの顔は覚えていたが、「タダの貴族のおぼっちゃん」という認識で、「お尋ね者のアルスラーン」だとは気付いていない模様。
ネタバレ:実は女で、本名はエステル。
物語冒頭で捕虜として初登場するのは漫画版のオリジナル展開である。

  • イノケンティス七世(CV:桜井敏治)
ルシタニア国王。イアルダボート教の熱心な信者でもある。
酒の代わりに砂糖水を飲み、その外見は太りきっている。
政治への関心は薄く、弟のギスカールに殆どを任せている。
パルス占領後、敵国の王妃で異教徒でもあるタハミーネの美貌に惚れ込んでしまい、臣下の信用を失っていく。

ルシタニア公爵。イノケンティス七世の弟。
政治に関心を持たない兄に代わり、ルシタニアの実質的な最高権力者となっている。
政治と軍事の両方に精通し、臣下からの信望も厚い。
イアルダボード教にのめり込む兄や、狂信者であるボダンなどといった人物達に振り回される苦労人でもある。
兄からはいつも厄介事を押し付けられることもあり、王位への野望を持っている。

  • ジャン・ボダン(CV:斎藤志郎)
ルシタニア王国国教会の大司教であり、同教会の異端審問官。
イアルダボード教以外の宗教を認めず、焚書や虐殺を厭わない狂信者。
教会直属の聖堂騎士団を配下に持ち、ギスカールとは政敵の間柄。
異教徒との婚姻を望むイノケンティス七世に対しては怒りを露わにし、パルスの大図書館所蔵の書物を焚書する際には、
国王の目の前で邪心を持っていると言い放った。


【シンドゥラ】

シンドゥラ国第二王子。気さくであるが厚かましい一面を持つ青年。
笑顔の下に利己的な計算を隠した野心家であり、アルスラーンの協力を得て異母兄ガーデーヴィと王位を争う。
窮地に躊躇なく泣きつく一方でパルス軍を使い倒す算段を立てたり(当然ナルサスには看破されている)と妙に人間臭く、
アルスラーンを除いて一行からの印象はあまりよくないが、それでいて害意を抱かれるほどでもないという不思議な関係にある。





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最終更新:2024年03月06日 07:11