地獄は満員(世にも奇妙な物語)

登録日 :2015/07/01 Wed 08:17:06
更新日 : 2016/12/16 Fri 20:50:54
所要時間 :約 3 分で読めます




「地獄は満員」はTVドラマ世にも奇妙な物語04年秋の特別編で放送された作品。戦車のRPGは関係ない。


【あらすじ】
暴力団・重松組の組長である重松剛三(津川雅彦)は、悪行の限りを尽くしてきた男。
だが健康診断の結果、悪性の腫瘍が見つかり余命半年を宣告される。

肩を落とし病院から出た瞬間、何者かに腹を滅多刺しにされ倒れる。
だがこの時、世間ではある不可解な現象が起き、テレビでは臨時ニュースが流れていた。
「今日、全国各地で、死亡した人間が蘇るという大変奇妙な現象が起こっていますが、この蘇り現象の原因がたった今、わかりました」
「地獄が、満員になったようです」
「そのため、地獄行きの悪人は、死後に逝き場がなくなり、この世に戻ってきてしまうようです」
重松は目を覚まし、起きあがった。「…あら」


言わば不死身の肉体を得た重松は気を良くし、行きつけのクラブを貸し切り組員を集めおかえり会を開かせる。そして組員たちに、悪事の限りを尽くし生き続けろと命じる。

その帰り道。死にたくないあまり悪人になろうと悪事を働き、もはや暴徒と化した市民たちを見かけると、重松は扇動するように一緒に暴れる。
その時、暴徒の一人に拳銃で数発撃たれてしまう…


翌朝、病院のベッドで、重松は何事もなかったようにさわやかな目覚めを迎えていた。
「どこも痛くねえや。はっはあ~、悪人ってのは得だなオイ!」

しかし、とっさに重松を庇って一緒に撃たれた若頭・武藤(松重豊)は、死んでしまい生き返ることはなかった。
長年共に悪事を働いてきたのに、なぜ武藤だけが地獄でなく天国送りになってしまったのか?武藤の服を掴むと、白い羽根が落ちてきた。

武藤を喪い、一人町を放浪する重松。相変わらず、市民は暴動を繰り返している。
「…どっちが地獄だか」重松は冷めた目でそう皮肉った。



後日。最悪の治安の中でも、必死に声を張り上げ募金活動をする少女(美山加恋)に、重松は吸い寄せられるように財布の万札ひとつかみを募金した。
少女は笑顔でお礼を述べ、重松に白い羽根を手渡す。
重松は、武藤が募金を行っていたことを知った。


帰り道。暴動が止む気配はない。気弱そうな男性が重松を呼び止める。
「悪いけど、死んでもらうよ!あんた殺せば、僕の地獄行きは決まるんだ!」
包丁を振り回す男を、重松は軽く返り討ちにする。
「なんでそんなに生きたいんだよ。こんな世の中で生き続けて、なにが幸せなんだ!」



翌日。あの少女を見掛けた重松は、引き止める舎弟たちを蹴り飛ばし、募金活動に協力し始めた。
その日から、重松は少女と共に募金を呼びかけ続けた。


ある日の募金活動の帰り。少女の悲鳴を聞きつけた重松。
以前襲いかかってきた男が、少女の募金箱を強奪しようとしていた。
格闘の末、男に刺されてしまった重松。
なんとか男を追い払うことには成功したが、重松は倒れてしまう。
「おじさん!」
「あぁ、お嬢ちゃん…会えて、よかった…ありがとう…」
そして、重松は息を引き取った。



重松の葬儀が執り行われた。
少女も参列し、涙を浮かべて棺を見つめている。
その時、棺のふたがゆっくりと動いて、重松が立ち上がった。
「どうあっても、俺は死ねないってわけだ」
「おじさん!よかった、おじさん生きてて!」
「組長!組長はやっぱ、悪人の中の悪人だったんすね!」

だがそうではなかった。

「ここで緊急の情報が入ってきました。地獄の拡張工事が終わった模様です。続いて、天国が満員になったようです。善人は死にません」



「その内、天国だって拡張工事になるさ。どうせ生き続けるなら、ちったあマシに生きなきゃな」
重松は香典をすべて募金箱に突っ込む。
「俺がもらった香典だ。文句あるか?」
重松は少女に満面の笑みを向けた。

追記修正は募金をしてからおねがいします

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