龍王/Dragonlord(MtG)

登録日:2015/06/23 (火) 01:09:00
更新日:2023/05/03 Wed 22:50:01
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今、ここは我らの世界だウギン

我らのタルキールだ

かつて龍と氏族が争ったこの場所で、

今、龍と氏族は一つになったのだ。

――――――サルカン・ヴォル



龍王/Dragonlordとはサルカンによる運命再編後のタルキールで5つの氏族を総べるドラゴンたちである。全員2色のマルチカラーでレジェンドのエルダードラゴンサイクル以来となるエルダー(elder)のクリーチャータイプを持つ。

ドラゴン大好きなサルカンが主人公ということで、久々にドラゴンが主役環境になるのではと、ドラゴン好きプレイヤーの心を躍らせたタルキールブロック。
しかし、蓋を開けてみると最初のエキスパンションことタルキール覇王譚ではドラゴンが絶滅したという設定なのでサルカン以外のドラゴンは出てこない(当たり前といえば当たり前だが)。
続く運命再編では、強力なドラゴンのPWこそ登場したものの、肝心のクリーチャーの方は《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》がちょっと注目を集めた程度で、他のドラゴンたちは優良な除去を豊富に持つアブザンがトップメタに君臨していたのもあり、とても環境の中心になれる性能ではなかった。
サルカンが主役なのに、ドラゴンが主役の環境にならない・・・(一応サルカンや嵐の息吹のドラゴンは単体で活躍してたが)。
世のドラゴン使い達の間に「どうせ種類が豊富なだけで、環境の主役になれるようなドラゴンは出ないのでは?」と不安がよぎる。
そして、タルキールブロック最終エキスパンション、「タルキール龍紀伝」でついに彼らはやってきた。
登場当初こそ、マナコストの重さと除去に対する耐性の弱さで敬遠されがちだったが、研究が進むにつれてポテンシャルを発揮できる構築が開発され、瞬く間に環境に広まることとなった。
スタンダードもまさにサルカンが望んだ理想世界となったのである(アブザン~? 緑信心~?聞こえんな~)。






Dragonlord Dromoka / 龍王ドロモカ (4)()()
伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) ドラゴン(Dragon)
龍王ドロモカは打ち消されない。
飛行、絆魂
あなたのターンの間、あなたの対戦相手は呪文を唱えられない。
5/7

ドロモカ氏族(旧アブザン氏族)の龍王
6マナ5/7とドラゴンにしては良好なマナレシオに加えて、メリット効果を4つも持つのが特徴。
絆魂持ちフライヤーの強さは《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》が証明済みである。
さらに自身も打ち消されないことに加えて、自分のターンの間相手は呪文を唱えることができない≒相手は自分のクリーチャーを打ち消すことが出来ない&戦闘を邪魔されないという、青の打消しや妨害に悩まされるセレズニアカラーには非常にうれしい能力を持つ。

これだけの能力を持ちながら、登場当初は敬遠されがちだった。
というのも、当時のスタンダードでは除去を豊富に持つアブザンがトップメタに君臨していたため、CIPか除去耐性を持っていないファッティクリーチャーは仕事をせずに除去されると考えられていたためである。
しかし、登場からしばらく進んだ現在では高いフィニッシャー性能と対コントロールでの強さが徐々に評価され始め、現在ではバント大変異やドラゴンメガモーフで活躍するようになった。

外見は発達した下あごと強靭な鱗が特徴のドラゴン。
光のブレスを吐き、浴びた者を消滅させる。ちなみに彼女に選ばれた戦士はブレスの上に乗って移動できる
とってもマッシブな外見からは想像もできないが女性である。

もう一度言う、女性である。

まあ、人間視点であのごついリースさんがデアリガズ氏曰く見惚れるほどの美人なので、彼女もドラゴン基準では美人なのかもしれない。(ただし、他のドラゴンが彼女の外見について語る描写は今のところないので、ドラゴン基準でもごついと思われている可能性は捨てきれない)
ちなみに彼女が配下の人間に自身の鱗を与えるカードイラストがあるが、「Love注入」に見えるともっぱらの評判。

自然の摂理を重んじており、それに反する屍術を使うものを滅ぼそうとするなど若干潔癖症なところがある。
しかし、アブザンにも尊敬すべきところが多々あるとして、屍術を今後禁止にするなら氏族を滅ぼしはしないと約束するなど結構寛容なお方。
それどころか、龍紀伝の時代には氏族が生き残るために積極的に働いているなど指導者の鑑である。タルキールにおけるホワイト上司その1。






Dragonlord Ojutai / 龍王オジュタイ (3)()()
伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) ドラゴン(Dragon)
飛行
龍王オジュタイがアンタップ状態であるかぎり、これは呪禁を持つ。
龍王オジュタイがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたのライブラリーの一番上から3枚のカードを見る。そのうち1枚をあなたの手札に加え、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
5/4

オジュタイ氏族(旧ジェスカイ氏族)の龍王
5マナ5/4とマナレシオは平均的だが、アンタップ時限定の呪禁と戦闘ダメージを与えるたびに予期/Anticipateを行う能力を持つのが特徴。
アンタップ時限定の呪禁と飛行のおかげで召喚した返しのターンでほぼ確実アドをとることが出来る。
維持することが出来れば毎ターンパワー5の耐性持ちフライヤーが質の高いアドを稼ぎながら殴ってくると考えればその恐ろしさがよく解る。
さらに、このカードが属する青白はプロテクションや打消しによってクリーチャーを除去から守ることが出来るため、見た目以上に除去に対して耐性がある。

しかし、このカードも登場した当初はコントロールは青白よりも青黒の方が優先されていたため敬遠されがちだった(能力自体は評価されてたが)
というのも、登場時スタン環境では白よりも黒の方が優秀な除去を有していた上に、青黒にも《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》という優秀なフィニッシャーがいたからである。
しかし、同環境には友好色フェッチランドや占術土地があったため、青黒ドラゴンコントロールに白をタッチして運用され始めた。青黒白、つまりエスパーカラーである。
これを機に、予想されてたポテンシャルの高さが実戦でも証明され、エスパードラゴンやドラゴンコントロールなどで大暴れすることとなった。
中にはこのカードを採用するためだけに白をタッチするデッキも出てくるほどである。
その高いフィニッシャー性能はモダンでも通用するほどであり、《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water's Edge》を相棒として、結果を残している。

外見は細身の身体を白と赤の羽毛や鱗が覆う非常に美しいドラゴン。
非常に美しい外見をしているが男性である。

もう一度言う、男性である。

氷のブレスを吐き、浴びたものを一瞬で凍結させてしまう。
性格は我慢強い戦略で相手を心理的に揺さぶり、向こうが致命的な過ちを犯すのを待つなど慎重派。
「シュー・ユンや戦死者の遺体を葬儀なく処分するように命じる」・「カンや旧氏族の存在を歴史から抹消する」など政治面では徹底しているところがあった。
しかし、龍紀伝の時代には優秀であれば人間であっても自身の知識を伝授する等、割りと龍と人間を平等に扱っている。
また、ナーセットが知識を求めるあまり抹消された歴史を知ってしまっても許すなど寛容さもある。
あくまでも敵対者に容赦がないだけで、身内には優しいあたりはまさに青白。
ファイレクシアのタルキール侵攻時に至っては、敵対するコラガン氏族のただのおっさん人物であるズルゴに対してすらも、共闘すべきという意見に理性的に耳を傾けてタッグカードになるほどの懐の広さを見せた。
さらに歴史改変後はどうも滅ぼしたはずのジェスカイのカンフーにドハマりしてしまったらしく、モンク達と一緒になってノリノリでポーズを決めたりしているイラストから、タルキール屈指のネタキャラ扱いされることもある。
タルキールにおけるホワイト上司その2。




Dragonlord Silumgar / 龍王シルムガル (4)()(黒)
伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) ドラゴン(Dragon)
飛行、接死
龍王シルムガルが戦場に出たとき、クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体を対象とする。あなたが龍王シルムガルをコントロールし続けているかぎり、それのコントロールを得る。
3/5

シルムガル氏族(旧スゥルタイ氏族)の龍王
運命再編の時代から堕落した生活を送っていたせいか、《漂う死、シルムガル》に比べてタフネスが2下がったうえに呪禁と毒のブレス(防御プレイヤーがコントロールするクリーチャーに-1/-1の修整を与える能力)を失ってしまった。
代わりに場に出た際に相手のクリーチャーかPW一体のコントロールを奪える能力を得た。

切り札クラスのクリーチャーやPWを奪えるのは非常に強力で、このカードが出た瞬間盤面が一気にひっくり返ることも多々ある。
特に大型ドラゴンがひしめくタルキールブロックでは有効に働きやすく、プロツアーでも「両者シルムガルを出しあってのアタルカの奪い合い」や「洗脳されたスーラクがそのままシルムガルに速攻を付与する」などのひどい光景が見られた。
ただし、上述の通り呪禁を失ってるため除去には注意が必要。シルムガルが死ぬと洗脳も即座に解除される。「おれは しょうきに もどった!
環境ともマッチした非常にわかりやすい強力な能力で、登場当初から青黒ドラゴンコントロールで活躍している。
上述の運命再編時の姿もフィニッシャーとしての性能を買われて青黒ドラゴンコントロールで活躍している(最近はオジュタイにお株を奪われがちだが)
何気に運命再編時と龍紀伝時の両方の姿が活躍している稀な例である。

外見はドラゴンというか羽の生えた黒いサンショウウオである、後カワウソにも似てる。
男性。女性でなくてホッとしたものは多い。
毒のブレスを吐き、浴びたものは悶え苦しんで死ぬ。
首には魔法で防腐処理をした「黄金バナナ」ことタシグルをネックレスとしてかけているなどかなり悪趣味。
下僕たちを焚き付けて争わせ、戦いそのものと、結果的に生じる死者でアンデッドの軍勢を強化することの両方を楽しむなど非常に残忍かつ危険な性格をしている。さらに、退屈に陥ると宿敵コラガンに完全に敗北するという妄想に取り憑かれ、多くの従者を殺戮するなどメンヘラの気もある。
ぶっちゃけ指導者としてはかなり問題を抱えており下克上を狙う者も多いが、彼に勝てる者は彼の氏族にはまだ生まれていないようだ。
タルキールにおけるブラック上司その1。






Dragonlord Atarka / 龍王アタルカ (5)()()
伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) ドラゴン(Dragon)
飛行、トランプル
龍王アタルカが戦場に出たとき、対戦相手がコントロールする、クリーチャーやプレインズウォーカーを望む数だけ対象とする。龍王アタルカはそれらに5点のダメージをあなたの望むように分割して与える。
8/8

アタルカ氏族(旧ティムール氏族)の龍王
7マナ8/8というMtGのドラゴンとは思えない良好なマナレシオに加えて、それを十分に活かせる飛行、トランプルを内蔵した凶悪な性能が特徴。
これに加えて5点もの火力を相手クリーチャーやPWに割り振れる能力まで持つ。
パワー8が飛行とトランプルを引っ提げて殴ってくるだけでも非常に脅威だが、このカードはさらにこちらのブロッカーまで焼いてくるため、召喚を許せば敗北は必至。最大の欠点は7マナという重いコストだが、このカードが属する緑はマナブーストに長けた色である。
特に、登場時のスタンダード環境では《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》と《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》が共存しており、ニクソス+旅するサテュロスによる膨大なマナ生成コンボによって7マナとは思えない速度で召喚される。
なお登場当初は《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》と違いプレイヤーを対象に取れないことで評価しない意見もあったが、素の破壊力が知れ渡ると役割が全く違うものと認識されている。

現在のスタンダード環境では上記のコンボをメインとする緑信心デッキに赤をタッチしたデッキで大活躍している。
とはいえ、現在の活躍はニクソス+旅するサテュロスのコンボによる恩恵が大きいため、これらがスタン落ちした後の動向が気になる一枚でもある(ニクソス+旅するサテュロスのコンボを内蔵していない赤緑デッキでも結果は出しているが。)

改変前の姿である《世界を溶かすもの、アタルカ/Atarka, World Render》は、同色の神・《歓楽の神、ゼナゴス/Xenagos, God of Revels》とのコンボで「12点飛行トランプルの2回攻撃」という怒涛のワンショットも可能だった。
余談だがこの世界を溶かすもの、中国語訳では「滅世龍王安塔卡」というえらく強そうな名前になっている。

炎のブレスを吐き、触れたものを灰燼に帰したり、獲物をちょうどいい具合にこんがり焼いたりできる。便利。
ちなみに、凶悪な面構えとポケモンのプテラのようなしゃくれた顎からは想像もできないが女性である。

もう一度言う、女性である。

ものすごく食いしん坊で、アタルカ氏族の人間たちと共存しているのも「なんか食べ物を持ってきてくれるから」という理由だけである。
よって、あまりに食事の調達が遅れると氏族の者達を食べてしまうことも……。
1280年美味しい肉を食べ続けた結果、若いころに比べておしり(タフネス)のサイズが2倍になってしまった。彼女に食べ尽くされて絶滅した獣もいる。
そんな彼女の飢えを満たすために、そして自分たちが滅びないために、元カンのスーラクたちは今日もせっせと狩りに勤しんでいる。
タルキールのブラック上司その2。彼女自身にその自覚は無さそうだが。

…まあもっとも、元々狩りを愛する氏族だけあって、皆割とノリノリで付き合っていたりするのだが。
案外アタルカ氏族はみんなドMなのかもしれない。死なない程度には。
スーラクとは「強いほうが支配する」ということで合意しており、スーラクが獲物を横取りした龍を素手でボコって逆に食べてしまっても、そいつが弱かったのだと全く気にしていない。



Dragonlord Kolaghan / 龍王コラガン (4)(黒)()
伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) ドラゴン(Dragon)
飛行、速攻
あなたがコントロールする他のクリーチャーは速攻を持つ。
対戦相手が、自分の墓地にあるいずれかのカードと同じ名前を持つ、クリーチャー呪文かプレインズウォーカー呪文を1つ唱えるたび、そのプレイヤーは10点のライフを失う。
6/5

コラガン氏族(旧マルドゥ氏族)の龍王。
自身が速攻を持つ他、自軍クリーチャー全員に速攻を付与する能力を持つ。
迅速の相を体現している実に彼女らしい能力と言える。
さらに、対戦相手が自身の墓地に存在するクリーチャーかPWと同名の呪文を唱える度にそのプレイヤーに10点のダメージを与える能力を持つ。
このカードが属する黒は除去やハンデスが豊富なので相手にプレッシャーをかけられる機会は多い。
4積みしているシステムクリーチャーやPWへの依存度が高いデッキは、一枚でも墓地に落とされればこのカードを除去しない限り実質2枚目以降を唱えることができなくなるため、劣勢を強いられることとなる。

このように、能力単体で見ると強力なのだが現在のスタンダードでは採用率はかなり低い。
というのも、マナコストが重いためこのカードが出てくるのは必然的に後半になり、速攻を付与する能力を活かせる場面が少ない。
特に、現在のスタンダード環境で活躍している赤黒デッキは疾駆(速攻持ちクリーチャーとして出せる代わりにターン終了時に手札にもどる能力)クリーチャーが多いのでますます活かせる場が狭まってしまっている。
同名クリーチャーやPWの使用を制限する効果も、ピン差しのカードには機能しなかったり、そもそもこのカード自身に除去に対する耐性がなく赤や黒はクリーチャーを除去から守る術に乏しいためアッサリ突破されるなど以外に抜け穴は多い。
一方で運命再編のコラガンはサイズこそ一回り小さいが疾駆と自信を含めてドラゴンにサイズ修正を与える能力が噛み合っているため、赤黒アグロではこちらが採用されることが多い。
龍王の中でも非常に扱いづらいがフィニッシャーとしての性能はそこそこあるので、マルドゥドラゴンのサイドボードに採用されることはある。

外見は身体のあちこちに棘が生えており、鼻先から背中にかけて太く長い角があるが、他の龍王たちに比べて比較的スタンダードなドラゴンである。女性。
稲妻のブレスを吐き、触れたものを消し飛ばす。
他の龍たちと違って龍詞(ドラゴンの言語)を話さず、何か伝えたいときは稲妻や鉤爪で表現する困ったちゃん。
狩りと殺戮そのものを楽しむ好戦的な性格なうえ、戦で相手の領土を奪っても、自分のものになった瞬間興味をなくすなど非常に飽きっぽい。
ついでに言うと配下は龍にしろ人間達にしろ、自分が走る後に勝手に着いてきているという認識なようだ。
……要するにレディースのねーちゃんとでも思えばいいのだろうか。
強迫のイラストでは我らがズルゴさんを怒鳴りつけていた。
タルキールのブラック上司その3。もっともこの子の配下は好き勝手生きられてみんな幸せそうだけど。


攻撃的な能力持ちは女性の方が多い気がするのは気のせいだろうか?
ドロモカやオジュタイは無論のことアタルカやコラガンもある一定の法則で部族を率いているのを見るに
気に入らないことがあったらすぐ天罰を下したがる前ブロックのテーロスの神々よりよっぽど度量が
大きいトップが多いように見えるのは気のせいだろうか?



追記・修正は運命をアニヲタが支配する世界に再編してからお願い致します。

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最終更新:2023年05月03日 22:50