轟焦凍

登録日:2015/06/23 Tue 00:03:07
更新日:2024/03/16 Sat 17:17:44
所要時間:約 5 分で読めます





おまえオールマイトに目ぇかけられてるよな

別にそこ詮索するつもりはねえが…

おまえには勝つぞ



(とどろき)焦凍(しょうと)は、『僕のヒーローアカデミア』の登場人物。

CV:梶裕貴

轟‘s毛:地毛。
轟‘s口:割と不躾。
轟‘s全身:超引き締まっている。
轟‘s足:速い。
轟‘s火傷:…。

──「僕らのヒーロー解体新書」より

◆概要

雄英高校ヒーロー科1-Aに所属する生徒。推薦入学生。

右側が白髪、左側が赤毛という特徴的な髪色と、顔の左側の大きな火傷が特徴の少年。好物はそば(あたたかくないやつ)。

オールマイトに次ぐNo.2、フレイムヒーロー・エンデヴァーの息子。
その血に違わぬ強力な“個性”の持ち主で、1-Aの中でも抜きんでた実力を誇っている。しかしある事情から本気を出す事を自ら禁じている。
ただ、本人は父親の事を嫌っている。それは最早憎悪と言ってもおかしくない程のレベル。

No.1を目指すという目的も持っており、強い執着を見せるが、一方で前述したように、個性を全開ではなく、半分だけ使うことにも固執している。



個性:「半冷半燃(はんれいはんねん)


悪かったな レベルが違いすぎた

推薦入学者2! 轟 焦凍 個性:半冷半燃!

右で凍らし左で燃やす!
範囲も温度も未知数!!
化け物かよ!!


体の右半分から冷気を、左半分からを発生させる“個性”。

特に冷凍能力は
  • 建物全体を凍りつかせるほどの範囲
  • 下手に動けば体が崩壊する域まで達する極低温
  • ワープで飛ばされた直後に多数の敵を一気に行動不能にさせられる速効性
  • 組み合ってる人物の片方のみを凍結させられる調整力
を全て備えている。
体育祭でキレて全力を出した際には一瞬で氷山のような氷の塊を作り出した。

ただ、弱点として冷凍能力を使いすぎると体温が下がっていき、徐々に動きが鈍くなり、威力も下がっていってしまう。
かっちゃんはこれをゲームのMPに例えている。
使いすぎるとポイントが減っていって低威力の技しか使えなくなる、といった感じ。
その強力さゆえほとんどの勝負は一瞬で終了するため問題になる事は少ないが、長期戦は不利。
また大雑把で工夫が少ないため格上以上には通用しないことも…

しかし、その体温低下という弱点も、炎を発生させることでその熱によってカバーできる(逆も然り)ために弱点らしい弱点がなく、こと戦いに関しては非常に強力な“個性”と言える。

が、焦凍は戦闘においてその炎を決して使おうとしない。
その理由こそが彼がNo.1を目指す理由であり、エンデヴァーへの憎悪の理由でもある。


  • 穿天氷壁(がてんひょうへき)
右足を踏み込む、または右手で掬い上げる動作から氷結能力を最大出力で発動させ、先端が尖った巨大な氷壁を瞬時に作り出す。
しかし使用後は体に霜が積もり、動きが鈍る上に氷結能力が弱まるため、連続使用は不可能。


  • 光焔万丈(こうえんばんじょう)
夜嵐イナサとの協力技。
イナサが起こした突風に自身の炎を乗せることで炎の渦を発生させ、対象物に直接攻撃すると同時に渦の中心に閉じ込める。


  • 膨冷熱波(ぼうれいねっぱ)
氷結で周りの冷気を下げた後、左の炎で急激に温度を上昇させる事で空気を膨張させ超強力な爆風を引き起こす。
初登場は体育祭の出久戦だが、仮免許取得後の敵との戦闘で技名が登場した。


◆過去

No.2ヒーロー・エンデヴァー。彼は上昇志向の強い男であり、目の上のたんこぶであるオールマイトを疎んじていた。
しかし、自分ではオールマイトを超えられなかったエンデヴァーは、自分の子供にオールマイトを超えさせるため、「個性婚」を目論んだ。
個性婚とは、子供に受け継がれる“個性”をより強力なものとするために行われる婚姻のことであり、
それによって母の冷凍能力とエンデヴァーの燃焼能力を完全に受け継いだ最高傑作こそがであった。

エンデヴァーに後継者と見込まれた焦凍は幼い頃から厳しい訓練を施され、上の兄弟たちのような自由も許されなかった。
苛烈な訓練に苦しむ焦凍を母親は見ていられずに庇うこともあったが、エンデヴァーは手を緩めるどころか身を挺して庇う妻に暴力を振るって黙らせる始末で、
家庭内暴力で徐々に精神を病んでいった母親は、時が経つにつれて夫に似てくる焦凍にも憎悪を覚えてしまうようになり、
ついに精神が限界まで弱った母親は、ある日焦凍の、エンデヴァーに似てきた左半身に思わず煮え湯を浴びせてしまった。焦凍の顔の火傷はこの時のものである。

これを知ったエンデヴァーは妻を病院に入院させるが、自分のエゴで訓練を強いるばかりか、優しかった母親を追い詰め、ついには家からも去らせた父親を焦凍は憎むようになり、
父親から受け継いだ炎の“個性”を使うことなく、父親が固執したNo.1になることで「お前の力など必要ない」と証明し、父親を完全否定することを目標と定めた。
それが、焦凍が“個性”を半分だけ使うことを徹底しつつ、No.1の座に固執する理由であった。
そのためか、焦凍の最初期のヒーローコスチュームはまるで父の力を封じ込めるように左半身のみが氷の塊のようなもので覆われているデザインとなっている。


ある意味出久とは表と裏。
出久が何も持たなかったが故の苦悩を象徴するキャラクターであるなら、
焦凍は全てを持たされたが故の苦悩を象徴するキャラクターといえる。


本人もオールマイトに目をかけられている出久には思うところがあり、自らの過去を出久に明かして「お前には勝つ」と宣戦を布告した。

そして出久と直接対決する事になった焦凍は一切炎を使わずに出久を追い込んだが、自壊を厭わないワン・フォー・オールのフルパワーによって食い下がられ、
“個性”を半分だけ使う故に弱点となった継戦能力の低さを衝かれる形で形勢を逆転されていく。

その戦いの中で自分のヒーローへの憧れ、全力を出さない焦凍への怒りをがむしゃらにぶつけてくる出久の姿に、焦凍は自分の原点となった言葉を思い出す。



“個性”というものは親から子へと受け継がれていきます しかし…


初めに、ただ憧れがあった。


本当に大事なのはその繋がりではなく…自分の血肉…自分である!と認識すること そういう意味もあって私はこう言うのさ!


いつの間にか、忘れてしまっていた。

私が来た!ってね




いいのよ おまえは 血に囚われることなんかない なりたい自分に なっていいんだよ


彼もまた出久と同じ。最高のヒーローに憧れ、自分もまたそうなりたいと願う普通の少年であったのだ。


勝ちてえくせに…………ちくしょう…
敵に塩を送るなんて どっちがフザけてるって話だ…

俺だって ヒーローに…!!


そして自分がヒーローになりたかった本当の理由(オリジン)を思い出した焦凍は完全にエンデヴァーの存在を意識から消し飛ばし、目の前の戦いに全力を傾けるべく炎を開放。
全力のワン・フォー・オールの衝撃波と半冷半燃の真の力の衝突の末、出久は場外に吹き飛ばされ、戦いは焦凍の勝利で終わった。


その後は順調に勝ち上がり、決勝でかっちゃんと戦う事に。
しかし、出久との戦いで迷いを持ってしまった焦凍はまともに戦うこともできずあっさり場外負けになってしまった。
焦凍が全力を出さなかったという屈辱に当然かっちゃんはぶちキレたが、ひとまず体育祭は終了となった。




体育祭の後はケジメをつけるために精神病院に入院中の母に会いに行った様子。

それ以降は基本的に無口なのは変わらないものの、周囲に気を配るようになり、
“ヒーロー殺し”ステインと遭遇した出久のSOSを受けて現場に急行したり、兄の名を名乗りながら仇討ちに執着する飯田に「なりたいものをちゃんと見ろ」と発破をかけたり、
自信を失っていた八百万と試験で組んだ時には、彼女本来の才覚に賭けてその作戦を実行・成功させ、無自覚に彼女が自信を取り戻すきっかけを作ったりと、
(体育祭前と比べて)「誰だお前」と言いたくなるほどの好青年になっている。相澤からも「丸くなりやがって」と思われるほど。

土壇場でなくとも人付き合いは良くなっており、出久だけでなく1-Aのクラスメイトたちと打ち解けてきているほか、
自分につっかかってくるかっちゃんの言動に反発することなく、素のテンションで受け止めて逆にかっちゃんを怒らせる、
出久と飯田の怪我に対して「ハンドクラッシャー」的な存在になっていると言い出すなど、若干の天然気質も見せ始めている。
職場体験以降はコスチュームを変更しており、黒地のジャケットにベストとベルトを付けたものになった。
乱暴な年下の小学生のつっかかりにも笑って対応できる辺り、元々は柔軟な受容型の人柄だったのかもしれない。

父親との関係も、彼の事務所にインターンシップをしにいったこともあって徐々に改善されてきており、
エンデヴァーが事実上のNo.1となった後、襲撃してきた強力な脳無との戦いに苦戦していた時には、固唾を呑んで中継映像を見つめていた。

しかし自分自身の「半々」という個性との向き合いは始まったばかりで、同時制御を行うと本体はアクション不可能になったり、一方で集中力が偏ったり、幼少期からのしがらみで精神的に不安定になったり…
と、持てる力を適切に配分できない事が常に障害になっている。
ヒロアカ全編通じてのテーマの一つである「大きすぎる力をどう社会に役立て、自分の居場所を確立するのか」という、ヘヴィーな問題を背負う少年である。
しかも、彼が持つ「“個性”の深化・複雑化」という現実は、本編最恐の“個性”オール・フォー・ワンが見据えている未来につながるもの。
今後デクとの関連が注目される。

ちなみに、実家が古式ゆかしい日本家屋であったため、雄英高校の方針で学生寮に住むことになった際には自室を趣ある和室風に改造しているが、
本来の学生寮の個室はごく一般的な洋風の一室なので、焦凍の部屋はドアを開けたらいきなり和室が現れるという出オチめいたことになっている。


◆ヒーローアカデミアすまっしゅ!!

性格がアレなので常識人+天然キャラ。
一巻ではあまりボケることも突っ込むこともなかったが、二巻(未発売)で劇的に変わる。
体育祭での心の地雷で「お父さん大好き!!」とまさかのファザコン疑惑が浮上。
本人は頑なに認めなかったが、後々「倒産」を「父さん」と聞き間違えたり、ヒーローショー(父子の仲直り)では一人だけ感動して泣いていた。
ちなみにエンデヴァーも部下達が認める程の親バカである。




◆余談

空想科学読本で知られる柳田理科雄氏は、
「焦凍の能力はありとあらゆる創作物でぞんざいに扱われていた『温度を下げるために奪った熱はいつか外に捨てねばならない』という法則を体現している!!」と、
彼にしては珍しく手放しで大絶賛していた(大和書房『空想科学「理科」読本』及び角川ジュニア文庫『ジュニア空想科学読本12』参照)。
こんな結論になるのはマッスル・ドッキングとタイタニックの検証くらいだが、絶対そこまで考えてねえよ…。









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最終更新:2024年03月16日 17:17