ハンマーヘッド(ゾイド)

登録日:2015/06/16 Tue 00:17:30
更新日:2023/09/18 Mon 21:34:35
所要時間:約 5 分で読めます




ハンマーヘッドとは、第二次大陸間戦争においてヘリック共和国が開発・運用した水空両用ゾイドである。


【スペック】

番号:RZ-033
所属:ヘリック共和国
分類:シュモクザメ
全長:17.0m
全高:6.6m
重量:66.5t
最高速度:水中65kt/空中M1
乗員:1名
装備:AZマニューバーミサイルポッド×2(頭部)
   AZ30mmハイパービームガン×2(ミサイルポッド下面)
   AZ30mm2連装ハイパーショックガン×2(翼下)
   AZマニューバーミサイルコンテナ×1(尾部VLS)
   AZパルスレーザーガン×1(2連装、尾部底面)
   イオンブースター×2
   イオンパルスジェット×2


【機体解説】

第二次大陸間戦争中後期に開発されたシュモクザメ型ゾイド

そもそも開戦当時、共和国海軍は近代化どころか再建すら目途が立っていなかったし、
海戦では敗北に次ぐ敗北を重ね、海軍の士気たるやどん底を突き抜けたところにあった。
それもそのはず、ウルトラザウルスは1機を残し大異変で全滅、ラストワンも大統領専用機として配置転換され、
小型機は軒並み旧式化して使えるものではなく、唯一まともに運用できる質と量があったバリゲーターも、


元祖水空両用機のシンカーには上空から一方的に喰われ、
ライバルだったブラキオスは近代化改装でパワーアップし格闘戦に持ち込む前に蜂の巣にされ、
後にOSを応用して復活するウオディックは海戦機として格が違いすぎ


と、これは酷いどころですらない扱いであり、そらフルボッコされますわ、という有様であった。
(一応フォローすると、バリゲーターはそもそも艦隊決戦用ではなく低い体高を活かしての奇襲用だから、ブラキオスやウオディックとは運用思想が違う。
 また、大戦後期には背中にロングレンジライフルや連装ロングレンジキャノンを装備するなどして遠距離火力を引き上げてもいる)

そんな訳で、いい加減重い腰を上げた軍部が開発したのが本機である。


特に水空両用という特性を活かし、海上輸送を散々阻害してくれやがったシンカーに対して共和国はアレルギーめいた感情を持っており、
その結果本機は《シンカー絶対殺すマン》と言うべき機体として誕生することになる。

全身に仕込まれた重火力、深深度潜行に耐える装甲外殻、海空を自在に遷移し、シンカー以上に機敏に機動可能なイオンエンジン
それら全てを備えた結果、全領域でシンカーを上回り、さらに既存海戦ゾイドを蹴散らせる航空巡航艦として完成した。

ただし、それら強力な艤装群は生産性を大幅に圧迫してしまい、覆しようのない絶対的な生産性の差となってシンカーを完全に駆逐しきるには至らなかった。
また、対シンカー特化で就役したことが災いし、海戦特化のウオディックには海戦能力で劣るというまさかの欠点が発覚。
これらの欠点から、共和国海軍は再度大ピンチに陥っていたりする。

だが、ウオディックといえば就役当時から《共和国海軍絶対殺すマン》と言っても過言ではないほどトチ狂ったレベルの海戦能力を備えていた。
旧大戦時にウルトラザウルスを沈め、サラマンダーを叩き落としたことさえある怪物である。並の海戦機で勝てると考える方がおかしい。
そもそも本機就役時、ウオディックは絶賛絶滅危惧種指定される程個体数が減っており、
共和国海軍からすればシンカーさえどうにか出来れば、制海権獲得確定な状況にあったため、これに関しては責めるべきではないだろう。
というか再就役を読んでたのなんて奇人か変人かキチガイしかいないだろJK……。

それに「ウオディックに劣る」といってもせいぜいが「やや不利」のレベルであり、実戦ではウオディックを沈めるハンマーヘッドの存在も決して少なくない

総合的には、生産性以外は極めて高水準な海戦用ゾイドといえるのではなかろうか。

◇バリエーション

  • ハンマーヘッドVL
ハンマーヘッドの側頭部ウェポンモジュールを、バイキングランスユニットに換装した機体。
火力が低下する代わりに索敵能力の強化と格闘戦能力が付加される。
ただ正直なところ、ランス付けるくらいならレーダー2個付にして、索敵に特化したほうが実戦的なような……。


【作中での活躍】

◇バトルストーリー

ZAC2103年にロールアウト。直後の第二次全面会戦では、ロブ基地に迫る帝国海兵隊を強襲、撃滅に成功する。
その後、共和国の主力海軍ゾイドとして主力艦隊に派遣され、アンダー海海戦にも参戦する。

そのアンダー海海戦では、ハンマーヘッドがウルトラザウルスとともに先制攻撃に成功し、特に開戦序盤は大きな戦果を挙げた。
さらには「帝国の切り札」とまで言われたウオディックの突撃に対しても奮闘。空軍の支援爆撃もあったものの相当の数を撃破し、ついにウオディックの艦隊襲撃を許さなかった

しかし、それでもウオディックが強敵であることには変わりがなく、撃墜されるハンマーヘッドも相次いだ。
さらにはレドラーBCたち帝国空軍も積極的にハンマーヘッドを狙い、ハンマーヘッドの数が予想以上に減ってしまう

そして、航空部隊の燃料が枯渇し、共和国艦隊の防空網が緩んだ一瞬のスキを突いて大量のシンカー部隊が出現。共和国海軍に大きな損害を与えた。
すでに数も弾薬も失われていたハンマーヘッドは、突然現れたシンカー大部隊の猛攻を抑えられなかった。


シンカーに勝つために開発されたハンマーヘッドが、シンカーに敗れたのである。


もっとも、これは性能の差ではなく、味方艦隊がどれだけ削られようともシンカー部隊を温存し続けたギュンター・プロイツェンの用兵にのみ帰せられることであろう。
別の言い方をするなら、性能で全く及ばないゾイドであろうとも、運用いかんでは格上を食えるということを、これ以上ない形で見せつけたものだといえる。

その後は、主戦場が暗黒大陸に移行したためそのままフェードアウト。
まあ、いくら飛べるといっても陸戦にまで使いまわすのも変だし、そもそも帝国と違って共和国空軍は無茶苦茶強いので、
シンカーを爆撃機にまで使わなければいけなかったゼネバス帝国とは土台が違うから、これはやむを得ないだろう。

戦争の舞台が中央大陸に移った後も重要な海上戦力ではあったのだが、かつて帝国空軍が共和国空軍に一歩も二歩も劣っていたのと同様に共和国海軍はネオゼネバスの海軍に大きく劣勢だった。
なにしろ一体しかいないウルトラザウルスでは事実上補給線の護衛は出来ず共和国海軍の戦力はハンマーヘッドとバリゲーターだけ、それに対して帝国海軍は海戦ではハンマーヘッドでも歯が立たないウオディックが大量配備されており、そのウオディックに指揮されるディプロガンズ、ダメ押しとばかりにハンマーヘッドキラーの異名を持つシースティンガーまで配備されている。
結果、生産性の悪さも災いして機体の消費速度に供給がまるで追いつかなくなった。
そこで共和国は量産が可能なブロックスゾイドのカノンダイバーを開発、海軍の主力ゾイドの座は段々とこちらに移行していった。

◇アニメ

ゾイド -ZOIDS-』にはリーゼの2番目の乗機として登場。
海中遺跡にバンブレードライガーを引きずり込んで有利な環境下で戦うが、結局撃破された。
また、アーバイントーマがウルトラザウルス護衛に使った個体や、大型化して客室を備えた要人護送用、
ヒルツの母艦として登場した超巨大母艦型「ハンマーカイザー」など、販促のためか、登場機会は多め。
まあ大半が撃破されてるんですがね……

ZOIDS新世紀/0』ではバックドラフト団が奇襲等に運用していた。
なお、滅殺対象のシンカーと違い、これ以降のアニメには登場すらしてなかったりする。


◇漫画

漫画版では「ヴァイキング」と呼ばれる試験機が登場した。メリッサ・スーの「MS理論」を無断借用して生み出された個体で、
海水を原料にした機雷の無限生成能力を持つ。
劇中より3年前の海戦に試験投入されたが、回収隊の目を逃れて自律行動を続けていた。
最終的に、帝国の依頼を請けた海洋虹団(マーレ・アルコバレーノ)との争奪戦を制したバン達に回収された。
しかしまあ、それにしてもこの幼女(メリッサ)、チートである。


【キット】

Hiパワーユニットという大型ゼンマイを動力源にした中型機で、胴体下面の車輪駆動で走行する。
連動ギミックは、主動力の同軸カムを介して多関節構造の胴体をくねらせるもの。なかなか見応えがある。
手動ギミックはコクピットハッチ開閉(前ヒンジ型)、側頭部ミサイルポッドのハッチ開閉(連動してミサイルがせり出すギミック付き)、
主翼(胸鰭)の可変外翼部展開/収納、垂直翼(背鰭)の起倒、各種火器の旋回。
尾部下面のレーザーガンは、ゼンマイの竜頭として使用できる新型フォーマット。

ハッチ展開こそできないが尾部にVLSランチャーがあったり、艦橋のようなデザインの背鰭など、
実在する戦闘艦のようなニヤリとさせられるモールドも持っており、色々と弄りがいがある。
総じて様々なギミックや兵装の詰め込まれた、お得感の漂うキットと言ってよいだろう。

ただし、モチーフ再現という点では疑問が残る。
シュモクザメの特徴たる左右に突き出した目がミサイルポッドになっていたり、とにかく火力偏重に過ぎるという点はどうかと……。
また、せっかくの背鰭が馬鹿でかいイオンブースターで隠れて見えないなど、残念な点もある。
というかブースター無しでも、デザインとしては十分格好良いし、そんなに悪くないような。

良くも悪くも兵器らしさを重視しすぎたというか、過武装な点はもったいない。
そういう意味では改造などで弄り回せる、一定の腕を持ったモデラー向きと言えるかもしれない。
ちなみにフロートを内蔵していないので、他の海戦ゾイドのようにお風呂に浮かべて悦に浸ることはできない。
シンカー絶対ブチ殺すごっこは、ブンドドかフライングベースに固定しないとできないので気をつけよう。






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最終更新:2023年09月18日 21:34