神様の御用人(文学作品)

登録日:2015/06/15 Mon 18:30:45
更新日:2020/12/28 Mon 04:16:36
所要時間:約 10 分で読めます




神様の御用人とは、浅葉なつを著書とした、アスキーメディアワークス文庫から発売されている文学作品である。
イラストはくろのくろ。


~あらすじ~
膝の故障で大好きだった野球から離れ、就職した会社は辞めてしまい、フリーターとして鬱屈とした日々を送る良彦。ひょんなことから、
神様の願い事を叶える“御用人”に指名され、狐の姿の神、黄金とてんやわんやな“御用人”活動を始める――。



~概要~
しがないフリーターの青年、萩原良彦が、どこまでもマイペースな神様のお願いに頭を抱えつつ、
お狐様の“方位神”黄金とぎゃあぎゃあ言いながら奔走するお話。

神様が主軸なだけあってスケールが大きい物語。のはずなのだが、出てくる神様はどなたもこなたも
下手な人間よりも人間臭く、基本的にコメディのノリで進んでいく。
時にシリアスでしんみりすることもあれば、ふと考えさせられることもある。
1話完結型の物語が複数収録されている形なので、比較的テンポ良く読めることだろう。



~登場人物~

萩原良彦

主人公。24歳の青年。
野球のために大学に入り、強豪の社会人野球チームを持つ企業に入るも、右膝の故障により引退を余儀なくされる。
手術後は膝に負担がかかる仕事も出来なくなり、次第に冷たくなる周囲の扱いに耐えきれなくなり辞職。
以降は再就職先を見つけるまでの“つなぎ”としてバイトを続けるフリーターとなる。
重なる不幸に、半年ほどパソコンと向き合うだけの毎日を過ごす引きこもりとなっていた時期もあった。

神様からの頼みをなるべく安く楽な方法で叶えようとしたり、自己を犠牲にしようとまではしない、
ものぐさで面倒くさがりな所もあるが、祖父の影響もあり困っている人を見ると助けようとする性格。
神職の親友や神様や神社に詳しかった祖父を持つが、彼自身は殆どそれらの知識を持っておらず、
黄金の説明や文明の利器の力を借りなければ有名所のこともさっぱり。

諸事情で今代の“御用人”の“緒”が切れてしまったため代理として選ばれる。特段立派な人物ではない、
どころか黄金に酷評される人物な上、神々の知識もさっぱりという異例の抜擢。本来ならば消去法でも有り得ない人選だが、
祖父が倒れてから痛む膝を押して毎日真摯に祈り、なおかつその後「勝手な願いをして申し訳なかった」と
わざわざ謝罪をしたことが注目された。

特定の信仰を持たない。神様にもあまり敬語を使わず、時には遠慮のない言葉をぶつける。
しかしそれは同時にどんな相手だろうと対等に接する姿勢の表れであり、例え大国主神だろうと怒るところは怒り、
貧乏神だろうと手伝えることは手伝おうとする。
孝太郎に倣うならば、良彦は“陰陽に親しむ者”だろうか。時に卑屈になる程凹んだ時期もあるので、
落ち込んでいる相手には「一人で閉じこもっていたい時もある」と頭ごなしに否定せず、親しい人と一緒に過ごす幸福も
大切に思っている。あまり物事を難しく考えず(考え無しという意味ではない)、人として当然のことは善悪問わず是とする。
だからか、負い目があって気まずい場合を除いて、人によっては恥ずかしくなってしまう正直な思いを、包み隠さず伝えられる。
孝太郎を「達観している」と羨望している節もあるが自身も大概である。
色々融通が利かない立場故自分の生活を犠牲にはしたがらず、解決への近道であっても渋る。いざという時の行動力はあり、
相手を説得する際には熱い一面を覗かせる。

そんな彼だからか、多くの神と友人、もしくは家族のような関係になっていく。


“方位神”/“黄金”

黄金の毛並みが美しい、狐の姿をした神。良彦の最初の依頼主で、なんだかんだあって現在は相棒のような関係。
御用は「日本の人の子が再び神祭りに目覚め、神に畏怖と敬いを持ってもらうように取り計らうこと」。
……だったがそちらは受理されず、代わりに「抹茶パフェが食べたい」という内容が受理されてしまい、
本神は変更するよう嘆願したが聞き入れてもらえず、妥協した履行にしたってあんまりな扱いだと認めなかったので
再履行を求めて良彦と行動を共にしている。

神様らしい尊大な口調と態度で、他の神からもお堅いと言われる性格。ただしキレると乱暴な口調になる。
プライドが許さないので自身の俗っぽい部分は必死に否定する面倒でツンデレな部分も。
余程の事情がない限り触られるのを嫌い、引っ掻く。……「神は理不尽なものだ」と自分で語っておきながら
引っ掻くだけで済ませているあたり、やっぱりツンデ(ry
「神とはかくあるべき」と古代の偉容を語り誇りとするが、現代の神々は揃って見る影もなかったり、そもそも元々がアレだったりして、
人間である良彦以上に毎回言葉を失う程のショックを受けていて、本神も掲げる理想に自信を失いかけている。


「俗世には染まらない」と言って憚らないが、長い間社にいたので知識はあっても現代の文明(特に西洋のもの)には疎く、
毎日何かしらの新しい発見をしては目を輝かせている。本神は決して認めようとはしないが。
とりわけ甘いものが大好きで、二重の意味で喰らいつき様は半端ない。決して認めようとは(ry

御用人ということを抜きにしても敬意が足らない良彦とは度々衝突し、口喧嘩は絶えない。
とはいっても深刻な仲違いをしたことは一度もなく、今となってはじゃれ合いに近い。恐らく黄金からしてみれば真剣だろうが。
教養も礼儀もお粗末な良彦に呆れるばかりだが、時に思いやりや真っ直ぐな心から意外な行動を起こす部分に関して
興味を向けている。

誰よりも役目を重んじ、神らしく生きてきた為理屈でしか物事を考えられないと自負しており、人情に疎いことも自覚している。
そのような情動について、理解できないことでも自分なりに考えて助言することも。

―“方位神”―

人間からは陰陽道の神とされる。文字通り“方位”を司り、人の振る舞いによって吉神、あるいは凶神の姿を取る。
紀元前の神代から存在する、“この世”と同時に生まれた古神。
そのため彼からすれば大半の神はひよっこ同然に見え、神からの知名度も高い。
どこであろうが方位や道が手に取るように分かるため、良彦からは「モフモフ狐ナビ」扱いされている節も。


藤波孝太郎

良彦の親友の神職。位は権禰宜(ごんねぎ)。

色々うだうだとしている良彦とは正反対に出世コースをひた走るエリート。
恵まれた容姿も手伝って外面は大変良く、周囲はもちろん、下手すると良彦家において良彦よりも立場が上。
神前に立てば誰よりも真摯な祈りを捧げる敬虔な人物だが、同時に「超」と書いて「スーパー」と読む現実主義者で、
「清貧? 何それ」と言わんばかりにお金の獲得には余念がない。それも単に神社の存続の為の必要悪だが
それにしたってギラギラし過ぎている。自身が営業することも厭わずスポンサーの獲得に奔走する姿には
貧乏神ですら恐怖し、「恵比寿神がお似合いだ」と言わしめた。
黄金からは“清濁併せ飲む男”と称され、面白いとも言われているが、度が過ぎて呆れられてもいる。
親友で気の置けない仲の良彦には遠慮ない物言いをし、基本的に容赦がない。騙すこともやり込めることも日常茶飯事。
しかし落ちぶれた彼がほぼ唯一付き合いを続けていて、口は悪いながらも彼の将来を心配していること等から互いの友情が垣間見える。

順風満帆に成功を続ける彼に良彦は嫉妬混じりの羨望を向けているが、実は孝太郎も同じで、
「決めたれた道を走ってきただけ」と思っている彼からすれば自由にできる良彦を羨ましく思っている。


吉田穂乃香

孝太郎が奉職する大主神社の宮司の娘。

街を歩けば男なら思わず振り返ってしまう美しい容姿を持ち、水色のマフラーを口元を覆う高さで巻いている。
滅多に表情を変えない上に無口で、何の感情も見せない瞳を持つ。後述の境遇もあって近寄りがたい雰囲気があるが、
その容姿故に密かにファンが多いとか。

生まれつき神性や霊が視える『天眼』の持ち主。幼少の頃は自分の特異性を理解していなかったが、
現在では能力を公言することはない。
普通視えないものが視えてしまうため、ふと立ち止まったり虚空に目を向けたりする不可解な動作が原因で
周囲からは距離を置かれがちで、本人も眼を疎ましく思っていた。
しかし眼がなければ、この世ならざる美しい神々を視ることも叶わず、友達の泣沢女神と出会うこともなかったのは
事実なので複雑な思いを抱いている。

本来は不器用ながらも優しい性格で、泣沢女神の件が解決してからは少し表情が柔らかくなった。


一言大主

良彦の二番目の依頼主。明言されなかったので正確な御用は不明。眷属である
杏からは「一言大主様を助けて欲しい」と依頼された。

全盛期は眉目麗しい美大夫だったが、力が落ちた今は中学生並の体格になっている。
服装こそ水干だったりで昔の装いだが、不釣り合いな程でかいヘッドフォンをつけていたりゲーミングキーボードや
マウスを駆使していたりその他文明な利器は部屋に溢れていたりで、部屋だけ見ると本当に中学生男子にしか見えない。
多分1番現世に適応している神。つーかどっから持ってきた。
過去引きこもりで現フリーターの良彦よりもゲームのやりこみは上。

気さくで初対面の良彦にタメ口を使われようが気にしない度量の大きい神。
というよりは、黄金に対して「これだから古いだけの神は嫌なんだよ」と包み隠さず言う辺り誰であれ態度を変えない性格。
引きこもっていた間は自分の伝承が微妙に不遇なことをぼやいたり、「どーせ人の子には僕の声は届かないし」と
臍を曲げていたりした。

人の子に肩入れする傾向にある国津神の中でも例外の部類に入る程人の子に優しく、
健気な願いには神託という形で助言を与えていた。
「人の子は弱い」「我よしの願いは褒められたものではないが、ここで想いを語るくらいはいいだろう」と述べ、
かつてのように言葉が届かなくなった今でも訪れた人の子を励ます言葉を送っている。

しがらみが解けてからはまた願いを聞いては励ます毎日を送っており、良彦とメールアドレス等を交換しているため、
黄金以外ではすぐに連絡が取れる数少ない神友達。

―“一言大主”―

かつて苛烈な武を我が物としていた雄略天皇を跪かせた名神。
『吾は雖悪事、而一言、雖善事、而一言、言離之神』との言葉通り、「善も悪も一言で決める」“言霊”の神様。


大神霊龍王/橋姫

良彦の三番目の依頼主。御用は「ボート部の撤退」。

当時はそれこそ瑞々しい絶世の美女であったが、今は四十代程の女性の外見。
額に桜の花びらのような痣がある。

気持よく寝ていたところを踏まれて痛い思いをしたといえ、力を失っていなかったら
犯人を殺していたかもしれない、という、ある意味神様らしい神様。
そもそも人通りの多い場所で、蛇の姿で寝ていた彼女にも責任はあるはずなのだが、
曰く「神とは理不尽なもの」。
本来の姿が龍だけあって這って動くことも多く、夜中に人の姿でにゅるにゅる不法入室したため、
危うくバットで殴打されそうになったり。道中では何度も車に轢かれそうになったらしい。

手厚く祀られ、敬われてはいたものの、神からすれば小さな人の子のことを意識したことはなく、
大百足の件で知り合った秀郷が初めて膝を突き合わせた人の子だった。
当時は薄々勘付いても、神の立場を考え、胸に抱いていた本心を打ち明けられずに、時が過ぎてしまう。
御用が終わり、吹っ切れた後は、人が勝手に名付けたものではない、本当の名前「お華」を良彦に教えた。

―大神霊龍王/橋姫―

橋に住まう守護神にして龍神。色々と有名な“丑の刻参り”の元になった神様でもある。
大幅に力を失った今でも天候、水流を操ることが可能。


大年神

良彦の四番目の依頼主。

人間と見分けのつかない普通の外見の男性。
とにかくまあ陽気な性格で、神様らしい近寄りがたい威厳等はあまり感じられない。
しかしタメ口されることも多い黄金に、珍しく敬語を使い敬意を払うなどしっかりするところはしっかりしている。
須勢理毘売の腹違いの兄で、連絡は取り合っている模様。

―大年神―

歳徳神とも言う。新年に福をもたらす年神。
門松や根引松を依代として現れる。


少彦名命

良彦の五番目の依頼主。御用は「心の芯までほどけるような湯に浸かりたい」。

わずか十センチ程の体長で、当時は本人曰く「それなりの美丈夫」だったが現在は老人の外見をしている。
大体スマートフォン程度の重さ。高齢の肉体と背丈故に、自身の社内を動き回るだけでも一苦労。
しかし動物の助力を取り付けられるようで、リアルねこバスやカラスヘリコプターで長距離を移動する。
ガガイモの葉で海を渡ったエピソードは半ば持ちネタのようで、引き合いに出しては笑いを取っている。

人のいい好々爺といった風の性格で、人の子である良彦にも優しい。
親しい仲間と過ごした日々を何よりも大切に想っていて、仲間の有難さを良彦や黄金に説く。

―少彦名命―

国造りにあたり、大国主命に穀物・酒造等の様々な知識を授けて助けた博識の神。古事記にもそう書いてある。
一寸法師の元になった神でもある。


貧乏神/“窮鬼”

良彦の六番目の依頼主。御用は「次の家を捜すこと」。

力を失っていることを差し引いてもみすぼらしい身なりで、事前に貧乏神だと分かっていても、
良彦が確信を持てなかった。曰くただの浮浪者のおっさん。
「人間が裕福から貧乏に転落する際の落差」を糧とする貧乏神の性質は備えているものの、個神の趣味として、
「例え貧乏になろうともそこから希望を失わず這い上がろうと前を向いて進む姿を見る」のが好き。
……なのだが、どうにも貧乏神にしては繊細で優し過ぎる性格をしており、例え豪邸を構える裕福な家庭であろうと
家族仲が悪くドロドロとしてる所は住んでおられず、他諸々の自身が心安らかに暮らせない理由は多い。
ドラマや小説の登場人物のように、極貧でも夢を追いかける、条件には見合った物件もあったのだが、
「わ、わしには、これ以上あの家を貧乏にすることなど、……できん!」と号泣する有り様。
それでいて御用人である良彦にもあまり迷惑はかけられないと遠慮する。
他神に対しても気が弱く、競争相手である疫病神には一応抗議するもののへっぴり腰。
本人も性格的に貧乏神に向いていないことは自覚しており、時流に沿って消えることも覚悟していた。

―貧乏神―

その名の通り、憑いた人物、家を貧乏にする神様。
一見人間からすれば害しかないような神様だが、貧乏になることで、
恵まれていることその幸せを教えてくれる有り難い神様。


泣沢女神

良彦の七番目の依頼主。御用は「井戸から出して欲しい」。

小学二年生程の幼女の姿。昔は儚げな美神であったそうな。
「泣くことが役目」ということもあってか、はたまた性格のせいか、非常に泣き虫で、
別に怒っていなくても少し語気が強いだけで涙をこぼす。小さい女の子の姿をしている上、
神様を泣かせるのはこれ以上なくバツが悪い。
そんなこんなで性格はびくびくしているものの、与えられたお役目を健気にこなし、それでも謙遜して
「他の神々と比べたら、全然人の子の役に立てなくて……」と泣き出す。健気という言葉しか出てこない。
臆病にも見えるが芯は強く、良彦と黄金の喧嘩(いつものじゃれ合い)を「喧嘩はやめてください!」と止める。
そして泣きそうになる。

お役目を果たす関係上、なかなか井戸から出られず、普段はか細く、物悲しくも美しい声で歌っている。
昔は少しなら外に出ることも出来たが、力が落ちた今となっては自力では無理で、
長年悲しみの涙に浸かり、悲しみを纏った現在は他力でも引き上げるのが困難な程重くなっている。
ひょんなことから穂乃香と知り合い、今では親友と呼び合う仲となっている。

―泣沢女神―

人の子の悲しみを半分引き受け、代わりに泣く神様。
彼女が人の子のために泣いてくれるおかげで、人は早く立ち直れると言われている。


須勢理毘売

良彦の八番目の依頼主。御用は「夫を改心させて欲しい」。

見目麗しい美女ながら豪快かつ奔放で、神様なのに人の子に紛れて大いに飲み食いし、
道端で潰れて眠るなどヤケになったOLのようなこともしくさる。
かなり力は削がれているはずだが、任意で可視化したり不可視化したり、恐らく現存する中で最高の力を持つ夫を
蹴り飛ばしたり、若さをそこまで失っていないなど、あまり衰えを感じさせない。
笑う声は何物にも優る天上の調べ。

“そういうもの”なので仕方ないのは重々承知しているが、それでも嫉妬深い故に夫の女癖の悪さには
呆れ果てて辟易としている。

―須勢理毘売―

須佐之男命が娘であり、大国主命の正妻。
豪快な性格ではあるが非常に機転が利き、
彼女の知恵がなければ大国主命は須佐之男命に殺されていただろう、と評される。


大国主命

家出した須勢理毘売を追って穂乃香に求婚し、結果的に良彦の元を訪れた。

現代風のカジュアルな格好をした優男で、ぱっと見は良彦も穂乃香も神様だとは分からなかった。
どこまでも陽気な性格で、浮気して妻を怒らせたばかりなのに穂乃香に迷わず求婚する困ったお神。
美人への求婚は礼儀で挨拶で、プロポーズは日常茶飯事にしてよくあること。キャバクラ、合コン、ガールズバーはお手の物。
極度の女好きのよくある傾向として男の良彦をぞんざいに扱うこともせず、神様相手とは到底思えない
不躾な態度もむしろ好意的に受け入れている。
現代においてもそこまで力を削がれてはいないらしく、怒りと共に熱風が起き白銀のプラズマが迸る。
須勢理毘売から人間なら死んでいた程の蹴りを喰らってもさしてダメージはない。

“繁栄”という性質を持っているため、女遊びについては悪びれはしても、やめる考えなど端からなく、
そういう性質なんだから仕方ないと思っている。
一方で妻のことは大切に思っており、良彦が手を出しているのではないかと疑った時は大人げなく怒った。
どの口が言うんだと思わないでもない。

―大国主命―

日の本を築いた国造の神。
“繁栄”のために多くの妻を持つことから、縁結びの神ともされる。


大神

姿こそ現さないが、全てを見通すとされ、他の神々はほぼ例外なく敬っている。
“宣之言書”のシステムを管理しており、何らかの法則に従っているようにも見えるシステムも、
実際はこの御方の采配。


【用語解説】
  • 『御用人』
神だけではどうしようもなくなった困り事を解決するために神々から選ばれる人間。
本来は大体神だけでどうにかなるが、力が落ちた神となるとそうもいかないので、必然的に
御用が発生する神は一定以上力を失った神となる。
選ばれた人間は後述の宣之言書から不可視の『緒』が首の後につながる。
また、御用の遂行のために普通は不可視の神の姿を視認出来るようになる。
従来ならば、代々神と関わりの深い家系の人間が選ばる。良彦の祖父はその行いと心によって例外に選ばれた。
わざわざ神々から選出された人間が断るとも思えないが、御用を遂行しないことにより神罰の類が下るとか、
そういったことがあるのかは不明。
  • 『宣之言書』
“御用人”に託される、神々の名前が記された書。
御用が必要な神の名前が最初に薄く浮かび上がり、御用人が御用を聞き入れるとはっきり黒く記される。
そういうシステムのため元々は全て白紙だったと思われ、今でも三分の二程は白紙。
必ずしも神が本心を語るとは限らず、また必要な手助けを自覚しているかどうかもまばらなので、
本神が語った内容と、達成されるべき内容が一致していることはあまりない。
全ては大神の采配次第である。
  • 『神』
神。我々が思い描く神と特に相違ない。
だが神とて人間と精神性はそう変わらないので、自分勝手で利己的な願いにはうんざりしていて好まれない。
人間を「人の子」と呼び、よほどの例外でない限りは単体として認識せず、多くの神々は
流れる滴や落ちる葉のような存在として捉えている。
信仰、ひいては神に感謝する気持ちを存在の糧とする。神祭りが激減し、信仰も教養も
失われつつある現代となっては多くの神々が力を失ってしまっている。
  • 『天眼』
生まれながらにして神や精霊、霊魂などを視ることが出来る能力、あるいはその人物。
穂乃香の例からも分かるように、必ずしも本人にとって嬉しいものとは限らない。


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最終更新:2020年12月28日 04:16