テッカマンデッド

登録日:2015/06/08 Mon 15:49:19
更新日:2023/05/27 Sat 07:37:25
所要時間:約 8 分で読めます





あいにく、アダムの肋骨から生まれた訳じゃなくてね。それともアンタ、ソドムの子孫って訳かい?


宇宙の騎士 テッカマンブレードⅡ』の登場人物。
プラハの黒い九月の生き残りである少年、デッド・エンドが変身するテッカマンである。

CV:優希比呂


一見すると絶世の美女と見紛うばかりの容貌をしているが、れっきとした男。
口紅やマニキュアなどもしているものの残念ながら男。(決してオカマではない。本人も上のようにそう言っている)

テッククリスタルはデッドが所持しているナイフに通常は素体用のクリスタルとして収められているが、使用する際に変化させることでテックセットを行うという独特なものとなっている。

連合地球暦198年に勃発した素体テッカマンの反乱事件、『プラハの黒い九月』は首謀者のミハエルテッカマンアキが撃破することで事態は収拾に向かおうとしていた。

しかし、その直後に一週間にも渡って続き鎮圧されないクーデターに業を煮やした連合防衛軍はパブロチワ参謀長の立案により、プラハに反応弾を撃ちこむという強攻策に及んでしまう。

プラハへの警告はおろかスペースナイツにも知らされなかった(軍の会議を止めにきたフリーマンを軟禁して厄介払いする始末)その凶行によりプラハの街は反応弾によって跡形もなく焼き尽くされ、数多くの素体テッカマン達は無慈悲に虐殺されてしまった。


奴らは全てを無に帰した……。俺の生まれた家も……仲間も……みんなあの光の中に消えてしまった……。
だから……だからこそ俺は奴らが憎い……! 軍が! スペースナイツが!


当時、幼い少年だったデッドは暴動が続いているプラハの街の外に離れていたため辛くも難を逃れることができたものの、デッドは大切な家族も友人も、挙句の果てには帰るべき故郷さえも永遠に失くしてしまったのである。

以来、デッドは故郷を滅ぼした連合防衛軍とその暴走を止められず何も解決することができなかったスペースナイツに対して激しい憎悪を抱くようになった。

そして同時に生きる希望を見失ってしまい、自暴自棄となってひたすらに死に場所を求めるようになってしまっていた。

プラハの惨劇から5年後、デッドはプラハ跡地の施設に潜入し、軍が保管していたDr.フレイル開発のテックプラントを使い、
自らに戦闘フォーマットを施すことにより戦闘型テッカマン、テッカマンデッドが誕生したのである。

漆黒の騎士と化したデッドはまずスペースナイツの象徴とも言える白い魔人テッカマンブレードを二度に渡って討ち破り、仇討ちのために追ってきた新生スペースナイツの若きテッカマン達さえも返り討ちにしていた。

次にデッドが狙うのは、かつて素体テッカマン達に赤い悪魔と恐れられていたスペースナイツの現チーフのアキである。


ダービット……来てよ……ダービット、来て……そして俺の最後の望みを叶えて……。
最強のブレードが倒れた今……俺を倒せるのはアンタだけなんだ……!
ダービット……俺を連れて行ってくれ……仲間の所に……!


しかし、デッドはふとしたことからスペースナイツの新生テッカマン、ゾマー/ダービットと奇妙な友情を築くようになり、やがてはお互いがプラハの黒い九月の生き残りであることを知るようになった。

ブレードやアキに戦いを挑もうとしたのも全ては自分を葬って欲しいが故の行動であり、友情を築いたダービットにさえそれを願っていた。

そしてデッドはプラハ跡地に残されたテックプラントを占拠し、連合防衛軍に自分を攻撃させるよう扇動するが、同時に世界中から素体テッカマン達がデッドのいるプラハの跡地へ集まろうとしていた。

スペースナイツの存在は反乱を企てる素体テッカマン達に対する抑止力でもあったが、デッドがスペースナイツを倒してしまったことで全てのバランスは崩れ去ってしまっていたのだ。

地球の英雄、白い魔人をも討ち倒した最強の黒騎士をかつてのミハエルのように、自分達の新たなるリーダーとして据えることで素体達は再びプラハの黒い九月の時と同じように反乱を起こそうとしていたのである。


忘れるなんてできやしない……たとえ忘れようとしても、焼け付いたこの黒い土が俺にあの日を忘れさせない……俺を逃さない!



◆基本スペック

シルバーグレーのアーマージャケットのような白いアーマーを纏っているのが特徴であり、素体テッカマンのようにかなりスリムな姿をしている。

男性型のテッカマンではあるがデッドの生身の髪が露出しており、本来緑色ではあるがテックセットしている際は金髪へと変化している。

デッドに戦闘フォーマットを施したDr.フレイル開発のプラハのテックプラントは第一次ラダム戦役におけるラダム母艦の残骸であり、
本来は惑星侵略の戦闘兵器である完全戦闘型テッカマンを作り出すためのテックシステムの生き残りの一つであった。

10年の時が経ってもテックシステムは稼動を続けていたため第一次ラダム戦役時の侵略活動のデータが蓄積されたまま残っており、当時のラダムテッカマンが同じテッカマンに全て倒されたことから、テックシステムはより強力な戦闘型テッカマンを作り出すようになっていた。

プラハ/ラダム母艦のテックシステムは同じテッカマンとの戦闘を想定・特化した対テッカマン型の完全戦闘型テッカマンとしてテッカマンデッドを生み出したのである。

デッドは通常の軽装形態に加えて、対テッカマン用の兵装が備わった重装形態へと変化する能力を持っており、この形態の際は両肩部に黒いアーマーと目元部分にはV字型のフェイスマスクが装備されるようになっている。

完全にテッカマンとの戦闘に特化した戦闘フォーマットを施されているために戦闘能力はこれまでに生み出されてきた完全戦闘型のラダムテッカマンを凌駕しており、地球製のテックシステムで生み出されたテッカマンではまるで歯が立たないほどに極めて高いスペックを誇っている。

軽装形態時でも充分に他のテッカマンを圧倒できる戦闘能力を発揮できるが、重装形態になることでさらに能力は飛躍的に向上し、完全戦闘型として安定しつつブラスターテッカマンに匹敵する絶大な戦闘能力で同じテッカマンを圧倒できるようになっている。

よって、デッドと互角以上に渡り合うにはかつてのブレードとエビルのような進化したテッカマンであるブラスターテッカマンか、オメガのような他のラダムテッカマンとは一線を画す特別なフォーマットが施されている司令官型テッカマンでもなければ対抗できない。

ただし、素体フォーマットそのものはラダム樹のテックシステムで済ませているためかアーマーの防御力だけは反応弾を耐えるほどのレベルにまでには達していない。


◆主な能力・装備

●テックランサー/ボルテッカ
デッドのランサーは取り回しの良い片手持ちのであるが、状況に応じて柄の片側にも刃を生成することで諸刃の槍として扱うことができるようになっている。
ランサーの刃は黒い鞘に収まっているがこの鞘自体も剣であり、鞘を抜かないままでも戦闘を行うことができる。
当然、鞘を抜いて内部の刃を展開することも可能であり、より高い殺傷能力を発揮する。

また、デッドは体内にボルテッカを装備しておらず、発射する際にはランサー中心部の光=物質変換機で楯状の専用ユニットを装着し、
ユニットに装備されたボルテッカ発射孔からボルテッカを放つようになっている。

このためボルテッカの反動が極めて強く制御が不安定であり、ランサーの刃を片方に生成している状態よりも
両方に生成させている方がバランスが良くなりボルテッカ発射の制御が容易になる。


●ブレスショット
デッドは両手首のブレスレット部分からはリング状の赤い光弾を発射することが可能となっている。
牽制用に用いられる装備ではあるが威力や速射性は充分であり、テッカマンのアーマーも軽く削り取れるだけの性能を有している。


●クラッシュイントルード
ラダムの完全戦闘型テッカマンであるデッドは巨大な鳥状の紫のオーラを纏って高速飛行することが可能であり、単独での大気圏離脱もでき、ブレード同様にその威力はラダムの大軍を一掃できる他、ラダムの戦艦をも一撃で沈められるほどのものとなっている。


●ボルテッカドレイン
重装形態のデッドは対テッカマン用の兵装として両肩部のアーマーに反物質素粒子フェルミオンを吸収する機能が備わっている。
これはエビルのPSYボルテッカからさらに派生した装備であり、デッドがボルテッカを受けてもこの肩部アーマーの吸収/発射孔からボルテッカを吸収することで結果的にテッカマンの切り札であるボルテッカを封殺することが可能となっている。

吸収されたボルテッカはデッドが自由に利用することが可能であり、アーマーの吸収/発射孔を前後左右に向けてあらゆる方向へボルテッカを放ったり、デッド自身のボルテッカとして利用することで吸収分と合わせて複数回に渡っての利用や威力を倍にして撃つこともできる。

ただし、一度に吸収できるフェルミオンにも限界があり、発射後のボルテッカのエネルギー全てを一度に纏めて受けてしまうと吸収しきれずにダメージを負ってしまう。


◆余談

●PC98のゲーム『オービタルリング奪回作戦』ではⅡの新生テッカマン三人組やアキなどが出演している中、OVAの後期3巻が発売されるより前に発売された時期の関係で、デッドだけは出演していない。


●デッドはその中性的な姿から女と間違われることが多く、親友となったダービットとはかなり怪しい関係に発展している。
スパロボWでは特にその部分が強調されており、ダービットは仲間から「男に走った」とまで言われてしまっているほどである。
おまけにカガリ女らしさをデッドに習えと言われる始末。
さすがに女子会には参加していなかったが。レビンは違和感なく堂々と参加してたけど。
当時刊行されたWの各種アンソロジーコミックでも、外見やダービットとの関係をネタにした作品が多めだった。





何度、追記・修正しようと無駄だ! アンタは俺には勝てやしない!
アンタに……貴様に何が分かる! 友も仲間も、故郷すら失くした俺の気持ちが!


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最終更新:2023年05月27日 07:37