世良真純

登録日:2015/06/07 (日) 08:23:24
更新日:2024/03/16 Sat 10:57:00
所要時間:約 10 分で読めます




世良真純(せらますみ)とは、『名探偵コナン』の登場人物。




概要

第73巻『幽霊ホテルの推理対決』で初登場した、アメリカ帰りの帰国子女で高校生探偵
名前の由来は『機動戦士ガンダム』のヒロインで、シャア・アズナブルの妹である「セイラ・マス」から。これは原作者の青山剛昌が『ガンダム』の大ファンであることに由来する。
ただし、同作のキャラクターたちをモチーフにした安室透赤井秀一は元ネタの人物を演じた声優をそのまま起用しているが、セイラ・マス役だった井上瑤氏が既に故人であるため担当声優は異なる。

一人称が「ボク」で中性的な顔立ちだが、これでもれっきとした女子高生。ちなみに二人称は「キミ」か「あんた」、下の名前に「君」を付けて呼ぶ。また、年上や目上の相手に対してもほとんど敬語や丁寧語は使わない。
ショートカットの髪型や一人称に口調と体型、それからボーイッシュな服装を好むことも相まって、初対面では男に間違えられやすい(ただし、円谷光彦は見抜いていた)。
当人もあまり「女の子らしさ」というものを意識しておらず、「空いていたから男子トイレを使う」「怪盗キッドに女と思われずに服を剥がれ下着姿にされるも、それを気にすることなく閉じ込められていた場所から表に飛び出した」などの描写も。
ただ胸の発育に関しては少々思うところがあるらしく、小嶋元太服部平次に指摘された際などには「いずれ母みたいにバーンと出てくるさ」等と言い返している。
その後、事件が解決してから帝丹高校に転入してきた時に毛利蘭鈴木園子のクラスメートとなるが、その時初めて女子だと判明し彼女たちを驚愕させていた。

コナンのことを心の中で「魔法使い」と呼んでいる。物語が進むにつれ、どうやら彼と再会するためにわざわざ帰国してきたらしいと判ってくるが、その理由とは……?
あまりにコナンに執着しすぎるあまり、園子から「ショタコン」疑惑をかけられている。
また灰原哀にも関心があるようだが、以前から面識があったのかどうかは一切不明。

底なしに明るい社交的な性格。「昔全然笑わない人がいて、その人を笑わせようと思って明るく振舞っていたら自然とそうなっていた」らしい。
だがそんな真純も時折非情な面を見せることがあり、特に親しい間柄の人間に危害を加える輩に対しては過激な行動に出ることも多い*1

アメリカ帰りと周囲には言っている……が、サッカーを「フットボール」と言ったり*2、披露したテーブルマナーが英国式だったりと、英国に関係するような描写がされている。
これらの謎は『さざ波の魔法使い』で明かされ、またコナンの正体を新一と確信している様子であった。
彼女がコナン(新一)を魔法使いと呼ぶようになったのは、自分がどうやっても笑わせられなかった兄の秀一をいとも簡単に笑わせたから。

過去に新一や蘭と会った経験があり、2人のことはよく知っているようだが、どのような経緯で知り合ったかはしばらく不明だった。
コナン(新一)も彼女の八重歯に見覚えがあり、蘭も真純が走り去る姿を見ると「さざ波」の音が聞こえてくるらしいが、それ以上は何も思い出せないでいる。このことはサブタイトルにもある『さざなみシリーズ』で判明する。

現在は都内のホテルで暮らしているが、彼女が滞在しているホテルではかなりの確率で殺人などの事件が発生している。
もし今後別のホテルに移り住むようなことがあれば、そこでも何かしらの事件が起きる可能性が高い。ホテルの支配人涙目……。

蘭や遠山和葉と同様に真純も武術の心得があり、彼女は截拳道の使い手である。
幼い頃に秀一の影響で始めたらしいが、その実力は空手の有段者である蘭とも互角に渡り合えるほど強い。
また服部平次同様バイク乗りでもあり、車種はYAMAHA XT400E Artesia(アルテシア)。かなりマニアック。元ネタは言うまでもなく……。

なお、FBIジェイムズ・ブラックは真純のことを知っているような素振りを見せているが、彼女の写真を見た時に「こんなは見覚えがない」と言っていた*3


親族

父親は既に亡くなっているが母親は健在で、兄も2人いるらしい。
なお兄弟3人は名字が全員違っており、彼女の苗字は母親の旧姓とのこと。
長兄はFBIの捜査官である赤井秀一で、彼のことは「シュウ兄」と呼んで慕っている。
秀一についてはとある事件で亡くなったと聞かされているらしく、ベルツリー急行で火傷を負った彼*4と会った時は驚きの表情を見せていた。
今でも秀一は死んでいると思っているようで、彼がよく被っていた帽子を「カタがついている気がする」と大切にしている。
次兄は太閤名人こと羽田秀吉で、彼は羽田家に養子入りしているため家族ながら姓が違う。
本編では直接的な言及がほぼ無く、『死ぬほど美味いラーメン2』で由美に電話をかけた相手と世良が電話をかけた次兄が同一人物である等血縁関係が暗示されているに過ぎなかったが、コナンが10年前の記憶を辿った時に兄妹関係が明確に描写された。

また、前述の通りホテル暮らしだが、その自室には目元が似た謎の少女を匿っている。
コナンにさりげなくそのことを伝えるために、真純はその少女との2ショットを待ち受けにした画面を見せたことがあった。
少女の本名は伝えず、コナンには彼女のことを「領域外の妹」だと紹介している。
しかし世良が彼女のことを「ママ」と呼んでいたことからその少女が真純の母親であることは明らかで、10年前の昔の彼女のことを思い出したコナンは今の彼女と同一人物だと確信。
そして、それにしては小さすぎることから自分たちと同じように「アポトキシン4869」の影響で幼児化したのではないかと推測する。
また、マスカラを付けた灰原哀がその少女とそっくりであることにコナンは驚愕の表情を見せ、原作者が「誰かと誰かの母親が姉妹」と言っていることから、亡くなった宮野エレーナの姉妹と一部ファンから見られていた。実際その通りであったことが後に原作で判明。
つまり、真純(及び秀一と秀吉)と灰原はいとこ同士ということになる。そして秀一とその恋人だった明美(灰原の姉)はいとこ同士で恋人になっていたという事でもある。


探偵として

探偵を名乗るだけあって洞察力は高く、帰国する以前にも何件か事件に関わっていたことがある。
だがそこから真実を見つけ出す推理力の方はあまり高くなく、事件のトリックにミスリードが用意されていた場合にはそちらのほうに引っ掛かってしまう場合もしばしば。
どちらかというと、現実の探偵がよく請け負う素行調査などの方が本業で、ある意味ではコナンよりも本物の「探偵」らしいと言える。なお日本で探偵業を営むには都道府県公安委員会に「探偵業に関する届出」が必要だがちゃんと出しているのだろうか。

とはいえ、初登場の事件ではわざと間違えた推理を披露してコナンの出方をうかがっており、コナンの正体が工藤新一だということにも気づいているかのような素振りも見せていた。
『名探偵コナン DVDコレクション 世良真純編』の解説でも、断定はされていないが「コナン=新一の正体を知っていないとコナンに対する言動としてはおかしい」と推測されている。
以降はコナンに関心を示すようになり、たまに彼と息の合った推理をして事件を解決に導くこともある。
ちなみに事件が解決した時の決め台詞は「Case Closed…(いっちょあがり!)」。


劇場版において

第18作『異次元の狙撃手』にて初登場し、第24作『緋色の弾丸』にも登場。


余談

真純が誕生したきっかけは、『服部平次との3日間』に登場した越水七槻の反響が大きかったから。
越水はこの殺人事件の真犯人だったが、その後も原作者は周囲から「もったいない」と言われ続けていたようである。
じゃあ究極のボクっ娘を出してやるよ!」というコンセプトで登場したのが真純だったが、まさか彼女がここまで作品の根幹に関わる重要キャラになるとはな……。

ちなみに領域外の妹の真の正体は『骨董盆は隠せない』でようやく明かされている。
にもかかわらず、2021年時点の劇場版『緋色の弾丸』の予告でバラされているという事態が生じている*5


追記・修正は、截拳道を会得してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 名探偵コナン
  • 世良真純
  • 探偵
  • 帝丹高校
  • 高校生
  • 女子高生
  • ボクっ娘
  • 貧乳
  • ボーイッシュ
  • 日高のり子
  • 截拳道
  • バイク
  • ホテル住まい
  • 八重歯
  • Case Closed…
  • 赤井秀一
  • 帰国子女
  • セイラ・マス
  • 名探偵コナン登場人物項目
  • 女子高生探偵
  • 赤井家
  • 末っ子長女
  • コナン=新一を知る人物

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月16日 10:57

*1 狙撃班に犯人を射殺させようとしたり、コナンを人質にとる犯人にバイクの後輪をぶつけたりなど。

*2 サッカーと呼ぶのは実は日本とアメリカぐらい。

*3 私服の彼女を見て、初見で女だと見抜いた人物はジェイムズが初めて。

*4 実はベルモットの変装。

*5 この時点のアニメ版では、『霊魂探偵殺害事件』『紅の修学旅行』にて「領域外の妹=世良の母」ということのみ明かされている。