シロ(暗殺教室)

登録日:2015/06/05 Fri 16:27:29
更新日:2024/04/11 Thu 13:08:00
所要時間:約 8 分で読めます






ごめんごめん驚かせたね 転校生は私じゃないよ

私は保護者

…まあ白いし、シロとでも呼んでくれ。


シロは、漫画『暗殺教室』の登場人物。

CV:竹内良太
演:成宮寛貴


【概要】

白い着物と白い頭巾を被っており、全身白色ずくめの格好。
一応本人もこの格好は不自然なのは自覚済みなようで、笑いながら上記の自己紹介を述べている。
ちなみにこの布は対先生繊維で殺せんせーは触れることもできない。

28話目のラスト2ページが初登場シーン。
「転校生・堀部イトナの保護者」を称して、賞金首の殺せんせーのいるE組にイトナと共に乗り込んできた。
自身を「過保護な性格」と言い、この日はシロもE組にいた。


【人物】

一見すると温厚なしゃべり方に手品を披露する面白さを持っているが、実際の性格は冷酷非情で一切合切を見下した冷血漢。
カルマ曰く「あいつにとって、自分以外のすべての人間が『当たればラッキー』の、使い捨ての駒」
基本的に彼が直接殺せんせーを攻撃することはなく(しても援護程度)、大抵はイトナか、あるいは彼に引き入れられた者が攻撃している。

二回目の暗殺の時は、寺坂を言葉巧みに操って破壊工作を行わせた上で 寺坂以外のE組全員が入ったプールを爆破させる という非道な策を決行し、
三回目の時は殺せんせーを罠におびき寄せるために 町中で下着泥棒(教唆)も平然とやってのけた。
なお下着ドロ事件ではご丁寧にも 町中+E組女子のカップ数 を調べリスト化している。そこまでやると思われたのか殺せんせー……

プール爆破の際は「私の計算では7~8人死ぬよ」笑いながら告げるなど、目的のためならば一切手段を選ばない面が強い。
また度重ねて暗殺に失敗するイトナを(メンテが行われず死ぬのを承知で)あっさり見捨て、後日彼をトラックで引きずり回し、殺せんせーに隙を作るためにイトナに向かって銃を撃たせるなど、自身の仲間に対する情も持ち合わせていない模様。


一方で非常に高度な頭脳の持ち主でもあり、「高い頭脳」と「人を使い捨ての道具として利用する」彼の立てる作戦には殺せんせーもE組一同も苦しめられた。
それどころか殺せんせーのあらゆる弱点を把握しており、更に対先生物質のBB弾やエアガンは朝飯前、それどころか「一瞬殺せんせーの動きを止める光線」「殺せんせーの触手の動きを弱める薬品」などをホイホイ調達してくる。
そこまでできるんだったらもっと簡単に殺すことができてもいいんじゃないのか
また殺せんせーの持つ触手と同じ触手をイトナの身体に植え付けた。
これを見た殺せんせーが激昂して「どこでそれを手に入れた」と問いだたしても答えず、
「嫌な事でも思い出したか?」と逆に嘲笑うなど、殺せんせーの過去を知っているような素振りを見せる。


実は、作中の登場人物の中でも人一倍「殺せんせーに対する憎悪」が強い。
殺せんせーのことを「罪深き生物」「自分のことしか大事にできない、身勝手な生き物」と蔑み、
「どんな犠牲をはらってもいい お前が死ぬ結果だけが私の望みさ」という発言からも、憎悪の強さがうかがえる。


以下、重大なネタバレにつき回覧注意。













































シロ/柳沢誇太郎

登録日:2015/06/05 Fri 16:27:29
更新日:2024/04/11 Thu 13:08:00
所要時間:約 8 分で読めます





【素顔】



――ただ愚直に目標に向かって没頭する その目を見て俺は思った
そうだ 俺にはこの目が欠けている


…会社も女も “買い” かもな ああいう “熱” を俺の中に取りこめば俺の欠点を埋める栄養になるかもしれない

…だが俺は全てを失った 屈辱的な誤算の果てに…名誉も、女も

全ての元凶は初代『死神』 おまえだった――




誕生日:12月10日(34歳)
身長:172㎝
体重:65㎏
経歴:古都大学生体エネルギー研究室⇒国際エネルギー研究機関
趣味、特技:手品、派閥作り
座右の銘:天才の一瞬の閃きは、凡人の一生に勝る
世界の中で、彼が最先端を行く分野:量子力学、生化学、物理化学
彼を見た、ある高名な学者の言葉:「モラルの生体移植技術が欲しい。それさえあれば彼は完璧になれるのに」



本名柳沢(やなぎさわ)()()(ろう)
元々は国を越えた非公式の研究組織の主任を務める、神をも恐れぬ天才科学者。
頭脳と研究者としての才覚こそ本物であるが、人格面で非常に難のある人物で、「天才の一瞬の閃きは、凡人の一生に勝る」という座右の銘を持ち、他者を道具とみなす驕り高ぶった傲慢不遜な性格。
癇に障った部下の頭に対して薬品の入った瓶を投げつけるなど極めて横暴。

婚約者として、E組のクラス担任「雪村あぐり」がいたが、婚約者と言うよりは戦略交際であった模様。
柳沢が彼女に目をつけたのは、常に勝利と成功を収め続けていた人生を送っていたことから『情熱』というもの欠いていたせいで生き甲斐を感じ取る事ができずにおり、故に「強大な才覚に加え燃え盛るような情熱を持った敵が現れれば自分は立ち向かえるのか」と懸念も抱いていた。
その矢先、当時大学生だったあぐりの教師を目指して勉学に励む情熱に溢れる姿を目撃したことで、彼女を手に入れれば自分に欠けていた情熱を得ることができるのではないかと考え、彼女の実家が事業に失敗して経営破綻してしまった弱みに漬け込んで婚約者としたのである。
しかし、柳沢自身は他の女とも遊んでいたし、あぐりのことを「死んでも誰も文句を言わない」「モルモットの邪心を計る捨て石」「己に唯一欠けていた『情熱』という感情を取り込み埋めるための栄養」と、あくまで道具としか見ていなかった。
死神の監視役及び身体チェックのためにあぐりをここで働かせていたが、ことあるごとに彼女の頭を殴っていた。


この研究組織では「反物質」の研究が盛んに行われていた。
極微量の「反物質」から膨大なエネルギーが得られるが、これを生産するにはそれをはるかに上回るエネルギーが必要であり、とても使えたものではない。

だが、柳沢はこの「反物質」を生物の中に埋め込むことで最大の問題点である「生産効率」の問題を克服できるのではないか、と着目した。
そして、部下に裏切られて囚われの身になった初代死神(現在の殺せんせー)をモルモットとして人体実験を開始した*1


だが、この理論には一つ大きな問題があった。
生物が生きる上で欠かせない細胞分裂。この力を基にこの理論は成り立つが、では生物が老いたら、細胞分裂が減ったら?

この確認を月にある研究所でマウス一匹に植え付け、機械による全自動で観察していた。
その結果は……エネルギーが不安定になり月を七割消し飛ばすほどの大爆発が発生した
近いうちに同じ爆発が死神によって発生するかもしれない、そう判断した柳沢は直ちに死神の抹殺を計画した。


しかし明晰な頭脳を持つ死神はこの人体実験の内容と真意を素早く理解し、
モルモットという立場を逆手にとって「自分が新たなる破壊の力を得るために」死神が柳沢たち研究員を操っていたのだった。

脱出を止めるために幾多の戦闘員と共に死神の前に姿を現した柳沢であったが、砂粒で人を殺せる死神を相手には歯が立たず、逆に机を投げられて左目に直撃し目が潰れて失明。
防衛装置の一つでもあった「触手地雷」で抹殺を試みるも、死神には効果が無いばかりかこれが凶器となってあぐりは命を落としてしまった

結局脱出を止めることはできず、研究所は破壊しつくされてしまった。
かつて柳沢が抱いていた「強烈な情熱で一直線に突っ込んでくる野蛮人を相手に自分が蹴落とされずにいられるか」という懸念は最悪の形で現実のものと化してしまったのだった。

その後殺せんせーへの憎悪を糧として「シロ」として行動するようになった結果、
以前のように他者に当たり散らす素振りは鳴りを潜め、「殺せんせーを殺す」という目的に己の才覚の全てを注ぐようになった。
結果的に、彼は皮肉ながらも人格面で大幅な成長を遂げることになった。

この記事の前半部分で、「シロには殺せんせーに対する強い憎悪がある」と記したが、この経歴を見るに自分自身のプライドと研究を徹底的に破壊し尽されたことによる逆恨みによるものと思われる。
どうしようもない外道であり、暗殺教室における全ての元凶*2


以下、更なるネタバレ。












素晴らしいよ二代目 人生とは思わぬ所で師に巡り会う

俺も君も奴によって教えられた 殺意以上に…人の情熱を呼び起こすものはないと

行こう二代目 我々の受験日は3月だ 恩師を殺して生徒の成長を証明しよう






二代目死神が烏丸に敗れた際、その身柄を防衛省から引き取っており、師である初代死神(殺せんせー)への復讐に燃える彼に師と同じ改造を施して触手の怪物に改造した。
調整には時間が掛かったようであり長らく二代目は全身ラバースーツで包まれていたが、その下には真っ黒で禍々しい怪物と成り果てた死神の姿があった。
メンテナンスが不要で寿命による爆発の危険性が無い代わりに3ヶ月程度しか生きられない改造を死神に施しながらも、
自身の全身にも少しずつ触手の細胞を移植しており、既に人間を遥かに凌駕する身体能力を得ていた*3
それは自身の命をも縮める非常に危険な行為ではあるが、既に柳沢の中には自分の人生を狂わせた殺せんせーへの復讐心しかなく、命と引き換えにしてでも殺せんせーの命を奪うと豪語して最後の刺客としてその刃を殺せんせーへ向ける…*4


命などもうどうでもいい


俺から全てを奪ったおまえさえ…



殺せれば


二代目に立ち向かってきた茅野を返り討ちにさせ、更に彼女の死を侮辱したことにより、殺せんせーは怒りを爆発させ体を黒く変色させる。
しかし殺せんせーは全ての感情・過去・命…それらを混ぜたレーザーを二代目死神に向け発射。
その余波に巻き込まれた柳沢は、対触手用バリアーへ吹っ飛ばされてしまう。

この時の柳沢の重要器官のほとんどには触手細胞が埋め込まれており、それらだけを溶かされるということはつまり…

自身の末路を察し空中で必死にもがく柳沢。


(誰か助けろ二代目
いや無理だ畜生あのバカ肝心な時に役立た
待てよ違う
作戦本部に連絡してバリア解除を
ダメだするわけないし間に合うわけない
うあああああああああああああ)


対策を練るが為す術も無く、そして………



(この俺が…こんな…ついでの雑魚みたいなやられ方…)





嫌だぁぁーーーーーーーーーーッ!!!



バチュッ



こうして全ての黒幕は、自ら作り上げた触手により惨めな最期を迎えた…。前作の黒幕と同じように…






と思われたが、179話にて一命を取り止めていた事が判明。
触手細胞を埋め込んだ部分がバリアーにより吹き飛んだことにより両腕、両脚、声帯等一部の臓器が溶けてしまい、ほぼ植物人間状態になった。
更に一連の研究がエネルギー利用も兵器利用も制御が不可能と判断され、『実用に値せず』として研究者失格の烙印を押された揚句、
自身も全身不随に陥り、常に自分以外の他人を「自分の駒」の如く見下し続けていた他人の力を借りないと生きていけない肉体に成り果てた。
仮に「他人に延命介護を受けるくらいならば」と死を選ぼうにも、まともに喋ることもできないため意思表示もままならないそもそも四肢が無いため自決しようにもどう足掻いても出来ない(強いて言うならばその他人の力を借りなければならない)という、
プライドの塊の彼にとってはあるいは死以上の屈辱的な結末になったのかもしれない…。


なお、アニメ版では179話のくだりはない。*5


【余談】

他人を踏みにじることに何の痛痒も抱かない外道と言えるキャラクターであり、暗殺教室の諸悪の根源となった男だが、
一方で彼が初代死神を実験の素体に選ばなければ、名教師・殺せんせーは誕生せず、結果、E組の面々は暗い人生を歩むことになっただろうし、浅野理事長も過去から解き放たれることなく教育界の修羅として学園に君臨し続けたのは想像に難くない。
柳沢が発端となった悲劇が、巡り巡って多くの人生を救ったのはなんの皮肉だろうか。

渚の母が「成功を知らないまま大人になったE組」と評されるのに対し、柳沢は「挫折を知らないまま育ったA組の成れの果て」と表現されることも。

実写版でシロ/柳沢を演じた成宮氏も「頭が良いあまり、曲がった方向に行ってしまった悲しいキャラクター」と評している。



リラックスタイムはおしまいだWiki篭り 拘束台に上れ 追記・修正再開だ

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最終更新:2024年04月11日 13:08

*1 初対面の理事長との会話の際に『世界を救う救世主になりえた存在』と言われたのはこのことを指しているものと思われる。

*2 が、考え方を変えると、彼がいなければ殺せんせーは生まれず、E組の生徒を始めとした人々(殺し屋のレッドアイやイリーナ、浅野學峯、更に一部は、結果論ではあるが、殺せんせーやE組生徒と関わったリュウキやユウジ、外伝の梓や常連の殺し屋達、わかばパークのさくらや渚の母の広海)果てはその多くの人を救った殺せんせーも救われなかったor改心しなかっただろうと考えると結果的に彼の行いが巡り巡って多くの人々を救済しているという結果を生み出している。

*3 なお、以前あかりに対して「こっちの調整もまだ終わっていないのに」と発していた事から、柳沢の考えていた案では自身と二代目、そして茅野の3人で同時に殺せんせーに攻撃を仕掛ける計画だったのかもしれない。

*4 この際にビッチ先生から『私には見える あの2人に暗く滾った情念が この世で1番強い殺意は…愛を巡って産まれた殺意 自分の愛を踏みにじった標的の心も体もズタズタに引き裂くまで…決して彼らは満足しない』と柳沢の死神への憎悪の根底が愛から産まれた者であることが示唆されている。前述のように「雪村あぐり」への柳沢の態度は愛する女性に対してのそれでは全くなかったが、本人ですら無自覚な部分で彼女に対して惹かれていた部分があったのかもしれない。実際、あぐりから扱いの酷さから「女として見られていない」とすら思われていたが柳沢の独白ではあぐりを「女」と称しているし、死神に洗脳されてもいい存在としてあぐりを危険な死神との対話相手に使っていたにも関わらず、彼女が死神に心惹かれている姿を見て逆上するなど身勝手極まるが彼女が自分の女であることへの執着心があったと思われる描写はある。

*5 これについて「スカッとしない」「もっとひどい結末が見たかった」等の意見や批判があるが、メタ的な事情をすると尺の都合だと思われる。