テッカマンダガー

登録日:2015/05/26 Tue 16:06:57
更新日:2024/03/01 Fri 10:55:00
所要時間:約 8 分で読めます






罠に陥り、変身不能となったDボゥイ

無防備のDボゥイの前に現れたテッカマンダガーの復讐が、今始まる

次回、宇宙の騎士テッカマンブレード『テックセット不能』

仮面の下の涙をぬぐえ!





ブレードよ!あえて直さなかったこの傷の恨み、今日こそ晴らさせて貰うぞ!


宇宙の騎士 テッカマンブレード』の登場人物。
主人公・Dボウイこと相羽タカヤと同じアルゴス号のクルーたるフリッツ・フォン・ブラウンが変身するテッカマンである。

CV:飛田展男

ラダムが最初に地球へと派遣したラダムテッカマンであり、ブレードが最初に戦うことになった敵のテッカマン。
Dボウイの左瞼から左頬にかけた涙にも似た傷痕を残した張本人でもある。

テックセットする際もやはりというかテッククリスタルを使用するが、ラダムテッカマンのクリスタルは基本的に赤い色をしており、
ダガーも例外なく赤いクリスタルを使用する(形状は個人差あり)

オービタルリングの占拠とそれによる地表攻撃で侵略を進めていたが、ブレードの出現により順調だった侵略が狂い始め、ブレードの左目に傷痕を残しながらも、自身も右目に傷を負わされてしまう。以降、屈辱と恨みを忘れないように右目の傷をそのままにした。オメガにとって最初の部下ではあるが、仲間意識こそあれど、ブレードへの刺客としては期待されていなかった。

救難者を装って、Dボウイを誘き出し、干渉スペクトルを用いて、ブレード用のテッククリスタルの破壊に成功。今度は地上への無差別攻撃を盾にDボウイを誘き寄せ、変身できないDボウイにとどめを刺そうとするが、ペガスにより再び変身可能となったブレードの反撃に遭い、ボルテッカを受けて戦死した。

策を弄してDボウイを罠に嵌めて窮地に陥れた所までは良かったが、生身の人間がテッカマン相手に太刀打ちできるわけがなく即座に殺せるにもかかわらず、屈辱と恨みを晴らすために徹底的に甚振った上でなぶり殺しにしようと、私怨を優先してしまったことが仇となってしまった。

オメガはダガーの戦死を悼みながらも「やはり、ダガーでは無理だったか」とも発言した。

Dボウイことタカヤとは親しい間柄ではなかったが、ダガーを葬った直後のブレードは初めて同朋を殺めた後味の悪さを痛感していた。


序盤のザコというイメージが強いが、狡猾な罠でブレードのクリスタルを破壊するという金星を挙げている。これにより、ブレードは変身とクラッシュイントルードがペガスなしでは行えなくなった。
何よりも、ブレードのクリスタルを破損せしめたことで、大気圏突破を不能にし、月のラダム基地への侵攻を防ぐ結果をもたらしている(もっとも当時のブレードはラダム基地の位置を知らなかったのだが)

さらに、続編に至るまでDボウイの目元にトレードマークのように残る傷をつけており、印象以上に作中において重要な役割を果たした悪役といえる。



この傷の痛み、忘れはしない…
テッカマンブレード!お前は俺が必ず、この手で!!


◆基本スペック

深緑色のアーマーが特徴であり、右目部分は遠距離の標的を正確に捕捉するための照準器となっている。

テッカマンはランサーによる白兵戦を主体としているのが普通であるが、ダガーの場合は後方支援型という特性があり、逆に遠距離攻撃に特化した能力を持っている。

接近戦を行うラダム獣や他のラダムテッカマンをサポートするのが本来のダガーの役目であるため、本人が直接戦闘を行うことはあまりしない。
このため遠距離攻撃は得意だが逆に白兵戦は大の苦手であり、ブレードには全く太刀打ちできずに軽くあしらわれてしまっている。


フハハハ…貴様に残された道は死あるのみ!
が…楽に死ねるとは思うなよ、裏切者が!!


◆主な能力・装備


●テックランサー/コスモボウガン
ダガーのランサーも諸刃のであり、ブレードのようにブーメランとして投げつけるなどの運用が行える。
ちなみにダガーは左利きであるようで、ブレードのように両手ではランサーを振り回したりしない。

しかし、ダガーは白兵戦主体のテッカマンではないため、ランサーを白兵戦ではほとんど活かすことができず牽制くらいでしか役立てることはできない。
ダガーのランサーの真骨頂は白兵戦のためではなく、遠距離戦用の兵装であるコスモボウガンである。

ランサーをのように構えることで少量のフェルミオンのエネルギーを集め、矢状にすることでそれを射出することが可能なのだ。
ボルテッカと違って消耗もほとんどないため連発も可能な上にエネルギーの調整も自由であり、一発だけでなく複数の矢を拡散させたりと状況に応じて柔軟に使い分けることができる。

この装備のおかげで遠距離戦における汎用性は他のテッカマンとは段違いの能力を持っているのだ。
また、精密射撃の際は右目の照準器を用いてより正確に標的を狙撃できるようになっている。

ただしコスモボウガンの矢に使うフェルミオンははっきり言ってとても少なく、相当にエネルギーを集中させて撃たなければ
フェルミオン砲のような大規模な破壊はもちろん、テッカマンに対してであっても直撃してもダメージはかなり少なく、ランサーなどでも簡単に防がれてしまう。

このためテッカマンとの戦闘ではコスモボウガンで遠距離から密かに狙撃して奇襲したり、遠距離から牽制しつつ隙を見ては
ランサーで一撃を与えヒットアンドアウェイを取るのがダガーにとっては最良の戦術と言えるかもしれない。


●近接格闘

白兵戦が苦手なダガーは片手でランサーを振り回し、もう片方の手や足で攻撃するなどしてとにかく敵を牽制するのが主体。
鍔迫り合いになっても白兵戦が苦手なダガーでは白兵戦主体の他のテッカマンにはほとんど太刀打ちできないのが現状なのである。

ちなみに名前のダガーとは短剣であり、片手でランサーを振り回したりするのもこういった事情があるのかもしれない。


貴様を逃したおかげで、俺は『役立たず』呼ばわりよ!!
この恨み…じっくり晴らさせてもらうぞ!!


◆調整不足のテッカマン?

さて、上記の装備などを見てもらうと分かるが、ダガーには本来テッカマンに共通して装備されているはずの
ボルテッカはおろかクラッシュイントルードさえも装備されていない。(一応、肩のアーマーにはボルテッカの発射孔があるのが見える)

これはどういうことかと言うと、元々ダガーは総司令官であるテッカマンオメガとほぼ同時期にフォーマットを終えているのであるが、
実は戦闘フォーマットはアーマーやバーニア、テックランサーなど最低限の装備が使えるようになった時点で一時的に中断しているためである。

何故、そのようなことをする必要があるかと言うと、アルゴス号の自爆によりラダム母艦はの裏側に不時着してしまい、エネルギーも無い不毛な月に不時着したことによりラダム獣を量産する為のエネルギーが確保出来なくなりラダム獣を生産する事が出来なくなったので、オメガは調整中のダガーを排出し、ラダム獣を生産する為にオービタルリング占領を命じた。
そしてダガーはオービタルリングを襲撃し占領。
オービタルリングでは大量のラダム獣がソーラーシステムのエネルギーで量産されており、それらを管理し侵略活動を前線で指揮するためのテッカマンがダガーなのである。

さらに不確定要素によってテッカマンブレードという裏切り者のテッカマンが出現してしまったことはラダムにとって予想外の出来事であり、
この裏切り者を早急に排除するためにもダガーが急遽送り込まれることになったのだ。

しかし、それでも最終的にはブレードに敗北する結果に終わってしまったため、更なるラダムテッカマンが新たな尖兵として送り込まれることになる……。

そういった意味ではダガーもブレードやレイピアのように不完全なテッカマンと言える存在だったのである。

このため功を焦らずにオメガの指示に従って今は身を引き、中断した戦闘フォーマットを最後まで済ませた上で完全体となれば
戦闘能力の底上げはもちろん、ボルテッカやクラッシュイントルードなども使用してブレードをさらに苦しめることもできたはずなのである。

エビルのPSYボルテッカも本来は追加で装備されたものでもあるため、ダガーにもまだまだ強化の余地はあったのだ。
それをしようとせずに復讐心に囚われ、結果として機動兵ペガスという愛馬を得て復活したブレードの前に敗北。
ボルテッカを受けてラダムテッカマン最初の戦死者となってしまったのであった。

……まぁ、メタい事を言ってしまうとボルテッカは本来テッカマンの標準装備では無く、ブレードだけのものだったのだが、制作途中でその予定が変更されてしまった為
ダガーのみがボルテッカを持たないテッカマンになってしまったのである。
上記の調整不足という設定も、ダガーがボルテッカを持っていないのをフォローする為の後付設定なのだ。


やはりダガーでは無理だったか。ならば、次なる者を送るまでの事…フハハハハッ…!


◆余談
角川書店『月刊コミックコンプ』で連載されていた漫画版(作者:鈴木典考(スタジオOX))では、本名こそTV版と同じフリッツであるが少壮と言える外見で、アルゴス号時代にはDボゥイことタカヤがスパーリングでどうしても勝てない格闘技の先達という、TV版におけるアックス/ゴダードに相当するポジションであった。*1
またペガスはそもそもラダム側が開発した超AIロボットでありブレードだけでなくラダムのテッカマンすべてに与えられており、ダガーにもダガーペガスという忠臣がいるが、ペガスを嫌うダガー本人からシステムボックス(所謂テッククリスタル)の代わりに自身の右目を押し付けられている。
ダガーがブレードに倒されて後、オメガの前で「この右目が!夜泣きをするのでございまする!!」と右カメラアイのシャッターを開け、ダガーの右目から溢れ出る血の涙と共にブレード討伐を懇願する様はショッキングといえるだろう。
そして元よりテッカマンに勝てるわけもないと承知でそれでも一矢報いずにはいられなかったダガーペガスと、同胞殺しの罪を噛み締めつつ正面から受けて立ったブレードとの対決、そして右目に込められたダガーの真意は……

最終的にダガーペガスはブレード抹殺に動いたエビル・ランス・セイバー(ソード)・アックスらによりブレードペガスともども破壊されるが、そのパーツは地球製ペガスとなりブレードの力となり、オメガを抹殺し暴走するエビルとの最終決戦へと赴くことになる。

角川書店のお家騒動の余波を受けコミックコンプでの連載は打ち切られるが、バンダイから発行されたアンソロジーコミック『MEDIA COMIX DYNE』で前後編として完結編が収録、やがて両連載のものがすべて収録された単行本がメディアワークス社・電撃コミックスから発売されている。(全1巻)


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最終更新:2024年03月01日 10:55

*1 漫画版のアックスはまともな人語すら話せない筋金入りの脳筋の模様