グレアドモス

登録日:2015/05/24 Sun 01:16:31
更新日:2023/12/28 Thu 21:43:16
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モンスターハンターフロンティアGのアップデート『G7』より登場するモンスター。
フォワード.5以降の新モンスターの慣例に倣い、剛種(HR5。旧HR100~)と始種(G級)の個体が存在する。



概要

外見はシリーズの古株モンスター、グラビモスを基礎に、体中から緑色の植物のようなアスパラガス管や苔が生えた姿をしている「始種」の一体。
別名「水砦竜」。
顔の造形もグラビモスとはかなり違い、全体的に薄い茶色でグラビモスのごつごつした岩っぽさがあまり無い。
管の色と相まってアスパラベーコンか何かに見える

何の因果か2体目の始種「ヤマクライ」も植物と共生した姿である。


G7から新登場の分類「始種」は特定のモンスターの祖先に近い存在で、太古の昔から自然と共生し、その姿を殆ど変えることなく生き永らえて現存している。
また、身体に宿した属性の扱いが非常に長けており、戦闘面では属性の力をフル活用して外敵を圧倒するという。


グレアドモスの場合、水の少ない砂漠地帯を生き延びるために大量の水を蓄える生態を持つのだが、体中の管はその時に水を効率よく吸収するために使う。
つまり全身が飲み口のようなもの。
更に蓄えた水は攻撃に転用することも可能。
ちなみにこの水、かなり綺麗らしく人間もそのまま飲用することができる。(素材説明文より)
…問題は、誰が好き好んでモンスターの内臓器官の水を飲みたがるか、という事だが。

設定上は苔や管の見た目を生かして擬態する習性もあるようで、この辺りに後のバサルモスへの繋がりを伺わせる。
(知っている人も多いだろうからあまり言わないが、バサルモスはグラビモスの幼体)

かつて地上の大規模な干ばつに見舞われた時、地底湖でひっそりと暮らすようになったが、近年になって地底湖の水量が少なくなってきた為、水を求めて地上に進出。
それによってグレアドモスの存在がギルドに認知され、放っておくと砂漠の水が枯渇しちゃう!生態系が乱れちゃう!という事でハンター達に討伐が依頼される運びとなった。


始種はゲーム的には設定面のコンセプトだけでなく、「ハンターの初心に立ち返る」というもう一つのコンセプトが存在する。
要するに、「モンスターの動きを観察し、小さな隙を狙って攻撃する」という従来のモンスターハンターらしい戦い方が求められる設計という事である。
始種第一陣であるグレアドモスも、行動面においてその傾向が強く現れており、「観察すること」を重視して立ち回らないと厳しい戦いになってしまう。
逆に言うと、こういった基本をしっかり押さえておけば戦闘の難易度は(G級でも)突出して高くは無く、烈種と同じかそれより低めに位置付けられている。


…実際の所は、G級武器への対抗馬にも関わらず普及率が芳しくなかった「烈種武器」のテコ入れという意図も含まれている。
始種の素材を使ってこれを更に強化した「始種武器」を普及させるためには、あまりにも高い難易度にしてしまっては普及の妨げになるからである。
(強すぎて素材が手に入れ辛い=だったらG級武器天廊武器を地道に強化した方がマシ、となってしまう)



戦闘概要

始種では難易度★7として扱われるため、防御力マイナス900の減算補正に耐えうる防御力が必要。
難易度変更は不可能。


強さに関しては割かし極端なものではない。
実装当時は同じ剛種でも初見殺しの塊ガルバダオラ、超絶タフネスのポボルバルム、サボテンで大ハッスルしちゃうヴァルサブロス、攻撃力が非常に高いハルドメルグ等、凶悪な面々が続いてきた中では良心的なステータスであり、しっかりと防具を鍛えた上で戦闘に臨めば致命傷を負うことは少なかった。
タフネスもさほど高くない。
G9.1以降は全剛種モンスターの攻撃力(一部は体力も)が下方修正され、現在は剛種グレアも他の剛種もさほど変わらない。
始種ではG級のセオリー通り防御力が機能するため(ある一つの技を除いて)、何はなくとも防御力が重要。
もちろん、水属性耐性を高めておくとなお良い(G級では耐性値が半分に減るので軽減しづらいが)。

烈種の存在するモンスター達と違い、普段の狩猟フィールドである砂漠の湖と隣接したエリアで戦うということもあってか、ハンター側は普通にエリアチェンジできる。
逆にグレアドモスは他のエリアに移動しないので(地底湖エリアに住んでたのにね)、いざという時に体勢を整えるべく逃げることも可能。


MH4仕様のグラビモス並に部位破壊可能な箇所が多い。
ざっと挙げると翼(左右で別判定)、脚、頭、背中、尻尾の6箇所。
尻尾は切断ではなく破壊。背中は胴体と共有しているので腹部辺りを殴っても破壊できる。
耐久値も意地悪ではないためか、しっかり狙えば始種でも部位破壊は簡単。

水、そして植物と共生している点から予想がつきやすいが、火と雷属性が弱点。

なお、烈種との共通規格?として閃光玉・罠は完全無効なので注意。
ただし、開幕で水を飲んでいるグレアドモスに対して閃光玉を投げると、威嚇咆哮が確定するので攻撃チャンスを作るために閃光玉を持ち込むがセオリーとなっている。


行動面

初めに言っておくと、「グラビモスの血縁だからどうせ鈍くて楽勝だろ」という先入観は捨てた方がいい。
グレアドモスは攻撃の多くに付随する水弾や、管からの排水によって自身の鈍重さを補っているのである。
水弾は昨今の強力な防御スキル「絶対防御体勢」への対策を兼ねており、安易に頼りきりだと水浸しになること請け合い。
他にも似て非なるモーションの数々など、適当に戦っていては翻弄されてしまうだろう。

各行動はグレアドモスの動きを注意深く「観察」することで把握できるため、むやみに腹下へ潜り込んでゴリ押すのは現実的ではない。
そもそもグラビモスと違い、腹を割って肉質を軟化させることが出来ないので、至近距離に張り付くメリットも薄い。
(その代わり、翼や尻尾など管の生えている部位は武器種にもよるが比較的柔らかい)


水を伴った攻撃にはいくつか種類がある。


  • 水地雷
グラビ式の突進や後述のスライドタックル等では、水をまとった甲殻が剥がれ落ちることがある。
これはいわゆる地雷タイプの攻撃であり、時間経過で爆発する性質を持つので近寄らないこと。
ブラキディオスの粘菌みたいなものと言えば分かりやすいか。


  • 周囲への噴射
グラビモスのガス噴射のように、後述の水ブレスや怒り移行攻撃の終了時にブワッと撒き散らす。
特にグラビモスと同じモーションの逆なぎ払いブレスでは発生タイミングが早いため、改めて覚え直す必要がある。


  • 尻尾からの水
跳びかかり、尻尾回転、尻尾フリフリなどの攻撃では尻尾の管から水弾がばら撒かれる。
特に跳びかかり後のそれは、「避けた!」と思って油断するハンターの背後から見事にぶっかける構図となっているため、回避方向に気をつけないと被弾する。

また、尻尾から水ブレスのごとく噴射する攻撃も存在する。
一つはその場で一回転する時、もう一つは側面をなぎ払う際に行われる。
前者は回転メインで遠距離には届かず(むしろ超至近距離)、終了後が体勢を立て直すのに手間取って隙だらけ。
後者はかなり遠くまで、しかも尻尾が結構しなるので不意打ちを貰いやすい。


  • 背中からの水
その場で水弾を発射し、対象ハンターめがけてピンポイントに投下する攻撃に用いる。
全体攻撃に見えて、誰を狙っているのかはちゃんとヘイトに準じている。
必ず3回行い、着弾地点には白い影が見えるので回避は簡単だが、逃げる先を考えずに他のハンターをうっかり巻き込むと顰蹙を買うこと必至。

もう一つは、グラビモス同様のジャンピングプレス。
似た予備動作から2パターンの派生に分岐し、背中の噴射ですぐに落下、身体(脚の管?翼?)から水を噴射しての2段ジャンプで落下するという厄介な攻撃である。
前者は飛び上がる前に背中から水を噴射するという違いがあるため、密着していると全く判別できない。
予備動作が見えないばかりに

「あっ、ボディプレスだ!回避回避っと」

ブワッ(2段ジャンプ)

「!?」(コロリン回避空振り)

プレス直撃

となるのは誰もが通る道と思われる。


  • 翼からの水
グラビームにくりそつ予備動作の後、翼前面の管から水弾を撃ちこんでくる。
後述するが、グレアドモスのブレス攻撃には一直線に飛ぶタイプが存在しないので、グラビームと同じ感覚で動くと惑わされやすい。
更にもう一発翼から噴射してノックバックするが、こちらは広範囲に水弾が拡散するので更に惑わされやすい。

横にスライドするタックル(ガノトトス式亜空間タックルとは違う動作)の時には、翼から噴射して素早く移動する。
普通は反動でゴロゴロ転がる微笑ましい光景が見られるが、怒り時には踏みとどまって往復タックルになるという初見殺しが…
また、身を屈めてアクアジェット噴射・突進する攻撃もあるが、こちらは怒りに関係なくランダムで往復する(しかも反転時に軸合わせまでする)。
一方で、当たり判定は見た目通りになっているため(これは他の攻撃にも言えるが)、グレアドモス本体に引っ掛からなければ被弾しないことも多い。

単体の技ではないが、前述のすぐ落下する方のボディプレスでは着地後に翼から水を噴射して後退する。


  • 口からの水
水ブレス。
基本的になぎ払うタイプしか使わない。
また、普通になぎ払うブレスはグレアドモスから見てなんと右から左に振る性質があるため、左から右に振るグラビモスと同じ感覚でやると引っ掛かりやすい。
グラビモス特異個体の高速なぎ払いビームも使う他、尻尾一回転と似た予備動作(よく見ると頭が下がっている)からなぎ払い、大量の水柱が付随するものがある。
これはとにかく水柱の数が多いが、前方のハンターを一網打尽にするための攻撃なので後方が安全。


  • 根性貫通
MHF産モンスターお馴染みの攻撃にして、始種限定の行動。
目の前に大量の水を送り込んで広範囲に炸裂させ、続けて湧き出す水柱で追撃する。
この攻撃だけは例外的に凄まじいダメージ量を誇り、大抵のG級防具では初撃で根性スキルが発動できないHPにまで減らされ、その後の水柱で確実に乙る。
予備動作が非常に長いのが救い。


  • 怒り移行動作(血気活性)
グレアドモスの怒り状態への移行は一風変わっている。
移行時の確定行動それ自体が殆ど攻撃技となっており、長い溜めの後に水ブレスをなぎ払いながら水弾を大量に撒き散らすというインパクト大の行動を見せつけてくれる。
この時体中に水を循環させているためか、青い光の筋が所々に走っているのが分かる。

なお、従来の咆哮もたまに行うが、ティガレックスと同性質の音圧付きなので直撃すると吹っ飛ばされる。


武具

武器には剛種~始種武器までの強化段階が存在し、最終的に水属性重視のハイスペックな一品となる。
しかもこの手の武器にありがちな「属性は強いが物理は弱い」という弱点は一切無く、
物理面もしっかりと両立している大業物。
ここに始種防具(剛種防具系統の最終強化。前段階は烈種防具)を1部位から装備することで上昇補正が加わり、並のLv50のG級武器を寄せ付けない強烈な性能に化ける。

剛種武器からの強化が面倒臭いなら、G級に昇格してG級覇種武器の段階から生産するという方法もある。
実際、武器種によっては剛種~G覇の段階では微妙極まりない性能になっていることもあるので、既にG級へ進んでいるならそこはスルーしてしまっても問題ないだろう。


防具は「グレアシリーズ」といい、こちらも剛種~始種防具まで強化することになる。
所有する新スキルの「血気活性」は体力100以上で攻撃力1.1倍に上昇するという効果を持つ。
瀕死で攻撃&防御UPの火事場スキルに比べると低く見える倍率だが、他のスキルの補正が載る上に状況問わず発揮されるので非常に便利。
武器が高性能なら簡単に高い攻撃力の実現が期待できる。

武器と違って強化段階はスキップできないので注意。
剛種防具から地道に強化する必要がある。


なお、始種武器への強化には烈種ヴァルサブロスの素材を使う。
奇しくもヴァルサブロスは、同じく干ばつが原因で移住した一部のディアブロス(の祖先)の進化先とされており、グレアドモスと似たような経緯を辿っている。
BGMにヴァルサブロスのテーマが混じっているのはそのためだろうか?
(ちなみに実装当時は専用BGMかと思われたが、後にヤマクライ戦でも流れたので始種汎用BGMのようである)
そんな両者の最大の相違点は、ヴァルサブロスが移住先の火山で適応進化した種であるのに対し、グレアドモスは進化することなく昔の姿で生き残っている種という事である。


余談

「自然と共生するモンスター」とは言うものの、蓋を開けてみると管を使ってのジェット噴射でやたらとスタイリッシュな機動力を見せたり、そもそも管が直接生えているという異質な身体構造から
いつもの魔改造モンスじゃねーか!
というツッコミが一部で入ったとかなんとか…
まあ、フロンティアじゃ日常茶飯事なんだけどね!

肯定的に見るなら、途方もない年月を生き永らえた種だからこそ戦闘技能に長けている…のかも。

少なくとも
等の生物離れした烈種の面々と比べたら、まだ自然っぽいと言える。
(これは烈種モンスター自体がメk…もとい無機質なコンセプトに基づいているので当然の結果なのだが)



ちなみに、ナンバリングシリーズの古い時点から存在する公式設定ではクラグモス(絶滅種)がグラビモス系列の祖先ということになっている。
一方、グレアドモスはモンスターリスト等で「祖先の可能性がある」と言及されているだけであり、ハンターの間では既に祖先認定されているものの、この辺りの設定の詳細はまだはっきりとしていない。
各自で妄想想像を膨らませてみるのも一興か。


なお、MHFと(MH3以降の)メインシリーズは諸々の事情で世界観をはじめとした各々の独自設定をあまり共有していない。
(あっても獣竜種海竜種、それと遷悠種ぐらい)
そのため、始種が公式設定に組み込まれる可能性は低いといってもよく、あくまで外伝作品の設定として見たほうがいいだろう。




追記・修正は「水撒いてもらったら涼しそうだな…」と思った方にお願いします。
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最終更新:2023年12月28日 21:43