時空冒険記ゼントリックス

登録日：2015/05/22 Fri 17:41:53
更新日：2024/03/19 Tue 15:45:26
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『時空冒険記ゼントリックス』とは2003年にNHKBS-2の衛星アニメ劇場で放送された3DCGロボットアニメ作品。全26話。
サンテレビ、tvk、チバテレビなどでも放送された。

【概要】

元々は香港の3DCG製作会社Imagiが2002年に製作した作品。
上記の通り日本での本放送はNHKBS-2土曜朝の衛星アニメ劇場。『プラネテス』や『ふたつのスピカ』などと同時期に放送されていた。
吹き替えには作中でゾム03役を演じる千葉繁が協力している。
そのためか軽快かつギャグも利いた独特な吹き替えが為されている。

「人間とロボットの冒険」「タイムトラベル」など日本アニメでもお馴染みの王道的要素を多分に含みつつ、全編3DCGという当時日本で放送されたアニメ作品としてまだ目新しかった特徴も持つ。
特にロボットの変身やバトルシーンはCGを活かしモーションキャプチャーによって現実のアクションを反映し製作されており、全編通してキレのある躍動的な仕上がりとなっており、近年のアニメーション作品に勝るとも劣らない中々のクオリティを誇る。
バトルシーンは当時「ロボット同士がドラゴンボールしてる」などといわれたほど日本製バトルアニメをリスペクトしており、長く多いバトル描写にもかかわらず視聴者に飽きを感じさせることが無い。

しかし、NHK系列を含めても再放送の機会にはあまり恵まれておらず、ぶっちゃけ知名度は微妙なところ(一応、放送後のアニメ特選において総集編3本が放送されたりはしている)。

DVDは全6巻が発売中。
また、PS2用の格闘ゲームとして同タイトルのゲームも発売されている。

主題歌はB'zの「CHANGE THE FUTURE」。

【ストーリー】

王国暦2088年。紛争と荒廃を脱し、人とロボットが共存する国家「ゼントリックス」。

未来都市ゼントリックスシティに住むミーガン王女は突如失踪した父・ジャラド国王の行方を調べ始め、側近であるロボット・オミクロンが反乱を起こそうとしていることを知る。
既に進行しつつあるオミクロンの反乱とそれによる惨劇を防ぐべく、オミクロンが起動する7年前の時間に向かった国王を追いミーガンもタイムマシンに乗り込む。
だが、その際ロボット兵の妨害を受けてしまい、ミーガン自身も7年前の姿に戻ってしまう。
子供の姿となり勝手も分からぬ過去の世界に放り出されたミーガンだったが、国王が残したロボット・ゼウスと出会い、彼と一緒に過去の世界でオミクロンを停止させるための長い旅を始めこととなる。

【登場人物】

◆ミーガン
CV：池澤春菜
本作の主人公である王女。赤い髪が特徴。
15歳の少女だったがタイムマシンの影響で8歳の幼女になってしまう。
育ちのせいもあって勝気でお転婆なところあるが基本的に優しく前向き。自ら戦いに参加することも多く行動力はぴか一。
オミクロンを倒す旅を通して様々な人々と出会い成長する。

◆ゼウス
CV：三宅健太
もう一人の主人公。
ミーガンの護衛用として国王が過去に世界に送り込んだ赤いゼントロイド(ロボット)。
本来は紳士だがモードチェンジの不具合で普段は田舎っぺ口調のおっさんのような人格になっている。
作中でも終盤まで最強クラスの実力を誇る。

◆マンゴー
CV：増川洋一
ミーガンが飼っているオレンジ色の小さな恐竜。マスコット的な存在。
ミーガンと一緒に過去に来るがタイムマシンの影響は受けていない。

◆ニック
CV：愛河里花子
旅の途中倒れていたミーガンたちを偶然助けた少年。
陽気で口数が多く、当初はミーガンに窘められることも多かったがミーガンたちを助けるため旅に加わり絶妙なコンビネーションを見せるようになる。

◆クオンタム
CV：矢尾一樹
ゼウスの兄弟機である漆黒のゼントロイド。
ゼウスと同等のスペックを誇るが力のみを重視する傾向があり、模擬戦でゼウスを下すが護衛役には選ばれなかった。
その後王宮に放置されていたがオミクロン達に発見され捕獲・洗脳を受け”ダーク01”と化しゼウスの前に現れる。

◆ウェブスター
クオンタムが出会った鳥人・バード族の若者。翼が小さく自力で飛べないため、ジェットスラスターを背負っている。
口が達者なお調子者だが面倒見がよく、塞ぎ込むクオンタムと友人になる。

◆コーイ博士
CV：安原義人
ニックの知り合いの科学者。
実はかつてジャラド国王の下で研究をしており、ゼントロイドの危険性を示唆していたが、病床の妻を看病するため王宮を去った。
その後、妻は他界し娘のアキナともすれ違い、現在は独りロボットの地下トーナメントに熱中していた。
ミーガンに出会い最初は協力を渋ったが地下トーナメントでゼウスに負け、以降は快く彼らのバックアップを行う。

◆キング
コーイ博士が作った黄色いアンドロイド。男性人格。
地下トーナメントのチャンピオンでありクールな性格の持ち主。
キャノン砲や剣、斧にもなる円盤型のシールドなど多彩な武装を持つ。中盤で大破するがバイオチップのデータをゼントリウムに移しゼントロイドとして復活する。

◆アキナ
CV：根谷美智子
コーイ博士の一人娘。常にライダースーツを着ているセクシーな美女。
母の死をきっかけに地下トーナメントに没頭する父との間に確執を抱えていたがミーガンたちの助力で父と向かい合い親子の絆を取り戻した。
以降は父と共にミーガンたちに協力する。

◆ファイター
CV:皆見明希
アキナが製作した水色のアンドロイド。女性人格で語尾に「だっちゃ！」と付ける癖がある。
武装は両腕に仕込んだトンファーのみだが高い運動性能を持ち格闘戦を得意とする。
後にキング同様大破するがゼントロイドとして強化復活する。

◆ジョーイ
CV:杉野博臣
ロボット地下トーナメント常連のロボットエンジニア。後述のジョリーとは双子で、ジョーイが兄。絵に描いたような肥満体型で、ピザが大好物。
地下トーナメントにて、コーイ博士の対戦相手として登場。しかし、あっさり敗退してしまう。
その後しばらく出番がなかったが、ミーガンのスノーベース攻略時にキングとファイターの危機を知り、ブレイドのプログラムをコーイ博士に提供した。
中盤辺りまで重要キャラではないのにオープニングに準主役級の扱いで顔を出している。

◆ブレイド
CV:増川洋一
ジョーイが開発したアンドロイド。赤色のボディーだったが、終盤コーイ博士に改良してもらった際にカラーが黄色になった。
その名の通り巨大な刃を自在に操り戦うが、初登場のキング戦では自分で投げたブレイドブーメランに当たって壊れるというあんまりな敗退を喫した。
後にコーイ博士の改良により大幅にグレードアップ。ミーガンたちのギャラクシーベース攻略に協力した。
対戦相手のロボットをやたら挑発するなど、ヘルタンクともども好戦的な性格。

◆ジョリー
CV:栗田圭
ジョーイの双子の弟。こちらも分かりやすいデブで、ドーナツが大好物。
地下トーナメントでアキナの対戦相手として登場するも、敗退。双子で泣きながら抱き合った。
終盤にヘルタンクのデータをコーイ博士に託し、ミーガンたちの活躍に貢献した。
CG成長期にして既に「3DCGで滑らかに動くデブ」を先駆しており、何気に時代を先取りしている。

◆ヘルタンク
CV:石割葵
ジョリーが開発したアンドロイド。製作者が兄弟であるためか、ブレイドと兄弟らしい。
ボディーは黄色で、下半身が安定したホイール機構など、どことなく工事現場の重機を彷彿とさせる外見を持つ。（コーイ博士に改良してもらったあとは、変形して二足歩行も披露した）
銃器と飛び道具を駆使して戦い、ボディの耐久力にも優れ、飛行能力も備えているなど高性能。しかし、初登場のファイター戦では衝撃ダメージの蓄積に耐えられず戦闘不能になる。
後にコーイ博士の改良によりグレードアップする。
が、シルバージェネラルの奇襲ではスリープしている間にあっさり爆破されてしまった。
まさか出番がこれで終わり……かと思いきや、終盤戦には無事参戦。
ギャラクシーベース攻略時にはブレイドと共にゾム01と交戦、戦闘不能になりながらも自身のゼントリウムをブレイドに託し、勝利を収めた。

◆ジャラド国王
CV：堀秀行
ミーガンの父。オミクロンの反乱を察知しタイムマシンで過去に向かうが時間移動の途中で行方不明になってしまう。

◆ローク博士
CV：立木文彦
ジャラド国王の側近としてゼントリウム開発に携わっていた科学者。
中年男性だがタイムトラベルの過程でミーガンとは逆の現象が起きヨボヨボの爺さんになってしまった。

◇ロボット軍
◆オミクロン
CV：麦人
ゼントリックスシティの管理・運営を任されていた高性能ゼントロイド。
国王たちが開発したもので王国の繁栄に寄与してきたが、徐々に国王の地位に対する嫉妬や自己顕示欲が膨らみ暴走。
ロボットを率いて反乱を起こし人間を攻撃し始める。
性格は傲慢で自惚れが強く気に食わない部下は即座に自爆させるなど横暴で、国王曰く「愚かな人間そのもの」。
またオヤジ成分も強めで女性型のシルバージェネラルを可愛がっている。
当初はマントを着た人間大のボディでゼントリウム本体は各ベースに分散していたが、終盤で新たに6つのゼントリウムを内蔵した戦闘用のボディへと換装。圧倒的な戦闘能力を手に入れた。

◆ダークジェネラル
CV：梁田清之
オミクロンの側近として開発された黒いゼントロイド。男性人格。
オミクロンに対し忠義を尽くすが当のオミクロンはシルバージェネラルを贔屓するため報われない。

◆シルバージェネラル
オミクロンの側近としてダークジェネラルと共に開発されたピンクがかった銀色のゼントロイド。
女性人格ということもあってかオミクロンに可愛がられている。

◆ダークシリーズ
ダークジェネラルが指揮するゼントロイド達。01(クオンタム)~06まで存在し全員黒いボディに男性人格。

◆シルバーシリーズ
シルバージェネラルが指揮するゼントロイド達。01～05まで存在し全員銀色のボディに女性人格。

◆ゾムシリーズ
最終決戦に投入された3体の新型ゼントロイド。

【用語】

◆ゼントロイド
AIにゼントリウムを使っているロボット。一般的なロボットより高性能。

◆ゼントリウム
高性能バイオチップ(作中における人工知能)。人間と同等の思考を紡ぎだし、ロボットに感情さえも発現させる。
またその感情に反応しロボットの性能を限界以上にまで引き出すことも可能。
後半では複数のゼントリウムをシンクロさせその出力を大幅に向上させる「デュアルゼントリウム」などの技術も発明された。

◆ゼントリウムベース
オミクロンのゼントリウムを保管している基地。
世界各地に点在し、「砂漠のピラミッドベース」、「深海のマリンベース」、「火山のマウンテンベース」、「雪原のアイスベース」、「空のスカイベース」、「宇宙のプラネットベース」、これら6つから成る。
ゼントリウムは各ベースの最奥にある「ゼントリウムスフィア」に納められているがそこに入るには王族だけが持つ”ロイヤルコード”が必要であるためミーガン自身が赴かなければならない。

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