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司波深雪(魔法科高校の劣等生)

登録日：2015/05/20 (水) 19:15:49
更新日：2024/03/05 Tue 17:36:29
所要時間：約 7 分で読めます


司波深雪とは『魔法科高校の劣等生』の登場人物。
主人公司波達也の妹でもう一人の主人公、そして本作のヒロインの一人である。
スピンオフ『魔法科高校の優等生』では主人公を務める。

国立魔法大学付属第一高等学校所属。


身長160cm
体重49kg
1年A組→2年A組（一科生）
生徒会書記→生徒会副会長→生徒会会長


概要

兄である達也と同じ学年だが、双子ではなく、深雪は早生まれの年子の妹である。
絶大な魔法能力を誇り、劣等生(?)で二科生の兄・達也とは異なり筆記・実技ともにトップクラスの成績で合格した優等生で新入生総代も務めた。
入学後は真由美が会長を務める生徒会に所属。

外見は、艶やかな背の半ばまであるストレートの黒髪。
日本人離れして白く透き通った肌と、左右対称で均整の取れた完璧な容姿で、男女問わずに認める校内一の美少女。
今のところ彼女と肩を並べる容姿なのはリーナくらい。

実母・深夜のしつけが厳しかったためか礼儀作法を崩さず、話し方は常に敬語。
家事も全般的に得意としている。
性格は芯の強い一面があるが、基本的には心優しい。
周りの人間とは割とすぐ打ち解けるタイプで、クラスの異なるエリカやレオともすぐに仲良くなった。
勝負事には割と熱くなり、また、自分たちに敵対する者には情け容赦しない苛烈な一面もあるが、基本的には人当たりはいい方。
しかし、性格面では後述する玉にキズでは済まないかなり致命的な欠点がある。

実母は故人、実父は後妻宅に泊まりきりのため、中学時代から兄妹で二人暮らしをしている。
周囲には秘匿しているが、十師族「四葉家」現当主・四葉真夜の実の姪であり、同家の次期当主候補筆頭。
そのため四葉家の人間からは敬われているが、一方で達也が四葉家で不遇な扱いを受けていることもあり、折り合いはあまりよくない。

ブラコン

上述した彼女の致命的な欠点、それは重度のブラコンであること。
このことは公式のキャラクター解説にも書かれていて、もはや救いようがないレベルに達している。

達也のことは「お兄様」と呼んで慕い、こと兄を愚弄する者には容赦しない。
達也が他の女性と親しげにしているとプレッシャーを放つ笑顔となり、嫉妬のオーラを漂わせる。
普段は冷静で淑やかな姿勢を崩さないが、達也が絡むと情緒がかなり不安定になり、また、その敬愛ぶりから、たびたびけったいな言動を見せている。

どう見ても恋愛感情が入っているのだが、本人は兄としての敬愛と言い張っている。
実際は恋愛感情があることは本人も自覚しているのだが、それがアブノーマルであることもわかっており、ジレンマを抱えている。
16巻冒頭の描写はもはやヤンデレ一歩手前まで来ている。

彼女がここまでブラコンになったのは、3年前の沖縄での事件が原因。
それまでは使用人同然の扱いを受けていることすら全く意に介さず、何を考えているのかさっぱりな兄を苦手にしていた。
だが、実際は現在ほどではなかったものの、達也を意識していた様子があり、その片鱗があったことはうかがえる。
そんな中、沖縄で銃撃されて死にかけ、兄との関係について後悔していた所で、その当人である兄に命を救われる。
しかもそこで見たのがいつもの冷静な兄ではなく自分を心から心配して感情をあらわにする兄だった、というのがトドメになり、今のような状態になった。

ちなみにお兄様の方も重度のシスコンだが、こっちは深雪に対しては兄妹愛のみで恋愛感情は持っておらず、深雪は兄として自分のことを慕っているだけだと思っている。

期待の通りの成果を出した達也に対して彼女がかける台詞「さすがはお兄様です。」(略してさすおに)は、当作品の代名詞になりつつあるセリフだが、実は3巻で1回、10巻で2回の計3回しか言っていなかったりする(アニメでは2回ほど追加されている)。
…そうはいっても彼女がどうしようもないブラコンであることに変わりはないので、だからどうしたという話ではあるが。

魔法能力

登場人物の中でも破格の魔法力を持ち、あらゆる高位魔法を使いこなす万能選手タイプ。
中でも得意なのは分子運動を減速させる振動系魔法で、一点ではなく面や空間全体に作用する魔法を得意とする。
しかし実の所、本当に得意なのは、四葉家が全般的に得意としている精神干渉系の魔法である。

  • コキュートス
精神に干渉し凍結させる系統外魔法。
精神干渉系の魔法の中では最強の魔法の一つ。
プシオン(精神)に魔法力を叩き込み、精神を凍結させる。
掛けられた相手は停止・硬直してしまう。
掛ける強さによって、元に戻せる程度に抑えることもできれば、完全に精神を凍結させて永久に凍ったままの状態にしてしまうことも可能。
後者の場合凍りついた精神は死を認識できず、凍りついた精神に縛られた身体は死ぬことも出来ず、半永久的に生きても死んでもいない状態となる。なにそれこわい。
精神に干渉する魔法のため、パラサイトにも通用する。
演出的な問題で、アニメだと普通の冷却魔法と区別がつかない。

達也に通用する数少ない魔法の一つ。
達也の分解・再生が通用するのはサイオン情報体のみなので、プシオン情報体に作用するコキュートスには分解も再生通用しない。
実は調整体として深雪が作られた際に、達也への抑止力として植え付けられた魔法で、四葉家から見れば、この魔法こそが深雪の存在意義の一つであるともいえる。

  • 凍火（フリーズ・フレイム）
振動・減速系の系統魔法。
対象物の保有する熱量を一定レベル以下に抑制し、温度の上昇や燃焼を抑える。
これによって火薬、爆薬は発火しなくなり、銃や大砲などの火器を無効化することができる。
演出的な問題で、アニメだと普通の冷却魔法と(ry

  • 氷炎地獄（インフェルノ）
振動系の系統魔法。
対象エリアを二分し、一方の振動・運動エネルギーを減速して熱を下げ、その余剰エネルギーをもう一方に逃がすことで、隣接するエリアに灼熱と極寒を同時に発生させる高難度魔法。
ようするにマクスウェルの悪魔。
九校戦のピラーズ・ブレイクで使用したが、正直使う場面が限定されすぎて、会得難易度に見合うほど使う場面がない気がしなくもない。

  • ニブルヘイム
振動・減速の系統魔法。
大容量の空気を冷却して大規模冷気塊を生み出し、それを移動させることで広範囲を凍結させる領域魔法。
水蒸気や二酸化炭素を凍結させるだけでなく、窒素までも液化させる。

  • 減速領域（ディーセラレイション・ゾーン）
対象領域内の物体の運動を減速する魔法。
気体分子の運動速度を減速させることで領域内の気圧を減圧させ、相手を吸い寄せる。
下手に突破しようとすると気体分子が運動速度を取り戻し、圧力が元に戻ることで急激に膨張、爆発するので対処は難しい。



以下16巻のネタバレ


生い立ち

彼女の正体は世界を滅ぼしうる力を持つ達也の暴走を防ぐストッパーとして、四葉家の技術の粋を結集し、遺伝子を操作して作られた完全調整体。

一応、両親である司波深夜と龍郎の血を引いてはいるが、遺伝子から操作・調整されているので、その中身はもし遺伝子鑑定したとしても両親や達也との血縁関係は見つからないと言われるくらい全くの別物。
達也と歳が非常に近いのも、彼女が非常に整った容姿を持つのも、達也の分解・再成を突破して彼に致命的なダメージを与えられる精神魔法「コキュートス」を持つのもそれが原因であった。

彼女は達也が世界を滅ぼさないための
  • 精神的ストッパー（もし世界を滅ぼせば深雪も無事では済まないため）
  • 物理的ストッパー（深雪の「コキュートス」は達也を完全に止めることができるため）
の二重のストッパーとしての役割を持っていることになる。
ここまで回りくどいやり方を取ったのは、四葉家の先代当主・英作の打算、深夜の息子へのせめてもの愛情や、真夜の狂気など、様々な人間の思惑が入り混じった複雑な事情による結果である。

一方で、深夜は深雪が暴走して達也を簡単に殺したりしないように深雪から達也への敵対心を奪おうとも考えた。
深夜の目標は敵対心も興味も持たない達也への「完全な無関心」だったが、これは完全にはうまくいかずに中途半端な状態で終わった。
深雪の達也に対する異常なまでの盲信と執着はこの辺りのことが起因しているのかもしれない。

その後正式に次期当主となることが決まり、達也が深雪の婚約者として認められる。
四葉真夜の思惑により対外的には、達也は代理出産で生まれた真夜の彼女の息子、つまり達也と深雪は兄妹ではなく従兄妹同士だということになり、さらに実際に深雪は遺伝子を大規模改造されているため、遺伝子的にも実の兄妹とは言えないことから、達也と障害なく正式に愛し合える仲となる。
お兄様への感情すらもプログラムされたものでしかないかもしれない…といった葛藤は現状一切無く、純粋に（?）婚約できたことを喜んでいる。
まあ、本人はなぜ自分が調整体なのか達也の出生の経緯を聞かされていないため、仕方ないが。
しかし、十師族の一条家が異議申し立てしてきたことと、それ以前に、「達也の方は今までずっと全くこれっぽっちも深雪を恋愛対象として見たことはなく未だにそう思えてはいない、むしろ元の兄妹の関係に戻りたいと思っている節すらある」というかなり根本的な問題が棚上げとなっているため、このままそうやすやすと彼女の希望通りに事は進まないと思われる。



二人の明日はどっちだ。




追記・修正はお兄様を侮辱してブチ切れた深雪を倒してからお願いします。

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最終更新：2024年03月05日 17:36

*1 笑