アサシン(Fake)

登録日:2015/05/17 (日) 00:08:22
更新日:2024/03/27 Wed 09:55:33
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我らが神は……杯など持たない……



【概要】

Fate/strange Fake』にて、ジェスター・カルトゥーレによって召喚されたサーヴァント
真の聖杯戦争を開催するための呼び水として用意された偽りの聖杯戦争のアサシン

全身を黒い衣装で覆った女性。普段は目元しか肌を出さない。
暗殺者だが、その価値観は基本的に暗殺者らしからぬいい子(後述)。

CV:Lynn

●目次

【データ】

マスター :ジェスター・カルトゥーレ
性別 :女
身長 :163cm
体重 :53kg
属性 :秩序・善


ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
C B A C D B+


【スキル】

◆クラス別スキル
気配遮断:A-


◆保有スキル
狂信:A
特定の何かを周囲の理解を超えるほどに信仰する事で、通常ではありえない精神力を身に付ける。
トラウマなどもすぐに克服し、精神操作系の魔術に強い耐性を得る。






以下ネタバレ







真名は山の翁(ハサン・サッバーハ)……ではなく、暗殺教団に属していた一人の信仰者。
英霊と化した時には既に名前を捨てており、真名は存在しない。
ファン間では『Fakeアサシン』や『狂信者』と呼ばれており、9巻の人物紹介イラストでは「絢爛なる狂信者」と呼称された。

ハサンらが共通して身に付ける髑髏の仮面は無いため素顔が分かるようになっており、また生前の彼女は髪を二つ結びにして黒い衣装を来た美人さんである。


【人物】

保有スキルにもある通りその信仰は度を超えており、暗殺を極めるという異様な事をしている同じ信徒たちからも『狂信者』と蔑まれていたが、
彼女はそれを自分が未熟なためと受け止めより一層修練を積み、遂には歴代の『山の翁』が暗殺の奥義として体得した全ての御業を再現するという所行を成し遂げる。

しかし、新たな奇跡を生み出すことができなかったこと、その異様な力と彼女の性格(後述)を教団が恐れたこと、そして彼女自身が暗殺という行為に不向きな精神の持ち主だったこと等々…ぶっちゃけ暗殺者にも長にも向いていなかったため、19代目ハサンの称号を得ることは叶わず、そのまま歴史の狭間に消えていった。
なお、実際に19代目となったのがFate/Zeroで登場した百の貌のハサンである。

本来ならばアサシンどころか英霊として召喚されることは無いはずが、不完全な偽りの聖杯戦争故か『 ハサン・サッバーハ 』の枠で呼びされてしまう*1


歴代のハサンらに対しては自分を超える信仰心の持ち主として尊敬の念を抱いており、自分は彼らには遠く及ばないと思っている。
聖杯にかける望みは「無い」。というか、彼女が信仰するイスラームの神は杯を持たないため、(いろんな意味で対立している)キリスト教由来の聖杯は異端の証に他ならないのである。
何人かのハサンが過去の聖杯戦争に参加した事については悲しんでいるが、その怒りは彼らを惑わした聖杯戦争そのものに向けられている。

そんな彼女の自分ルール的には、無辜の民を殺す事はNG。単純な殺害はもちろん、戦闘の巻き添えも回避しようとする。
スノーフィールドに居る魔術師に対しても、聖杯戦争に関わっていない、または自分にちょっかいを出してこなければ特に手を出さないとのこと。
ただし、聖杯を求めようとする者(マスター含む)や教会の関係者に関しては穏やかではなく、
また自身を召喚したジェスターを含めた死徒などの怪物も、人の世を荒らすものとして無条件に敵とみなしている。
歴代ハサンが秩序・で並ぶ中、彼女のサーヴァント属性は秩序・だが、
型月的に秩序・善とは『社会や組織など自分以外のルールを守りつつ(秩序)』『自分の中で善いと思う行動をする(善)』なので、
無駄な犠牲を出さないのも、異端を滅ぼすのも彼女にとっては善である。
ただ、彼女自身が作中年代(00年代後半?)基準でも善いといえる性格をしているため、結果的には真っ当な倫理観と高潔な精神性を持っていると言えるだろう。

椿の生い立ちを知った時には義憤から彼女の両親に対してキレたり、シグマの生い立ちを聞いた際には同情し慰めるなど、自らの敵でない者に対しては基本的に優しい。
なのでどちらかと言うと暗殺者ではなく戦士やヒーロー寄りの性格。
前述の性格面が恐れられたというのもこれであり、彼女が長になれば暗殺教団が正義の騎士団になりかねないため、当時の長たちの懸念も当然と言えよう。
さらには、自らの敵であっても時間さえあれば改宗を勧めるらしい。つくづく暗殺者に向いてないなこの子…

なので彼女を召喚して運用したい場合
  • 彼女の狂信者メンタルを御せるだけのコミュ力
  • 聖杯に願いを持たず聖杯を求めたりしない
  • 一般倫理感基準で非道な手段や外道な手段を用いていない(用いない)
  • バーサーカークラス顔負けの燃費の悪さと魔力消費に耐えられるだけの高い魔力量
といったような凄まじく高いハードルが求められ、同盟を組みたい場合同盟相手にもこれらのハードルが適用される。

そんな彼女が実際に同盟(共闘)相手となったのは、黒幕側に雇われながらも聖杯戦争を壊す側へと回ったシグマと、聖杯にかける望みを持たないセイバー組とランサー組という、此度の聖杯戦争の中では善良側と言って良い面子である。
生前に多少の因縁があるセイバーと組んではいるものの、魔力供給を元のマスターの代わりにセイバーのマスターが請け負ってくれ過去のハサンが認めた相手と言う事もあり強く反発するようなことはない。


宝具


幻想血統(ザバーニーヤ)
ランク:E~A 種別:対人、対軍宝具 レンジ:- 最大補足:-

肉体を自在に変質させ、過去に紡がれし18の御業(ザバーニーヤ)を再現する能力。
全てのザバーニーヤを再現した生前の彼女は過酷な肉体改造を経験したが、宝具化によって肉体を自在に変質させる能力となっている。
オリジナルの御業と比較した場合、クオリティが上か下かはケースバイケースとなるが、彼女自身はすべてオリジナルのそれよりも劣っていると思い込んでいる。

同時代にハサンの名を争った『百貌のハサン』の妄想幻像(ザバーニーヤ)だけは再現できていない。
『妄想幻像』とは多くの技能を持つという点で共通しているが、比較するとこちらは一つ一つの技能が歴代ハサン宝具な代わりに分裂できずかなり燃費が悪い。

以下、作中で彼女が使用した(使用できると言及した)ザバーニーヤ

妄想心音(ザバーニーヤ)
Fate/stay night』に登場する呪腕のハサンの御業。
悪性の精霊シャイターンの腕により擬似心臓を作り上げて対象を呪い殺す。
発動時には背中からシャイターンの腕が生える。


空想電脳(ザバーニーヤ)
(本物ではないが)『Fate/hollow ataraxia』で登場した、第三次聖杯戦争にて召喚された小柄なハサンの御業。
手で触れた相手の脳を爆薬に変えて爆殺する。
ちなみに『Fake』にて真アサシン(ハサン・サッバーハ)を召喚したファルデウスは、第三次でハサンを呼び出した人形師の縁者である。


夢想髄液(ザバーニーヤ)
人間の可聴領域を超えた歌声の御業。
魔術師に対して使用した場合、脳を揺らして魔術回路を暴走させ、最悪自分の魔術で爆死する事になる。
効果範囲を絞るほどに威力が増していき、一人に『歌』を集中させた場合、脳を支配し思い通りに操ることが出来る。
オリジナルに勝る威力を持った御業の一つ。


瞑想神経(ザバーニーヤ)
魔力や水、電気や風といったエネルギーの流れを感知し、周囲の地形構造を完全に我が身として知覚する御業。
この御業に関してのみ詳細な口伝は残っておらず、いつの時代に存在したハサンの能力なのかは誰一人として知らず、
本当にこうした能力なのか、そもそもこの御業を使うハサンは実在したのかすら不明。
後にこの御業の由来自体は「幽弋のハサン」と呼ばれた存在のものと判明したが、前述した口伝の曖昧さからその内容はまったくの別物となっていた
…なので、実はこの技は(伝承を由来にしたとは言え)無銘のハサンフォロワーであるはずの彼女が編み出した自らの御業とも解釈可能である。


狂想閃影(ザバーニーヤ)
髪の毛を刃の様に鋭くし、さらに膨張させて手足の様に操る御業。
オリジナルは髪の毛一本一本を蜘蛛の糸の如き細さに変質させ、数里先から誰にも気付かれずに相手の首を切り飛ばすことも可能だったという。


断想体温(ザバーニーヤ)
己の皮膚を硬質化させる御業。
その硬さはあの『魔境の水晶』の如き硬さであるとのこと。


妄想毒身(ザバーニーヤ)
Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』に登場する静謐のハサンの御業。
オリジナルは風に乗せた毒で万軍を葬り去った伝説を持つが、無辜の民や味方すら殺してしまいかねないこの御業を彼女が恐れたことで、
血液に毒を濃縮して一時的に真似事をするのみに留まっている。
……オリジナルの伝説がやたら盛られているが、時代を経るとともに話が盛られたのだろうか。あるいは狂信者目線での解釈か。


悲想巡霊(ザバーニーヤ)
周囲に纏った霧を媒介として幽精(ジンニーヤー)を使役する御業。
霧自体が巨獣や大蛇、美女や男性の巨人といった姿に変化して敵に襲い掛かる。


異想追憶(ザバーニーヤ)
初代を除けば指折りの暗殺者と言われた煙酔のハサンの御業。
世界を酔わせることで敵の攻撃と自分自身を煙のようにかき消すが、膨大な魔力と引き換えに数秒しかその状態を維持できない。
オリジナルの御業はあらゆる攻撃をかき消し、自身を最長で1週間は消し続けられた言われている。


【マスター】

ジェスター・カルトゥーレ

CV:橘龍丸
複数の弟子と共に聖杯戦争に参加しアサシンを呼び出した魔術師。
アサシンとマスター契約を結ぼうとしたところでアサシンにハートキャッチ(物理)され、弟子たちも全員殺害された…がジェスターは生きていた。

何故生きてたかというとジェスターの正体は吸血種死徒であり、その中でもかなり強力な死徒であったから。
最初は聖杯戦争で蜘蛛を起して退屈しのぎで世界を滅亡させようとしていたが、アサシンの美しさにハートキャッチ(恋愛)されて彼女を(けが)し、(けが)し、(けが)し、屈服(けが)し、堕落(けが)す事を目的に変更して聖杯戦争に参加する。

その後アサシンの警察署襲撃に駆けつけてアサシンへの思いを告白する。
マスター不在だと思っていたアサシンは汚れた怪物の魔力により現界していることを知り、それを全身を汚されたように感じてアサシンは目的にジェスター殺害を加える。

アサシンと交戦した宝具で武装していた警察の武装隊はかなり善戦しており、ジェスターの見立てでは、もう少し戦いが長引けば、何人かは真名解放が可能な程に覚醒して、ほぼ互角と言える状況にも持っていけるとのことで、自分の大切なアサシンが自分以外に万一にも重傷を負わされることを危惧して、ジェスターは令呪でアサシンを飛ばす。
代わりに警察と戦ったジェスターは、警官隊の宝具が直撃しようがまるでダメージにならず、彼らを蹂躙するが、これは完全に相性の問題。
以前にも言われていた怪物は英雄に倒され、英雄は人間に倒され、人間は怪物に倒されるという事で、
人類の版図から完全に離れた死徒には、怪物の類にも勝利を収めて精霊格にまで昇華した英霊ならともかく、人類の版図の内の存在である宝具を捕食対象の人間が振るったところで、さしたる効果は発揮しない。
事実、助太刀に現れた使徒狩りに特化している監督役の代行者ハンザは、聖別した礼装を多数保有していることもあって、逆に劣勢だった。
(ハンザ自体とんでもYAMASODATIサイボーグ代行者だったせいもあるが)


六連男装
魔術師か死徒としての能力かわからないが『六連男装』という能力を持っている。
アサシンにハートキャッチ(物理)されても生きてたのはこの能力のおかげ。

胸元にリボルバーの弾倉のように六つの赤い紋様として浮かんでいる。
それは六つの概念核でありそれを入れ替える事で異なる容姿、能力にする能力。

魔術師  長髪で壮年の姿 
     アサシンの妄想心音で概念核ごと消滅。

死徒   白いスーツを纏った若い青年の姿であり、死徒としての姿でもある。
     基本的にはこれ。

少年   10歳前の少年の容姿。
     擬装用のようで交戦していた代行者が無力な少年と誤解した。

人狼   2mを超える大柄な人狼の姿。
     アサシンから逃げるために概念核を囮にした。

ゴーレム 鉄の巨人。
     人狼と合わせてアサシンを撒くための手段として概念核を潰した。

なお、男装という能力名の通り、ジェスターの正体はオンナノコである。
曰く、例の菌糸類が「こんなかわいい女の子(アサシン)を野郎なんぞに渡してたまるか!」との妄言発言に作者の成田が応えた結果だとか。

元々は死徒二十七祖の一人ヴァン=フェムの下に居りその頃に名乗っていた真名は「ドロテア」な模様。






追記・修正は、18の御業を習得してからお願いします。

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最終更新:2024年03月27日 09:55

*1 アサシンクラスを指定しての召喚は、歴代の『ハサン・サッバーハ』のうち一人が必ず選ばれるというルールがある