ジェロニモン

登録日:2015/05/06 Wed 21:29:25
更新日:2024/04/06 Sat 21:39:30
所要時間:約 7 分で読めます





ジェロニモンとは円谷プロ製作の特撮TVドラマ『ウルトラマン』第37話「小さな英雄」に登場する怪獣である。
デジタルなモンスターの一種ではないし、某超人プロレス漫画の登場人物でもないズラ。


データ

身長:40メートル
体重:3万トン
別名:怪獣酋長

概要

黒い体に頭部から背中にかけて大量の赤い羽根*1があり、
顎から首には髭のように大量の白い毛が生えていて尻尾にも少量の赤い羽根がある姿をしている。

ウルトラシリーズで偶に出てくる「宇宙人に匹敵する高度な知性を持つ怪獣」の先駆けであり、言語こそ喋らなかったが明確な悪意と知性を以て人類に攻撃を仕掛けようとした。

能力

その第一の武器は先述した尻尾の羽を飛ばして手裏剣の様に用いて攻撃する、その根元はウルトラマンの身体に刺さるほど鋭利。
他作品で例えればアイスラッガーテンタクラーロッドといった脳波コントロールする武器と同じ仕組みである。

第二の武器は口から吐くガス状の無重力光線、これで科特隊の隊員を巻き上げたりした。

そしてジェロニモンの第三の武器にして最強の武器が

怪獣を蘇生する能力

怪獣酋長の所以ともいえる能力で甦らせれる数に際限は無いと思われ、おまけに元々その怪獣が持っていなかった能力まで与えられる。
具体的には
  • ドラコ:失った翼の代わりに強力な腕
  • テレスドン:昼間でも活動できる眼
を与えている。そして再生直後から喧嘩する2匹を唸り声で仲裁?(もしくは黙らせた)するなど知的な面を見せる姿は正に数多の怪獣を治め率いるボスといったところ。怪獣軍団を組織して率いようとしたのは伊達ではない。

この力を以て後述する計画を実行に移そうとした。


劇中の活躍

今までウルトラマンと科学特捜隊に倒された60匹の怪獣を甦らせて人間に総攻撃をかけようと目論み*2、その手始めにテレスドンドラコピグモンを甦らせる。
しかしうっかり人間に友好的なピグモンを蘇らせた事が仇と為って自らの目論見を科学特捜隊に知られてしまい、60匹全ての蘇生には失敗する。

そしてドラコ、テレスドンが科特隊に倒された(なら何故いつも負けてばかりいるんだろう…)後に大岩山から姿を現す。
攻撃してきた科特隊を無重力光線で巻き上げるも駆け付けたウルトラマンに救助されて戦闘になる。
ウルトラマンとの戦いでは尻尾に生えた羽根を飛ばしウルトラマンの胸板や背中へ突き刺すなどダメージを与えるも、
空中へ飛ばれて追撃した所で回転しながらスペシウム光線を放たれた事で撃ち落とされる。
そして空から後頭部を蹴飛ばされ、組合になった際に頭の羽を殆ど毟り取られる。
逆上して無重力光線を吐くもバリアーで跳ね返されて自身が空中に持ち上がってしまい、
ウルトラマンに抱え上げられて最期は再生ドラコにも引導を渡したイデ隊員の新兵器「スパーク8」で倒された。


ゲーム媒体における活躍

  • ウルトラマンFighting Evolution Rebirth
ウルトラモード EPISODE 09「怪獣酋長の眠り」に登場。
怪獣墓場のような雪原地帯にて他の怪獣と共に氷柱の中で眠っていた。
ウルトラマンに見つけられると氷柱の中から念力による気弾を撃って退けようとするが、それが不可能とわかると氷柱から出て直接対峙する。
その超能力は以前「スパーク8」で倒された時よりも強くなっているが自身の復活はまだ不完全であり、戦闘中に苦しみ始める。
撤退するよりも自らの命を削ってでも戦う事を選んで赤いオーラを出した決死の全力状態で戦うが敗れて息絶える。

イデ隊員とウルトラマンの連携で倒された上述の個体でありメフィラス星人の命令で
ブルトンレッドキングゴモラエレキングタイラントカオスヘッダーを復活させていた。
尚、設定上は上述の通りだが体の白い傷と頭部の角が相違点である。

必殺技は「念力無重力落とし」と「フェザーショット」。
何故か原作で多用していた無重力光線はオミットされている。

  • 怪獣バトル ULTRAMONSTERS
ストーリーモード第3話「ジェロニモンの恐怖」に登場。
大阪城付近に登場。主人公に倒されたレイキュバスと超コッヴを復活させ、3体で襲ってくる。

FERで使用されたポリゴンを、彩色等を修正して流用しているため、頭に角が二本ついている(原作ではなかった)。
ちなみにWii版の『大怪獣バトル ウルトラコロシアム』では角が消されてオリジナルに近い印象になっている。

必殺技はフェザーショット、無重力光線、怪獣蘇生。

  • 怪獣バスターズパワード
砂の惑星モシリスと怪獣墓場に登場。
自ら浮遊して移動したり、地面から複数の動く黄色い檻を発生させて相手を捕らえるという、原作では登場しなかった超能力を使用してくる。
フェザーショットと無重力光線も健在。

  • ウルトラ警備隊モンスターアタック
原作通り「小さな英雄」ステージに登場。
やはり最初は復活怪獣達との戦いになり、それらを倒していくと自ら出陣する。
攻撃技はパンチ、無重力光線、の羽根。
原作とは違い、ピグモンはジェロニモンに殺される。

ステージ9で登場。
羽根飛ばしと無重力ガスで攻撃してくるがどちらも予備モーションがあって避けやすい。
図体がでかい上にテレポートも持ってないため、このゲームの基本戦法であるジャンプキックではめやすいため強さとしてはたいしたことない。。
岩投げがやっかいなレッドキングや突進が強力なゴモラに勝ち抜いてきたプレイヤーならさほど苦労はしないだろう。

書籍媒体における活躍

  • 小説『怪獣絵物語ウルトラマン/小説 ウルトラマン』
金城哲夫氏による小説版。
こちらでは「奇妙な宇宙人*3」が自身の星より持ち込んだ宇宙怪獣という設定。
後述するTVシリーズの初期案同様、レッドキングゴモラを復活させた。

本作の設定を汲んでか、古い怪獣図鑑だとジェロニモンの出身地が「宇宙大空間」とされているものもある。

  • 漫画『決戦!ウルトラ兄弟』
『ウルトラマン 離島のゾンビー狩り』のエピソードに登場。
本作では人間の老人姿へと変身する他、ゾンビー化した人間の死体を巨大怪獣へと変える能力を見せている。
黒須島の科特隊レーダー基地を襲撃し、職員の死体から作ったゾンビーで怪獣軍団を結成、東京を襲撃しようと目論んでいた。
手始めにゾンビーから作ったゴモラを呪文で操りウルトラマンをも苦しめたが、イデ隊員にスーパーガンで狙撃され失敗。
ジェロニモンの正体を明かしてウルトラマンに挑むも、回転ウルトラキックで上顎を刎ね飛ばされて死亡した。

エンペラ軍の幹部になっており、エンペラ星人に仕える暗黒司祭。
ウルトラマン達に追いつめられるもエンペラ星人によって救出される。
新章では再びその姿を現したが暗黒魔魂と為っていて(本人曰く一度死んでこの姿になった)死せる戦士達を復活させる力を手に入れていた(エンペラ星人の復活も此の力だと本人は言っている)。
そしてエンペラ星人の完全復活の間の為に恐るべき力を発揮する事に…

第35話から第40話にかけて登場。
過去に世界では人間大の姿で登場。力を得るために人間を攫い生体エネルギーを吸い取りつつ、死体を兵士として利用していたがタイムスリップしたウルトラセブンに阻まれた。
数千年の時を経た現在でもセブンの気配を感じ取り蘇り戦うことになり、長年かけて溜め込んだ怨念により本編同様のサイズまで成長し、セブンとゾフィーを苦戦させた。
最期の足掻きで星中の死体を蘇らせ、地球を死者の星に変えようとした。

  • 漫画『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャー』
ブルトンの手下として登場。同じく召喚された超コッヴ、レイキュバスと共に御蔵イオの操るゴモラを苦しめ、コッヴとレイキュバスを不死身の兵隊として操り4対1で有利に持回る。
しかし、自らの反重力光線で空中に浮かんだゴモラに尻尾で絡み取られて地面に叩きつけられ、
そのまま落下してきたゴモラの下敷きになって圧死。直後にコッヴとレイキュバスも死亡した。

非擬人化で登場。様々な世界から流れ着いた「彷徨い子」が流れ着く、神樹マルスの存在する世界の長であり、彼自身も住む世界を失った「彷徨い子」。
大切な物を奪いながら様々な世界を荒らす魔女サバトと彼女が使役するバードンから、マルスの知恵を守護するために戦いバードンの毒牙を受けるも、
代償として自身の知恵をサバトの杖に送り込むことで、マルスを守りきった。

  • 漫画『ウルトラ怪獣擬人化計画feat.pop』
擬人化怪獣たちを生み出していた責任者で、校長直属の生徒として登場。
とはいえあまり深く考えないアホの子。実はゼットン同様に初期に校長に生み出された最初の擬人化怪獣の一人。

余談

  • 初期脚本ではドラコとテレスドンでは無くゴモラとレッドキングを復活させる予定だったのだが、レッドキングは度重なる改造(初代⇒アボラス⇒二代目)で着ぐるみの傷みが激しく、ゴモラはザラガスに改造された事から変更されたそうな。
    『怪獣絵物語ウルトラマン』並びに『ウルトラ警備隊 モンスターアタック』ではきちんとその二匹が復活している。後者の場合、最初はテレスドンとベムラー(ゲームではドラコは未登場)が現れ、そいつらを倒すと、今度はゴモラとレッドキングが現れる。

  • 2024年現在「酋長」は放送禁止用語であり、TVの再放送においてはアニメやドラマでこのセリフが出るシーンは全てカットされている*4
    現在TV番組でジェロニモンが紹介されたのは2004年放送の『ウルトラマンボーイのウルころ』が最後であり、「酋長ってのは部族で一番偉い人の事」とウルトラマンボーイが解説している。
    『ウルトラマン』の再放送においてはお約束の「本作品は現在の放送基準において不適切な~」が入る。
    2014年に『新ウルトラマン列伝』で放送された際も、サブタイトルの怪獣紹介で肩書きがテロップされなかった*5


追記・修正は新兵器で怪獣を倒してからお願いします。

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最終更新:2024年04月06日 21:39

*1 良く見ると白い羽根や青い羽根も混じっている

*2 なお、ウルトラマンと科学特捜隊に倒された怪獣はベムラーからザラガスまで数えても60匹もおらず、前作『ウルトラQ』怪獣を含めても届かない。そのため、視聴者からは「本編では描かれない物語で倒された怪獣も含まれているのでは?」と考察される事も。

*3 刊行当時はまだ名前の設定は無かったが、恐らくはゼットン星人と思われる。

*4 例を挙げれば、1992年のアニメ『伝説の勇者ダ・ガーン』では登場キャラの一人が主人公を「酋長」と呼ぶため、再放送が禁止されている。

*5 他の怪獣もそれに合わせて肩書きがテロップされなかった。