ラッキー・ジェイク

登録日:2015/05/05 Tue 18:13:34
更新日:2024/03/01 Fri 13:15:29
所要時間:約 7 分で読めます




「そうだな、俺はきっと、ニルヴァーナにゃ入れないよ」


ラッキー・ジェイクは、Twitterで絶賛翻訳/連載中のweb小説『ニンジャスレイヤー』の登場人物である。


◆概要◆

違法生体LAN端子インプラント手術を受けるためネオサイタマへ不法入国した外国人。
闇サイバネ医者と支払い方法でトラブルを起こし賞金首となったばかりか全財産まで失ったが、辛うじて生き延び、様々な非合法ビズをこなしながら帰国のチャンスをうかがっている。
ボッタクリ・バーからの脱出のため発砲したりもする犯罪者ではあるが切り捨てた方が有利でも組んだ相手を助けようとしたり一概に悪人とも言い切れないアトモスフィアの持ち主。

◆外見◆

身体の各所に重サイバネが施されており、防弾処理+防衛トラップ内蔵の上にフェイクスキンを貼った強化胸郭を
2ヵ国語で「SHOOT撃つ↑」と書かれた強化Tシャツで覆い、耐重金属酸性雨ダスターコートで装備を隠している。
人種などは明言されていないが、ニンジャスレイヤーと比べた場合「豚でも見分けがつく」(が、ラリっている人間には大して変わらない人相に見える)という。
書籍版では、アーノルド・シュワルツェネッガーめいた筋肉質の金髪男性。
脳内には言語変換UNIXが埋め込まれてほぼリアルタイムで流暢な日本語の会話が可能。

◆戦力◆

強化頭蓋にサイバネアイ、LAN直結型拳銃、電磁ドスダガー、各種グレネード、他にも人間離れしたアクションを見せたことがある。実際相当なワザマエ。
幼少の頃から格闘技を習い、密入国後はネオ・ロポンギの殺人カラテ・ドージョーで1ヶ月間の集中トレーニングを受けて、並のブラックベルト相手なら互角以上に戦える。
現状ニンジャには一方的に敗れているものの、戦術によってはサンシタなら充分討ち取れるのではないかとヘッズからも噂される。


























◆なんか◆

……とノワール映画の住人めいたアトモスフィアの彼だが、ヘッズからはネタキャラ扱いされることも多い。
一つは前述の脳内UNIXによる翻訳。彼が多用するスラングをうまく翻訳できず、
肝心な場面で忍殺語をも超えた何かになってしまうのだ。

「前後している!庶子!」
「貴方自身を前後しなさい!」
「ヤギ前後!」
(恐らくFuckin' bastard!とかGo fuck yourself!とかgoat fuck!とか言いたいものと思われる)
原文でどう表現されているのかが疑問だが、作中人物にはこれらの発言が直接突っ込まれることなく普通に会話が続いているので、もしかするとほんやくチームのアドリブなのかもしれない。
……と、思われていたが、『アンエクスペクテッド・ゲスト』で「俺は何度もヤギ前後(goat fuck=滅茶苦茶な状況)を経験してきた」という発言を聞いた日本人医師がジェイクを「獣姦が趣味と思われる男」と誤解して、「私も以前から興味があった」と神妙に答えたため、作中人物にとっても奇妙なものと思われているようだ。
「スラングを文字通りに受け取る」というだけなら同じ言語同士でも割とよくあるギャグではあるが、同じエピソードで「自動翻訳スラングを聞き、相手が悪名高きラッキー・ジェイクだと判断する入所者」がいるので、
原語版でもジェイクの個性と表現されているとみて間違いないだろう。

そして最大の問題が彼の登場するエピソード。

  • 『ナイス・クッキング・アット・ザ・ヤクザ・キッチン』
  • 『マグロ・サンダーボルト』
  • 『デッド・バレット・アレステッド・ブッダ』
  • 『アンエクスペクテッド・ゲスト』

何も知らなくてもタイトルだけで嫌な予感がする人もいるだろうが、この4篇はニンジャスレイヤー屈指のカオス回なのだ。
彼自身は(むしろ一部を除いた他の登場人物も)至ってシリアスなのだが、各自が己の立場で最善を尽くした結果、全体像がなんだかわけのわからないことになってしまうのである。
また転落人生を送っていた人物が何故かこのケオスの中で覚醒し、輝くこともしばしば。

◆戦歴◆

『ナイス・クッキング・アット・ザ・ヤクザ・キッチン』

昔の女モモコに会いに行ったところを賞金稼ぎミコチに襲撃され、モモコを殺されてしまう。

命からがら身を隠したテッパンヤキ・バーがクローンヤクザとカラテマンのぼったくり営業であったため逃走計画を立てるが、さらにクローンヤクザが来店
神経ガスグレネードとLAN直結型拳銃でクローンヤクザは片付けたが、カラテマンの正体はアマクダリ・ニンジャ、ブラックシープであった。
敵対組織の刺客と疑われたジェイクはサイバネ化していない耳を鉄板で焼かれる拷問を受ける。

次々と訪れるクローンヤクザに驚く様子を見てようやくただの偶然だと納得してくれたブラックシープだが結局、サンズリバーの渡し賃代わりに自らこの店の真実を明かし、ジェイクを殺そうとする。

ブ「ここは我らアマクダリ・セクトがネオサイタマ各所に隠し持つ、クローンヤクザ・アウトポスト……通称ヤクザキッチンのひとつだ!」
ジ「ヤクザ…キッチン…だと?」
ブ「違法飲食店に偽装しているのだ!」

だがすんでのところでクローンヤクザに変装して来店したニンジャスレイヤーが乱入し、ジェイクは辛くも脱出する。
その直後、瀕死状態で賞金稼ぎと再び遭遇し、窮地に陥るも何とか射殺。そのままブラックシープの爆発四散を見届け、ネオサイタマの闇へと消えていった。

『マグロ・サンダーボルト』

大トロ粉末の運び屋をしていたが、その仕事は「最高に笑える死に方」でジェイクを始末しようと、一定の速度で走り続けないと爆発する装置を準備したサムライヘルム・オブ・デス・ヤクザクランの罠に追い詰められていた。
逃走中、路傍で死にかけている男を見つけて服を着せ替え、追手と相打ちになったようにセッティング。

その男はジェイクとは全く似ておらず、本来わずかな時間しか稼げないはずだったが、
捜索担当のグレーターヤクザ・ハシバが先行きの不安からイルカの脳波を抽出した電脳麻薬でラリっていたためその場を切り抜け、
武器の補充のために裏で銃器や薬物も取り扱っている運動機器とビデオの店を訪れ大トロ粉末で銃を買おうとするが、
折り悪く立ち寄っていたサムライヘルム・オブ・デス・ヤクザクランのレッサーヤクザ・アベに捕獲され、店にあったそういうプレイ用の手錠をかけられる。

内蔵武器を警戒したアベはさらに店主に拘束衣も要求したが、品切れのため代用として何故か特殊プレイ用のイルカの着ぐるみを着せられ、組事務所へ運ばれる。*1
だがそこにはジェイクと間違えられて前述の装置を取り付けられ死にそうな目に遭ったニンジャスレイヤーの突入と急な呼び出しの裏の意図を邪推したハシバが引き込んだ敵対クランのカチコミでもはや誰もジェイクなど気にする者はおらず、
アベに盾にされて倒れていたところを撤退するハシバにいつもの幻覚と間違われて電脳麻薬工場へ連れ出され、拘束を外されるとハシバがこの一件について何か変な理解をしていることに気付いて一人スラム街へと逃げた。

なおニンジャスレイヤーは元凶二人とニアミスしていたことなどつゆ知らず、手柄目当てに途中で割り込んできたアマクダリ・ニンジャを首謀者と断定し(事情の説明も 「斬新な命乞い」扱いし)てひたすらマウントパンチを決めていた。

『デッド・バレット・アレステッド・ブッダ』

「偽札を刷る騒音で自分の安眠を妨害するブッダを逮捕した」と主張する男が、大型ショッピングモール・コケシマートに立てこもるという事件が発生。
犯人が要求した身代金3億円を政府から強奪することを目論むアウトロー集団の中に、ジェイクの姿もあった。

現金輸送車へ向かう途中でブッダ暗殺を企むブラックメタリスト軍団と交戦し、やむなく当初の予定とは違う形で立てこもり現場へ逃げ込むが、頭部を破壊するまで倒れないゾンビと遭遇
助けを求める先客からの連絡で、ゾンビがコケシマート内に大量にいること、3億円が既に運び込まれていることを知る。

一旦は先客を見捨てるジェイクとアウトローズだったが、3億円を運び込んだアマクダリ・ニンジャ、サクリファイサーと彼の作り出すゾンビに追われ合流。
金目当てのススム、ジェイク、クウェルト555とブッダ救出に来たセキトリの4人パーティーでゾンビをゲームの攻略記事みたいな地の文の表現で殺しながら進む。
主力のセキトリがサクリファイサーのスリケンで負傷する中、唐突に現れたニンジャスレイヤーに救われ犯人を射殺。

ネオサイタマへの未練はアソビ・パブで出会ったオイランのコナミくらいしかなく、3億円を手に入れたら故郷へ帰ると公言していたジェイクだが、
ブッダに被せられていた麻袋を外してその正体を知ってしまい、分け前の1億を手に入れると他の2人と別れてセキトリと同行、隠蔽に努める。
無数のゾンビとの死闘の果てに人生の意味を悟り安らかにニルヴァーナへ行くセキトリを看取ると、立てこもり犯に変装し、ブッダと共に犯人が要求したオキナワ行きのジャンボジェット機へ向かった。
なお.実力・人格共に人気の高いニンジャが過去に、オキナワで悠々自適の生活をすると言い残してフェードアウトしている(デス・ノボリ)ため、ファンは気が気でなかったとか……。

『アンエクスペクテッド・ゲスト』

そしてあっさりとオキナワで警察にとっ捕まり、中洲に建てられたスガモ重犯罪刑務所に投獄される。
刑務所内で、かつて賞金稼ぎとして投獄した連中に付け狙われる日々を送っていたが、そこにヨロシサン製薬の怪獣めいたバイオニンジャ「カンゼンタイ」を載せた空輸機が墜落。過去のエピソードで投獄されたヤクザたちや、偶然立ち寄っていたネオサイタマ市警の問題児連中が「カンゼンタイ」退治に総力を尽くす中、混乱に乗じてちゃっかりオキナワに逃れたブッダに預けておいた一億円を返してもらうべく、薬の横流しがバレかけてヤバい刑務所付きの医師と協力し脱獄を図った。

登場するたびに碌な目に合わないが、ニンジャと2度交戦して2度ともニンジャスレイヤーに助けられる形になったのは実際ラッキーな。
一度ニンジャスレイヤー史上に残る大ピンチを招いているのに

『クルセイド・ワラキア』

それから10年後。かつてルーマニアと呼ばれた国、ネオワラキアの鉱山都市では、世界各地から流れてきたアウトローやヨタモノや熟練工やハッカー達が一攫千金の夢を追い求め、危険と隣り合わせのタフな採掘生活を送っていた。その中にはジェイクの姿もあった。

ネオワラキアでは吸血鬼ブラド・ツェペシュが蘇ったという噂が流れていたが、ある日その噂の本人が自ら放送配信を行い、自らがニンジャだと明かす。
更には吸血鬼を滅ぼし、堕落市民を浄化せんと、<教会>が武装企業と人工太陽を引き連れて鉱山都市へ襲撃を仕掛ける。
人工太陽の光と熱で採掘者や市民は自然発火していき、ブラドの部下である吸血鬼ニンジャも再生能力が働かず苦戦を強いられる。その際にスガモでの経験を話して仲間を勇気づけようとしたが、当然のごとく作り話だと思われていた。ナムサン!
ニンジャすら手が出ない状況を見てジェイクも死を覚悟するが、そこにブラド・ツェペシュが現れて民を吸うべく人工太陽へ向かっていく。
人工太陽の電源を採掘場から取っていることを目撃していたジェイクと採掘チームメイトは、この隙に吸血鬼ニンジャと共に電源ユニットへ攻撃を仕掛けた。
最終的に人工太陽は無力化され、ブラド・ツェペシュの前に<教会>の戦力は壊滅、ネオワラキアは救われた。
そしてジェイクとチームメイトには勲章が授与された。

日本国外が舞台なので一部個所を除いてUNIX翻訳を使用しておらず、スラングも「ヤギのファック」「ファッキンバスタード」などとそのまま発言している。
その後は久々にネオサイタマへ行こうかと語っている。正直ケオス回になるので来ないでほしい

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最終更新:2024年03月01日 13:15

*1 アベや店主の名誉のために言っておくと、拘束衣そのものは店にはなく、代用にできそうなのがそれくらいしかなかったためイルカの着ぐるみを使うしかなかったのである。決して彼らの嗜好によるものではない。