アテナ姫(SNK)

登録日:2015/04/22 Wed 09:42:19
更新日:2024/01/03 Wed 08:46:19
所要時間:約 5 分で読めます




1986年にSNKより発売されたアーケード向けのアクションゲーム『アテナ』の主人公。
翌年に続編として発売されたアクションシューティングゲーム『サイコソルジャー』の主人公・麻宮アテナの先祖であり、
彼女の持つサイコパワーのルーツとなった人物である。


概要

冒険を愛し退屈を何よりも嫌う、ビクトリー王国のプリンセス。
王族の娘ながらおしとやかさとは無縁の14歳*1のおてんば娘である。
退屈極まりない城での生活を嫌い、帝王ダンテが支配する異世界・幻想界へと通じるお城の地下室の開かずの扉に飛び込んで、
帝王ダンテを打倒すべく冒険の旅に出てしまう。

退屈しのぎという理由だけでいきなり殴り込みをかけられた方にとってはいい迷惑だが、
FC版の発売告知チラシによれば、ダンテは長い間、王国にちょっかいを出してきた悪者だということで、
一応、殴り込みをかけるだけの大義はあるらしい。
また、彼女曰く、小さい頃から武術が得意だったそうで、「得意の武術でアイツらなんてイチコロよ!」などと
恐ろしいことをさらっと言ってたりする。




アテナ姫を象徴するものはなんといっても、その大胆すぎる赤ビキニ姿であろう。
彼女がデビューした1986年当時は、露出度の高いビキニ状のコスチューム、
いわゆる「ビキニアーマー」を身にまとって戦う少女戦士というキャラクター造詣がゲーム界にも根付き始めていた時期だった。
しかし、彼女の場合、その見てくれはどっからどう見ても「 ただのビキニ 」なのだ。
見たままだとそのまま水着に見えてしまうが、後述の通りドレスの下に着こんでるので下着と見るのが妥当なところか。
これは「 最初に何もつけていない所から始めた方がパワーアップ表現が分かりやすい 」という制作上の理由から来ているらしい。
「決してスケベ心からではありません」だそーで・・・。

確かにうなずける話ではあるが、わかりやすくするためとはいえ、限りなく全裸に近い半裸状態にするあたり、
この時代を鑑みるにいろんな意味で挑戦的かつ野心的だったと言わざるを得まい。
ゲーム開始冒頭、開かずの扉に飛び込んだ拍子に彼女が身にまとっていた赤いドレスがスポーンと脱げ落ちてしまう演出も、
ある意味、本作のイメージを象徴する名(迷)シーンだろう。

地面に立てた剣に肘をつき、口を半開きにして手前を見ているというアテナ姫のメインビジュアルは
当時の男性ゲーマーにとって相当にインパクトが強く、AC版のポスターやPOP、攻略本など、様々な媒体で用いられたこともあって、
アテナ姫そのもののイメージ、ひいてはこのゲームのイメージそのものを強く決定づける要素となっていた。

一方、ドット絵で元絵のテイストを再現するのはやはり大変だったようで、初期状態でのキャラの非情な弱さも相まって、
絵面と中身とのギャップにガッカリした人も多かったのも事実だったり。
(当時配布されていた公式攻略冊子内の漫画で、ビキニ姿のままバッタバッタと勇ましく敵をなぎ倒しているだけに、なおのことであった)
それでも彼女にたゆまぬ愛情を注ぎ、露出度の低下を惜しんで防具を一切取らずに全クリアを果たしたツワモノもいるのだから恐ろしいものである。

ちなみに、FC版のパッケージもAC版同様、ピンク一色のバックにアテナ姫のイラストがデカデカと描かれた、シンプルながらも派手なもの。
その上、発売当時稼働中だったサイコソルジャーのサントラカセットが封入されていたため、箱自体がかなりのデカさであり、
その分、余計に目立つ代物となっていた。さすがに男性プレイヤーがレジに持っていくには相当な度胸がいったことだろう。


サイコソルジャーの主人公である麻宮アテナとの関係については、公式で「先祖と子孫という間柄である」と語られているものの、
彼女の住むビクトリー王国が、サイコソルジャーの舞台である現代世界とどう繋がっていて、アテナ姫の血筋がどのように
アテナに連なっていったのかということに関しては、明確な設定は特に設けられていない模様。
当時の雑誌における制作者インタビュー内で「アテナ姫のその後が知りたい」という質問に対する回答の中で、
「アテナ姫の末裔が日本に渡り、麻宮家に嫁いでその娘がエスパー~」といった発言があるが、
冗談めかして語っていただけなので恐らく公式設定ではないだろ。
サイコソルジャーにおける宿敵・屍愚魔がかつて古代人の手で封じられたという設定なので、ひょっとするとアテナ姫も、
アテナと同じ世界の古代の時代に生まれた古代人なのかもしれない。


他作品での出演

ファミコンの野球ゲーム『ベースボールスター めざせ三冠王』の登場チーム『SNKバタリアンズ』のエースとして登場。
当時の公式イラストではアテナ姫がお馴染みのビキニ姿でマウントに立つという雄姿を拝めたりする。

KOFシリーズにおいては、『2000』にて麻宮アテナのストライカー専用キャラクターとして、ストーリーに絡まない形で
ゲスト的に出演したのみの1回きりであったため、ストーリーや原作設定上の絡みは今までに一度も描かれていなかったりする。
ファンタジー的世界観と現代を舞台にした世界観という違いに加え、アテナと名前が被ってしまうのがネックだからなのだろうか……
一応、『2002』『XIII』などでは超必殺技でアテナが先祖の姿に扮したりしている。

2003年に稼働したCAPCOMとのコラボによる格ゲー『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』で17年ぶりに表舞台にカムバック。
こちらでは設定変更が加わっており「神々の住む天界の国ビクトリー王国の守護者」という肩書である。
原作での無邪気なおてんばぶりや無鉄砲な一面は控えめで、天界を守護するという使命に対し真面目で実直な一面を持つ。
その一方、根が単純で思い込みの激しい一面もあり、使命に一途になるあまり、侵入者の素性や侵入の経緯の確認もせずに、
一方的に異物とみなして排除しようとする。……と、やや真面目すぎて融通がきかないといった感じの性格付けになっている。

本作ではレッドアリーマーと共に隠しボスとしての登場でCPU専用キャラクターであるため使用はできない(一部の家庭用のみ可能)。
他キャラのエンディングではダンの弟子にされたり、ヒューゴーと対戦を組まされたりしている。
全体的にクオリティが高めな本作のドット絵では、何故かやけに肌が白いため評価は良くない。
折角の大胆な露出も不知火舞の前では形無しである。

『NEOGEO BATTLE COLISEUM』では、ネオジオ出身キャラではないものの、『SVC』でのバックストーリーの後日談的扱いで再登場し、
隠しキャラとして続投している。

SNKのキャラクターたちが出演する携帯アプリ向けギャルゲー『Days Of Memorise』シリーズのDS版『3』では、
「初代(はつしろ) アテナ」と言う名前で麻宮アテナと共演を果たしている。
ただし、本作ではゲームの世界観そのものが原作のパラレルワールド設定であるため、親戚同士という設定になっている。

その後、20周年にあたる2006年に携帯アプリでリリースされたAC版の続編『アテナ フルスロットル』シリーズにて、
原作準拠のキャラクターデザイン・設定で再び再登場した。


アテナの今

SNKの元祖ヒロインであるアテナ姫だが、原作稼働後は他作品への客演やクロスオーバーものへの出演などの
大々的な動きがほとんどなかったこともあり、子孫である麻宮アテナが出演したKOFシリーズが息の長い作品になるに伴って、
影が薄くなってしまっている感は否めないところ。

格ゲーキャラとして出演した『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』『NEOGEO BATTLE COLISEUM』では
プレイアブルキャラクターとして操作できる機会が限られており、更に『NEOGEO BATTLE COLISEUM』は作品そのものの不評から
シリーズ展開もなく1作限りで終わってしまったため、格ゲーキャラとしての再登場も今のところ実現していない。

20周年に当たる2006年辺りはKOFも新作が途切れていた時期だったが、やはりSNKの代表的ヒロインとしての知名度は麻宮アテナの方が高く、
『98UM』からはKOFにも活気が戻って来たために余計に影が薄くなってしまった。

その上、20周年記念にあたる2006年にSNKプレイモアが開催したイベントでは、
なぜか「 麻宮アテナ の20周年記念」と大々的に告知されており、先祖である彼女を差し置いて子孫である麻宮アテナの名が
大々的にフィーチャーされる始末である。(いくらKOFシリーズの影響が強いからって、そりゃねーだろ……)

また、KOFが長くシリーズを重ねるにつれ、KOF以降でアテナを知った人が増えたことも影響してか、二人の名前を混同していたり、
同一人物だと勘違いしている人も多い。

更に、2014年にリリースが告知されたiOS向けの新作の紹介記事でもアテナと麻宮アテナが混同されている上、
作品のイメージ画像そのものにも堂々と「ASAMIYA ATHENA」と書かれている。
公式が本気で混同しているのかあえてそうしているのかはわからないが、あまりにもあんまり過ぎる扱いだろう……。


そんなこんなで、子孫の活躍ぶりにめげずにご先祖様には今後も頑張っていってほしいところである。

そして芋屋、ちゃんと区別しろ。

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最終更新:2024年01月03日 08:46

*1 FC版のチラシに「アテナ、もうすぐ15才」とある